第三話!
唯「ていうかねあずにゃん」
梓「はい。なんでしょう」
唯「純ちゃんに行くのに私必要無くない?」
梓「そんな事有りませんよ」
唯「私を何に使うのさ」
梓「例えばですね。唯先輩には純の目の前で憂に激しくスキンシップを取っていただきます」
唯「いや……私あずにゃんみたいな変態じゃないし、あんなフニフニ人前で出来ないよ?」
梓「……」ハァ
唯「え?なに?」
梓「いえ、やっぱり唯先輩に罵られても来ないなぁと思いまして」
唯「そっち!?」
梓「いつもどおり抱きついたりで良いんですよ。で、『あずにゃん羨ましい~?』とか話を振ってくれれば」
梓「私は『私だって純とするから羨ましくないもん!』っていう具合で純に抱きつける訳ですよ」
唯「なるほどねぇ。あずにゃんあったまいい~」
梓「当たり前です。私を何だと思ってるんですか」
唯「ド変態」キッパリ
梓「……うん、やっぱり来ませんね」ハァ
唯「なんかそれはそれで悔しい」シクシク
梓「そこからは憂と帰ってもらってですよ、私は純を手籠めにしますから」
唯「てごめ……」ゴクリ
梓「『ちょっと、梓。いつまでひっついてんのさ』だって……純とこんな事出来る機会滅多に無いし?いいじゃんたまには」
唯「おっとまた始まったね。二日ぶりのあずにゃん妄想ショーだ」
梓「純は……嫌?『いや、じゃ……無いけど』じゃあひっつく~ぎゅー」
梓「『ちょ……梓!もう……しょうがないなぁ』ねぇ、純?『なぁに?』」
梓「もっとこういう事したいんだけど……駄目?『もっと!?……って』」
がちゃ
紬「唯ちゃんあずさちゃんオ~ハ~」
唯「ムギちゃんオ~ハ~。ちょうど良いトコロに」
梓「例えば……キスとか『駄目駄目駄目!何言い出すかなこの子は!』え~」
紬「あら?梓ちゃんは今日もお盛んなの?」
唯「そうだね~。今は純ちゃん編だよ」
紬「へ~。じゃあ先にお茶入れるわね」
梓「『そういうのは好きな人とやるもんなの!』じゃぁ……いいじゃん『いあ?』」
梓「純の事、もっと知りたいな……『何?梓私の事好きなの!?』純は私の事……嫌い?」
紬「はい、唯ちゃんどうぞ」カチャリ
唯「あ、ありがと~」ゴクゴク
梓「『いや、嫌いじゃ無いけど』じゃあ好き?『え?』好き?『そりゃ……好きだよ』ホント!?」
紬「梓ちゃん、押すわねぇ~」コクコク
唯「録画しといた方が良かったかなぁ」
梓「じゃあキスしよ!『え!?』だって、好きな人とするもんだって純言ったじゃん『いったじゃんって……』」
梓「もういい!純の嘘つき!『あぁ!梓待って!』……何?『分かったよ。一回だけね』ホントに!?『純ちゃんは嘘つかない』」
唯「来年の新歓ライブで是非流してほしいよ」
紬「駄目よ~。そんな事したら部員が増えちゃうわ」
唯「え?何それ嬉しいけど嬉しくない」
梓「じゃあ、一回『ん……はい。コレでお終い!』え~ほっぺた~?それじゃノーカン。もっと純とイチャイチャしたいな~」
梓「『ちょっと!そんな大声で言わないの!』だってだって~!『分かった分かった!じゃあ続きは家に行って、ね!』」
梓「うん!じゃあすぐ帰ろ!『あっ、そんな急かさないでよ梓~!』」
梓「……ってな流れで行けますかね唯先輩!?」
唯「いや~、あずにゃん面白かったよ。あずにゃんが」
紬「うん。素晴らしい演技だったわ」
梓「あ、ムギ先輩。昨日は御馳走様でした」
紬「もう、梓ちゃんったら~。こちらこそ御馳走様でした」テレテレ
唯「挨拶がおかしいよ」
梓「で、どうでしょう?いけますかね?」
唯「あずにゃんが天国に?」
梓「そう、純とのベットインという天国に!」
唯「やっぱダメだこの後輩」
紬「梓ちゃん。一つ問題が有るわ」
梓「何でしょうムギ先輩」
紬「今の話だと、梓ちゃんが純ちゃんを好きだからベットインっていう流れよね?」
梓「そう言いくるめる事になりますね」
唯「もう騙す気満々だねこの子は」
紬「そうなると、ベットアウトした時には二人はカップルという事になっちゃうわよ?」
梓「ハッ!?」
唯「うん。さっきのは告白だよ?」
紬「それじゃあ私達みたいな体の関係とは違うんじゃない?」
唯「ちょっと、体の関係って」
梓「そうでした。私がほしいのは純の心じゃ無くて体だけでした」
唯「酷い!なんて酷い事言うんだいこの子は」
梓「ありがとうございますムギ先輩。すんでのところで助かりました」
紬「どういたしまして」
梓「じゃあどうしましょうか唯先輩」
唯「いや……体目当てで友達騙すような、そんな鬼みたいな子の相談もう聞けません」
梓「唯先輩のイジワル」ブー
唯「え~、なんで私が悪いの~」
紬「じゃあこうしましょう。梓ちゃん」
梓「え?ムギ先輩も協力してくれるんですか?」
紬「しちゃうしちゃう。純ちゃんと一緒にウチに泊まりに来ればいいのよ~」
梓「いいんですか!?」
紬「幸い今日は金曜日。明日明後日はお休みだし今晩でも明日の晩でも。一晩かけてみっちり味わいましょうよ」
唯「味わうって……」
梓「良いですねムギ先輩。ムギ先輩も純に興味あるんですか?」
紬「そういう浮いた話のなさそうな純ちゃんがベットの上でどんな風に乱れるのか、興味あるわ~」
梓「分かります!」
唯「分かんないよ!」
梓「純ってね、自分の髪の毛気にしちゃってるからほどいたりすると怒るんですよ」
紬「そんな純ちゃんも、可愛いわよ?」
梓「『紬先輩……私の髪の毛、変ですよね?』」
紬「そんな事無いわ、それとムギでいいわよ。純ちゃん」フー
梓「『あぁ、ムギ先輩……私、私』」
紬「みたいな!みたいな!」ハァハァ
梓「最高ですよムギ先輩!さっそく純に電話してみます!」ピッピッ
唯「あぁ、純ちゃん逃げて……」
梓「あ、純?部活終わった?あのね、明日から休みじゃない。ヒマ?」
梓「え?絶対無理って何。え?うん……うん……」
唯「お?純ちゃん偶然にも逃げれるかな?」ヒソヒソ
紬「事と場合によっては強行手段も辞さないわよ」ヒソヒソ
唯「ムギちゃんの強行手段とか、逃げられそうにないね」ヒソヒソ
梓「うん……そうなんだ。え?報告?良いよそんなの。楽しんできてね」ピッ
唯「どうだったの?」
梓「ムギ先輩、唯先輩。大変残念なお知らせです」ウルウル
紬「何かしら」ゴクリ
梓「純は『明日澪先輩との初デートだから梓に構う余裕なんか無い』ってー」ウエーン
唯「澪ちゃんとの初デート!?」
紬「え?ちょっとそれどういう事!?」
梓「なんかぁ、一昨日告白してぇ、オッケー貰ったとかでぇ」グス
唯「あの二人いつのまにそんなに仲良くなってたんだろうねぇ」
紬「澪ちゃんと……純ちゃん……」ズーン
梓「どうしましょうか、先輩方」
紬「そうねぇ。……じゃあ唯ちゃん、ウチ来る?」
唯「No Thank You!」
梓「ムギ先輩は唯先輩でもいけるんですか?」
紬「あら?梓ちゃんは唯ちゃんダメ?」
梓「そうですねぇ、来るモノは無いですね」
紬「梓ちゃん?考えてみて。何も知らないウブでネンネなこの唯ちゃんを、自分色に染める快感」
梓「……ハッ!唯先輩!お泊まりしましょう!」キラキラ
唯「もうお家帰る!」ピリリリ
紬「唯ちゃん。携帯鳴ってるわよ?」
唯「あ、憂からだ。『ごめんお姉ちゃん。今日帰り遅くなるからご飯は冷蔵庫にあるのを温めて食べてね』だって」
梓「憂にしては珍しいですね」
唯「あ、またメール。りっちゃんからだ。」
紬「りっちゃんから?」
唯「うん。『澪が明日大事な用が有るから今日は部活行けないってさ。練習にならないだろうから私も今日は帰る。明日和とデートだし』だって」
梓「畜生。あのデコ舐め溶かしてやろうか」
唯「あずにゃんがやさぐれちゃった」ピリリリ
唯「今度はさわちゃんからだ。……え?」
紬「どうしたの?」
唯「『憂ちゃん借りるけど、ごめんね』って……なにこれ?」
梓「多分……憂はさわ子先生のモノになったっていう事ですかね?」
唯「」
紬「『さわ子先生とイチャイチャするから帰りが遅くなります。お姉ちゃんはご飯温めて食べてね』って事?」
梓「ムギ先輩!それはちょっと言い過ぎな気が……ほら」
唯「もう誰も信じられないよ……ねぇ~トンちゃ~ん」
梓「あぁ、唯先輩がトンちゃんとイチャつき始めちゃった」
紬「ごめんなさい唯ちゃん。そんなつもりで言ったんじゃないの」
唯「いいんだよ~ムギちゃん。私はこれから一人で頑張るよ~」
梓「あぁ、唯先輩。お気を確かに」
唯「元はと言えばあずにゃんの所為じゃん!」
梓「え!?」
唯「もうやだー!後輩は変態だし友達も変態だし女の子同士でイチャイチャしてばっかだしもうやだー!」ビェーン
紬「あぁ……」
梓「ついに限界を超えてしまいましたか……」
唯「妹も先生も変態ばっかりだー!」ウェーン
紬「それは違うわ唯ちゃん!」
梓「そうです唯先輩!」
唯「え……」
紬「彼女達は偶然好きな相手が女の子だっただけで、何も悪くないわ!」
梓「そうです!私たちは女の子が好きなんじゃ無くて、その人が好きなんです!」
唯「ムギちゃん……の言葉はともかく、体目当てで友達騙す変態がそんな事言うなー!」バチーン
梓「あぁ!今のビンタと罵り方良いですね!キュンって来ました!」キラキラ
紬「梓ちゃんも、これで唯ちゃんでもいけるわね」
梓「はい!ありがとうございますムギ先輩!さぁ唯先輩!今夜は楽しみましょう!」
唯「もう嫌だこの後輩―!」ビェーン
END
さわ憂!
さわ子「ゴメンネ憂ちゃん、こんな事手伝わせちゃって~」
憂「いえ~。いつも姉がお世話になってますから」
さわ子「これだけの書類整理、一人じゃとても今日中には終わりそうにないもの。助かったわ本当に」
憂「どういたしまして」
さわ子「外も暗いし、送って行こうか?」
憂「大丈夫ですよ。そんなに遠くも無いですし」
さわ子「そう?」
憂「お姉ちゃん心配してなきゃいいけど……」
さわ子「さっき私からも『憂ちゃん借りる』ってメールしておいたから大丈夫よ」
憂「そうなんですか。お姉ちゃん分かるかなぁ?」
さわ子「そういえば返事無いわねぇ……」
憂「家に帰ったら改めて説明しておきます」
さわ子「ホント出来た子ねぇ」
憂「それほどでも」
さわ子「手伝ってくれたお礼に、今度唯ちゃんと一緒に何か御馳走するわ」
憂「え!?悪いですよそんなの」
さわ子「いいのよ少しくらい。たまには大人に甘えなさい」
憂「はぁ」
さわ子「唯ちゃんにもリクエスト聞いておいてね」
憂「はい」
さわ子「それじゃあ気をつけて帰るのよ」
憂「はい。それでは先生さようなら」
さわ子「はい、さよなら~」
END
いちご「私は特にフォローも無し?」
姫子「いちご?どうしたの」
いちご「別に……」
姫子「明日休みだし、今日はいちごの家にお泊まりだね」
いちご「別にいいけど」
姫子「もっと喜んでくれても良いのに~。……止めとく?」
いちご「来てくれた方が……いい」カァ
姫子「わお!か~わい~!」ギュー
いちご「もう。知らない」スタスタ
姫子「あ!待ってよいちご~!」タタタ
END
これにて終了でございます。
お目汚し失礼いたしました。
本当は律の話だけ書き溜めてたんですけど
思ったより使用レス数が少なかったのと
紬「え?」
っていうレスされたのを見てその場の勢いと閃きで二話以降書いちゃいました。
何か結局ただただ梓(と途中からムギも)が変態なだけの話になってしまいました。
ここまで目を通して戴いた方、真にありがとうございます。
最終更新:2011年05月25日 20:36