――ホテルの一室――
格ゲーマー「HAHAHA!!」
格ゲーマー「OH! ダイゴ!」
ウメハラ「?」
格ゲーマー「20!」
ウメハラ「オーケー」
ときど「ウメさん、稼いでますか?」
ウメハラ「ぼちぼち」
KO!
格ゲーマー「OHHHHHHHHH!!!!」
ウメハラ「サンキュー」
澪「……す、すごい」
梓「現ナマが飛び交ってます。こんなに狭い部屋でこんなことが行われているなんて……」
ウメハラ「30」
格ゲーマー「おーけー!」
格ゲーマー「ビースト! ダイゴイズビースト!!」
ウメハラ「ハハハ」
澪「なんかすごいな。アメリカ人がいっぱいの部屋で、一番なのは私たちと同じ日本人
の梅原先生なんだから」
梓「そうですよね。ここにいる人がみんな、ウメハラ先生を尊敬しているんですもの」
ときど「あれ?」
澪「やばっ」
ときど「秋山さんに中野さん。どうしたの? なにかあった?」
梓「えと、えと……」
ウメハラ「……」
梓(叱られる……!)
ウメハラ「興味あったんでしょ? 入ってきな。見てるだけなら賭けなくてもいいから」
ときど「だってさ。来なよ」
澪「あ、ありがとうございます」
格ゲーマー「?」
澪「ひい!」
ときど「大丈夫だよ。取って食おうってわけじゃないんだ」
澪「本当ですか?」
ときど(ドキっ)
ときど「だ、大丈夫大丈夫。なななな、なにかあったら俺が守ってあげるよ」
澪「よかったぁ……」ほっ
梓「――」じー
ウメハラ「……」タンタン
格ゲーマー「……Oh」タンタン
KO!
ウメハラ「うん」
梓(すごい……まるで手足みたいにキャラクターが動いてる。これが……ウメハラ)
ウメハラ「面白い?」
梓「は、はい! このゲームって、見てるだけでも面白いです!」
ウメハラ「そっか。でも、やってみたらもっと面白いと思うよ?」
梓「私なんて、ウメハラ先生みたいにできませんよ!」
ウメハラ「それは無理だよ」
梓「ですよねー」
ウメハラ「でも、楽しむのに技術はいらないよ。それが好きっていうことだけで楽しめる
から」
梓「あ……」
ウメハラ「今は無理だけど、日本に帰ったら教えてあげるよ。澪だって、興味あるんで
しょ?」
澪「……はい」
ウメハラ「じゃあ、部活の合間に格ゲーでもしよう。学校でも、少しはプロゲーマーでいるの
も悪くないね」
梓「お、お願いします!」
澪(ウメハラに教わるなんて、夢みたいだ……!)
ウメハラ「うん。それじゃあ、二人はそろそろ帰りな。ときど、送ってやって」
ときど「アイアイサー」
梓「それじゃあ、おやすみなさい。がんばってください」
ウメハラ「ありがとう。おやすみ」
――次の日――
律「まったく。ウメちゃん所行くならそう言ってくれればよかったのに」
澪「言ったらついてくるだろ」
律「それはもちろん」
澪「だから言わなかったんだ」
律「でもさー。こっちも大変だったんだぞ。さわちゃんの愚痴を延々延々と聞かされて。
ムギはよく同じ部屋にいられるよ」
澪「ムギは人の愚痴でも楽しみそうだよな」
律「確かに。あ、唯たちいた」
唯「遅いよりっちゃん!」
律「ごめんごめん。澪のトイレが長くってさー」
澪「そんなわけないだろ! お前が忘れ物したからだろ!」ごつんごつん!
律「いったい!」
紬「今日でル―ザーズも含めて全試合を終わらせるんですよね」
ウメハラ「うん。そうみたい。詳しくは知らないんだけど」
ときど「ウメさん、知っときましょうよ! ……決勝で会いましょう」
ときど「フフフ」とことこ
唯「決勝で会いましょうだって。すごいね」
紬「なんだか憧れる台詞です」
ウメハラ「いや、ただかっこつけたいだけだよ」
梓「ありゃりゃ」
律「ウメちゃんの相手はリッキーか。どんなプレイヤーなんだ?」
梓「全米トップクラスの人間性能の持ち主です。早い話が最強のプレイヤーです」
律「そりゃすげーなー。でも、ウメちゃんは負けないだろ」
ウメハラ「まあね」
澪「さすが梅原先生だ」
唯「それと並行してル―ザーズもやるんだって」
律「ときどさんも応援しないとな!」
紬「うん!」
さわ子(飲み過ぎて頭痛い……)
リッキー「あらダイゴ。チャオ」
ウメハラ「……」
リッキー「このあいだのリベンジしにきたんだけど、相変わらず無愛想さんね」
ウメハラ「……」
リッキー「まあいいわ。私のルーファスちゃんがあなたをぼっこぼこにしちゃうんだから」
ウメハラ(なに言ってるかわかんねぇ)
梓「ウメハラ先生は当然リュウ。リッキーはルーファスのウルコン2ですね」
澪「弾抜けか」
梓「それに、跳びも抑制できます。ただ、ウメハラ先生はあのウルコンの弱点を知ってる
はずです」
グーテックス「さあ! 世界選手権スーパーストリートファイター4部門も、二日目! 今日
でフィナーレだ! ダイゴやジャスティンなどの有力選手に加え、超新星のU&Iが割り込ん
できた! もちろん、ルーザーズのTOKIDOやアレックスも忘れてはならないぞ!」
唯「こうして、世界選手権の二日目が開始しました!」
ウメハラ「――」タンタン
リッキー「♪~」タンタン
梓「……手に汗握る試合です」
律「そうだな……。ん?」
観衆「レッツゴー! レッツゴージャスティン! レッツゴー! レッツゴージャスティン!」
律「すごい歓声だな。あそこの試合か」
sako「――」ッタタタタタタン
ジャスティン「――――」タンタン
澪「sakoさんがんばれsakoさん頑張れsakoさんsakoさん……!」
ジャスティン「!?」
キャミィ「キャノンスパ――キャノンスパイク!!」
KO!
ジャスティン「GG」
sako「Thank you only for here. It was a beautiful game. 」
澪「すごい。流石はsakoさんだ。英語も完璧だ」
グーテックス「おおっと! ここでジャスティンがルーザーズへ落ちてしまったぞ!」
ジャスティン「まあいいさ。これから上がっていけばいい。まだチャンスはあるんだ」
グーテックス「おっとB台に注目だ! ここは日本人同士の戦いだ! NUKI対U&I!」
ヌキ「アイ! アイ! アイイイイイイイイイ!!!」
春麗「千烈脚!!」
U&I「……」
グーテックス「NUKIが1本とった! このまま決まってしまうのかー!?」
U&I「――こんなものでいいですか?」
ヌキ「この声は……!?」
U&I「このレバースティックでも大丈夫なように練習しましたから。もう、負けません」
ハカン「いくでぇ!」
KO!
ヌキ「あ……あ……」
U&I「このままもう一本とりますね」
グーテックス「強い! 強いぞU&I! NUKIの春麗が付いていけない!」
KO!
ヌキ「アィィ……」
U&I「ありがとうございました」
ときど「ヌキさんまで負けた……。あの子、一体何者なんだ!」
sako「日本人でここまで強かったら話題にならん筈がないわな」
ときど「はい。もしかして……」
sako「トレモ勢ってやつかもしれんな」
ときど「そんな! ハカンのトレモでできることなんて――」
sako「確かに大したことはあらへんな。ただ、実際問題、キミとヌキくんが負けとるんや」
ときど「……次は、sakoさんが戦うんですよね」
sako「せやなー。でも、観衆は俺と梅原くんの試合を期待しとるやろ?」にやり
澪(sakoさんかっこいい……)
リッキー「……負けたわ。完全敗北よ」
唯「ウメちゃん先生が勝ったよ!」ぐっ
ハイタニ「――――」タタン
マーン「―――――」ダダダダっだダダ!!!
ハイタニ「……ふう」
梓「すごい! さすがは五神! 噂通りの魔王のような雰囲気――!」
ハイタニ「……これで終わりですね」
ヴァイパー「ハァ!!!!」
KO!
マーン「ハァーハァーハァー!!!」
ハイタニ「次はウメハラさんか。最強の盾を貫くのは最強にぶっぱなしでありたいよね」
sako「決勝で待っとるで。ぶっぱなしてるところ以外のところも見せてみ」
ハイタニ「面白い。僕のぶっぱなしがsakoさんに炸裂する」
ときど「すごいなー。これが格ゲー五神かー!! って、俺もそうかー!」
ヌキ「U&Iには気を付けてください。sakoさん」
sako「……ああ。ありがとうな」
ウメハラ「――」
ときど「ルーザーズを勝ち抜かないとなー」タタン
サビン「――」タン! タン!
ときど「よし。ヨガブラストミスったな」
豪鬼「一瞬千撃!」
ダルシム「ヨガアアアアアアアアアア!!!!」
ときど「フフン」のっしのっし
ヌキ「ぶふっ!」
sako「なにやっとるん!?」
ハイタニ「これは……」
ウメハラ「きもちわりいなぁ」
唯「ときどさんの背中に『天』だって!」アハハハハ!!
観衆「わあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ときど「それじゃあ、ウメさんと戦うまでもう負けられないので」
サビン「申し訳ないが、彼はビッチだよ」
グーテックス「と~き~ど~さ~ん!!」
ときど「いやー、魅せてしまいましたね。我ながら」
ウメハラ「まあまあ面白かったよ」
ときど「そのために白いTシャツ着てきたんですよ。本当は決勝でやりたかったんですけど
ねー」
紬「あれ、またやってください!」キラキラ
ときど「ま、まっかせておきなさい!」
ウメハラ「さて、俺の試合か」
ときど「ハイタニくんでしょ? 五神対決か~」
ウメハラ「だから、それなんだよ」
梓「ウメハラ先生とハイタニ。どっちが勝つんだろ」
律「そんなの、ウメちゃんに決まってるだろ!」
sako「それじゃあ、いってくるわ」
ヌキ「気をつけて」
U&I「フフフ」くすくす
グーテックス「それじゃあウィナーズセミファイナル! レディー! ファイっ!」
ウメハラ「ヴァイパー?」
ハイタニ「はい」
ウメハラ「じゃあ、リュウ」
sako「ハカンやろ?」
U&I「今回はハカンでいこうかと」
sako「だったらローズやな」
唯「ウィナーズの4人が全員日本人だよ」
澪「これって、すごいことなんだよな」
律「すごいって。世界選手権なんだぜ?」
梓「ウメハラ先生……」
ウメハラ「それじゃあ、始めるよ」
ハイタニ「おっけーです」
sako「始めますか」
U&I「はい!」
…
ときど「ウメさん……動きがオカシイ」
梓「明らかにヴァイパーに動かされてます」
ヌキ「ウメちゃん……」
ウメハラ「――?」タンタタン
ハイタニ「――!」タンタンバンタン!
ヴァイパー「ハァ!」バン!
澪「まずい! 浮かされた!」
リュウ「うわああああああああああああ!!!!」
KO!
ウメハラ「……」
紬「梅原先生が負けた……」
ハイタニ「貫いたね」
唯「ウメちゃん先生が、ルーザーズに……」
梓「……ウメハラ先生、もしかして――!」
U&I「いきます!」タン!
sako「させへんで!」タタン!
ローズ「リフレクッ!」
ハカン「スライディイイイイイイイイイイイイン!!!!」
U&I(すごい……! これが話に聞く格ゲー五神――! 一度戦ったヌキさんとは違って
やりにくい!)
sako「よう頑張ったなお嬢ちゃん。でも、これで終わりや!」
ローズ「魂が導くままに!」
澪「sakoさんがソウルサテライトを張った!」
U&I「それはどうでしょうか」
sako「――な!」
ハカン「避けてみぃイイイイイイイイイイ!!!」
ローズ「きゃああああああああああ!!!!」
KO!!
sako「今のは一体……」
澪「あ……ああ……。うおおおおおおおおおおおおおお!!!!! sakoさん最強!!!」
最終更新:2011年05月26日 22:37