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回想!

小さい頃、私達の家は火事にあった。

原因は不明、その火事で父と母は亡くなり、私と澪は孤児院に行く事になった。

それから数年後。

ブラックトレーダーと名乗る男が孤児院にやってきた。

私達姉妹を引き取りたいと言う。

身寄りの無い私達に断る理由は何もなかった、それ以上に慕う人が出来る事が嬉しかった。

その男の事を私達はお父様と呼んだ。

お父様が喜ぶ事なら何でもしてあげたいと思った。


・・・初めは。


人を傷つけたり、物を奪ったり、たくさんした。

それでもお父様が喜んでくれるから・・・

私達はそれだけを考えていた。


ある日澪が倒れた。

その日もとある場所から物を奪いに行く日だった。

しかしお父様は日をずらす事はしなかった。

私は一人で行くことにした。

しかし澪はお姉ちゃんを一人に出来ない、私も一人で居たくないと付いてきた。

この時思った。

澪が居れば、他には何もいらない。

二人でどこか遠くで、静かに暮らそう。

いつしかそう思うようになってきた。


お父様と慕っていた男に想いを伝えた。

怒られると思った。それは私達二人とも覚悟していた。

しかし男は驚く事も無く、許可をしてくれた。

ただ、最後のミッションのクリアと引き換えだと一言言い放った。

私達は迷う事無く快諾した。

これでもう自由になれるんだ。

澪と二人で・・・どこか遠くで・・・。


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唯「・・・そんな事があったんだ・・・」

律「理由はどうあれ、唯、ムギを傷つけた事には変わりない、すまなかった・・・」

唯「りっちゃん、澪ちゃん」

澪「・・・」

唯「話してくれてありがとう」ニコッ

律「・・・唯」

唯「ほらね、話したらすっきりするでしょ!私もムギちゃんも痛いの吹き飛んじゃったよ!」

紬「うふふ」

唯「辛い時は何でも話してね!もう友達なんだから!」

澪「・・・ゆ・・・い・・・」グズッ

紬「うん!元気だそっ!」

律「・・・ムギ」

澪「うぁぁぁぁぁん」


唯「よし、じゃあムギちゃん天使の涙を取り返しに行こうか!」フンス

紬「ええ!」

律「・・・場所わかるのか・・・?」

唯「・・・えっ」

紬「あ・・・」シュン

澪「・・・」クイッ

紬「ん?澪ちゃん?」

澪「私達も付いていく、決着をつけたい」

律「案内するぜ」

唯「え、いいの!」

律「うん、お父様・・・いや、ブラックトレーダーと決別したい」

紬「りっちゃん・・・」

澪「本当に自由になって・・・みんなで軽音をしたい・・・」

唯「澪ちゃん・・・」

澪「もっとみんなと・・・話したい・・・」

唯「そっか、んじゃ行こう!みんなで!」ニコッ

「「「「おー!」」」」


――――

律「ここがブラックトレーダーのビルだ」

唯「ほええええええ、大きいねえ!」

澪「防犯ロボットなども常に動いているから安心は出来ない」

紬「気をつけて行かないとね」

律「とりあえず裏口から28階まで直行のエレベーターがあるから、そっちから行こう」

唯「はいっ!ありがとね、りっちゃん」

律「降りてからはロボが居たりするから壊しつつ上に向かうよ」

紬「わかったわ」

澪「エレベーターは使えないから階段で向かう」

唯「階段・・・ちなみにここ何階まで・・・?」

澪「100階」

唯「」

律「途中エレベーターもあるから大丈夫だ」

唯「ほっ」

紬「エンジェルアローっ!」

ズドーン

律「消えてなくなりなさいっ!」

チュドーン

唯「ふえ~数が多いよぉ・・・」

澪「唯ちゃん危ないっ!」

唯「えっ!?」

紬「しまったまにあわないっ」



「ふっ」


ズドーン

唯「み、ミスティナイト様っ!」

和「大丈夫だったかい?」

紬「ありがとう」

和「ここは私に任せて君達は先に進みなさい」

律「よしっ行こう」

澪(今日学校で会った誰かに似てる)


タッタッタ


唯「ミスティナイト様かっこいいねぇ~好きになりそう///」

紬(和ちゃんってまだ気付いてないのね)



60階!

唯「ふぅ・・・」

律「ちょっと厳しくなってきたな・・・」

澪「うん・・・」

紬「散開せずに、役割分担して進みましょう」

律「お、いいね」

紬「アタッカーの唯ちゃん、澪ちゃんは突っ込んで行って」

律「私とムギは後方支援か」

唯「よーし!がんばるよ!

澪「うん・・・!」

唯「エンジェルゥゥゥインパクトォォォォ!」

※ただのキックです

ドギャァァァァァァァァァン

「うわー」「ぐへー」「にげろー」

律「唯すごいな・・・」

紬(天ノ遣の力とは言え、あんなに威力が出るものなの・・・?)

律「ムギ危ないっ!」

ドカーン

紬「ありがとう、りっちゃん」

律「いえいえ~」

唯「むっ・・・」

澪「うっ・・・」

律「どうした?なんかいたのか?」

唯「なんかプヨプヨしてる敵が居て」

澪「剣が刺さらない」

紬「魔法で攻めましょう、りっちゃん」

律「そうだな」

5分後!

律「魔法も・・・通りにくい!」

紬「うん・・・」

唯「こいつ無視して先行こうか・・・!」

澪「でもどうやって・・・」

唯「私が引き付けるよ!」

紬「唯ちゃん・・・」

唯「大丈夫だよ!鬼ごっこには自信あるんだ~!」

律「唯・・・」

唯「りっちゃん、きっとすぐ行くから、ムギちゃんを宜しく!」ダッ

紬「よし、じゃあ行きましょう!」

律「ムギ・・・いいのか?」

紬「唯ちゃんなら大丈夫、ツインエンジェルだもの」ニコッ

澪(これがツインエンジェルの強さか)

律「よし、行こう!唯待ってるよ!!」

唯「おー!」ニコッ


80階!

律「この階にあるエレベーターで最上階まで行けるんだ」

紬「あと少しね」

澪「うん」

律「待ってろ・・・お父様・・・」

澪「・・・うん」


60階!

唯「はぁ・・・はぁ・・・このプヨプヨほんとどうしよう・・・」

唯「エンジェルトルネードを突き抜けちゃうし・・・」

「だらしないわねっ!」

ドッカァァァァァン

唯「だ、誰!?」

「エンジェルボム!」

ドギャァァァン

唯「プヨプヨが散っていく!すごい!

「やっぱり紬お姉さまのパートナーには私がいないとダメね」


最上階!

「おかえり、ツインファントム」

律「お父様・・・任務は達成しました、約束を・・・」

「そうだったな、ご苦労だった」

澪「・・・」

「しかし天使の涙を奪いに来たのだろ?」

律「・・・それは」

「じゃあ私の敵だと言うことだ」

澪「・・・!」

「私を倒して自由を得ろ、ラストミッションだ」

紬「くっ・・・すごい圧力」

「天ノ遣を継ぐ者か」

紬「あ・・・あなたはもしかして」

「前の天ノ遣の持ち主によって最近まで封印されていた・・・」

紬「おばあさまね・・・」

「この恨み、晴らさせてもらおう」

紬「・・・!」

「はぁぁぁっ!」ブォォン

紬「きゃっ・・・!」

「どうした、天ノ遣の力はそんなものじゃないだろう?」

律「澪!」

澪「・・・うん!」

律「いくよ、パワー送る!」

澪「うぅ・・・・・・!」バリバリ

律「・・・くっ!出来たっ」

澪「うぉぉ!」バリバリ

澪「くらえ!!」

「くっ・・・!」バシッ

澪「ぐぐ・・・!」

「ふ・・・そんなものか・・・」

澪「うわっ!」バタッ

律「澪!」

紬「エンジェルアローッ!」ビュッ

「そんな力無い矢などきかん」バシッ

「そんなもので私を倒そうとしてたのか・・・ガッカリだ」

紬「くっ・・・」

「もう終わりにしようか」




梓「エンジェルボムっ!」

唯「エンジェルトルネード!」

「うぉっ!」

紬「きゃっ!」

律「ボムがとんでくr」

澪「!!」

梓「ゆ、唯!トルネード一緒に打っちゃったらボムが散らばるでしょ!」

唯「てへへ~」

梓「これだから・・・」

唯「ごめんごめん」

紬「梓ちゃん!」

梓「紬お姉さま!お待たせしました!ホワイトエンジェル登場ですっ!」

「くっ・・・」

律「お父様・・・今までありがとう・・・」

澪「違う形で会えていたら私達・・・」

「情けは無用だ、律、澪」

紬「りっちゃん・・・澪ちゃん・・・」

「全力でかかってこい!」

唯「りっちゃん、澪ちゃんのお父さん」

「お前が天ノ遣のパートナーか・・・前任者によく似ている」

唯「天使の涙は取り返させてもらいます!」

紬「あなたを倒す事が私達の願いではありません」

「ふ・・・いつの時代も天ノ遣を継ぐ者は甘いな・・・」

唯「そりゃそうだよ!」

紬「私達もお父様が居なくなったら寂しいから・・・」

唯「悪いお父さんだけ倒させてもらいます!」

紬「エンジェルアローッ!」

唯「エンジェルインパクトォォォォ!」

ドッカァァァァァァン!!

「う・・・うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」



唯「みっしょん!」

紬「かんりょう!」

唯紬「「大成功!!」」


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翌日!

紬「唯さん、遅刻しちゃいます!早く早く!」タッタッタ

唯「まだ・・・眠いよムギちゃん・・・」

梓「まぁ・・・あんまり寝れなかったからね・・・」

唯「お、前方にどこかで見たことある姉妹発見!!」

紬「りっちゃん!澪ちゃん!」

律「お、みんな!」

澪「遅刻しちゃう・・・」

唯「よし、競争だっ!」


放課後!

唯「ぐー・・・」ZZZ...

梓「爆睡ですね・・・」

紬「ほとんど寝れなかったから私も眠いわぁ・・・ふぁぁ」

律「おつかれさま!」ガチャ

澪「こんにちは」

紬「りっちゃん、澪ちゃん、昨日はお疲れ様!」

律「ありがとうな、ムギも梓も・・・唯も」

紬「お父様は・・・?」

律「うん、今回は逮捕されたけど、生きていて良かったよ」

澪「うん」

梓「戻ってきたらまた一緒に住めるじゃない!」

律「あぁ、そのつもりだ」

紬「今度は・・・」

律「もう大丈夫だ、お父様が出てきたら静かに暮らしていくよ」

澪「今度は私達がお父様を止める、安心して」

紬「うふふ、二人とも強くなったわ」

唯「・・・はっ!」ガバッ

律「唯、おはよう」

澪「おはよう」

唯「おおおお!りっちゃん澪ちゃん!」ダキッ

律「!!」

澪「唯///」

唯「えへへ~新しいお友達が出来て嬉しいよ///」

律「ありがとう」

澪「うん///」

唯「あ、そういえば・・・」

唯「ムギちゃん?」

紬「なぁに?」

唯「昨日のお昼の事なんだけど」

紬「?」

唯「一晩中戦ってたからあの本のおかずの意味聞きそびれちゃったなーって」

紬「!!」カアッ

梓「そんな締め方するのっ!?」

斉藤「紬お嬢様」シュタッ

紬「どうしたの?」

斉藤「二丁目交差点で引ったくりが」


唯「ムギちゃん!」

紬「梓ちゃんも!」

梓「はいです!」




終わり



最終更新:2011年05月27日 00:18