音楽室
ガラガラ
律「あれ?琴吹さん?」
唯「2人共、むぎちゃん入ってくれるって~!」
澪「平沢さん。高良さんは…」
みゆき「あの、申し訳ありません入部希望だったのですが…」
律「別に何人でもいいんだしさ、高良さんにも」
唯「ごめんなさい高良さん」
唯「軽音部はもう揃ってしまいましたのでお引き取りを~!」
みゆき「あ、あの」
ガラガラピシャッ
紬「あの、さっきの方は…?」
律「平沢さん、ちょっとあれは」
唯「みんなごめんね。でも平気だから」
澪「(何が平気なんだ…)」
律「ま、まぁとりあえず揃ったな!私達の軽音部」
澪「琴吹さん、本当にいいの?合唱部は」
紬「あ、はい…」
唯「大丈夫だよ澪ちゃん!むぎちゃんが一番楽しそうだったもん」
紬「……」
律「とりあえず本格的な活動は明日からだな。各々楽器とか」
唯「あ!」
律「ん、どうしたの平沢さん?」
唯「な、何でもないよ(ギー太まだいないんだった…弾けるとか言っちゃったのに)」
律「よーし、じゃあ帰るか」
唯「え?」
澪「また明日な」
紬「それでは」
唯「ちょっと待って!」
律「ん?」
唯「あの、活動開始記念に写真とろうよ」
律「お、いいね!平沢さんカメラ持ってきてるのか」
唯「え?いや澪ちゃんが(まただ…)」
澪「確かにあるけど…(何で知ってるのよ…)」
律「それじゃ澪ので撮るか!はいちー」
パシャ
唯宅
唯「ふぅ…」
唯「ギー太どうしよう」
唯「もう変な事しない方がいいよね、このままいけばまた買えるはずだよ」
唯「うん、そうしよう!」
憂「お姉ちゃん~ご飯だよ」
唯「ういー」
唯「(あ、お金要るんだ5万円)」
唯「憂、実はね」
憂「へぇ~!お姉ちゃんギター弾けたんだぁ!」
唯「まぁねぇ!」
憂「いいよ、お母さんに一緒に頼んであげる」
唯「ありがとう憂~(いい感じいい感じ)」
翌日放課後
唯「こんにちは~」
律「おーっす唯」
唯「!!」
唯「りっちゃん隊員~!」
律「わわっ」
唯「(戻ってる、戻ってきてるよ)」
紬「こんにちは~遅くなってごめんなさい」
律「何そのティーセット?」
紬「あ、これは平沢さんが…」
唯「えへへ~」
澪「こんにちは」
唯「澪ちゃん~!」
カチャ
紬「はい。どうぞ」
澪「これは…?」
唯「むぎちゃんが持ってきてくれたんだよ~」
紬「す、すいません…」
澪「そう…ごめんね琴吹さん」
律「よーし、じゃあ食べおわったら早速合わせてみるか!」
唯「え?」
澪「そうだな」
紬「はい」
律「あれ?平沢さんギターは?」
唯「あ…えっと、実はまだ無くて~」
澪「え?平沢さんギターやってたんじゃ」
唯「うん。ちょっと前のやつが昨日壊れちゃって!」
澪「そ、そうなんだ(本当に弾けるのか…?)」
律「そっか~じゃあ今度の休みにギター見に行こうぜ!」
唯「おー!」
紬「あの、すいません私その日は用事が…」
唯「え…」
律「そっか~じゃあ3人でいくか!」
唯「ちょ、ちょっと待って。むぎちゃんの来れる日がいい」
紬「え?」
唯「今日の部活後は?だめ?むぎちゃんの都合に合わせるから」
紬「え、ええ。今日なら」
澪「(私らの都合はお構いなしかよ…)」
10CIA
唯「えーっと…」
澪「平沢さんどれ買うかもう決まってるの?」
唯「え?あ、いやまだ」
唯「(あった)あーこれかわいい!」
律「ん?それ25万円もすんぞ?」
唯「え?ほんとだー!(バイトからだよね)」
紬「……」
律「あっちに安いのあるぜ」
唯「うーこれがいいなぁ(早くりっちゃん…)」
澪「平沢さん予算は?」
唯「ご、5万円しか(あれ…またおかしい…)」
律「うーん。私も自分の欲しいドラムセット値切って値切って買ったけどさすがにこれはなぁ」
唯「あ、あのむぎちゃん」
紬「はい?」
唯「ええっとその…ここってむぎちゃんの所の系列のお店なんだよね?」
紬「え…そうだけど…」
律「マジで?」
澪「す、すごいな」
唯「だからその…ま、まけてもらったり無理かな?なんて~えへへ」
紬「えぇ!」
律「唯、さすがにこの額でそれはきついと思うぞ」
澪「(ちょっと非常識過ぎないか‥)」
唯「そ、そうだよね!ごめんね。冗談だよジョーダン!」
律「なんだ冗談かよー!この~」
唯「へへ。ごめん今日帰るね」
ダダッ
律「え?」
澪「ひ、平沢さんギターは」
紬「あの…昨日平沢さんに言われたんですけど」
10CIA
キョロキョロ
唯「みんな帰ったかな」
唯「ね、ねぇギー太」
……
唯「あなたが私を戻してくれたんでしょ?ねぇ…返事してよ」
……
唯「ねぇ!」
唯「なんか色々違うんだよ…ギー太も手に入れられないし…」
唯「答えてよなんか…」
―――――
律「昔4人でやってたぁ?」
澪「私達がか…?」
紬「ええ…昨日私を誘う時そんな事を」
律「どういう意味なんだ一体」
紬「わからないけど私怖くてそれで…」
澪「そういえば私達の名前も知ってたよな…」
律「うーん。悪い子には思えないんだけどなぁ」
紬「さっきのギターも最初から決まってたみたいな様子だったし…」
澪「私もなんか怖くなってきた…」
澪「ねぇ律、もうやめない?」
律「えぇ、なんでだよ!」
澪「私なんか平沢さん怖いよ…」
紬「ごめんなさい私も…」
律「でもさぁせっかく」
律「あれ?唯?」
澪「え?帰ったんじゃなかったのか?」
律「おーい唯ー!」
澪「ちょ、ちょっと律」
唯「え?あ…」
律「帰ったのかと思ってたよ。何でまた楽器屋から?」
紬「あら、そのギターは…?」
唯「うん。とりあえず手頃なの買ってきたの」
唯「早くみんなと演奏したいし…」
律「そっかぁ!」
澪「……あの、平沢さん」
唯「なに澪ちゃん?」
澪「何で私達の名前とか最初から知ってたの?」
唯「え?それは…」
澪「それと琴吹さんに言った昔私達4人はって言うのは…(怖くない怖くない怖くない…)」
律「おい澪。いいじゃんかもう」
紬「ごめんなさい平沢さん。でも私もどういう意味なのか聞きたいの」
唯「……」
律「唯?」
唯「みんな死ぬんだよ…」
澪「え?」
唯「みんな3年後に死んじゃうんだよ!?」
紬「一体何を…」
唯「みんな3年後の武道館ライブ決行の日、移動中に車が事故って死ぬんだよ…」
澪「や、やめて!何言ってるの…」
唯「今度は絶対みんなを死なせないよ。今度は全部わかってるんだから。信じて」
律「お、おい唯」
紬「ごめんなさい私帰ります!」
律「待てってむぎ!」
澪「もう私…軽音部辞める…」
タタッ
律「おい澪!」
唯「……」
律「はぁ…唯、どうしたんだよ一体」
唯「何でわかってくれないのみんな…私は…」
律「唯、ちょっとうち寄ってけよ」
律宅
律「ふぅ。やっぱり私ら死んじゃってたのか」
唯「え…?りっちゃん?」
律「最初から何か変だとは思ってたけど」
律「唯、やっぱり未来から来てたんだな」
唯「りっちゃん…りっちゃんもなの?」
律「どうも事故の後の記憶が無くてさ」
律「気付いたらまた桜高入学式の日だったんだよ」
唯「私は…」
唯「りっちゃん達が亡くなった1年後からギー太が…」
――
律「なるほどなぁ。」
律「私はこれが夢か何なのかもわからなくてさ、どうせならまた同じように軽音部作りたかったんだけど」
唯「ごめん…私がいっぱい勝手な事したから」
律「澪達はどうなんだろうな」
律「所々おかしいんだよ。本来むぎはあの日の放課後音楽室で会うはずだったんだ」
律「もしかしたら」
琴吹邸
紬「……」
斎藤「お嬢様、今よろしいでしょうか?」
紬「……」
斎藤「し、失礼しました」
紬「唯ちゃんなんで私を…それに死んだって…」
紬「あの後の記憶が無いのってやっぱり…それに今までの行動も…」
澪宅
澪「怖いよ…私は誰なの…」
澪「それに、さっきの唯の台詞…」
澪「あの事故の事?私、死んだの…?」
澪「アレは全部夢だと思ってたのに唯が来てから…」
律宅
律「明日澪とむぎにも聞いてみよう」
唯「でもまた今日みたいに…」
律「私も同じだって言えば平気さ。それに」
律「これは考えようによっちゃ強くてニューゲームだぜ」
唯「?」
翌日
律「おーい澪ー!」
澪「律…」
澪「軽音部ならもういかないからな」
律「お前タイムスリップしてね?」
澪「!?」
律「なぁ。卒業間近、武道館行く途中で」
澪「やめて!!!」
澪「やめて…なんであんたまで…私は死んでない‥死んでない…」
律「落ち着けよ」
澪「あれは夢だ!夢なんだよ…」
律「澪、私もなんだよ」
澪「…?」
律「私も、あの後の記憶が無いんだ。どうもあの後唯以外死んじゃったみたいでさ」
澪「!!」
澪「ならなんでここにいるのよ…それに唯は…」
律「唯の話によると」
―――
律「というわけだ」
澪「……」
律「そのギターをあの時唯が持ってたわけだし、私らもタイムスリップしたとしてもおかしくないだろ」
澪「でも私達はその病院で死んでるんだろ…じゃあなんで今ここに…」
律「わかんない。でも私達は今生きてるんだ」
律「またこのメンバーでバンド出来るんだぜ?どうでもよくないか?」
澪「……」
――――
唯「あの、むぎちゃん」
紬「ひぃっ!ひ、平沢さん」
唯「ごめん…あのね、何であの時音楽室に来ないで合唱部の方に行ったの?」
唯「合唱部は音楽室と思ってたんじゃ」
紬「…やっぱり、唯ちゃん」
唯「!」
紬「唯ちゃんなの…3年間一緒に過ごした…」
唯「むぎちゃん!」
紬「私、何で生きてるの?」
紬「あの後の記憶が無くて、昨日の唯ちゃんの言葉を聞いて確信したの」
紬「なんで…?」
唯「昔、むぎちゃんに買ってもらったあのギー太がさ」
音楽室
律「なんていうか久しぶりだな!みんな」
澪「…」
紬「あの…お茶入れるわね」
唯「みんな…!私前みたいにまた軽音部やりたい」
唯「私がなんで未来から来れたのかわからないけど、でも」
律「よっしゃー!おい、演奏やろうぜ」
唯「りっちゃん…」
律「澪ーベースの弾き方忘れてねーだろうな?」
澪「わ、忘れるわけないだろ」
紬「あの武道館で歌うはずだった歌、やりましょう!」
澪「えぇ!?私が歌うの?」
唯「みんな、ありがとう…」
ジャンジャンジャンジャン
さわ子「こ、この演奏…」
ばたんっ
さわ子「あ、あなた達!?一体何者…?」
唯「あ、さわちゃん先生!」
律「さわちゃん!」
紬「さわ子先生!」
澪「先生!」
さわ子「あなた達、もしかして…」
唯「え?」
~2年後~
Mステーション
現役高校生バンド!放課後ティータイムの皆さんです~!
タモリ「現役高校生なの!?」
律「はい!」
タモリ「そこの小さい子も?」
梓「あ、はい…」
唯「タモさんひどーい!」
タモリ「タモさん!?」
竹内「このデビュー曲のふわふわ時間は彼女達が1年生の時に文化祭で」
竹内「それでは放課後ティータイムでふわふわ時間。福山雅治さんで化身。2曲続けてどうぞ」
律「いやー緊張したなぁ!」
紬「生放送はねぇ」
唯「澪ちゃん大丈夫?」
澪「う、うん…」
梓「澪先輩ステージでは凄く決まってるのに…」
律「誰か楽屋に帰りの挨拶いっとくか?」
律「こんにちはー!」
福山「あーきみたちぃ」
唯「放課後ティータイムです!」
紬「今日はありがとうございました」
福山「初出演だっけぇ?高校生とは思えないねぇ!」
澪「(正確には20歳くらいだもんな…)」
梓「次はタモリさんですね」
唯「タモさんタモさん~!」
タモリ楽屋
タモリ「このように、奇妙な運命を歩む事になった彼女達」
タモリ「しかし今これが現実であるのかは、わかりません」
コンコン
すいませーん!放課後ティータイムです!
タモリ「おっと、客人のようです」
END
最終更新:2011年06月02日 21:23