~翌日

リョーコ「ミサキ…。アンタ、狙われてるわよ」

ミサキ「え…」

リョーコ「昨日のアレを見たでしょう?」

ミサキ「た、確かに昨日はちょっとびっくりしちゃったケド、なんていうか愛の形はそれぞれですし…」

アイ「そうですよ。愛の形は…」

アイ「アイの形ついでだけど、私のはお椀形で乳首は…」

マサヒコ「聞いてません」

リョーコ「そうじゃないわよ。ミサキ、あなた、あの子からどこかに誘われたりしなかった?」

ミサキ「あ…、そういえば、おいしいたい焼き屋さんがあるから一緒に行こうって…」

リョーコ「やっぱりね」

ミサキ「な、何が…」

リョーコ「あの子は、たい焼きじゃなくて、アンタを食べるつもりってコト」

ミサキ「」

ミサキ「なっ…、なななξ≠ζ※∽」

アイ「ちょ、ちょっと先輩!唯ちゃんがあっちの人っていうのは間違いないとして」

アイ「本命はあの後輩の子じゃないんですか?」

リョーコ「確かに、本命はあの子でしょうね」

アイ「じゃあ、なんで…」

リョーコ「わからない?これは一種の繁殖なのよ」

アイ「繁殖…?」

リョーコ「彼女達のような人達は、いくら愛しあっても、子供は作れないわね?」

アイ「はい」

リョーコ「じゃあ、どうすればいいと思う?」

マサヒコ「どうすればって…?」

リョーコ「誰かを自分達の世界に引き込んで、仲間を増やすのよ」

ミサキ「そ、そんな…!?」

リョーコ「ミサキ、自分の家で授業してる時、胸、マッサージさせてない?」

ミサキ「な、なぜそれを…」

リョーコ「前にここでリンにもしてたからね。全く、いいエサだわ」

リョーコ「普段から、スキンシップを繰り返して警戒を解いたところで、一気に…ってところね」

リョーコ「そして、あっちの世界の住人となったミサキがアヤナやリンを…。その次は…」

ミサキ「…」ガタガタ

マサヒコ「そんな人には見えなかったケド…」

リョーコ「アンタには興味がないだけよ」

リョーコ「アヤナやリンには大喜びで抱きついてたのにアンタには何もしなかったでしょう」

リョーコ「ま、ここはどこに座っても両手に花だからね…」

リョーコ「あ、あの子にとっては両手に豆か」

マサヒコ「無駄なオチですね」

アイ「もし、それが本当だったらどうするんですか!?」

リョーコ「もちろん止めるわよ。本命の子がいるわけだし。何より、無理矢理なんて言語道断。女同士であってもね」

リョーコ「それに、ね」チラ

ミサキ「え…」

アイ「あ…」

マサヒコ「何…?」

アイ「それで…、どうやって止めるんですか?」

リョーコ「ミサキ、今日授業あるんでしょ?」

ミサキ「え、ええ…」

リョーコ「ここに隠しカメラがあるから、これをミサキの部屋に仕掛けるわ」

リョーコ「私達は、ここで様子を見て、危なくなったらすぐに飛び込む…。コレで行きましょう」

アイ「先輩…、ミサキちゃんのためにここまで…」

ミサキ「先生…、私、先生のこと、誤解してました…」

リョーコ「何、かわいい生徒のためよ」

マサヒコ「ところで、何でこんなモノ持ってるんですか?」

リョーコ「ああ、アイツ(豊田)の部屋に仕掛けて普段どれだけ自家発電を…」

マサヒコ(不敏すぎる…)


マサヒコ「そういえば、いま気づいたケド、今日は若田部と的山いないんですね」

リョーコ「今日は欠席。場合によっては血を見ることになるかもしれないからね…(貫通による)」

マサヒコ「まさか、そんな…」

リョーコ「さ、早く準備するわよ」


~監視室(マサヒコの部屋)

アイ「ミサキちゃん、ずいぶん緊張してるみたいですね」

リョーコ「無理もないわ」

マサヒコ「そろそろですね」

アイ「あっ!来ましたよ!」

リョーコ「さて、どうなるか…」


~30分後

マサヒコ「全く勉強しませんね」

アイ「ずっとギター弾いてる…」


~1時間後

アイ「まだギター弾いてる…」

マサヒコ(家庭教師ってどこもこんなモンなのか?)

アイ「あっ、立ち上がった!」

マサヒコ「カバンから何かを…」

リョーコ「バイ〇か!?」

マサヒコ「…」

アイ「お菓子ですね…。どうやら休憩みたいです」

リョーコ「チッ」

マサヒコ「何で残念そうなんだよ」

アイ「ミサキちゃんもいつの間にか緊張解けちゃってますね」

マサヒコ「やっぱり思い過ごしなんじゃ…」

リョーコ「いや…」

リョーコ「さっきより、距離がかなり狭くなってる…」

アイ「本当だ…。何話してるんだろう」

リョーコ「それじゃ、そろそろマッサージ始めよっか?ダメだよ~、ちゃんとやらなきゃ大きくならないよ~」

アイ・マサヒコ「え!?」

リョーコ「…的な事を言ってる気がする」

アイ「そんなコト言ってる間に、唯ちゃんがミサキちゃんの後ろに!」

リョーコ「来たか…!」

アイ「腕を胸に回して…」

アイ「激しく揉みだしたー!!」

マサヒコ「先生声でかい」

マサヒコ「大変だ、早く行きましょう!」

リョーコ「ああ!ついに押し倒した!」

マサヒコ「ッ…!」ダダダ

マサヒコ「ミサキ…!」

マサヒコ「やめろー!」スパコーン!

唯「ぎょえ~!」


唯「…いや~、そうだったんだ…」

唯「変な誤解させちゃって、申し訳ありません…」

マサヒコ「オレもつい勢いでやっちゃったケド、押し倒してなんかなかったじゃないですか…」

リョーコ「いや~、ああ言えば、盛り上がるかなって」ケラケラ

唯「確かに、私はあずにゃんと恋人同士だけど、あずにゃん一筋だから、安心していいよ!」

ミサキ「アハハ…」

アイ「もしかして、あの写真の子達も…?」

唯「え~、実はそうなんです」

リョーコ「ま、私達はそんなコトで差別したりはしないわ」

唯「本当ですか!?うれしいなあ~」

リョーコ「ところで、別に男が嫌いってわけじゃないんでしょ?」

唯「はい、ただ、恋愛対象があずにゃんってだけで…」

リョーコ「だったら、マサにも抱きついてあげれば?そしてあのシチュを…」

マサヒコ「それもういい」

唯「いや~、それはダメですよ~。年頃の男の子に変な気を起こさせたら大変だし~」

マサヒコ「はあ…。なんか疲れた…。ミサキ、トイレ借りるな」

ミサキ「うん」

アイ「唯ちゃんって意外にちゃんとわきまえてるんだね」

唯「いや~。それに…」

唯「ミサキちゃんって、マサヒコ君のコト好きなんでしょ?」

ミサキ「」

ミサキ「なななななな、なにを…」

唯「まるわかりだよ~?流石に、そんなコトできないもんね~」

ミサキ「」バタ

マサヒコ「あれ…。ミサキどうかしたんですか?」

リョーコ「ちょっとね~」ニヤニヤ

アイ「うん、ちょっとね」ニコニコ

唯「そうそう、ちょっとね~」キラキラ

マサヒコ「はあ…?」




おまけ・episode1

~寮

唯「私も、アルバイトすることにしました!」

澪「そうか、なんのバイトだ?」

律「コンビニか?」

唯「家庭教師」

律・澪・紬「












唯「な、何…。この間は…」


紬「あ…!幼稚園くらいの子のお受験対策ね?」

澪「そ、そうか、それなら…」

唯「中学生の女の子だよ。今年受験生の」


律・澪・紬「













唯「だ…、だから何なの?」


律「唯…、悪いことは言わない。やめておけ」

澪「人様の子供の人生を狂わせたら責任とれないぞ」

紬「きっと、唯ちゃんにはもっと相応しい仕事があると思うわ」

唯「ちょっと…、みんなひどすぎない?」

唯「私だって、名門N女子大に通う、大学生だよ!」

唯「いまさら、中学生の勉強で苦労したりはしないよ!」

律「…まあ、そう言われれば、そうか」

澪「いくら唯でも、そこまでじゃないか」

唯「そうだよ。『いんすーぶんかい』みたいな難しいのもでないしね!」

澪「唯…、因数分解ってモロに範囲じゃ…」

唯「え」

唯「…………」

唯「澪ちゃん、ムギちゃん、ちょっと私の家庭教師やって…」

律「やっぱりやめたほうがいいんじゃ…」





おまけ・After


~ライブハウス

唯「こっちこっち~!」

アイ「こんにちは~」

リョーコ「今日は、招待してくれてありがとね」

唯「楽しんでってね~」

律「その人達が、家庭教師の?」

唯「そうだよ~」

律「いつも唯がお世話になっております」

澪「ちゃんと先生できてますか?」

ミサキ「はい、とても優しくて面白い先生です」

アヤナ(この人達が、金色夜叉…)

アイ「やっぱり、みんなはプロを目指してるの?」

律「いやあ…、もし、そうなれればいいなとは思いますけど」

アイ「大丈夫大丈夫、きっとなれるよ。早く出演料もらえるといいね」

アイ「私も、教師になりたいんだケド、お給料もらうほうと出演料もらうほうのどっちにしようか迷って…」

マサヒコ「迷っちゃダメでしょ」








最終更新:2011年06月02日 21:45