ーその夜 田井中家ー

律「ぅうっ…」

律「…右頬が死ぬほど痛い」

律「…でも澪の愛を感じるぜ……澪に悪いことしたな…」

律「澪…私のこと好きなんだよな…」

律「……」

トントントン…

律「(!…誰か階段登る音がする)…澪?」

…ガチャ



紬「ドルルーッス!!♪」

律「ああ…紬か…おいーっす!♪お土産そこ置いて、まぁ5分くらいで帰れよな♪」

紬「ドルン♪」

ー5分後ー

律「なんかこのケーキ鉄くさいな」

トントントン…

律「(!…今度こそ澪か)…澪?昨日は…そのごめんな…?」

ピタッ

律「ぁっ…そのままで聞いてくれ…なんかさ…唯にフラレて…自分でもびっくりするほどショックでさ…」

足音の人「…」

律「あんな姿見せちゃってごめんな……でも…澪にひっぱたかれて少し目が覚めたよ…」

律「もう唯のことは…諦めることにした…!!」

足音の人「!」

律「いつも支えてくれてありがとな、澪。だから…これからも…私の傍にいてくれよ…」

タタタタッ…

…バタンッ

律「あれ…?澪?なんでそこで帰るんだよ…(汗)」

ト"ゥルルル…ト"ゥルルル

澪「はいもしもし?起きたのか律…どうした…?」

律「どうしたじゃねー!なんで急に帰るんだよー!一人であんなこと言ってて恥ずかしいじゃんかよぉ!」

澪「は?帰る…って?」

律「へ?…あれ?さっき…うちんち…来た…よな?」

澪「行ってないけど…?」

律「…てことは…あれは…」

澪「……(そうか…行ったのか…唯…」

律「うわああああああああああ!!!!しくったあああぁぁああ!!!!」


ー同時刻 公園ー

唯「ハァ…ハァ…あれ…っ…私…なんで全速力で逃げちゃったのかなぁ…」

唯「あ…はは……やだなぁ…なんか…走ったからかなぁ…?」

唯「ハァ…胸が…苦しいよぉ…りっちゃん…」

唯「………ふぁっ!」ピーン

唯「…なんか…今なら…歌詞…書ける気がする…」

ー同時刻 田井中家ー

律「ごめん…私…文化祭出ない…」

澪「えっ!?何言ってるんだ…?」

律「唯にどんな顔して会えばいいか分かんない…から…」

律「すまないけど…ドラムは…紬の右半身にでもやらせてくれ…」
澪「何言ってんだ…律…っ!…律がやんないと意味ないだろ!」

律「澪…」

澪「4人でけいおん部だろ…っ?!」

律「……しばらく旅に出ます…」

プツ…ツーツー…

ー文化祭当日 公演まであと10分ー

澪「とうとう律来なかったな…」
唯「……ね」ニコッ

澪「……唯」

紬「……ドゥル…ルル」

唯「…ぁっムギちゃん、給油給油!演奏中止まっちゃうよぉ」

澪「ぁーあ、せめて演奏だけでも聞かせたいなぁ~…せっかく唯が新曲作ったのに…」

紬「…ドゥルルン!!」

澪「…え…何だって…!?」


澪「律の体に小型スピーカーを取り付けた……だと!?」

紬「ドゥリュルァア!!」

澪「…こんなこともあろうかと…?…なんと……ケーキに仕込んでおいたのか!!」

紬「バフン♪バフン♪」

澪「紬…やるじゃないか…!もしかしたら律が演奏聞いて戻ってくるかも…」

澪「やったぞ、唯!これで律に…」

唯「……澪ちゃん」

澪「…ん?…どうした…唯?」

唯「私が歌詞書いた曲あるでしょ」

澪「ああ…」

唯「やっぱり私が歌っても…いいかな?」

澪「…!」

唯「…///」

澪「……もちろんだっ!♪♪」


ーその頃 北海道ー

パクパク

律「はー♪コーヒー生クリーム大福うますぎー♪」

律「……」

律「…今頃…公演の最中だろうな……何やってんだ…私」

~♪~♪

律「…ん?何か…私の腹から何か聞こえるような…」

律「…えっ…澪の歌声…?」

律「これは…もしや今日の公演の…?」

律「怖っ…!何で…私の腹から…?!…はっ…唯の声だ…」

唯「イェーイみんなー恋してるぅー?!次の曲は私が歌詞を書いて澪ちゃんが曲を作ってくれました♪…黄色いカチューシャの君?聞いてるかなー?!」

律「…!」

唯「……私ね…今まで人を好きになったことなくて…好きって感情が…よく分かんなかった…。」

律「……唯…?」

唯「でも…君に会えて…やっと…こんなに苦しくて…痛いのが『好き』ってことなんだって気付いたよ!」

律「……唯…」

唯「だから…帰ってきてよ……りっちゃん…!!」

律「唯…っ!!」


律「今すぐ唯に会いたい…っ!!でもどうすれば…(汗)」

ドゥルルルルルルルル…!!

律「なっ…何だ…っ?!空から…」

ドルンドルンドルン…!

律「…あっ!…あれはもしや…!!」ゴクッ


唯「黄色いカチューシャの君……りっちゃんに捧げます…っ!」

唯「『ふわふわ変時間』!!」

唯『ピーッ! を見てるといつもハートDOKI☆DOKI ゆれる思いは ピーッ! みたいにふわ☆ふわ』


律「紬の自家用ジェット機!!なんで場所が割れたんだ…?」

ジェット機「ドルル…ッ!」

律「ぁあ…この腹の中の小型スピーカーに発信機も内蔵されてたのか…なるほどなっ!!

律「そうと決まれば…ヨイショ…」

律「いざっ…愛の力で唯の元へ!」

ドリューン…ッ!!!!!


唯『あぁカミサマお願い二人だけのHENTAI TIME ください☆お気に入りの ピーッ!ちゃん抱いて
今夜もおやすみ ふわふわヘンターイム ふわふわヘンターイム♪』


澪「(なんか…会場が冷えきってる気がするが…気のせいだよな…)」

澪「あれ…先生達が大勢でこっちに来るぞ…」

先生「こらー!今すぐ演奏を中止しなさーい!!」

澪「うわぁ…まずいっ!やっぱり歌詞が卑猥すぎたか…!」

澪「唯…っ!どうする…!?」

唯「澪ちゃん…続けて!最後まで演奏しよっ!」

澪「……で、でも先生達がやってくるぞ…っ!」

さわ子「続けなさい!」

唯・澪「先生!」

さわ子「先生達は私がなんとかするわ!だから、止めるなんて許さないんだから…!」

澪「でも…先生…どうやって…!?」

さわ子「なぁに☆大人には大人の対処法があるのよ♪任せなさいっ♪」

唯「…さわちゃん先生」

さわ子「それに…」

さわ子「私は好きよ…あなたの歌、…荒々しくて禍々しくてそれでいて率直な……これが恋なのね!…頑張って、唯ちゃん☆」

唯「…はいっ♪」

さわ子「この子たちの性春の邪魔をすることは私が許さなくてよ…!それが例え先生方でも…!」

ババババッ

先生「うわぁあっ!!さわ子先生なんてはしたない恰好を!!?」

さわ子「私のゴールドフィンガー&秘密道具で…極楽にイカせてあげるわっ」

ブィンブィンブィン…!

ブブブブブブブブ…!

ドゥルンドゥルンドゥルン…!

先生「うわぁ!先生…っ…あっ…やめ…ナニを…アー…ッ!!」

さわ子「ほーら…ほーら…♪」

先生「ぁっ…生徒達が見てるのに…ぃ…ぁっ…ぁっ…ぁあ…っ!!」ビクビクビクンッ!

澪「これが大人の対処法かぁ…」キラキラ


澪「(何か会場が異様な熱気に包まれて来たぞ…!今なら行ける!)」

唯「続けよう!…澪ちゃん!」

澪「ああ!」

唯「…ムギちゃん!」

紬「ドリュッ!」

唯「せぇーのっ!」

唯『あぁ カミサマお願い 一度だけの
Miracle Timeください!
もしすんなり話せればそのあとは
どうにかなるよね 』

澪「すごい…っ…会場と一体になってる…!」

唯「みんな一緒にぃー!!」

澪『ふわふわヘンターイム♪』

紬『ドリュドリュドルドールン♪』

唯『ふわふわヘンターイム♪』
会場『ワアアアアアアア!!!』

澪「…やったっ!成功だ!♪」

バァン!!!

唯・澪「!!」

律「ハァ…ハァ……唯っ!!!」






最終更新:2010年01月15日 02:57