―――

和純「ごちそうさまでした」

憂「お粗末さま あ、そうだ もう夜になっちゃったし、もう少ししたらお風呂入る?」

純「わっ もう八時になるんだ・・・ でも誰から入るの?」

憂「じゃあ和ちゃん一番でおねがい」

和「え? 別に構わないけど、憂の家だし憂が一番じゃなくていいの?」

憂「いいの 私と純ちゃんは後から入るから」

和「そう・・・なら先にお風呂もらうわね」

和「タオルよし、着替えも持った じゃあ先にお風呂もらうわね」

純「ごゆっくり~」

ガチャ バタン

純「さて、憂 和先輩がお風呂から出るまで何しよっか?」

憂「・・・・」

純「憂?」

憂「ねぇ 純ちゃんは和ちゃんの事、どう思ってる?」

純「え?どうしたの憂 急に」

憂「いいから 好き?嫌い?」

純「それは・・・かっこいいし優しいし頭もいいし尊敬してるけど、ちょっとまだ・・・」

憂「つまり好きだけど純ちゃんは距離を感じるって事?」

純「まぁ、ってか何でそんなこと聞くの?」

憂「それはね・・・」ゴニョゴニョ

純「えっ!?」

憂「ふふっ どうする?純ちゃん」

和「ふぅ・・・」ゴシゴシ

和(憂も純ちゃんも仲良くやってるみたいで安心ね)

和(でも、何で憂にあんなことを聞いちゃったんだろう)

和(私がいなくても憂には他にも友達がいるし、唯だって大学へは家から通うかもしれない)

和(本当に寂しいのは憂じゃなくて・・・)

ガラッ

和「!!」

憂「和ちゃん、おじゃましまーす」

純「お、おじゃましまーす・・・///」

和「憂、純ちゃん あなたたち後で入るって言ってなかった?」

憂「うん だから『和ちゃんが入った後』に入りにきたよ」

純「いやぁ 和先輩ともっと仲良くなるには裸の付き合いが必要だって憂が・・・」

和「もう 三人で入ったら狭いでしょ」

憂「大丈夫だよ ほら、ギリギリ」

和「はぁ、まったくもう」

純「あ、じゃあ和先輩 背中流しますよ」

和「ええ、どうせダメと言ってもやるんでしょ

  しっかりとお願いね」

純「わかりました では・・・」ゴシゴシ

憂「どう?和ちゃん?」

和「悪くないわ そのままお願いね純ちゃん」

純「はいっ」ゴシゴシ

純「・・・・・」ゴシゴシ

純「あの 和先輩・・・」ゴシゴシ

和「ん? 何かしら?」

純「私、和先輩がうらやましいですよ 頭もいいし、かっこいいし

  綺麗だし、髪もさらさらだし・・・ 私が持ってない物全部持ってるようで」

和「何を言い出すのかと思ったら そんなこと言ったら、私だって純ちゃんがうらやましいわよ」

純「えっ た、例えば?」

和「そうね・・・え~っと・・・・・・・・」

純「ないんですか・・・・?」ガーン

和「い、いや ちょっと言葉にしにくかっただけよ

  ほら、明るく元気よくみんなを引っ張っていけるところとか」

純「そうなんですか・・・?」

和「ええ、ほら、今年が終わったら私や唯たちも卒業しちゃうでしょ?

  分かってると思うけど、憂はあれで寂しがり屋だし

  憂や梓ちゃんは多分つらいと思うけど顔や口には出さないと思う」

和「でも、そこで二人を元気づけられるのは純ちゃんしかいないわよ

  私でも、誰でもない 多分純ちゃんにしかできない事」

純「私にしかできない・・・」

和「そう 純ちゃんの知り合いも卒業して、純ちゃんも寂しくなると思う

  でもそこで下をむくんじゃなくて、みんなで支え合って前に進んで行ってほしいわね

  ・・・ってごめんなさい 話がずれすぎた上に説教くさくなっちゃったわね」

純「いえ、何だか自分に自信が持てた気がします! ありがとうございます」

和「うん、ならよかったわ」

憂「和ちゃん いい話だったけど、お姉ちゃんや和ちゃんがいなくなっても私寂しがらないよっ」

和「そうかしら? ねぇ、純ちゃん」

純「今日だって寂しいってメールもきたし

  そういえば唯先輩が修学旅行に行った時にだって、憂が教室で・・・」

憂「あ、あ~!!だめっ! 純ちゃん言っちゃだめっ!///」

純「はいはい、言わないよ あ、和先輩、背中洗い終わりましたよ」

和「ありがとう、なかなかよかったわよ

  じゃ、私は湯船で温まってるから、次は憂と純ちゃんも体洗っちゃいなさい」

憂「じゃあ今度は私が純ちゃんを洗ってあげるよ」

純「でもそれじゃ憂の体が洗えないじゃん」

憂「う~ん あ!じゃあこうしよっか 純ちゃんこっち向いて」

純「ん?何するの?」クルッ

憂「ふふふ こうやって二人で向き合えばお互いを洗えるよ!」

純「おお さすが憂」

憂「よし、じゃあ洗うよ純ちゃん」ゴシゴシ

純「私もー って手が邪魔だよー憂」ゴシゴシ

憂「ごめんね でも純ちゃんの手も邪魔でちょっと洗いづらい・・・」

純「・・・・・・」

憂「・・・・・・」

純「やっぱり自分の体は自分で洗おう!」

憂「そうだね!」

和「・・・何やってるのよ」ハァ

純「よし 洗い終ーわった 早く湯船で温まろー」

憂「じゃあ私、和ちゃんのうしろー」

純「私まえー」

和「だから3人じゃ狭いって・・・もう」

憂「えへへ 一緒に温まってると心も繋がる気分~」

純「ごくらくごくらく~」

純「・・・なんかこうやってよくよく見ると、和先輩ってスタイルもいいですよね」

和「そう?なんか照れるわね」

憂「えへへ~」ニコニコ

和「なんで憂が嬉しがってるのよ」

純「おなかも出てないし、スマートだし、胸も私より大きいし

  ・・・あの、ちょっと胸を触ってもいいですか・・・?」

和「えっ 純ちゃんもしかしてそっちのケが・・・?」

純「い、いえっ! ただ綺麗でなんとなく触ってみたくなって

  ダメ・・・ですか?」

和「まぁ女の子同士だし、構わないけど・・・」

純「ありがとうございます それじゃあ・・・」ソーッ

純「・・・・・・」プニッ

憂「どう?純ちゃん」

純「何だか大人な感じの柔らかさ・・・」

和「なによそれ」フフッ

憂「でしょ! 和ちゃん、お姉ちゃんと同じくらい柔らかくて気持ちいいんだ~」モミモミ

和「ちょっと、憂までなにやってるの」

憂「和ちゃん勉強に生徒会に大変でしょ? だから肩揉んで疲れを取ってあげようと思って」

和「ありがとう ・・・つぅっ」

憂「どうしたの?和ちゃん?」

和「ちょっとのぼせちゃったみたいね・・・悪いけど先に上がるわ・・・」クラッ

純「おっと!大丈夫ですか」ガシッ

憂「純ちゃん、一緒にリビングまで運ぶよ」

純「うん」

―――

憂「和ちゃ~ん・・・」

純「大丈夫ですか・・・」

和「ええ、ありがとう・・・・だいぶ良くなったわ」

憂「よかった、でもまだ動いちゃだめだからね」

純「そうですよ、安静にしてないと」

憂「そうだ、夜もここで寝ちゃおうよ お布団持ってくるね」トテトテ

純「あ、憂 私も手伝うよ」トテトテ

和「あ、ちょっと・・・ もぅ」

憂「和ちゃ~ん」

純「おまたせ~」

和「のぼせたぐらいなんだからわざわざ布団持ってこなくても

  もうちょっと休めば動けるわよ」

憂「だって私の部屋のベッドは3人で寝るには小さいんだよ?」

和「そうね でも私がベッドの下に布団敷いて、憂と純ちゃんがベッドで寝ればいいんじゃない?」

憂「でもそれじゃ和ちゃんに抱きつけないから・・・」

純「あ、あの、私も・・・」

和「もう、はいはい 二人とも好きにしていいわよ」

憂「ありがとう和ちゃん!」ギュー

和「抱きつくのは寝るときにしなさい」

憂「じゃあもう寝よっか」

和「確かにもう十時だけど・・・」

純「お昼寝したからまだ眠くないよ」

憂「じゃあお話でもしながら寝ようよ」

純「そういえば、家に着替え取りに行って戻ってきた時

  憂と和先輩は部屋で何の話をしてたんですか?」

和「あれは唯や私がいなくなったら、憂はどうするか聞いてたのよ

  でも、いらない心配だったみたいね 純ちゃん、これからも憂と、梓ちゃんとよろしくね」

純「はい! よしっ 憂、これからもよろしくっ」

憂「うん また今度、梓ちゃんも誘って一緒にどこか遊びに行こっか?」

純「いいねそれっ! 夏だしプールとか!」

憂「そうだね あとで梓ちゃんにメールしよっか」


憂「あっ でも和ちゃん、私が聞くのもアレかもしれないけど

  私やお姉ちゃんと離れたら本当は和ちゃんも寂しい?」

和「ええ、もちろんよ 私の志望する大学はここからは遠いし、ここを離れて暮らすと思う

  唯は多分、私とは違う所に行くと思うわ

  幼稚園から高校まで、ずっと一緒だっただけに別れると思うと寂しいわね」

憂「和ちゃん・・・」

和「でも別れはいつか訪れる それに今は電話だってあるし・・・」

純「和先輩、元気出してください 今夜は私と!」

純「憂が!」ガシッ

純「眠くなるまでお相手します!主に世間話で!」

和「ふふっ ありがとう純ちゃん、元気出たわ

  それじゃあ、憂も 今夜は久しぶりに相手してもらおうかしら」

憂「よーし 今夜は寝かさないよ、和ちゃん!」

・・・・・・・・・


――翌朝 平沢家――――――

ガチャ

唯「ういー ただいまー」

シーン

唯「? ただいまー」

唯(憂まだ寝てるのかな?)

唯(いつもならもう起きてる時間だけど)トテトテ

唯「あっ」


憂「すー・・・すー・・・」

純「くー・・・くー・・・」

和「すー・・・すー・・・」

唯「・・・・・」ニコッ


――――

和「う・・・う~ん」

和「もう朝ね・・・今何時かしら・・・」キョロキョロ

和「あっ」

憂「すー・・・すー・・・」

純「くー・・・くー・・・」

唯「すや・・・すや・・・」

和「・・・・・・ふふっ」ニコッ

おわり



最終更新:2011年06月05日 20:23