律「ぐ、偶然だろ!?」

憂「梓ちゃん、私の言葉が理解出来るなら三回短く鳴いてみて」

猫「にゃ、にゃ、にゃ」

澪「嘘だろ……」

憂「やっぱり、猫ちゃんと梓ちゃんの中身が入れ代わってるんだ!」

猫「にゃん!(さすがにゅい!)」

唯「そんな漫画みたいな……」

澪「でも現実に……」


梓「も~うるさいにゃ~」ムクリ

猫「にゃ!?(にゃ!?)」


梓「にぇれにゃいにゃ……」ゴロゴロ

唯「い、今、あずにゃんが……」

澪「喋った……よな?」

猫「にゃ……にゃにゃん(そんにゃ……バカにゃ)」

梓「なおーん(あ、私)」

猫(にぇこご!?)

梓「にゃおん(人間って楽しいね)」

猫「うるなーご!(私の体返して!)」

梓「ふにゃにゃん(ふふふ、もう少しね)」

猫「にゃ!(だめ!)」


憂「会話してる……?」

唯「もう訳がわかんないよ~!」


猫「にゃにゃにゃ!(だめったらだめ!)」

梓「ふにゃー(そっちも猫になりつつあるくせに)」

猫「ぎにゃー!(そんにゃことにゃい!)」

梓「ふにゃ(ほれ)」ヒョイ

猫「にゃ……(にぇこじゃらし……)」

梓「にゃにゃお~ん(ゆいにゃんが買ってくれたんだよ)」フリフリ

猫「に……にゃお!(か、からだが勝手に!)」ピョンピョン


唯「あずにゃんとあずにゃんが遊んでるよ~」プシュー

澪「唯がパンクした!」


憂(おかしい……あの猫ちゃんは梓ちゃんだったはず)

憂(でも梓ちゃんが喋り出した……)

憂(なんとか見分ける手は無いの……?)


梓「ゆいにゃん、みおにゃん」ペロペロ

唯「あはは、くすぐったいよあずにゃん」

澪「やっぱり猫ちゃんが憂ちゃんの言う事を聞いたのは偶然だったんだな」ナデナデ

梓「ごろごろ」スリスリ

猫「にゃにゃー!(にゃめろー!)」

律「……」


憂「ねぇ梓ちゃん」

梓「にゃに?」

憂「ちょっと後ろ向いてみて」

梓「にゃ」クルリ

猫「ぎにゃにゃ!(そんにゃことしてるばあいじゃ……!)」

憂「やっぱりね」

唯「どうしたの?」

憂「猫が人間の体を乗っ取ると、うなじに肉球が出来るの。妖怪の証なんだって」

梓「にゃ!?」バッ

澪「よ、妖怪!?」

律「嘘だろ憂ちゃん!?」

憂「ええ嘘です……ですが、どっちが本当の猫かはわかりました」

猫「にゃー!(にゅいー!)」

梓「にゅ、にゅい……にゃに言って……」

憂「去年のクリスマス、私が梓ちゃんにあげたマフラー何色?」

梓「く、黒? あれ赤だったかにゃ? 白だったような気もするにゃ……」

憂「ふふ、マフラーなんてプレゼントしてないよ?」

梓「にゃ!」

唯「あ、あずにゃん……」

澪「じゃあ本当に……」

律「この梓2が……」

憂「ええ、本物の梓ちゃんです。もう少しで騙されるところでした」


猫「にゃお~ん!(にゅいだけはガチにゃ!)」


憂「恐らく段々と……いえ、急速に人間に近付いています」

憂「多分、逆に梓ちゃんは猫に……」

憂「早く戻さないと、お互い完全に入れ替わっちゃいますよ!」


梓「そこまで解ってるなら話は早いにゃー」ジリジリ

猫「にゃにゃ!(にげるにゃ!)」

律「待て!」

梓「さらばにゃ!」ダッ

澪「捕まえろ!」

唯「うん!」

梓「ふにゃー!」ガリガリ

唯「痛ーい!」

猫「にゃ!(いけにゃい!)」


憂「ふふふ……純ちゃんたら……ちゃんとしつけなきゃダメじゃない」

憂「野生の掟を教えてあげる!」ブン!

唯「憂! ダメ! その子はあずにゃんなんだよ!」

憂「う……」ピタ


梓「スキありだにゃ!」ダッ

猫「にゃお!(まて!)」ダッ

律「お、おい! 梓!」

猫「にゃにゃ?(にゃんですか?)」

律「いやお前じゃなくて」

澪「梓本体が行っちゃった……」


唯「ど、どうしよう!?」

澪「本体を探すしかないだろ」

律「……」

澪「律?」

律「こいつ、中身は梓なんだよな?」

猫「にゃ」

澪「それがどうした?」

律「ほらほら、ねこじゃらしだぞ」フリフリ

猫「にゃおー」ピョンピョン

澪「……何してんだ?」

律「いやー、中身が梓だと思うとつい」

澪「遊んでる間に梓が完全な猫になったらどうすんだ!」

唯「た、大変だ! ネコミミ係がいなくなっちゃう!」

澪「そういう問題じゃない」

憂「とにかく手分けして梓ちゃんを捜しましょう!」


猫「にゃーお(あれ? あずさってだれだっけ?)」


~~~~~~~~

梓(あぁ、人間って楽しいけど体重いなぁ)

梓(狭いとこにも入れないし)

梓(それにしてもお腹空いたなぁ)

梓(でもお金がにゃい……)


チャラ男「ねぇ君、可愛いね」

梓「にゃ?」

チャラ「にゃ? って可愛いねw」

チャラ「良かったら飯でも食いに行かない?」

梓(うわー、性欲の匂いがプンプンするにゃ)

梓「しかし食欲には勝てにゃい……奢りなら行くにゃ」

チャラ「おー良いよ、なんでも好きな物食べなよ!」

梓「にゃ」

~~~~~~

唯「あずにゃーん!」

憂「梓ちゃーん!」

猫「ふにゃ(なんだかにぇむいにゃ……)」



どっかのレストラン

チャラ「何頼んでも良いからね」

梓「じゃあこれとこれとあれとそれとこれ」

店員「かしこまりました」

チャラ「俺はいつものね」

店員「…………かしこまりました」

梓「いつもの?」

チャラ「気にしないで。単に常連なだけだから」

梓「ふーん」

チャラ(警戒されてるけど、眠らせりゃ関係無いわな)


……

律「あーずーさー!」

澪「猫ー!」

律「猫ってお前」

澪「仕方ないだろ、名前知らないんだから」

律「カツオとか置いてたら出てこないかな」

澪「人間化してるなら効果無さそうだな」

律「ああもう! 手掛かりとか無いのかよ!」


~~~~~~~~

梓「美味しい!」

チャラ「それは何より。幾らでも食べてね」

梓「ムシャムシャ」

チャラ「ふふふ」

梓「ほんと……にんげ……んって……いい……にゃ」ウトウト


……

猫「んにゃー!」ジタバタ

唯「あずにゃん、暴れないでよ」

憂「理性が無くなってきてるのかな……梓ちゃん、右前足上げて」

猫「ふにゃ?」

憂「言う事きいてくれない……」

唯「このままじゃあずにゃんが、まじにゃんになっちゃう」

律「唯! 憂ちゃん!」

唯「あ、りっちゃんに澪ちゃん!」

澪「いたか?」

憂「いえ、まだ……」


……

梓「……zzz」

チャラ「じゃ、これいつも通りな」

店員「ありがとうございます」

チャラ「礼を言うのはこっちだって、じゃあな」


~~~~~

澪「どうする? いっそ警察に……」

律「信じてくれるか?」

憂「多分無理でしょうね」

律「だな。こっちの頭が疑われて終わりだ」

澪「じゃあどうしたら……」

猫「にゃー」

唯「あ、あれ」


チャラ「車に乗せるのが手間なんだよな」


律「梓本体!?」

澪「と、誰?」

唯「あずにゃんの家族……じゃないよね?」

律「おい! そこのお前!」

チャラ「あ?」

澪「その子は私達の後輩なんですが……どこへ連れて行く気ですか?」

チャラ「そんなのお前らの知った事じゃ……」

律「どう考えても悪者だろ! くらえ!」ムンズ

猫「にゃ?」

律「いっけーーー!! 梓キャノン!!」ブン!

猫「にゃーーーーーー!?」


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最終更新:2010年01月15日 23:55