-------その頃、平沢家---------
憂「お姉ちゃん、ご飯できたよ」
唯「うん、今行くよー」
憂「はーい」(お姉ちゃん元気になったなぁ)
唯「やっぱり憂のご飯は美味しいなぁ」
憂「えへへー」
唯「…心配かけてごめんね憂。ギー太がいなくなっちゃって悲しかったの」
憂「何日かご飯も食べれなかったもんね。仕方ないよ!」
唯「怪我も良くなったし、明日から学校に行くよ!」
憂「お姉ちゃん!うん!とびきり美味しいお弁当作るからねっ!」
-------------次の日・放課後の音楽室-------------
唯「おいーっす」
律「おー、来たか。授業中も平気そうだったし完治したんだな」
唯「うん。心配かけてごめんよー」
澪「じゃあ早速」
唯「ティータイムに!」
澪「だな!」
梓「えっ!?澪先輩、練習は…」
紬「梓ちゃん、唯ちゃんのギター…ね?」ボソ
梓「あ…そうでした。忘れてました…」
澪「今日はみんなで紅茶飲んでケーキ食べて、お話して楽しもう!」
梓「そうですね!」
律「よぉ~し!そうと決まればムギ!」
紬「はぁ~い♪」
………デネー、ミオノオッパイガネー……
………アズニャンノツインテールッテサー……
………リッチャン、コノマエノハナシkwsk……
律「そうだ唯、新しい楽器の話なんだけど…」
唯「ギー太は…」
律「分かってる。ギー太の代わりはいないよ。新しい相棒を見つけよう」
澪「またみんなで一緒にバンド組むためにね」
梓「唯先輩、この前の約束忘れちゃダメですよ!」
唯「みんなとはまたバンドしたいけど…でも楽器買うにはお金が…」
律「それはな、」
(説明中)
唯「なるほどぉー」
律「じゃあ次の土曜日に楽器屋行こうぜ!」
唯「あ、あたしその日は病院に行って最後に検診してもらうの」
唯「あたしは今度でいいから、みんな行ってきて!」
澪「じゃあ唯は来週だな!」
唯「うん!」
--------週明け・放課後---------
唯「お待たせー」
紬「あら唯ちゃん、紅茶いれるね」
唯「ありがとー」
澪・律・梓「中古のカスタムショップ……やっぱシングルコイルですよ………パイステいいな……アンプも……」
唯「おいーっす」
律「おお唯、いま携帯でデジマート見てたんだよ」
唯「デジマート?」
澪「簡単に言えばネットで楽器が買えるんだよ。まぁ、現物見ないで買うのはアレだから中古の相場を知るためにね」
梓「唯先輩は狙ってる楽器とかあるんですか?」
唯「え?いや、まだ…」
律「おー唯、これなんかどうだー?」
唯「え…っと」
澪「土曜日に楽器屋行ってきたんだけど、やっぱ高い楽器は音が違ったよ!」
梓「ですよね!ジャパンとUSAの違いといったらもう!」
律「正直、よく今まであの機材で頑張ったよなー」
澪「まぁ唯のギターは別格だったけどな」
律「そう言えば梓のムスタングはUSAだったのか?」
梓「いいえ、あれはジャパンです。正直ちょっと…とは思ってたんです」
澪「しょうがないよ、やっぱUSAじゃなきゃ!」
梓「ですよね!」
律「ほらほら唯も選べよー!」
唯「あ、あたしは今度で…いいかな」
律「そっかぁ。ムギは本当にいらないのかー?」
紬「あたしはいいの。もらいもののキーボードがたくさんあるし…」
梓「すごいですね…」
澪「そうだ、今使ってる楽器は下取りに出す?」
梓「当然ですよ。その方が予算増えますし」
唯「え?」
律「どうせ使わないしなー」
唯「ちょっと…」
律「ん?どうかしたか?」
唯「みんなの楽器売っちゃうの?」
律「そりゃね。拳銃持ってる奴はエアーガンで戦わないだろ?」
梓「おっ!律先輩いいこと言いますね!」
澪「まったくだ!」
律「まぁ、唯もレスポールよりいい楽器買っちゃえよ!」
澪「新品にこだわらなければ相当なモノを手に入れることもできるぞ!」
梓「ストラトのカスタムショップなんか最高ですよ!」
澪「マスタービルドいっちゃう?」
梓「もう澪先輩贅沢ですよー!」
唯「みんな!」
紬(唯ちゃんなんだか真剣な顔…かわいいわね)
唯「本当にいいの?」
梓「何が…ですか?」
唯「本当に新しい楽器買って、今までの楽器がいなくなってもいいの!?」
律「いなくなるって…うん、まぁ。」
澪「仕方ないよ」
梓「唯先輩も楽器屋行きましょうよ」
梓「弾いたら分かりますって!もう低いグレードの楽器なんて…」
唯「違うよ!値段とか、ブランドとかじゃないよ!」
澪「唯、ギー太のこと引きずってるのは分かるよ。でも唯だってきっと分かるはず」
澪「いい楽器買えば練習もしたくなるし、もっともっといい曲作れる!」
律「そうだぞー唯。今度からは羨ましがられる立場だぜー?」
律「今まで出来なかったフレーズだって出来るようになるって!」
梓「やっぱり弾きやすいですからね!」
澪「多少楽器のせいってのもあったんだよ!」
紬(私ないがしろね…)
律「だから唯、楽器選ぶぞ!」
唯「もういい!みんな次の高級な楽器で弾いてればいいよ!」
唯「私は新しい楽器なんていらないから。そのかわり、売るはずだったみんなの楽器私がもらう」
唯「ベー太もドラ吉もあずにゃんぐも可哀想!私がみんな引き取るから!バイバイ!」タッタッタッタッタ…
紬「唯ちゃん待って!」
澪「ちょっと唯!」(べー太って誰だよ)
律「なんだよあいつ…」(ドラ吉はないだろ…)
梓(なんで?なんであずにゃんぐってバレてるの!?)
---------------平沢家---------------
唯「ただいま…」
憂「おかえり…って、お姉ちゃんどうしたの?」
唯「うい…ういー!!」ギュー
憂「お姉ちゃん…よしよし。とりあえず靴脱いで、着替えよう?」
………
……
…
憂「そんなことがあったんだ…」
唯「うん。みんなね、高い楽器はいい音するって。」
唯「高い楽器があれば今まで一緒に演奏してきた楽器なんて要らないって」
憂「そっかぁ…なんだか軽音部のみなさんらしくないね」
唯「でしょ?みんな変わっちゃったんだ。私はどんなに高い楽器よりもギー太がいい」
唯「私が上手に弾けばギー太は上手に歌ってくれたんだよ。みんなの楽器も同じなのに」
憂「そうだね、お姉ちゃん」ヨシヨシ
----------少し遡って音楽室-----------
律「行っちゃったな」
梓「やっぱり一度楽器屋に連れて行くべきです!」
紬「でも…」
ギュワーーーーンピロピロピロピロキュイーーーーンジャカジャカジャン
澪律紬梓「!?」
律「さわちゃん?」
さわ子「ごめんね、お話は大体聞かせてもらってたの」
澪「じゃあ先生も唯を…」
さわ子「梓ちゃん」
梓「はい?」
さわ子「あなたが新しいギターを買ったら私より上手に弾けるかしら?」
梓「それは…」
さわ子「澪ちゃん」
澪「…はい」
さわ子「フォトジェニックを持ったレスとフォデラを持ったあなた、どっちが上手かしら?」
澪「…」
さわ子「律っちゃん」
律「…ん」
さわ子「分かるわね?」
律「…うん」
さわ子「唯ちゃんは最初からいいギターを持っていたわ」
さわ子「でも唯ちゃんは高いから大切にしてるわけじゃないのよ。自分の楽器だから大切にしてたの」
さわ子「…ちょっと大切のベクトルが違うこともあったけど」
さわ子「ムギちゃんが上手なのはあのキーボードを使ってるからじゃないわ。4歳の頃から練習してたからでしょ?」
澪「私たち…」
律「う…ううう」ポロポロ
澪「楽器のせいもあった、だなんて…思い上がりもいいとこだ…」
紬「みんな、唯ちゃんに会いに行きましょう?」
梓「はい…。唯先輩に謝りたいです…」
さわ子「あずにゃんぐにも、ね」
梓「あ…あず…にゃ…あずにゃ…ぐ…ごべんねぇ~!!」ポロポロ
澪「…ごめんな。今夜名前つけるからな。ベー太(仮)」
律「ちくしょう…おい!今すぐ唯の家に行くぞ!」
--------------平沢家---------------
ピンポーン
憂「チャイム…誰かな?」ガチャ
憂「みなさん!」
紬「こんな時間にごめんなさいね」
梓「憂…唯先輩いる?」
憂「うん。でも…」
澪「謝りに来たんだ。上がっていいかな?」
憂「はい。多分お姉ちゃん寝てますけど…」
律「よし、行くぞ!」
コンコン
唯「?」
唯「ういー?」
律「唯…入っていいか?」
唯「律っちゃん!?…うん、いいよぉ。わ、みんな!」
澪「唯、さっきは悪かった。私たちが間違ってたよ」
梓「新しい楽器に舞い上がって、あんなこと…」
律「ごめんな。」
唯「みんなぁ…良かった!いつもの軽音部だね!」
紬「仲直りしたところでケーキはいかが?今日は食べなかったから」
唯「やったー!」
紬「さわ子先生がいないから憂ちゃんの分もあるわよ」
憂「あ、いただきます!」
…
唯「美味しかったー!」
澪「じゃあ、明日からまた頑張ろう!」
梓「そうですね!…あれ?唯先輩、あれって…」
唯「んー?…あぁ、ギー太だよ…。こんなになっちゃって…あだじのぜいでぇ…」ポロポロ
澪「いや、落ち着け唯。ちょっとギー太見せて」
唯「うん…」
紬「澪ちゃん、これ…」
澪「…うん」
梓「1、2弦のペグと6弦のペグが折れてて…」
律「ブリッジは使い物にならないな…下の塗装も剥げてる」
紬「ボリュームのツマミも取れてるけど…」
澪「なぁ唯、これだけ?」
唯「これだけって…これじゃあ弦も張れないし音も調節できないよ…ギー太ぁ…」
憂「お姉ちゃん…可哀想に…」
澪「いや、これなら修理できるぞ?」
唯「…え?」
梓「ネックもとりあえず問題なさそうですし、中の配線も切れてたら交換できますし…」
唯「ほんとに?」
憂「お姉ちゃん!やったね!ギター…じゃなくてギー太治るって!」
唯「ギー太…ギーーーーー太ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
紬「よかったわね唯ちゃん♪」
梓「良かったですけど…」
律「何て言うか…まぁ、唯らしいな。」
澪「やれやれ。憂ちゃんが壊れたって言うから信憑性あったけど」
澪「よく考えたら憂ちゃんもギターはそこまで詳しくないもんなぁ」
憂「すみませんお騒がせして…」
澪「いや、いいんだよ。しっかり確認しなかった私たちが悪いしね」
律「まぁ、これで一件落着だな!お金は卒業後も部室に置いておくアンプとか、備品に使うか!」
梓「明日からまた練習頑張りましょう!」
紬「ええ♪」
唯「ぎー太ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」チュッチュ
終
最終更新:2010年01月16日 01:52