平沢家
憂(…ホントはお姉ちゃんのこと諦めてって言おうと思ってたんだけどな…言えなかった…)
唯「うい~、あいしゅ~」
憂「ねえ、お姉ちゃん?」
唯「なあに~?」
憂「お姉ちゃんは、紬さんのこと好き?」
唯「ムギちゃん?好きだよ~?」
憂「…本気で、好きなの?恋してるの?」
唯「うーん…あのね憂」
日曜日
紬(唯ちゃん、まだかな…)
唯「ムギちゃ~ん!まった~?…あ、わんこ~よーしよしよしよーしよしよし!」
紬「あ…!唯ちゃ…」
憂「もうお姉ちゃん!早くしなきゃ紬さんに悪いよ!」
紬「憂…ちゃん…どうして…?」
憂「あ、私はこのあと梓ちゃんと出かけるんです!お姉ちゃんを送ってきただけですよ?」
紬「そ、そう…」
紬(なんだ…よかった…)
憂「…なんだかずいぶん安心してますね」
紬「そ、そんなことないわ!」
憂「私、紬さんに一言言いたいことがあるんです」
紬「な…なに?」
紬(まさか…唯ちゃんのこと諦めろとか?)
憂「お姉ちゃんのこと、よろしくお願いします!」
紬「え、え…?」
憂「じゃあ私行きます!お姉ちゃん、紬さんに迷惑かけちゃダメだよ?」
唯「よしよしよしよし…え?なに?」
憂「もう…じゃあ紬さん、また」
紬「うん…またね」
紬(憂ちゃん…よろしくってどういうこと?あ、今日のことかな?)
唯「あ、ムギちゃんお洋服かわいいね?」
紬「唯ちゃんも…か、かわいいわ」
唯「ありがと!…あ、そのヘアピン!私があげたやつだ!」
紬「うん…似合うかわからないけど」
唯「似合うよ~私が見込んだんだから!」
紬「あ、あり…ありがとう」
唯「そんでまずはどこ行くの?」
紬「遊園地…なんだけど…」
唯「遊園地~!行く行く!」
紬(唯ちゃん、こんなに喜んでくれるなんて…よかった♪…あ、そうだ…)
唯「ん?なあに?」
紬「て、手つないでもいい?」
紬(そうだ、今日は積極的に頑張らなきゃ!)
唯「えっ?あ、えっと…うぅ…やだ…」
紬「え?な、なんで?」
唯「あ、歩きにくいよ!さあ早く行こう!遊園地~」
紬「うん…」
紬(なんで断られちゃったんだろ…花火のときは普通につないだのに…)
紬「唯ちゃんと二人で電車に乗るなんてもしかしたら初めてかしら?」
唯「うん…そうだねえ」
ガタン
紬「きゃっ…」
唯「おわっ…」
紬「ご、ごめんなさい抱きついちゃって…急に揺れたから」
唯「う…うん…」
遊園地
紬「唯ちゃん、なにに乗る?」
紬「唯ちゃん?」
唯「ほ?なに?」
紬「どうしたの?どこか具合悪い?」
唯「う…何でもない!あ、ジェットコースター乗ろうムギちゃん!」
紬「うん…」
紬(唯ちゃん、いつもと様子が違うような…)
唯「ふう…ジェットコースター久々に乗ったら疲れたぁ」
紬「でも、楽しかったわ♪」
唯「そ、そうだね…」
紬「あ、唯ちゃん、お茶飲む?水筒で持ってきたの」
唯「…うん、いただきます!ゴクゴク…ぷはぁ、んまい!ムギちゃんも飲みなよ?」
紬「うん…あ、こ、これ飲んだらか、か、間接キスね?うふふ、なんちゃって!」
唯「!!」
唯「な、なにを…なにをいうとるんやムギちゃん!そ、そそそそんな!キスだなんて!」
紬「ゆ、唯ちゃん?口調が変よ?」
唯「は…恥ずかしい…よぅ…」カァァァァァ…
紬「唯ちゃん…?」
唯「さ、さあもっと色々乗ろうムギちゃん!楽しまなきゃあ!」
紬「うん…」
紬(唯ちゃん…どうしたんだろう?もしかして、また私のこと怒ってたりして?)
唯「ふう…一通り乗ったね!」
紬「唯ちゃん、お昼にしましょう?今日お弁当作ってきたの!」
唯「え、お弁当?食べよ食べよ!」
紬(よかった、元に戻った…よし!ここは積極的に…)
紬「唯ちゃん、た…食べさせてあげるからあーんして?」
唯「う…」カァァァァァァァ
唯「いっ…いい…自分で食べる」
紬「え、でも…ほら、あーん」
唯「う、うぅ…ぱく」
紬「おいしい?」
唯「……おいしい」
紬「ありがとう…でも唯ちゃん、顔が真っ赤じゃない!大丈夫?」
唯「だいじょうぶ…あとは自分で食べるからいい」
紬(唯ちゃん、なんで顔合わせてくれないの…?)
唯「……ごちそうさま」
紬「ねえ唯ちゃん、観覧車に乗らない?」
唯「うん…いいけど」
紬「じゃあ行こう?高くて楽しそうよ?」
唯「うん、そうだね」
紬(もっと唯ちゃんとお話しなくちゃ…せっかく来たんだもの!)
紬「わあ高い!遠くまでよく見えるわね!」
唯「うん…」
紬(唯ちゃん、あまり楽しくないのかな…?ううん、弱気になっちゃダメ!)
紬「唯ちゃん!」
唯「ん?なあに?」
紬「あの、お隣に座っていい?」
唯「え?で、でも狭いし…」
紬「くっついて座れば大丈夫よ!いいわよね!」
紬「よいしょ…なんだかあったかいわね!」
唯「う…うん…」
紬「…唯ちゃん…」ドキドキドキドキ
紬(唯ちゃんが、こんな近くにいる…匂いとか体温とか、全部私のそばにあるんだ…
もっと…もっと唯ちゃんと仲良くなりたい…唯ちゃんに触れたい…)
紬「…私、唯ちゃんのこと…好きよ?」
唯「む…ムギちゃん?」
紬「だから…」
紬(今度はちゃんとキスしても…いい…?)
唯「や…やめて!」
紬「えっ…?」
唯「わ、私…ムギちゃんのこと好きだけど…でも、でも…」
紬「唯…ちゃん?」
唯「好きだからって、こ…こういうことしていいかわかんないよ!」
紬「ごめんなさい!私…」
唯「私、ムギちゃんのこと好きだけど…どこまで仲良くしていいかわかんない…」
夕方
唯「……」
紬「唯ちゃん、私ね…?唯ちゃんにもっと好きになってほしいの!だから…」
唯「あのねムギちゃん、私……」
プルルルル
紬「あ、電話…」
唯「…出ていいよ?」
紬「ごめんなさい…もしもし?」
梓『あ、ムギ先輩ですか?』
紬「梓ちゃん…どうしたの?」
梓『えっと、憂が用事があるらしくて…憂、ムギ先輩の番号知らないみたいで』
紬「憂ちゃんが…?」
梓『はい、じゃあ変わりますね』
憂『もしもし…ムギ先輩ですか?』
紬「…なに?」
紬(もしかして…憂ちゃんが唯ちゃんになにか言ったのかな…?
だから唯ちゃんは私を…)
最終更新:2010年01月02日 13:11