唯「憂ーっ!プレゼントは私だよっ!」ギュッ

憂「わっ!」

唯「えへへー」

憂「お、お姉ちゃん…」

憂「…お姉ちゃん。ありがとね。最高の誕生日プレゼントだよ」

憂「本当にありがとう。お姉ちゃん♪」ギュッ

憂「大切な思い出にするね」

唯「あ、憂。これは実は冗談で別でプレゼントを用意して…」

憂「(最高のプレゼント…ありがとね。お姉ちゃん)」

唯「(き…聞いてない…)」

憂「あっ、そろそろケーキ食べよっか」

唯「あっそうだね。食べよー」

唯「(ロウソクを消して乾杯の後でいいかな)」

憂「はい、ケーキだよっ。お姉ちゃん!」

唯「おお~っ!改めてすごいね」

憂「じゃあ、ロウソクに火を点けるから電気消してくれない?」

唯「オッケー」パチッ

唯「それじゃあ、憂の17歳を祝って」

唯「ハッピーバースデー憂っ!」

憂「ありがとう。お姉ちゃん」フゥー

唯「電気点けるね」パチッ

唯「改めておめでとう。憂」

憂「ありがとう。私、お姉ちゃんに祝ってもらえて幸せだよ」

唯「う~泣かせる妹だよ~っ(さぁ、このタイミングでっ!)」

唯「あっ、あのさ…」

憂「あっ!シャンパン出さなくちゃ。飲むでしょ?お姉ちゃん」

唯「あ、うん」

唯「(は…外した……)」

憂「それじゃあ、お姉ちゃん。危ないから離れててっ」

憂「えいっ!」

ボンっ!

唯「あっ!憂っ!零れてる零れてる」

憂「本当だっ!お姉ちゃん、タオル取ってきてくれない?」アセアセ

唯「ラジャーっ!」ビシッ

憂「ふぅ…ごめんね?お姉ちゃん」

唯「いえいえー。さっ、食べよっか」

憂「うんっ!」

~~~~~~~~~~

唯「ふぅー食べた食べた。お腹一杯だよ、憂~」

憂「じゃあ、お皿洗っておくからお姉ちゃんはお風呂に入ってて」

唯「うん、わかったー」


憂「(お姉ちゃん…あったかかったな)」

憂「(今度のお姉ちゃんの誕生日ケーキはもっと気合を入れなくちゃっ!)」

~~~~~

唯「じゃあ、おやすみー」

憂「うん、おやすみ。お姉ちゃん」

唯「早く寝よう~♪」

唯「はて…何かあったような……」

唯「しまったっ!憂のバースデープレゼントっ!」

唯「まだ起きてるかな…」コソー

唯「憂ー…まだ起きてる?」ボソボソ

憂「あっ、お姉ちゃん。どうしたの?寝れないの?」

唯「今日一緒に寝ない?」

憂「うんっ!いいよ」

唯「それじゃあ、失礼させて頂きます」

憂「(お姉ちゃん…あったかいなぁ…。眠くなってきちゃった…)」

憂「お姉ちゃん…あったかいね」

唯「憂もあったかあったかだよ」

唯「…憂は今日楽しかった?」

憂「うん、楽しかったよ。ありがとね、お姉ちゃん」

唯「私ね、憂にいつも迷惑ばかりかけてるでしょ」

唯「そんな憂にね。あげたいものがあるんだ」

唯「ちょっと待ってね」ガサゴソ

唯「はいっ!憂っ!ハッピーバースデーっ!」

憂「…………」

唯「憂…?」

憂「」スーピースーピー

唯「また…外しちゃった……」

唯「ど…どうしよう…」

唯「起こすのもなんだか悪いし…」

唯「うーんと…えーっと……」

唯「そうだっ!朝憂より早く起きてサプライズプレゼントにしよう」

唯「ベッドの下に入れてと…」

唯「これでよしっ!あー、何て言って渡そうかなー」

唯「何て言おうかなー。できれば素晴らしい名台詞を…」

唯「どうしよう…どう…しよ……う…」

唯「......zzz」


翌日

憂「お姉ちゃーん。起きてーっ!」

唯「うーん…」

憂「お姉ちゃん。起きて、遅刻しちゃうよー」

唯「うーん…ういー…。おはようー…」

憂「着替えて降りてきてね」

唯「うーん…」ウトウト

唯「はっ!」ガバッ

唯「しまったっ!寝坊してしまった!プレゼントはっ!」バッグ

唯「良かった。隠してたのはばれてないか…」

唯「ど…どうしよう…」

憂「お姉ちゃーんっ!朝ごはん冷めちゃうよーっ!?」

唯「う…うんっ!今行くよっ!」

唯「と…取り敢えず私のカバンに…」


学校

唯「…というわけで、どうしようっ!?澪ちゃん…」

澪「何でシャンパン拭いた後に渡さなかったんだよ…」

唯「ケーキが食べることに夢中になっちゃって…」

律「何やってんだよ、まったく」

紬「でも誕生日プレゼントに抱きつくって何だか素敵…」

律「おーい、どこが素敵なんだー」

澪「で、いつ渡すんだ?長引けば長引くほど価値が薄れるぞ」

唯「澪ちゃん、ひどいっ!」

紬「じゃあ、演奏して渡すのはどうかな?」

唯「え?」

紬「部室で演奏してその後に渡すとかっ!」

律「おっ!それサプライズだな。講堂でも借りるか?」

唯「そうだねっ!憂のために演奏しようっ!」


――――

梓『放課後の4時に講堂に来て。絶対だよっ!絶対』

純『どうしたの?なんかあんの?』

梓『うん、ちょっとね。絶対来てねっ!』

純『私も行っていい?』

梓『うん、いいけど…とにかく憂は絶対に来てねっ!』

純『ちぇーっ』

憂『うん、わかった』

憂「梓ちゃん、どうしたんだろう…」

憂「うぅ…寒い……」ガチャッ

ウィーン

憂「え?」


唯「ハッピーバースデーっ!憂っ!!」

律澪紬「バースデーバースデー憂ちゃんっ!」

梓「誕生日おめでとう。憂」

憂「これって…」

唯「憂のために演奏するよっ!聞いてくれる?」

憂「…うん、うんっ!」

唯「それじゃあ、聞いてくださいっ!『U&I』」


ジャーン♪


唯「ふぅ……」

唯「ど…どうだった?」

憂「すごかったよっ!お姉ちゃんっ!ありがとうっ!!」

バンッ

和「あんたたちっ!講堂使用届け出してないでしょっ!?」

律「しまったーっ!また忘れてたーっ!」

澪「律っ!?お前また…」

唯「ごめんね、和ちゃん。どうしても憂のために演奏したかったんだ」

和「まぁ、そういうことなら…」

律「いいんかい」


唯「憂」

憂「何?お姉ちゃん」

唯「実はまだ渡して無かったプレゼントがあるんだ」

唯「はいっ」

憂「これは…お守りとカスタネット…」

唯「お守りは手づくりだよっ」

憂「ありがとうっ!お姉ちゃんっ!大切にするねっ!」

唯「えへへー」

憂「でも、昨日『プレゼントは私だよ!』って…」

唯「あれは冗談だよ。本当はこっち」

唯「でもね」

唯「憂のことが大好きなのは冗談じゃなくて本当だよ?」

憂「お…お姉ちゃん……」

憂「ううっ…今までで最高の誕生日だよっ!ありがとう~っ!!」ギュッ

唯「よしよし」スリスリ

澪「やれやれ…」

律「本当に」

紬「仲良し」

梓「ですねっ!」

終わり



最終更新:2011年06月17日 20:29