ぶしつまえ!
梓(何で…突き飛ばしたりなんかしたんだろう…)
梓(純とキスするのは嫌じゃない…むしろ、もっとしたいのに…)
梓(なんとなく、このままじゃいけないような気がする…それは確かだ。けど…)
梓(どうしたらいいのか…私には分からない…)ガチャ
紬「あら、梓ちゃん♪いらっしゃい」
梓「こんにちは、ムギ先輩。他の皆さんは来てないんですか?」
紬「ええ。期末試験が近いし、今年は受験もあるから、みんな早めに勉強して成績上げるんだって。澪ちゃんはりっちゃんに教えるためにだけどね」
梓「そうですか…」
紬「で、私は一人でこうして梓ちゃんを待ってたところなの。今お茶入れるね♪」
梓「あ、はい。ありがとうございます…」
紬「でも良かったわ~。梓ちゃん最近遅刻気味だし、来てくれなかったらどうしよう、って思ってたのよ」コポコポ
梓「すいません…」
紬「うふふ、いいわよ。さ、お茶が入ったわよ」コトン
梓「ありがとうございます…」ガタッ
梓「…」
紬「梓ちゃん何かあった?」
梓「えっ?」
紬「なんか、悩んでる顔してたから」
梓「ああいや、なんでもないです。心配かけてすいません。」
紬「私でよければ相談に乗るわよ?」
梓「いや、結構です。本当に大丈夫ですから」
紬「『結構です』ってことは、やっぱり何か悩んでるのね?」
梓「あっ…」
紬「話してみて。私、後輩の相談を聞くのが夢だったの」
梓「…ムギ先輩は」
紬「?」
梓「女の子同士が付き合うとか、そういうのに偏見がない人でしたよね?」
紬「ええ。本人同士が良かったら、私はいいと思うわ♪」
梓「…実は」
………
……
…
紬「…」
梓「…と、いうわけなんですけど…」
紬「…ぷくく」
梓「あの…ムギ先輩?」
紬「ぷっ…あはははは!」
梓「なっ…いきなりどうしたんですか!?」
紬「うふふ、ごめんなさい。部活で一番真面目だった梓ちゃんが、裏でそんな淫乱なことしてると思ったら、何だか可笑しくなって…ぷくく」
梓「い、淫乱なんて言わないでください!それに、笑うのもなしです!!」
紬「ご、ごめんなさい。梓ちゃんは真剣に相談してくれてるのに…」
梓「…別にいいですけど」
紬「で、純ちゃんとほぼ毎日キスをしていたけど、今日は訳もわからず突き飛ばしちゃった、だったかしら?」
梓「そうです」
紬「…おそらくだけど」
梓「?」
紬「今の梓ちゃんは、純ちゃんとのキスに酔ってるんじゃなくて、純ちゃんそのものに酔ってるんじゃないかしら?」
梓「!! そ、それって」
紬「梓ちゃんは、純ちゃんが好きってこと」
梓「私が…純を?」
紬「ええ」
梓「でも…」
紬「なに?」
梓「私、今まで純とずっとキスを繰り返して…」
梓「純とのキスはとても気持ち良くて…」
梓「だから、もしかしたらこの気持ちは、純とキスしたい、って気持ちとの錯覚なんじゃないかって思うんです」
紬「なるほど。でも梓ちゃん、考えてみて」
紬「今、梓ちゃんが純ちゃんとしたいことって、本当にキスだけなのかしら?」
梓「…!」
紬「純ちゃんとキスするのを躊躇ったのは、純ちゃんのことを友達だと思うのが苦しくなったからじゃない?」
梓「…私は、どうすればいいんでしょうか」
紬「梓ちゃんが今純ちゃんに抱いている気持ちを、そのまま純ちゃんにぶつければいいのよ」
梓「…」
紬「今までキスしあってきた仲なんでしょ?悪い結果にはならないと思うわ」
梓「…キスが気持ちいいから好きって、理由になるんでしょうか」
紬「きっかけなんて何でもいいじゃない。好きだって気持ちを隠す方がよっぽど辛いわ」
紬「それに、梓ちゃんが純ちゃんを好きになった理由は、キスとは別のところにあるはずよ」
梓「…!」ガタッ
紬「うふふ、頑張ってね、梓ちゃん♪」
梓「ムギ先輩…ありがとうございます!!」ダッ!
…………
………
……
…
きょうしつ!
純「うぅ…ひぐっ…(泣き疲れた…)」
純(ダメだ…今日は何も出来そうにない…ジャズ研休も)スクッ
純(梓…)
タッタッタッ
純(ん?誰か来る…)
ガラッ
梓「純!」
純「うわぁ!?あああ梓!?」
梓「純、黙って聞いて!!」
純「は、はい!(なになに!?いきなりどうしたの!?)」
梓「純!私、最初はただ気持ちいいってだけで純とキスしてた!」
梓「でも違う!今の私は、そんな気持ちで純とキスはしたくない!!」
純「えっ…?」
梓「純とのキスは確かに気持ちいいけど、私、純とはキス以外のこともいっぱいしたいの!」
梓「2人っきりで色んな場所に行って楽しいことしたいし、雨が降ったら相合い傘したいし、手を繋いで一緒に歩きたい!!」
梓「私、純が好きなの!だから、私と…」
純「ちょ、ちょっと待って!色んなことが起こりすぎて分からないから整理させて!」
梓「はぁ…はぁ…」
純「えと…要するに梓は私のこと嫌いなんじゃなくてえーっと…」
梓「はぁ…はぁ…今、私何を言った…?」
純「えっ?」
梓「…!」
梓「う…うわああああああああ!!!////」ガンガンガン
純「あ、梓やめて!机が血まみれになっちゃうから!!」
ギャーギャー ワーワー
………
……
…
純「…落ち着いた?」ギュー
梓「うん…ごめん…」ギュー
純「いいよ、全然」
梓「えへへ、やっぱり…」
純「ん?」
梓「そうやって、何だかんだで私の話にちゃんと答えてくれるとこ…」
梓「やっぱり、私の好きな純だね」
純「えっ!?まあ、うん…///」
梓「えへへ」ギュー
純「…」
純「梓、ありがとね」
梓「え?」
純「さっきの、私への、その…告白なんだよね?///」
梓「えっ!?ま、まあね…///」
純「…私、さっき梓にキスを断られたとき、すごく悲しかった」
梓「…」
純「でも、今の梓の告白聞いたら、堪らなく嬉しくなった」
梓「そうなの…///」
純「うん…好きとか嫌いとか、まだよく分かんないけど…」
純「こうやって抱き合ってると…すごく幸せなんだ…」ギュー
梓「私もだよ…」ギュー
純「たぶん、私も梓のこと、そういう意味で好きなんだと思う」
梓「…そっか///」
純「うん。だから梓」
梓「ん?」
純「私と…付き合ってくれないかな?」
梓「…」
純「梓?」
梓「…ずるいよ」
純「?」
梓「私から言おうと思ったのに…さっき純が私の言葉を遮るから…」
純「へへーん、早い者勝ちだよ」
梓「むー…」
純「で、返事は?」
梓「…そんなの、OKに決まってんじゃん」
純「ぃよっしゃー!!」ギュー!
梓「ちょ、純痛い!」ギリギリ
純「梓ー!大好きだぞこんにゃろー!」ギュギュー!
梓「分かった!分かったから力緩めて!」ギリギリ
純「あ、ごめんごめん」パッ
梓「全く…ねえ純」
純「なに?」
梓「キス以外のこともいっぱいしたいって言ったけど…」
梓「やっぱり、キスもしたい…」
純「ふふっ、ワガママだな~梓は」
梓「うぅ…嫌?」
純「嫌ではないよ。ただ…」
梓「ただ?」
純「私、さっきキスしようとしたら梓に突き飛ばされたしな~」
梓「うっ…それはホントに悪かったって」
純「ふふっ、冗談だよ。梓、頭上げて?」
梓「うん…」グイッ
純「いくよ、梓…」スッ
梓「きて、純…」ギュッ
純「…」
梓「…」
純「…」
梓「…?」パチッ
梓「純?どうしたの?」
純「で、できない…」
梓「えっ?」
純「いや、何ていうか…恥ずかしい…///」
梓「…今さらすぎるでしょそれ」
純「し、仕方ないじゃん!恥ずかしいもんは恥ずかしいんだし…///」
純「それに…梓が可愛すぎるのがいけないんだし…///」
梓「えっ!?あ、ありがとう…///」
純「…///」ドキドキ
梓「…///」ドキドキ
純「ぅ…ああもう!」
梓「?」
純「キスする!絶対にする!」
純「梓!目閉じて!」
梓「う、うん…///」ギュッ
純(…ダメだぁぁ!!やっぱりできない!)
純(やばい、梓ってこんなに可愛かったっけ…?)ドキドキ
梓(純…早く来てくれないかな…)
梓(…こうなったら)グイッ
純「えっ?」
チュッ
純「ん~~っ!///」
梓「んっ…ぷぁっ」パッ
純「い、いきなり何すんの!?」ドキドキ
梓「純がいつまでも来ないのが悪いんだよ?」
純「くっそー…でも…」
梓「ん?」
純「さっきのキス…今までで一番よかった」
梓「私も…ただのキスなのに、純のことが好きだって思ったら、すごくドキドキする…」
純「あ、私もそれ…」ドキドキ
梓「…///」ドキドキ
純「…梓?下向いちゃってどうしたの?」
梓「な、何でもないよ(どうしよ…純の顔、まともに見れない…///)」ドキドキ
純「…ねえ梓」
梓「…なに?」
純「昨日やった大人のキス…今やったらどうなるかな?///」ドキドキ
梓「えっと…正直今のだけで胸が張り裂けそうな勢いなんだけど…///」ドキドキ
純「わ、私だってそうだけどさ…///」
梓「…」
梓「じゃあ、する?」
純「えっ?」
純「いいの?」
梓「うん」
純「じゃあ、いくよ…」
梓「うん…今度はヘタれないでね?」
純「ヘタれてなんて…でも、次は大丈夫」
梓「ほんとに?」
純「ほんとに。じゃ、目閉じて…」
梓「うん…」ギュッ
純「…」
梓「…」
純「梓…」
梓「ん?」
純「大好きっ!」
梓「私もっ!」
チュッ
おしまい!
最終更新:2011年06月18日 21:46