唯の誕生日パーティーを部室行うことになり、皆で一芸を披露する事になった軽音部一同。

何をしようか悩む澪。

澪「一芸って言われてもなあ」
澪「自作ポエムの朗読にしようかな。新作も結構たまってるし」
澪「ん、テレビで何か参考になりそうなのやってるかも」

ポチッ アハハハ ナンデヤネン!!


澪「お笑い番組とかくだらないな」
澪「あ、このキューティクル。この人たしか病み上がり越冬隊の虫原とかいう・・・キューティクルいいなあ」
澪「花粉ポーチちゃんと喋ろう?」
澪「花粉ポーチのチャックを上げ下げして音をたてて、それに一人芝居で受け答えしてるだけ・・・」
澪「あれ?なんだろ?これ、面白いかも」
澪「プッ」
澪「あははは! だ、だめだ! なんだこれ、面白すぎる!」


澪「そうだ! わたしもエリザベスと喋ろう!」



誕生会当日

律「じゃあ最後は澪だな?」

澪「ああ!」

唯「おぉう!澪ちゃん気合入ってる~」

パチパチパチパチ

澪「はいどーもー!!」

律「澪のテンションがおかしい!?」

澪「今日は、私の大切なベース、エリザベスちゃんとお話をしまーす」

律「えっ?」


澪「普通はね、みんな楽器と喋るなんてできないと思うんだけど、私くらいに楽器を大切に想ってるとね、楽器が何を言ってるかわかる様になるんだ。」

澪「それじゃあ呼んでみましょう。エリザベスちゃーん」

ペンペンペンペンペン

澪「来た来た!」

律「最初から自分で持ってたよね? それ」

澪「久しぶり~エリザベスちゃん。元気してた?」

ペンペンペンペンペン

澪「そっかそっか~ エリザベスちゃんもか~」

律「え? 何が?」


澪「最近花粉症で大変だって」

律「えっ? ベースが花粉症・・・? えっ?」

澪「エリザベスちゃん。皆にご挨拶しようね~」

ベンベンベンベンベン

澪「よくできました!! エリザベスちゃんはいい子だなあ」

律「自分で弾いてるよね?それ澪が音出してるよね?」

澪「弾いてる? なんの事だ律?」

ベンベンベンベンベン


澪「エリザベスちゃん、それは言い過ぎだって~」

ベンベンベンベンベン

澪「あはははは。エリザベスちゃんは面白いなあ」

律「え?何?何?」

澪「エリザベスちゃん最近どう?」

ベンベンベンベンベン

澪「え⁉ 軽音部の中に気になる子がいる⁉ 誰誰誰?」

澪「当ててみろって?」

ベンベン


澪「ギー太かな?」

ベンベン

澪「むったん?」

ベンベン

澪「紬のキーボード?」

ベンベン

澪「律のドラム?」

ベンベン

澪「全部はずれ? エリザベスちゃんもったいぶらないで教えてよ~」

ベンベンベンベンベン


澪「え? ミオ?」

澪「わ、私!? そんな事いきなり言われても。私も大好きだぞ。これからもよろしくな。エリザベスちゃん」

ベンベンベンベンベン

澪「エリザベスちゃん!」

ベンベンベンベンベン

澪「エリザベスちゃん!」

ベンベンベンベンベン

澪「エリザベスちゃーーーーん!!!」

律「・・・」


澪「えーと。もう一回聞くけど、エリザベスちゃんは最近どう?」

律「話すこと無くなったな」

ベンベンベンベンベン

澪「ええっ! エリザベスちゃん本当⁉」

律「またわざとらしい声の上げ方を」

ベンベンベンベンベン


澪「ふんふん」

澪「ほーほーほー」

澪「やっぱり絹ごししかだめか」

律「何がだよ⁉」

澪「いや、エリザベスちゃん、ゴーヤチャンプルーには絹ごし豆腐派なんだって。私は木綿のほうが形が崩れにくくていいと思うんだけど、エリザベスちゃんと意見が合わないんだ

律「どうでもいいわ! 島豆腐使え!」

澪「律~ 私とエリザベスちゃんの仲がラブラブだからって焼くなよ~」

律「ウザっ! この澪いつになくウザっ!」


澪「ん? どうしたのエリザベスちゃん? もう疲れた・・・?」

澪「ごめんねエリザベスちゃん。気づいてあげられなくて。じゃあ今日はおしゃべりはここまでにしようか。」

ベンベンベンベンベン

澪「じゃーねーエリザベスちゃ~ん。またお喋りしようね~」

ペンペンペンペンペン


澪「エリザベスちゃん帰っちゃった・・・」

律「いや、まだ自分で持ってるけどね。バレてないと思ってるのお前だけだからね?」

澪「・・・・」

律「もう満足したか?」

澪「なにが?」

律「独り言言いながら合間にベース弾くの」


澪「独り言じゃない。エリザベスちゃんとおしゃべりしてただけだ」

律「いや、どう考えても澪の一人芝居だろ」

澪「はああ!? じゃあ聞くけど、律はドラムと喋れるのか?」

律「いや、無理だけど」

澪「だろ。お前みたいなのには無理なんだよ!」

律「うわ、この澪ムカつく。それはお前もだろ!」


澪「自分のドラムとも喋れないのに私がエリザベスとお喋りしてるかどうかなんて、お前にはわかりっこないんだよ!」

律「お前それ嘘だって認めてるのと一緒じゃねえかあああ!!」

澪「まったく、話のわからないやつだな。ほら、周りを見ろ!」


唯「うわ~エリザベスがおしゃべりしてる~」

律「お~い。もどってこ~い」

唯「澪ちゃん。ギー太をエリザベスとおしゃべりさせてもいい?」

澪「もちろんだ!」


唯「ギー太~。こちらがエリザベスだよ~」ペンペンペン

澪「エリザベスちゃん。ギー太に挨拶しような」ベンベンベン

唯 澪「キャッキャッ

律「この流れだとあとの2人も・・・


梓「大丈夫だよ。むったん。ギー太もエリザベスも優しいよ。私も入れてって言ってみよ」

紬「初めてのご挨拶はこのフレーズがいいかな? あ、やっぱりこっちもいいかも」

唯 澪 梓 紬 キャッキャッ キャッキャッ ウフフフフフフ

律「ったく・・・」

タタタタ ツタタタ


澪「律?」

律「えーと、私のドラムも喋れたみたい」

唯「わあ~。はじめまして~」

律「お前ら、澪のエリザベスも、唯のギー太も、梓のむったんも、紬のキーボードも、私のドラムも、楽器なんだ。おしゃべりもいいけど、もっともっと唄わせてやろうぜ!」

紬「まあ、素敵なアイディアね!」

唯「ギー太と皆の初めての共同作業だね~」

梓「むったん。私も頑張るからね」

律「ああ、私たちの最高の演奏をしようぜ!」

澪「律もドラムとお喋りできるようになったんだな」 ウルウル

澪「(これで皆真面目に練習するようになるかな、やれやれ)」

これが後々の悲劇を招くとは・・・
この時の澪には気づけるはずもなかったのである。

おっしまい







最終更新:2011年06月19日 21:27