バタン
梓「…で、どうしたんですか、唯先輩」
唯「あのね、あずにゃん。さっきの話なんだけど…」
梓「! はい」
唯「協力するよ!」
梓「ほ、ほんとうですか!?」
唯「うん!後輩のためなんだもん!あずにゃんの恋を応援しなきゃ」
梓「ありがとうございます!唯先輩!」
唯「いいよいいよ、きにしないで!」
唯「で、あずにゃんは澪ちゃんのことが好きなんだよね?」
梓「は、はい///」
唯「ふふ、照れちゃってかわいい~~」
梓「茶化さないでください!」
唯「ごめんごめん。で、わたしに提案があるんだけど」
梓「なんですか?」
唯「それは…」
翌日
梓「あの、澪先輩!」
澪「うん?なんだ梓」
梓「あの…その…明日、一緒にお出かけしませんか?」
澪「うーん、いいよ」
梓「本当ですか?」
澪「ああ、断る理由なんてないよ」
梓「ありがとうございます!じゃあ明日、駅前で10時に待ち合わせということで」
澪「うん、じゃあまたあしたな」
梓「はい!!」
唯「よくやった!あずにゃん!」シュバッ
梓「うわ!急に出てこないでくださいよ!」
唯「まあまあ。でもよかったね、デートの約束ができて」
梓「はい!…あー緊張してきた」
唯「大丈夫だよ!あずにゃんはかわいいもん!」
梓「へ、変なこと言わないでください!」
唯「明日はがんばってね!」
梓「はい!」
……
唯「ただいまー」ガチャ
憂「おかえりー!お姉ちゃん!」
唯「ただいま、うい」
憂「? なにかあった?」
唯「なにもないよ。憂は心配性だなあ」
憂「そう?ならいいけど…。あ、今日のご飯はカレーだよ!」
唯「本当!?わーい!」
憂(今日も喜ぶお姉ちゃん、かわいいよお)
唯「おいしいよ、うい」モグモグ
憂「えへへ、ありがとう」
唯「…ねえ憂」
憂「なあに?」
唯「もし…もしだよ?憂が好きな人をとられそうになったときどうする?」
憂「うーん…わたしならあきらめない、かな」
唯「!」
憂「だって、相手のことがどうしようもないくらい好きだったらさ、黙ってみてるなんてできないよ」
唯「そうなんだ…」
憂「お姉ちゃんはどうするの?」
唯「私?わたしは…その人のことを応援するかな」
憂「ふーん、そうなんだ」
唯「やっぱりだめかなあ」
憂「ううん、おねえちゃんは悪くないよ。その人のことが好きなら、悲しませたくないもんね」
唯「うん…」
憂「でもね、お姉ちゃん。その人が悲しくないのかもしれないけどお姉ちゃんは悲しくないの?」
唯「!」
憂「お姉ちゃんは優しいもん。自分のことより相手のことが大事だって考えちゃうよね」
唯「…」
憂「でもね、わたしは泣いてるお姉ちゃんなんか見たくない。お姉ちゃんが悲しいならわたしも悲しいんだよ」
唯「うい…」
憂「お姉ちゃん、無理しないでね。悲しんでるお姉ちゃんなんて見たくないよ」
唯「う、うい~~~!!」ウワアアアアン
憂「よしよし」ナデナデ
唯「うわあああああん!!!」
唯「ごめんね憂。わたし、泣いちゃって…」
憂「いいんだよ。だってわたしたち姉妹だもん」
唯「うん、そうだね」
憂「ところで、お姉ちゃんが好きなのって梓ちゃん?」
唯「わ、わかってたの~?」
憂「だって毎日梓ちゃんの話ばっかりするんだもん。わからないわけがないよ」
唯「えへへ~」
憂「で、どうするのお姉ちゃん。やっぱりあきらめる?」
唯「う~ん…あずにゃんの応援するって言っちゃったしなあ。どうしようかな」
憂「お姉ちゃんも梓ちゃんをデートに誘ったらどうかな?」
唯「ふえっ!?む、無理だよ///」
憂「無理じゃないよ。明日、梓ちゃんのデートが終わった後に誘ってみようよ」
唯「う、うん!わたしやるよ!」
憂「がんばってね、おねえちゃん!」
翌日
梓(まだかなあ、澪先輩)
梓(う~、緊張するよ~)ドキドキ
澪「おおーい、あずさー」タッタッ
梓「あ、澪先輩!」
澪「ごめんな、待たせてしまって」
梓「(か、かわいい!)い、いえ、わたしが早く来すぎたんです!気にしないでください」
澪「じゃあ行こうか」
梓「はい!」
澪「今日は暑いな!」
梓「はい…あの、澪先輩」
澪「うん?なんだ?」
梓「あっちに行きませんか?」
澪「かき氷屋さんか…いいよ、行こうか」
梓「はい!」
澪「梓は何食べる?」
梓「じゃあ、わたしはイチゴで」
澪「じゃあわたしはレモンだ」
梓(よし!チャンス!)
梓「せ、先輩」
澪「?」
梓「あ、あ~ん」ドキドキ
澪「うえっ!?は、恥ずかしいからいいよ…」
梓「そ、そうでしたか…すみません」シュン
澪「うっ…わ、わかった。たべるよ!」
梓「本当ですか?じゃ、あ~ん」
澪「あ、あ~ん」パクッ
梓「ど、どうですか?おいしいですか?」
澪「おいしいよ」
梓「よかったです!」
???「……」
澪「次はどこいこっか」
梓「じゃあ次は…」
???「おふたりさ~ん、仲いいっすねえ」ドン
梓「!」
澪「うわっ、おまえは」
律「わたしをさしおいてお出かけなんてどういうつもりだ?澪」
澪「別に律には関係ないだろ!」
梓「そ、そうですよ!律先輩には関係ないです!」
律「いいや、関係あるね。なぜなら!わたしは澪の心の友だから!」
澪「なんだそれ…」
律「いいじゃん!わたしもいっしょでいいでしょ!?」
澪「梓、いいか?」
梓「は、はあ。いいですよ」
律「さっすが~!話のわかるお二人さんでよかったぜ~!」
澪「調子に乗るな!」ベキン
律「いって~!今のは効いたぞ」サスサス
梓(そんな…せっかくのデートが…)ガックリ
…
律「いやあ、楽しかったなあ」
澪「たまにはこうやってあそぶのもいいな」
律「澪ちゃんってばはしゃぎすぎでしたぞ」
澪「うううるさい!」
梓「あの!今日はありがとうございました」
澪「ごめんな梓。せっかく二人で遊んでたのに」
梓「いいんです。わたしは楽しかったですよ」
律「そうそう。わたしも楽しかったぞ?」
澪「お前のせいだろ!」
律「じゃあここでお別れだな!またな梓!」
澪「また月曜日にな」
梓「はい!さようなら」
梓「はあ。こりゃ失敗だなあ」
梓「唯先輩になんて言おう…」
ピリリリリリリッ
梓「あ、唯先輩からだ」ピッ
梓「もしもし」
唯『あ、あずにゃん?どうだった?』
梓「途中まではよかったんですけど、急に律先輩が来ちゃって…」
唯『そうだったんだ。残念だったね』
梓「はい。応援してもらってたのにすみませんでした」
唯『いいよいいよ。…それでねあずにゃん、話があるんだけど』
梓「はい、なんでしょう」
唯『明日お遊びに行かないかしら?』
梓「なんですかその口調…いいですよ、行きましょう」
唯『ほんと?やった!じゃあ明日12時に駅前ね!』
梓「はい、それでは」ピッ
梓「ふう。またお出かけか…」
梓「まあいいや、明日は思いっきり遊ぼう!」
翌日
梓(おそいなあ唯先輩は)
梓(誘っといて遅れるなんて…唯先輩らしいや)
唯「あずにゃ~ん!!おまたせ~~!」ダッ
梓「(唯先輩もかわいいな)もう、おそいですよ!」
唯「ごめんね~!昨日わくわくしすぎて眠れなかったんだ!」
梓「小学生ですか…まあ行きましょうか」
唯「うん!れっつごー!」
梓「お、おー」
唯「あずにゃんあずにゃん!」
梓「なんですか?」
唯「これかわいくない?」
梓「似合ってますよ。かわいいです」
唯「えへへ、あずにゃんにかわいいって言われちゃった」ニコッ
梓(うっ、かわいすぎますよそのスマイルは!)
唯「ねえねえ、あずにゃんにはこれが似合うと思うけどどうかな?」
梓「そ、そんな子供っぽいものはいいですよ!」
唯「え~~っ。似合うと思ったけどなあ。じゃあこれは?」
梓「フリフリがついててかわいい…」
唯「でしょ!ほら試着してみて!」
梓「うわ、ちょ、ちょっと待ってください!」
―――――
梓「…ど、どうですか…?」
唯「かわいいいいい!かわいすぎるよあずにゃん!」
梓「そうですか?」エヘヘ
唯「ああもう、かわいすぎ!もうぎゅーってしちゃう!」ギュー
梓「せ、せんぱい…はずかしいです…///」
最終更新:2010年01月18日 00:00