―――――

チュンチュン

律「・・・」カタカタカタ

律「・・・」カタカタカタ

律「・・・」カタ・・・ッッターン!

律「…お、おわた…すっげぇ…歴代最悪を更新するレポートだけど…」

律「人間やれば出来るもんなんだな」

律「い、今・・・なんじ・・・」チラッ

律「」

律「っだあああああああ!?」

梓「うーん・・・おかしくないし」スヤスヤ

律「あ、あずさ、あずさぁ、梓ぁああ!!」

がしっ

律「おきろ!!おいこら!!幸せそうに寝てんな!!」ユサユサユサ

梓「ん・・・、あ、りつ・・・・おはよー」ボケー

律「あぁ・・・こんなときにかわいいな、こんちくしょう!?
  やばい、やばい!!やばいぞっ!!もう玄関出ないと電車間に合わない!?」

梓「かわいいとか・・・そんなぁ~」エヘヘ

梓「・・・」

梓「えっ!?」ガバッ

律「やっとおきたか・・・」

梓「あ!?もうこんな時間!?えっ!!あ、いつの間にか私寝てたんだっ!?」

梓「」はっ

梓「り、りつ!?れ、レポートはっ!?」

律「ふっふっふっふ」

梓「えっ!?終わらなかったの!?」

律「いや、なんでこの自信満々なリアクション見てそんなこと言うわけ?」

梓「じゃ、じゃあ・・・」

律「おう!お前が寝てからばっちり終わらせたぜ!」グッ

梓「よ、よかった・・・」ホッ

律「って!こんなのんきにしてる場合じゃないんだって!!」

梓「あぁあああ!そうだった!!支度したく!?」ドタバタ

律「いそげ!いそげっ!?」ドタバタ

梓「なんで歯ブラシもって走ってるの!?」ドタバタ

律「わからん!?もうよくわからん!?とにかく急げ、あずさ…って、ははははっお前寝癖ひどっ!!」

梓「」

梓「笑うな!」ゲシッ

律「りゃん!?」

―――――

がたんごとん

律「」ゼーハーゼーハー

梓「」ゼーハーゼーハー

律「な、なんとか間に合ったな・・・電車・・・」ゼーハーゼーハー

梓「・・・う、うん・・・レポートも提出できたし、よかったね・・・」ゼーハーゼーハー

律「お、おう・・・あぁ・・・てか・・・カチューシャ忘れてきた…」

梓「あ…ほんとだ…前髪ゴムでしばってるから違和感なかったけど」

律「くそっ…さすがに外でゴムは恥ずかしいから外すか」ホドキ

ビョーン

律「…」

梓「…山?」

律「うっせ!こうやってこうやって…手でもどせば…」ググググ…パッ

ビョーン

律「…」

梓「…私の帽子かぶってたらなおるよ、はい」スッ

律「うううう…優しさが妙にいたい…あんがと」カポッ

律「てか、帽子とったら今度は、梓、おまえやっぱ寝癖ひどいなぁ~~」ハハハハハ

梓「!?わ、笑うな!このばかっ!!帽子返せっ!」ガシィッ

律「それは無理なお願いだなぁ~」ハハハ

梓「…ポニテにしたらまだマシになるかな?」ホドキ

律「やってみ、笑ってやるかははははははは」

梓「うん…すっごいうざい、徹夜の人のこのテンション…」ホドキムスビ

梓「…どう?」

律「・・・うっ・・・笑ったら気持ち悪くなってきた・・・」

梓「ええぇえええ!?」

律「寝不足の状態であんだけ走ったら・・・そら・・・まぁ・・・気持ち悪くなるか・・・・」ウプッ

梓「だ・・・だいじょうぶ・・・?すごい顔色悪いけど・・・」

律「おう・・・な、なんとか・・・あとポニテすっごいかわいい」グッ

梓「…いや、こんなときにそういうのいいから」

律「てれんなてれんな」ヘッヘッヘ

梓「…ばか」

がたんごとん

梓「・・・あ、あのさ・・・」

律「ん…?」

梓「きついんなら寄りかかっていいよ?肩」

律「・・・ほんと?」

梓「うん・・・だってほんとに気分悪そうだから・・・まぁ、吐かれたら困るけど・・・」

律「吐かない!」

梓「・・・じゃあ、寄りかかっていいよ・・・」

律「おう・・・」コテン

梓「・・・」

律「・・・」

梓「・・・楽?」

律「うん・・・だいぶ、らく」

梓「ならよかった・・・」ヘヘヘ

ぎゅ

梓「あ・・・手つなぐの」

律「手つなぐのひさしぶり~~」

律「なんだかんだ、行き当たりばったりだったけど、どうにかやっと梓と2人で旅行だな」ヘヘヘ

梓「だね、…まぁ、帰ってきたらものすごいごちゃごちゃな部屋の片付けがまってるんだけど」

律「あぁ…歯ブラシきっと玄関の棚の上だわ。新しいの買わなきゃ…てか、今それをいうな、今!行きの電車の中で現実に引き戻すなっ!もっと楽しいこと言えよ!」

がたんごとん

梓「たくさん楽しいことあったらいいなぁ~」

律「ん!そうそう、そんな感じ!旅行らしくなってまいりましたぁ~」

梓「あ、ファブリースしてくるの忘れた」

律「おい」

がたんごとん

梓「律のことだからはしゃぎすぎて、怪我とかしないでよね?」

律「今度はだいじょーぶ!心配ないから!」グッ

梓「へへへ・・・大丈夫大丈夫!」

律「・・・あ、でもちょっと寝かせてくれ」フアアア

梓「うん。レポートしてたもんね。私起きてるから寝てていいよ」

律「さんきゅー。じゃあ、ちょっと寝るわ・・・おやすみ、あずさ」

梓「おやすみ、りつ」

ぎゅっ

がたんごとん

梓「・・・」ペラッ

がたんごとん

梓「・・・」ペラッ

梓「楽しみだな~♪」

律「・・・ムニャッ」zzz

梓「あ、トンネル…」


がたんがたんがたん

がたんがたんがたん

梓「…いがいと長い」

律「キャベツー…」

梓「…へへ」

がたんがたんがたん

がたんがたんがたん

――――がっ

梓「・・・あ、海だ」

梓「もうすぐかな・・・前髪…治ってるかな」スッ

律「どっぐ・・・いやぁ・・・」zzz

梓「ん…よし、よかった…前髪立ってる人と歩きたくないもんね…さすがに」なでなで

なでなで

梓「今日は楽しかったらいいな、ね、りつ」なでなで

律「…」

梓「・・・でも、たしかにあの雑誌折るのって犬の耳というよりネコの耳にも見えるかも」

梓「にゃんこいやー」ボソッ

梓「・・・なんてね」クスッ

律「」プークスクス

梓「」

梓「…いつから起きてた?」

律「トンネルあたり…うるさくて起きた」

梓「そう」

律「うそ」

梓「それもうそ?」

律「そう」ヘヘヘッ

梓「…もう、全然高校のときと変わってない…ばかりつ…」

律「そうかな?まぁ、自分では結構変われたかなって思ってたんだけど」

梓「どこらへんが?」

律「まぁ、…いいじゃん!さて、駅つくぞ!!忘れ物はないな~」

梓「そうやってすぐはぐらかすのは変わってないね…忘れ物はないよ」

律「ははははは…まぁ、今忘れ物してても気づけないんだけどな!」

梓「…そうだね」

律「お、着いた!じゃ、いきますか!あずさ!手!」スッ

梓「…手って、犬じゃないんだから」

律「にゃんこいやー?」

梓「ドッグイヤー!」


ぎゅ


おわり



最終更新:2011年06月26日 22:02