──学校(教室) 午前 晴
唯「おっはよー」
律「やっときたか~!」
澪「唯は昨日テレビ見た!?」
唯「うん!見たよ!」
>昨日見たことをみんなに話した
律「唯も同じものを見てたか」
澪「あの子うちの高校の制服着てたよね」
紬「間違いないと思うわ。それと映ってた女の子だけど…」
唯「ムギちゃんのお知り合い?」
紬「行方不明の副会長さんに似てた気がするの」
律「…マジかよ」
澪「副会長がみんなの運命の人ってことはないよな…」
律「あってたまるかっての」
紬「じゃあ、副会長さんは……」
唯「うん!副会長さんはテレビの中に吸い込まれちゃったんだよ!」
澪「……」
紬「……」
唯「あれ?」
律「だから、それは唯が寝ぼけてただけだって」
澪「テレビの中に入ったって話は信じられないなあ」
唯「ほ、ほんとなんだってば!ほんとにテレビの中に、頭からずぼーっと!」
律「で、テレビの中はどうなってた?」
唯「案外広かったよ~」
律「ぷっ!」
澪「あははは!やっぱり夢だよ、唯」
唯「ほんとなのに~!」
さわ子「こ~ら。あんたたち何騒いでるの?SHR始めるわよ~」
>テレビの中に入ったことは信じてもらえなかった
釈然としないまま朝のSHRが始まった
さわ子「…点呼おしまいっと。うんうん、みんな元気ね」
さわ子「今日の連絡事項だけど…」
ピンポンパンポーン
『先生方にご連絡します。緊急職員会議を行いますので至急職員室にお集まりください』
さわ子「なにかしら?ちょっと行って来るから、指示があるまで教室で自習ね!」タタッ
>さわ子先生は駆け足で出て行ってしまった
ザワザワ ガヤガヤ
律「緊急会議だってさ。なんだろな?」
澪「一応授業中なんだから、出歩くなよ」
律「かたいこと言うなよ~。ほら、唯とムギもきたぞ」
唯「また事件かな」
紬「不安ね…」
澪「じ、事件!?」ガクガク
和「自習中に出歩いちゃだめじゃない」
律「和だって出歩いてるだろー」
和「まあそうなんだけど。それにしてもさっきの放送気になるわね」
澪「や、やっぱりまた事件なのかな」
和「そうかしれないわ。さっきパトカーのサイレンが聞こえたし」
唯「うそ!?」
律「そういえば鳴ってたような…」
澪「本当に事件があったのか…」
和「おそらくね」
>一時間後、生徒は急遽下校することになった
さわ子先生が言うにはこの近くでまた事件があったらしい…
──通学路(下校中) 午前 晴
唯「事件ってなにがあったんだろ…」
澪「も、もしかして副会長が……」
紬「……」
律「な、ないない!きっと別件だって」
紬「だといいのだけど…」
律「それよりさ、ここのまま真っ直ぐ帰るのは勿体無くないか?」
唯「寄り道?この時間帯ならお店とかすいてるし、いいかも~」
澪「い、今はやめたほうがいいよ!危ないし、先生に見つかったら怒られるだろ!」
律「まだ午前中だぜ?日が高いうちに帰れば平気だよ」
唯「うんうん!ばっちりだよ!」
澪「寄り道はダメだったら!ムギも言ってやってよ」
紬「ごめんなさい。今日は用事があるからお付き合いできないの~」
澪「そうじゃなくて!」
律「残念だな」
唯「ムギちゃんとイケナイ寄り道したかったのに~」
紬「うふふ、また今度誘ってね!また明日~」タタッ
>紬は帰ってしまった
澪「む、ムギ~!」
律「頼みの綱のムギは行っちゃったぞ、澪ちゃん」
唯「もう逃げられないよ~」
澪「ひぇっ!?」
──ジュネス桜が丘店 午前 晴
>最近オープンしたショッピングセンター、ジュネスにやってきた
律「なかなかよかったろ、ここのCDショップ」
澪「ああ!探してたCDがやっと見つかった♪」
唯「商店街のCDショップと比べてずいぶん広いね~」
澪「またこよーな♪」
唯「来る前はあんなに嫌がってたのに~」
律「澪ちゃんはイヤラシイ子ね」
澪「だ、だって…ジュネスきたことなかったし…」モジモジ
律「エブリディ・ヤングライフ♪」
唯「ジュネス♪」
澪「ば、馬鹿にしてるだろ~!」
律「ちょい待ち。向こうの家電売場見て行かない?」
唯「いいよー」
澪「なに買うんだ?」
律「家のテレビたまに映りが悪くなるから、買い換えようと思ってたんだ~」
唯「せっかくだからこの店で一番大きいの買おうよ、りっちゃん!」
律「一番おっきいテレビください!」
唯「まいど~!」
律「って買うか!そもそもそんな金ないっつーの。下見だよ」
唯「ちぇ~」
澪「家電売場は人がいないな…」
律「ショッピングセンターの家電は売れないって聞くしな」
唯「テレビも品揃え少ないね」
律「……ぷっ!」
澪「どうしたんだよ律」
律「今朝のこと思い出しちゃってさ~」
唯「今朝のことー?」
澪「あ…唯がテレビに入ったっていう」
律「そんなことあるわけないよな~」
澪「きっと3Dテレビの隠れた機能なんだよ。くくく」
律「そんな機能あるかーい!あはは!」
唯「ひどいよ、二人とも~」
律「悪い悪い。さて、ここだといくらぐらいするのかな~っと」
澪「…高いな」
律「買うなら家電量販店行ったほうがいいな…」
唯「(もー!本当に入れたのに!)」プンスコ
>目の前には50インチのテレビがある
この大きさなら人も楽々入れるだろう。試しにテレビ画面に触れてみた
唯「わわっ!」ズブゥ
律「どしたー、唯。テレビにでも入っちゃったのかー?」
澪「お、おい律!唯!唯の手!」
律「……はい?」
唯「ほ、ほら!テレビに入れたでしょ!」
律「どーなってんだそれ!手品か!?手品だよな!?」
唯「違うよ!ほんとにテレビに入っちゃってるんだよ!」
澪「めまいが……」
唯「中覗いてみるね!」
律「覗くっておまえ!」
澪「頭ずっぽり入っちゃってる!?」
唯「なんかね、ひろーい空間が続いてるー!」
律「テレビの中にかよ!?」
澪「し、信じられない」
唯「うわわ!?引っ張られるよ~!りっちゃん澪ちゃん助けて~!」
律「わ、分かった!澪、唯を引っ張りだすぞ!」
澪「う、うん」
唯「のおおお!もうダメかも!?」
律「諦めるの早っ!!」
澪「うわああああ!!」
──テレビの中(???)
澪「唯!起きてよ唯!」ユサユサ
唯「ううん…ケーキはもう入らないよムギちゃ~ん…」デヘヘ
澪「寝ぼけてる場合か!律がいなくなっちゃたんだよ!」
唯「はえ?……ここどこ?」
澪「信じたくないけど、テレビの中…。私たちも一緒に吸い込まれちゃったんだ」
>だんだんと記憶がよみがえってきた
…そういえば律の姿が見えない
唯「り、りっちゃんは!?」
澪「だからさっきから言ってるだろう!起きたら律がどこにもいないんだ!」
唯「なんですと!?」
唯「りっちゃんを探さなきゃ!」
澪「うん」
唯「…霧でよく見えないけど、近くにはいないみたいだね」キョロキョロ
澪「たぶんあっちの方に行ったんだと思う」
唯「じゃあ行ってみようよ!」
澪「……」
唯「澪ちゃん?」
澪「う、うん、行こう」ビクッ
>律の捜索を開始した
>霧で視界が悪い…
唯「霧がすごいねー。来た道がもう見えないよ」
澪「そうだな…」
唯「りっちゃんこっちにいるかなあ?」
澪「たぶん」
唯「なんでこっちにいるって分かるの?」
澪「気配って言うか、うまく言えないんだけどそういうのを感じるんだ」
唯「テレパシー?私全然感じないのに澪ちゃんすごいな~」
澪「……」
>澪の元気がない
どうしたのだろう…
──テレビの中(生徒会室)
唯「ここには霧がないね。それに学校の教室みたい」
澪「桜が丘高校の生徒会室に似てる」
唯「そういわれればそうかも…」
>長机の上には何十枚もの紙が散乱している
血のような赤い文字でなにか書いてあるが、読み取ることはできない
唯「うわ…血みたいで気持ち悪い…」
澪「……ひっく…うっ…」
>澪は泣き出してしまった
唯「だ、大丈夫だよ澪ちゃん!こんなのへっちゃらへーだよ!」
澪「もぉやだ…うちに帰りたいよ…うう…」
唯「りっちゃん見つけないと!勇気だして頑張ろ?ね?」
澪「でも、怖い…」グスン
唯「私も側にいるから大丈夫だよ~」
澪「……」
唯「じゃあこうしよ!私と手を繋ぐの!」ギュッ
澪「あ…」
唯「これでどんなことがあっても離れないんだ~。むしろ二度と離れられないかも!?」
澪「そ、それは困る」
唯「怖いのは一緒だよ。りっちゃんだって何処かで怖がってると思う」
澪「……うん…私…頑張って探す」
唯「よーし!りっちゃん捜索隊再しゅっぱーつ!」
澪「…っ!」
唯「どうしたの?」
澪「あ、あそこ…!」
>澪が前方を指差す
なにか気味の悪いものがうごめいている
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唯「なにあれ…お、お化け…?」
澪「やだやだ!もう嫌ー!」
>澪は座り込んで泣き出してしまった
影A「……?」
影B「ギー!」
>影たちに気付かれた!
唯「澪ちゃん逃げよう!食べられちゃうよ!?」
澪「怖いよ、助けてよ!律うう!!」
>澪は恐怖のあまり混乱している!
唯「(こ、こうなったら私がなんとかしないと!)」
影A「グバアアアア!」
唯「っ!!」
────我は汝──汝は我
>頭の中で声がする…
──双眸見開きて汝──今こそ発せよ
唯「…ペ…ル…ソ…ナ」
唯「ペルソナッ」カッ!
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l / ヽ、 !
'-‐ '
唯「これが私の心の力…イザナギ…」
影A「グギャババババ!」
>影Aが雄たけびをあげながら襲いかかってきた
唯「き、きたな!弾きかえしちゃえー!」
>イザナギは剣で影Aを弾き飛ばした!
影Aは彼方へ吹き飛んだ
唯「すっごい!すっご~い!よーし、向こうのべろんちょもやっつけるぞ!」
>イザナギの剣が影Bを襲う!
影Bはなす術もなく彼方へ吹き飛んだ
唯「やったあ!大勝利だよ、イザナギ~!」
>影A、Bを倒した!
最終更新:2011年06月27日 00:08