土曜日

紬「ドキドキ・・・」

紬(そういえば澪ちゃんと二人で遊ぶのは初めてね・・・緊張してきた・・・)

澪「おす」

紬「ひ!あ、澪ちゃん!おはよう」

澪「なにキョドってんだ?まぁいいや。今日はなにか行く所とか決めているのか?」

紬「・・・あのね、私あの一軒で凄く反省したの。私今まで自分のやりたい事を押付けてた だけだった。そうならない様に注意してたんだけど、結局こんな事になってしまったの。
だからね!私、皆に合わせられるように頑張ろうとおもっ・・・

澪「それなら話は早いな、とりあえず向かいの時計屋に行こう」

紬「え!う、うん!いきましょう」


澪「ちょっとムギ、歩くの遅いぞ」

紬「澪ちゃんちょっと待って・・・」

澪(そんな動きにくそうな靴履いてくるからだろ・・・あ、靴も欲しいな)

紬「ごめんね」

澪「うわぁ、コレ良いなあ!見て、コレ良くない!?」

紬「ホント、カッコイイわね」

澪「・・・いや、コレ良いなー」

紬「?・・う、うん凄い良いと思うわ」

澪「・・・・」

紬「・・・・」

紬「・・・それが欲しいの?」


澪「じゃあ、次は靴屋に行こうか!」

紬「ええ」

紬(澪ちゃん楽しそう。やっぱり相手に合わせるのって大切ね。今日は良い日になりそう!)

澪「ムギー」

紬「う、うん今行くからー」

澪「まったく、今日はムギがいないと話にならないんだからな」

紬「え!そ、そうよね!ふふふ」

澪「(何ニヤニヤしてるんだ・・・)あ!この靴可愛い!」


澪「いやーまだ午前中なのにいっぱい買っちゃったな」

紬「そ、そうね(いけない、ちょっとお金を使いすぎちゃったわ。少し自重しないと・・・)」

澪「そろそろお昼にするか、ムギはどこか行きたいお店ある?」

紬「私は・・・あっ!吉野家って、一度いってみたかったの!」

澪「・・・」

紬「・・・でも、向こうにイタリアンの美味しいお店があるから

澪「よし、そこだな」



唯「お!ムギちゃんと澪ちゃんが一緒に歩いてる」

梓「ホントだ珍しい。まぁ、ウザキャラ同士お似合いですね。私達は・・・

唯「ねぇ、あずにゃん・・・そのウザいって言うのもうやめようよ・・・」

梓「えっ?」

唯「確かに癖のある二人だけどさ、聞いてる方もあんまり良い気しないし」

梓「・・・ご、ごめんなさいです」シュン

唯「分かればよろしい!じゃ、私達も思いっきり遊ぼう!」

梓「はい!」


……

澪「おいしかったー!えーと次はー」

紬(何だろう・・・)

澪「あ!新しいエフェクターも買わないとな」

紬(澪ちゃん、まさか・・・ううん!私ったら、最低ね・・・大切な友達なのに・・・)

澪「おい、早くしろよー!」

紬(でも・・・)


澪「ああ~買った買った!楽しかったな」

紬「ふふ、喜んで貰えて良かったわ。私ね、今まで澪ちゃんと遊んだ事無くって今日はすごく楽しくって

澪「じゃあ、明日も遊ぼうよ」

紬「え?」

澪「確かにムギと二人で遊んだ事は無かったけど、それはこれからして行けばいい事だろ?」

紬「澪ちゃん・・・」

澪「もっと一緒に遊んで、二人の距離を縮めよう!」

紬「そうよね!そうよね!澪ちゃん有難う!明日も遊びましょう!」

澪「ああ、じゃあ明日駅前に同じ時間な」

紬「はい!(一瞬でも澪ちゃんを疑ってしまった自分を殴りたいわ・・・澪ちゃん、有難う)」


澪「ぷっくくくく・・・」

澪(ダメだ、顔がにやける・・・今日だけで60万だもんなぁ・・・ムギウザいとか思って  た自分を殴ってやりたいよ いや、ウザいけど)

澪「あはは!明日が楽しみだな」



唯「あ、澪ちゃんだ!荷物いっぱーい」

梓「・・・クズですね」

唯「あずにゃん!」

梓「う・・・ゴメンナサイ。でもあれは流石にやり過ぎですよ」

唯「どういう事?」

梓「・・・つまり」


……

澪「あーあ重かった・・・あれ?律!?どうした人の家の玄関前で」

律「お前こそどうしたんだよ、その高そうなもんは」

澪「ああ!これ?ムギに買ってもらったんだよ。あ!明日も会う約束したから律も

律「ばかみお!!!お前自分が恥ずかしく無いのか!?」

澪「ビクッ!な、なに怒ってるんだよ・・・ムギが奢りたいって言ってたんだからいいだろ・・・」

律「・・・もう良いよお前の事は。じゃあな」

澪「なんだよムカつくな・・・」


……

紬「明日が楽しみね・・・ふふふ」

紬「あ、りっちゃんから電話だわ」


紬「はい、紬です。りっちゃんね!今日は凄く楽しかったの!明日も遊ぶ約束しちゃった」

律「ムギ・・・あいつは仲直りなんか考えてない!お前を金ズルだと思ってるんだ!明日は絶対行くな」

紬「・・な・・・で・・・」

律「え?」

紬「なんでそんな事言うの!りっちゃんは澪ちゃんの親友じゃなかったの!?ひどいわ!」

律「・・・」

紬「澪ちゃんは・・・澪ちゃんは・・・」

律「・・・ムギ、お前も薄々気がついてたんじゃないのか?」

紬「!!!うぅ・・・りっちゃんのバカ!」ピッ

律「・・・・切られた」


紬「澪ちゃんは・・・そんな人じゃ・・・」

紬「・・・・・」

紬「・・・・・うん」

紬「・・・・・やってみよう」




……

澪「うわ、このベース凄く良い!これがあれば人生変わるかもな!」

澪「これも明日になれば手に入る訳か~」

澪「うわあああー待ち遠しいなー!早く明日にならないかなー」




日曜日

紬「・・・・」

澪「よお!ムギ」

紬「あ!澪ちゃん!おはよう」

澪「じゃあ早速、今日は楽器屋に・・・」

紬「待って!澪ちゃん!」

澪「?どうしたムギ」

紬「私、今日は・・・お金全然持って来てないの!」

澪「・・・」

紬「でも、お弁当もってきたのよ!サンドイッチも作ってきたし」

澪「・・・」

紬「今日は、一緒にお喋りしたり・・・

澪「ふざけるなっ!!」

紬「ビクッ!」


澪「何がお弁当だ!何が嬉しくてムギとお喋りしないといけないんだよ!」

紬「でもっ昨日楽しいって・・・距離を縮めようって・・・」

澪「私が距離を縮めたいのはムギのサイフとだ!お金無いとか・・・ありえないだろ・・・」

紬「うぅ・・・ひっく・・・」

澪「じゃあ、私帰るからな。まったく」

紬(やっぱり・・・そうだった・・・の・・・)


紬「うぅ・・・りっちゃん・・・私・・・」


律「なに?」


紬「ひぃ!りっちゃん!?どうして!?どこから!?なんで!?」

律「おちつけ。それよりさー私お腹っちゃった!お弁当食べようぜ!」

紬「え・・・」

律「朝早くから作って来たんだろ?サンドイッチのお弁当」

紬「・・・りっちゃん」

律「お喋りしながら食べようぜ!」

紬「うぅ・・・りっちゃん・・・」


律「うお!つぶつぶがーつぶつぶだー!」

紬「それはキャビアね」

律「・・・まさか、生まれて初めてのキャビアをサンドイッチで食うとは」

紬「ふふふ・・・りっちゃん?」

律「んあ?」

紬「澪ちゃんは・・・私の事・・・」

律「・・・うん、凄い嫌ってた・・・」

紬「そう・・・」

律「まぁ、これだけ人がいるんだ。合う合わないくらいはあるだろ」

紬「うん・・・」

律「あと、ムギもムギだよ、お人好しすぎだ!」

紬「!ご、ごめんなさい・・・」

律「多分ムギはこれからも色んな人に騙され続けるだろーなー」

紬「そうよね・・・わたしは・・・」

律「だからさ・・・そうならないように・・・」

律「私が、ムギを守るよ・・・」

紬「・・・え」

律「・・・」

紬「・・・それって・・・」

律「・・・うん」

紬「・・・」

律「・・・」

紬「・・・いいの?」

律「なにが?」

紬「りっちゃんはそれで」

律「良いから言ってんだろ」

紬「・・・」

律「・・・ムギは?」

紬「・・・」

律「・・・?」

紬「りっちゃーーーーん!!!」ダキッ

律「うわああああ!ど、どうした!」

紬「良いに決まってるでしょ!りっちゃんじゃないとイヤッ!イヤイヤッ!」

律「あはは・・・そ、そっか、これは喜んで良いんだな」

紬「ううーりっちゃーん」

律「なんか・・・大変な一日だったな」

紬「ええ・・・でも、最高の日だったわ」

律「澪の事は・・・」

紬「もちろん諦めないわ。大切な友達だもの」

律「そっか・・・」

紬「でも、しばらくは・・・りっちゃんとずっと一緒にいる」

律「お、おう!私もムギと一緒にいるぞー!オシドリ夫婦だ!」

紬「うふふ・・・あっ!?」

律「・・・手繋いだ方が、その・・・ま、迷わない・・・?」

紬「・・・」

律「・・・」

紬「っぷ!・・・あははは」

律「っな!わ、笑うなー!必死に理由考えてたんだから!」


紬「・・・りっちゃん?」

律「ん?」

紬「これから宜しくお願いします」チュ

律「!ううぉう!ま、まかひぇろー///!!!」

紬「りっちゃんたら、可愛い」

律「か、からかうない!」

紬「ふふふ」




……

澪「おーす」ガチャ

唯「あ、み、澪ちゃん・・・お、おーす・・・」

梓「・・・」

律「ういーす」

紬「じゃあ、みんな集まったことだし、ティータイムにしましょう」

一同「わーい」



澪「・・・」

唯「んーおいしー!」

梓「あ、唯先輩!クリーム付いてますよ」ペロッ

唯「あ、ありがとーあずにゃん///」

澪「・・・なんだろう」

紬「はい、りっちゃん。あーん!」

律「お、おい、恥ずかしいからやめてくれよー」








澪「みんなと距離を感じる・・」



                          おわり





最終更新:2010年01月18日 01:02