澪「……」
澪「……」
澪「……」
澪「部屋に何かがいる気がして眠れない……」
澪「いや、気のせいだよな。うん」
澪「早く寝ないと明日の講義に間に合わないかも……」
カタッ
澪「ひっ!?」ビクッ
澪「だ、誰だ!?」
澪「……」ガタガタ
シーン…
澪「は、はは……気のせいか。まったく、私も気配に敏感すぎだよな」
澪「感知スキルが人より優れているというのも考えもn」
ガタガタ
澪「きゃああああああっ!?」ビクッ!
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない……」
澪「……」ブルブル
澪「……」チラッ
澪「……」
澪「は、はは、はははは……風で窓が揺れただけかな?今日は風が強いもんな、うん」
澪「気にしすぎ気にしすぎ……早く寝よっ」
澪「……」
澪「…………」
澪「………………」
シーン…
澪(うう、耳鳴りがする……)
澪(無視無視。目を瞑っていればすぐに眠気が来るはず)ギュッ
澪「……」
澪(ほ、本当に何もいない……よな?さっきから何か気配がするような……)
澪(しかもそれが私の方をじっと眺めているような……)
澪「はっ!そ、そういえば……」
……
律「なあ澪~、総合英語のレポートなんだけど……」
澪「見せないぞ」
律「はやっ!?」ガーン
澪「自分でやれ」ペラ…
律「お願いだよ澪~!明後日提出なのにまだ一行も書けてないんだよ~っ!」ユサユサ
澪「自業自得だろ。あと離せ、読みにくい」ガクガク
律「というかさっきから、雑誌見てばかりで私に一瞥もくれないってひどくない!?」プクー
澪「……」ペラ
律「無視!?」
澪「あ、この服可愛い……」
律「幼なじみのお願いだよぅ澪ちゃあん……」ウルウル
澪「高い……」
律「澪~、みぃお~」
澪「むむ……節約すれば何とか」
律「……」
澪「ふう……自分の部屋に戻ってレポート書いた方がいいぞ?二日もあれば終わるだろ」
律「み……」プルプル
澪「み?」
律「澪の薄情者ーっ!もう頼まないよーだ、ふんっ!」ダダッ
澪「あっ、おい律!」
律「え?やっぱり見せてくれるって!?」キラキラ
澪「部屋の中であまり走ったり大声出したりしないでくれ。また和田さんに怒られちゃう」
律「……」
澪「どうした?」
律「ばーかっ!」
バタンッ!
澪「……行ったか」
澪「やれやれ、これで律も少しは真面目になってくれるといいんだけどな。学部も違うし、これからは私じゃ手助け出来ないこともあるだろうし……」
ガチャッ
澪「ん?」
律「言い忘れてた」
澪「まだ何かあるのか?」
律「大切な話があったんだ……実は菖から聞いたんだが……」
澪「吉田さんから?」
律「実はなこの寮……出る、らしいんだ」
澪「ふぇ!?」
律「夜中になると、な……まあけっこう古い建物らしいし」
澪「で、でででで出るって何が……」
律「いや、色々あるんだが……。あれだ、深夜になると部屋の中にな、ふっと自分以外の気配を感じることがあるらしいんだ」
澪「……」ガタガタ
律「その気配が気になって部屋を調べても何もいない。そんでもって気のせいか、と思ってベッドに戻ろうとすると……」
澪「す、すると?」
律「……ベッドの上にな、いるらしいんだ。いつの間にか、髪の長い金髪の女の子が……」
澪「ひいいいいっ!?」ビクウッ
律「その子は昔ここで自殺した女の子らしくて、大学生活を満喫している私たちみたいな人を見つけると」
澪「み、見えない聞こえない見えない聞こえない……」ガクブル
律「もし目を合わせちゃったりしたら……」
澪「や、やめてよりつぅ!」
律「ぷくく……
その他にもな、廊下に背の高い女の人が――――」
澪「いやああああああっ!」
……
澪「…………」ガクガクブルブル
カタッ
澪「ひゃあうううっ!?」ビクーン
澪「……」
澪「ふ、ふふ、ふふふふ……」
澪「……よし!誰かの部屋に行こう!」
澪「決して私が怖いから行くわけじゃないぞ?ただ、律とかが怖がってたら可哀想だから様子を見に行ってあげるんだ、うん」
澪「そうと決まればさっそく……」モゾモゾ
澪「……」ピタ
律『もし目を合わせちゃったりしたら……』
澪「……も、毛布を被って行こうかな?」
澪「あれだ、防御力が上がるからな。今日は肌寒い気がしないでもないし」
澪「んしょ……」モゾモゾ
澪「よし、完璧だ!」
澪「それじゃあ律の部屋に……」
澪「い、いや待て。もしこの状態で律の部屋なんかに行ったら……」
律『あっはっはっはっは!くくく……何だよその格好はっ!』バタバタ
律『ん?幽霊が怖い?あら澪ちゃんはまだまだ臆病でちゅねー、可愛い可愛い』ナデナデ
律『よしよし、今日はりっちゃんが一緒に寝てあげるからねー。安心していいでちゅよー?』
澪「……」
澪「そ、想像しただけでも屈辱的だ……!」
澪「そもそもこんなことになったのも律のせ……じゃない、そもそも私は怖がってなんかいないんだからな、うん」
澪「ただみんなが心配なだけ。でも律のとこは止めとこう」
澪「ん……」
澪「…………」
澪(ま、また視線を感じる気がするぅ)ガクブル
澪「と、とりあえず部屋から出よう」モソモソ
澪(出来るだけ室内の様子を見ないように……)モソモソ
ガチャッ
澪「よし、ミッションコンプリート!」
澪「……」
シーン
澪(うう、やっぱり深夜の廊下って怖いなあ……)
澪「とにかく誰かの部屋に……」モソモソ
澪「毛布で前がよく見えない」モソモソ
澪「ムギの部屋に行こうかな……何も聞かずに一緒にいてくれそうな感じが」モソモソ
ゴンッ
澪「あいたっ」
澪「痛いぃ……壁に頭ぶつけたあ……」
澪「うう……」
澪(痛いけど我慢我慢……こんなとこにずっといるのは嫌だし、早くムギの部屋に……)モソモソ
澪「ここ、だよな?」
澪「ムギ起きてるかな?いや、寝てるよな……」
澪「ムギ~?」コンコン
澪「……」
澪「反応がない」
澪(ムギの部屋に勝手に入るのも気が引ける……唯の部屋に行こうかな)クルッ
ドンッ
澪「わあっ!?」
澪「あいたたた……また何かにぶつかっちゃった……って」
澪「あ、ああ、あああ……」ガタガタ
「あいた……」
澪(せ、背の高い、女の人……?もしかしてこれも律の話してた……!)ガタガタ
「……大丈夫?」スッ
澪「ぴいっ!?」ビクッ
澪(お、大きい!私よりずっと!)
澪「い、いやああああああああっ!」モソモソモソ!
「!?」ビクッ
澪「こっち来ないでええええっ!」モソモソモソ
「あれ、あなたもしかして秋山さ……」
澪「ひいっ、背の高い女の人が追って来るうっ!許して八尺様あああああっ!」モソモソモソ
「……!?」ガーン
澪(こ、ここから一番近いのは……!)
澪「唯いいいいいいっ!助けてえええええっ!」
ガチャッ、バターン!
……
澪「うう~……怖かったよお……」グスッ
唯「よしよし」ナデナデ
律「ふわあ~……ねむ。あれ、何やってんだ二人とも」
澪「……」ジロッ
律「な、何だよ澪」
唯「ふふっ、澪ちゃんねえ、昨日の夜にりっちゃんに教えられた幽霊を見たんだって」
律「は?」
唯「でね、私の部屋に毛布を被って飛び込んできてね。それからずっと一緒にいたんだあ♪」
澪「こ、こら唯!」
唯「ごめんごめん。でも、怯える澪ちゃん可愛かったよ~♪」
澪「む~!///」
律(あの話は完全に作り話だったんだけどな……)
律「しっかし澪、何で私の部屋に来なかったんだ~?私なら澪ちゃんをいつでも慰めてあげるのに」クシシ
澪「ふん、お前の部屋なんか行くわけないだろ」プイッ
律「あらら、ご機嫌斜めだな」
唯「澪ちゃん、機嫌直して~。よしよし」ナデナデ
澪「ゆ、唯ぃ……///」
律「やれやれ」
菖「おはよう律!ねえねえ聞いた?」
律「おーっす。聞いたって何を?」
菖「お、その様子じゃ聞いてないみたいだね。昨日の夜に出たんだって、幽霊が!」
澪「ひっ!?そ、それってもしかして背の高い……」
菖「ん?いや、それじゃないなあ。私が聞いたのは何だか白い布みたいなのを被ったヤツが深夜の廊下を徘徊してたって話で……」
澪「あ、新手の幽霊まで出現してたの!?」
律「ほっほう……よかったなあ澪、鉢合わせにならなくて。でもひょっとしたら澪ちゃんは昨日幽霊に取り囲まれてたのかも……」
澪「いやあああああっ!ゆいいいいいっ!」ダキッ
唯「わわっ」
菖「秋山さんどうしたの?」
律「くくく……いや、何でもないよ。それより今日の講義は……」
唯「……」
澪「唯~、ゆい~……」
唯(白い布を被った……って、間違いなく澪ちゃんのことだよね。廊下をもそもそ移動してきたみたいだし)
唯(澪ちゃんってば、自分に怯えちゃってるよ)
唯(でも……)チラッ
澪「?」ウルウル
唯(可愛いから教えなくてもいっか♪)ナデナデ
おしまい
おまけ
幸「……」テクテク
澪「あ!林さん、おーい!」タタッ
幸「……」ピタッ
澪「これから講義だよね?よ、よかったら一緒に……」
幸「……」プイッ
澪「えっ!?」ガーン
幸「……」テクテク
澪「ま、待って林さん!」
幸「……」ピタ
澪「わ、私何か悪いことした……?」
幸「……私、八尺様じゃない」
澪「え?」
幸「そんなに……背、高くないもん……」グスッ
澪「わっ!?な、泣かないで林さん!」アタフタ
今度こそおしまい
きららを追ってないと分かりにくい話だね、ゴメンね
見てくれた人ありがとう
最終更新:2011年06月29日 01:00