数日後

純「ハァ……」

憂「なんか純ちゃんやつれたね……」

梓「夏バテなのかな……」

純「ハァ……」

憂「ねぇ純ちゃん大丈夫?休んだほうが良いんじゃない?」

純「動機がする……」

梓「え?」

純「めまいがする……息が切れる……なんとかして梓!」ガバッ!

梓「そんなの医者に聞いてよ!わたしじゃ手に負えないよ!」

純「あああ……」

純(もう四六時中澪先輩のことが頭に浮かんで辛いよぉ……もう病気だよこれは……)

憂「あれ?なんか曇ってきたね」

純「え?」

梓「ホントだ。そろそろひと雨きそうだね」

純「たしかに雷の匂いがするね」クンクン

梓「どんな匂いなのさそれ……」

憂「なんかこのまま世界が滅亡しそうな天気だね」

梓「なに言ってるの憂……怖いよそれ……」

憂「分からないよ梓ちゃん。もしかしたら明日世界が無くなっちゃうかもしれないんだよ。
  だからやり残しが無いように生きていこうよ!」

梓「そんな大げさだよ。憂はテレビの見すぎ」

純「……」

憂「梓ちゃんはなにかやり残してることは無い?やり残したままだと後悔するよ」

梓「とくに無いよ。まぁ強いて言うならもっとちゃんと部活したいなぁってぐらいかな」

憂「純ちゃんは?」

純「え?わたし?」

憂「うん」

純「わたしは別に……」

純(やり残してるとしたらやっぱり澪先輩についてだよなぁ……告白したところで成功するわけが無いし……)

純(でもこのままなにもしないというのも悔いが残るよね……澪先輩と一緒に居れるのもせいぜいあと1年ちょいだし……)

憂「純ちゃん?」

純「(よし決めた!)あるよ!やり残したこと!」

梓「純のことだからどうせベルマーレが優勝するまで死ねない~とか言うんでしょ。一生ムリだと思うよ」

純「わたし澪先輩に告白する!」

梓「ブーッ!」

純「ちょ、汚いなぁ梓は。もっと上品にしなさいよ」

梓「い、いきなり驚かさないでよ!コーラ全部吹いちゃったじゃん!」

憂「ねぇ純ちゃん、今の本気?」

純「マジだよマジ!わたしはこれから澪先輩に告白しに行く!」

梓「純って澪先輩のことが好きだったんだ……レズだったんだ……」

純「なに?そうやって差別する気?」

梓「いや別にそういうつもりは……」

憂「わたしはステキだと思うよ!頑張って純ちゃん!」

純「バッチコイよ!」フンス


  放課後

純「ううう……」ドキドキ

憂「純ちゃん顔が真っ青だよ……」

梓「そりゃ今から前代未聞のことをするって言うんだからね」

純「吐きそうだよ……ううう……」

憂「落ち着いて純ちゃん」

純「やっぱムリだよぉ……確実に気持ち悪がられる。軽蔑される。校内の笑い者になる。うう……」

梓「えらいネガティブになったな……もっとドーンと構えるべきだよ。シャキッとしなよシャキッと」

純「ううう……」

梓「ほら部室に着いたよ」ガチャ

澪「お、今日は憂ちゃんも来たのか」

純「!!」

梓「あれほかの先輩たちはどうしたんですか?」

澪「ほかのメンバーは掃除当番なんだ。だから遅くなるんじゃないかな」

梓「そうなんですか」

憂「これは告白するのにお誂え向きね純ちゃん」

純「うん……」

澪「先に練習するか?律たちが来たら出来なくなるし」

梓「そうです……あ!すいませんわたし教室に忘れ物しました!」

澪「忘れ物?」

梓「はい!ついうっかりしてました……憂、ついて来て」

憂「うん」

梓「それじゃ純は待ってて!」チラッ

純「……」

梓「それじゃあ急いで行ってきます」

憂「純ちゃん頑張ってね!」ガチャン

純「……」

澪「なにを頑張るんだ?」

純「いや別になんでも無いですよハハハ」スタッ

純「し、しかし今日は良い天気ですね」

澪「どこがだよ今にも降ってきそうじゃないか……」

純「そ、そうでしたね……ハハハ……」

純(ああなに話していいか分からないどう告白すればいいかわからないよぉ……)

澪「なぁ純」

純「ひゃい!?」

澪「(噛んだ……)じつはこの前の合宿の時の話なんだけどさ」

純「こ、この前合宿の時の話ですか!?」

澪「き、肝試しあったじゃないか」

純「き、肝試しあったじゃいか?」



梓「オウム返しばっかじゃダメだよ純……」

憂「盗み聞きはまずいよ梓ちゃん……」


澪「あのとき一緒に回ったよな」

純「はいたしかに回りましたね……(あのときの澪先輩可愛かったなぁ。もちろん今も可愛いけど)」

澪「なんというかその……」

純「はい?」

澪「あのときのわたし気持ち悪かっただろ……」

純「え……」

澪「ひとりでキャンキャン喚いてさ。それに純に抱きついたりしちゃって
  先輩としてすごく恥ずかしい姿をされしちゃってさ……不快だっただろ?」

純「そ、そんなこと無いですよ!別に気にしてないですし!それにうれしかったですよ逆に……」ボソッ

澪「ううんいいんだそういう慰めは。情けない先輩で済まなかったな……」

純「慰めとかじゃないですよホントに!わたしはそんなに気にしてませんって!」

澪「だってあれ以来元気ないじゃないか!わたしに抱きつかれたのがトラウマになってるんだろ?」

純「だから違いますよ!(むしろ逆です!)」

澪「同性に抱かれるのなんて嫌だろ普通。そんなことするやつは異常だよ異常」

純「(それを言ったら唯先輩の立場が無いですよ……)そんなこと無いですよ澪先輩」

澪「ええでも……」

純「でもじゃないですよ!ああもうメンドくさい!わたしは澪先輩に抱きつかれて不快にもなんにもなりませんでした!」

澪「ほ、ほんとか?」

純「ホントですよ!だって……」

澪「だって?」

純「だってわたし澪先輩のことが大好きですから!」


澪「……」

純「ハァハァ……(言っちゃったよついに……)」

澪「す、好き……わたしのことが……?」

純「そうですよ!もちろんL・O・V・Eのほうですよ!」

澪「い、いつから……」

純「え?」

澪「い、いつからわたしのことが好きなんだ?」

純「一目見たときからですよ!まさにひとめぼれってやつです!
  最初に会った時にビビビと来たんですよ!」

澪「そうなんだ……」

澪「でもわたしのどこが良いんだよ……一緒に居ても楽しくないしウジウジしてるし……」

純「そんなこと無いですよ!澪先輩と一緒に居れるだけでわたしは満足なんですよ、ただそれだけです」

澪「でも女の子同士だろわたしらは……それって……」

純「しょうがないじゃないですか好きになっちゃったんですから!澪先輩のせいですよ全部!」

澪「わたしのせい……」

純「そうですよ!わたしはあなたの魅力にとりつかれてしまったんです!魔法を掛けられたんですよ澪先輩に!」

澪「なんかさっきからすごい恥ずかしいこと言ってるな……」

純「こんなこと澪先輩以外にはだれにも言えませんよ」

澪「……」

純「嫌ならはっきり言ってくださいね、そのときはきっぱり諦めますんで。
  それで万が一OKだったなら、わたし澪先輩のために頑張りますから……」

澪「じゅ、純……」

純「……」


憂「きゃあ純ちゃんすごい///顔が熱くなっちゃうよ///」

梓「ちょっと憂ばかり聞いてないでわたしにも聞かせてよ……」

ガチャン

純「……」

憂「じゅ、純ちゃん!?」

純「……聞いてたの?」

梓「ごめん純!憂がどうしても聞きたいって言うから!」

憂「ひどいよ梓ちゃん!それでどうだった純ちゃん!?結果は?」

純「……」

梓「顔真っ赤だよ純……」

純「だ……」

憂「やっぱりダメだった?」

純「だ……だ……」

梓「だ?」

純「だれにも言えねぇ/////」スタタタタッ!

憂「ちょっと純ちゃん!」スタタタタッ!

純「/////」スタタタタッ!

憂「待ってよ!話聞かせてよぉぉ!!」スタタタタッ!

梓「結果聞かせろぉぉぉ!!」スタタタタッ!

純「言えねええええええええええ!!!!!!」




最終更新:2011年06月29日 21:59