皆(また沈黙が………)
唯「あのー田中さん？」
律「はい？」
唯「さっき言ってたマンガ貸して貰えませんか？」
律「あれ弟のなんでちょっと……」
唯「そ、そうですか……」
律「すいません!」
唯「あ、あ、大丈夫ですっそんなに気にしてないです!」
律「本当にごめんなさい!」
唯「いやいやこちらこそ………」
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
唯「…………」
律「…………」
澪「…………」
紬「…………」
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
ｲｰﾁﾆｰｻﾝｼｰ…
ﾌｧｲﾄｰｵｰ…
唯(ああ静か過ぎてここまで運動部の声が聞こえるよ……)
ﾋﾟｰﾋﾟｰｰ…
皆「…………」
唯(私もあんな賑やかな部活に入ってれば変われたのになぁ……)
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
唯「…………」
唯(このままでいいわけないよね…)
律(一歩踏み出してもまたダメなんだろうな)
澪(自分が情けない…)
紬(はぁ…気まずい)
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
唯(変わらなきゃ…)
律(ダメ元だ!ダメ元だ!!)
澪(勇気出さないと)
紬(頑張らなくちゃね)
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
唯律澪紬「あのっ!!」
唯律澪紬「…!!」
時計の音がしなくなった。
いつも沈黙が続き聞こえてくる時計の音が。
しかし、一瞬だった。
声が揃った瞬間みんな固まってしまい、あの沈黙が訪れた。
唯(と、取り敢えず誘ってみよう)ｱｾｱｾ
律(くそっ!誰かしゃべって)
澪(自信なくなった…)
紬(はぁ…)
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
唯「あっ、あのさ」
律(よしキタ)
澪(これに…便乗しよう)
紬(ん？…)
唯「いっ、いっ、いっ…」
律澪紬(頑張れ!)
唯「いっ、いっ、いっ…」
律澪紬(が…頑張れ!)
唯「…」
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
律澪紬(えー!!?あきらめた!?)
唯「……びませんか」ﾎﾞｿ
律澪紬(へ？)
唯「一緒遊びませんか!!!?///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
律澪紬(ﾄﾞｷﾄﾞｷ
律(凄い嬉しい!!)
澪(平沢さん凄い!!)
紬(まぁ!!)
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
唯(反応ない…)ｳﾙｳﾙ
唯「ご、ごめんなさい。」ﾅｷﾅｷ
律(あ…)
澪(返事)
紬(返してなかった)
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
律「ひ、ひ、平沢さん泣かないで」
澪「そ、そうだよ。はいハンカチ」
紬「顔をあげて」
唯「ｸﾞｽ…秋山さんありがとう」ｸﾞｼﾞｮｸﾞｼﾞｮ
紬(！…かわいい//)
唯「それに田中さん、琴吹さんも…」ｳﾙｳﾙ
律「はい…。と、ところで平沢さん」
唯「な、なんでしょう!?」
唯(断られるのかな…)
律「私もみ、みなさんと遊びたいなって…」
唯(！)
澪「わ、わ、わたしもみなさんと遊びたい…」
紬「わたしも…」
唯「…ほんと？」
律澪紬「…うん」
唯「えへへｗｗありがとう」
ﾁｸﾀ…
律「あ、あのみなさん…」
律(危ない危ない…)
律「ため口でもいいですよね…いや……いいよね？」
唯「うん！」
澪「…そう…しようかな」
紬「ええ」
律「少しずつ慣れていけるはず…きっとだけどｗ」
澪「そうだね」
紬「ええ」
唯「あ、遊ぶ予定ですk…だけどいつにする？」
唯(まだしゃべり方難しいや…)
律「私は合わせるよ…」
澪「私も…」
紬「私も…」
唯「じゃ、じゃあ明明後日の日曜日にしよう？…だ、駄目かな？」
律「お、オッケー」
澪「…その日でいいよ」
紬「いいわよ。」
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
澪「ど、どこで遊ぶの？」
唯「みんながよければ、うちでもいいよ」
律(秋山さんナイス平沢さんもナイス)
紬(順調よね?)
律「私は賛成だよ」
紬「えぇいいと思うわ」
澪「じゃあ平沢さんの家に決定だね」
唯「じゃあ私の家だね…」
唯「……」
ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ…
律(時計復活か…)
紬「…あ…あのね」
澪(ナイス琴吹さん)
唯「な、な～に？」
紬「携帯の番号とアドレス……」
唯律澪「あ…」
紬「まだ交換してないよね？…みんなと交換していいかしら？……」
澪「うん。…みんなもいい…よね？」
唯「も、もちろんだよ」
律「うん。じゃあ琴吹さん赤外線受信して～」
律(こんな感じでいいのかな？まだみんなの前では違和感があるけど…)
律「みんなも受信してね。」
澪「え？あ、はい」
唯「うん。」
唯澪紬 受信中です。
律 送信しました。
唯(登録っと…ってえ!!!!?田中さんじゃない!!!!!!)
唯(待って待って待って…今まで私、『田中さん』って呼んでた…
でも、電話帳には"
田井中律"って書いてある。
って事は私が『田中さん』と認識していた人物は
"田中さん"では無く"田井中さん"だったんだ…
凄いなんだか、耳が熱い…凄く熱いよ。
自分で顔が真っ赤っていうのが分かる。
心がけ耳に表されているみたい…あぁだから、
耳に心と書いて『恥』と読むのか…
兎に角恥ずかしすぎる…)
律「ひ、平沢さん!?」
唯「あわ…あわわ…」ｶｶｯ
律「だ、大丈夫？顔真っ赤だよ？湯気出てるしさ」
澪「平沢さん!?」
紬「大丈夫!?」
紬(かわいい//)
唯「あ、あの、えっ…あ…田中さん、じゃない!!田井中さんごめんなさい!!!」ｶｶｯ
律「え？な何が？……あ、名前の事？」
唯「て、てっきり田中さんだとずっと思ってて……人の名前間違えて最低だよね…」
律「いや言わなかった私も悪いよ…だから、おあいこにしよ？ね？」
唯「田井中さんありがとう」ｳﾙ
律(今まで言えるふんいきじゃなかったし。仕方ないよな)
律「そんなことよりみんな交換しちゃおうよ？平沢さん送信してよ」
唯「う、うん。」
律澪紬…受信中です。
唯…送信しました。
律「よし。平沢さんは"平沢さん"なんだねｗ」
唯「田井中さんヒドイｗｗ」
澪「ｗｗ」
紬「ふっｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
紬(ツボッたｗｗｗｗｗｗ)
律「ごめんねｗ」
律(…知らぬ間いじれてた)
唯「もーｗ」
唯(仲良くなれそうだな～)
澪「ｗ今度は私が送信ね。」
澪(なんか楽しいなツッコみしたい)
紬「ｗｗｗｗｗうｗｗん」
紬(ｗｗｗｗｗｗｗｗｗ)
唯律紬…受信中です。
澪…送信しました。
唯「私まだ電話帳交換してなかった事にびっくりしてるよ」
澪「今思えば不思議だな」
律「へへっそうだね。」
律(秋山さんの口調が変わってきたみたい。)
紬「登録したわ。じゃあ私の番ね。…はい。」
唯律澪…受信中です。
紬…送信しました。
紬「いけたわね。」
律「よし、登録っと」
唯「登録したよ！それにしても秋山さんと琴吹さんが"秋山さん"と"琴吹さん"で良かったよ。」
律「間違えられるのは私だけで、十分だねｗｗ」
唯「ヒドイよ田中さんｗｗ」
澪「田井中さんだろｗ」
律紬(ツッコンだ!?)
澪「ん？登録名『琴吹ムギ』？琴吹さんって『紬』だったよね？」
紬「えぇ。それはあだ名なの。みんなもそう呼んでくれたら嬉しいかな//」
唯「ムギちゃんか～これからそう呼ぶね！」
律「私もそうする。」
澪「じゃあ私もな」
紬「ありがとう。あっ、みんなの呼び方も変えない？」
唯「あ、じゃあ私の事唯って呼んでね」
律「私も下の名前で//」
澪「わ、私は…」
澪(うっ、さっきとは別の恥ずかしさ…)
唯「澪ちゃんって呼ぶねｗ」
澪「うっ、うん//」
唯紬(澪ちゃんかわいい//)
唯「律ちゃんはりっちゃんって呼ぶね～」
律「お、おぅ！//」
紬「りっちゃん照れてかわいいわね」
律「ムギうるさいぞｗ」
唯「澪ちゃんもずっと照れてるね」
澪「だって恥ずかしいもん…」
律「髪の毛綺麗でかわいいね」
澪「律ちゃん恥ずかしい/」
紬「まぁ」
唯「澪ちゃんはりっちゃんの事を"律"って呼んだ方がいいかもね！その方がしっくりくると思うよ」
紬「そうかもね。律ちゃんも"澪ちゃん"って呼ぶよりそのままの方がしっくりきそうだわ」
唯「ほら、ムギちゃんも言ってるよ！」
律「なんか、恥ずかしいな～」
澪「私はそれで、仲良くなれるなら…」
唯「ほら、澪ちゃん同意しました！男らしく引っ張るんだー!!」
律「私は男か!!」
紬「ふふふ」
律「んじゃあ…これからもよろしく澪！」
澪「うん。よろしく律！」
澪「なぁ唯」
唯「なに澪ちゃん？」
澪「もう、今日遊びに行かないか？」
律「おっ賛成！」
紬「いいわね。」
唯「そうしよそうしよ！」
唯たちは昨日の唯の「遊びの誘い」によって今までとは大違いの楽しいふんいきの軽音部になった。
誰もが心を閉ざしていたが、それはもう過去の話。
もちろん部外者はそんなこと知るわけもなく…
コンコン ガチャ
和「ちょっといいかしら」
唯律澪紬「はーい！」
和(え？何かしらこの雰囲気…違う昨日と全く…)
和「昨日言ったわよね後期の部費申請の用紙がまだ出てないの。今朝に届けてって言ったはずよ。」
律「あ……また出し忘れてた」
和「今日までにお願いね。私の力もこれまでだから。」
律「わかってるって！」
澪「わかってるないからこんな事になるんだろ!!」ｺﾞﾁﾝ
和「えっ…」
和(この子たちって仲良かったっけ…？)
律「いっーて～～殴ることないだろー」
澪「昨日書くって言ってたじゃないか!」
唯「ハハハ」
紬「ふふふ」
和「と、とりあえず期間は放課後までだから早く出してね」
律「……はい」ｳﾙ
和「なんか調子狂うな～」
おわり
最終更新：2010年01月19日 00:56
