・・・
律・澪「えー!?」
唯「ごめんなさい……」
澪「いいよ、唯が悪いわけじゃないんだ」
律「そうそう。プレゼントはまた別で用意したし」ヤスモノデモウシワケナイケド
澪「料理だって頑張って作ったんだ。ムギもよろこんでくれるよ」
唯「でも……ムギちゃん。アイマスクもくじの景品もとっても楽しみにしてたんだよ」
唯「がっかりさせちゃわないかなー……」
澪「しないしない。ほら、あとちょっとでムギが来るんだから準備しなきゃ」
ピンポーン
梓「ごめんくださーい」
律「お、梓来たじゃん」
唯「はぁ……」
梓「そうですか……先輩たちもやっぱり今回の戦争に」
律「結果は前回と比べて、惨敗って感じだけどな」
澪「甘く見てた私たちがバカだったよ」
梓「そんな、自分を責めないで」
律「にしても何だ、梓は……すごいな」
律「なんだその手に抱えた袋の量は!!」
梓「戦利品です」
唯「しゅごぉい……」
澪「な、なぁ……梓、それ」
梓「あ、あげませんよ! これは私の財産も同然なんですから!」
澪「そうか……」
梓(前回目の前で散々自慢されて悔しい思いしたんだもん!)
梓(今回は私が先輩たちの前で見せびらかしてニヤニヤしてやる……!)ニッ…
唯「あずにゃんはあずにゃんで頑張ったんだもん」
唯「それなのに都合よくちょーだいだなんてあずにゃんに失礼だよね」
律「まぁ、な」
澪「ごめん、梓」
「……」
梓「うっ……」
律「さぁー! 湿っぽいのは無し! ここまで!」
律「後はムギがきたらパーティ始めるぞー!」
梓(見せびらかして喜ぶなんて……私、それって人として間違ってないかな?)
梓(そうだ……あの時の唯先輩のように、私も)
梓「ちょっと皆さん聞いてください!」
澪「梓?」
梓「ちょっぴり、ムギ先輩をビックリさせてあげませんか?」サ
ムギマスク×4
・・・
ピンポーン
紬「ごめんくださーい」
シーン…
紬「みんなー?」
紬「いないの? でもお部屋の鍵開いてたし……」
スタスタ…ガチャリ
紬「みんなー」
ムギ(律)「あら、ムギちゃんいらっしゃい~」
ムギ(澪)「お、お茶淹れるからそこに座って待ってて~」
ムギ(唯)「お菓子もあるのよ~!」
ムギ(梓)「うふふーです」
紬「えっ」
ムギューン
紬「私がいっぱいいる……」
紬「ううう……」
ムギ(律)「あ、あれ……なんか期待して反応と」
ムギ(梓)「やっぱり受けませんでしたかね……」
紬「みんなずるーい!」
「えっ」
紬「みんなばっかり楽しそうな事して、ずるいわ!」
紬「私も私ごっこしたいです!」
ムギ(澪)「む、ムギ……」
ムギ(唯)「じゃあ今からムギちゃんごっこゲームで、素がでた人が負けね!」
ムギ(律)「いや、誕生日会やろうっての」
紬「えへへっ」
梓(マスク、役に立ってよかったよ)
ムギマスク×4「ポワポワ」
梓「む、ムギ先輩……」
紬「なぁに? 梓ちゃん」
梓「……あの、これ。私たち全員で協力して買ってきたんですけど」プルプル
梓「ぷぷぷっ、プレゼントです!! よければ貰ってくださいぃっ」ドッサリ
紬「これって……わぁ~!! すごーい!」
律「お、おい、梓いいのかっ」ヒソ
律「それってお前がゲットしてきたくじの景品とかだろ」
澪「全部あげちゃうって……」
唯「そ、それに私たち、別にあずにゃんのお手伝いなんてしてないよっ」
梓「……いいんです!!」
梓「だ、だって、皆さんはあっちこっち走り回って、ムギ先輩のために頑張ったんでしょう?」
梓「ほら、気持ちっていうか何というか……いいじゃないですか、これで!」
紬「~♪」ニコニコ
梓(こんなに可愛くてキラキラしてる笑顔が見れたんだから……いいんだよ)
「ハッピーバースデー! ムギー!」
次の日
純「え!? 全部あげちゃったのっ」
梓「あげるというか、えっと、ほら」
梓「みんなには言ってなかったけどあれは全部ムギ先輩のために買ったんだよ」
純「あんた……」
梓「べ、別にほら! 私はもうああいうグッズとかいらないしさ!」
梓「それに今回の事で大事なこと学べたんだー」
純「大事なこと?」
梓「うん。得をした人がいるだけ、損をする人もいる」
純「そんなの結局他人事じゃんか」
梓「そうなんだけどさ。ほら」
梓「昨日はムギ先輩にとって特別な日だったんだから、損なんかしてほしくなかったんだよ」
純「……あ、梓さ。あんたちょっと背伸びた?」
世の中には2種類の人がいる。1つは多々買いを乗り越え、大きく成長する者。1つは多々買いを乗り越え、穢れを背負う者。
多々買え!中野梓! 再び訪れるであろう一番くじに向けて!
梓「……だけど全財産はさすがに痛いよっ」
純「ここはカッコよく締める場面だよっ」
梓「だってぇ……」
純「そういえばダブルチャンスのやつやった?」
梓「ダブルチャンス?」
梓「……すっかり忘れてた」
純「おいおい」
純「せっかくだからやってみようよ! もしかしたら当たるかもしんないよ~」
梓「へっ、あんなの都市伝説だよ……当たりっこない」
梓(とは言ったものの、ちょっと期待してるかも)
梓「確か、景品はA賞のデスデビ唯先輩、デスギー太持ちverだったね」
純「結構良さ気な感じしない!?」
梓「うぬぬ……」
ドサドサドサ…
純「うわぁ……」
梓「これ、くじ券全部だよ。さて」
純「ちょ、ちょっと……これ全部携帯で打ち込むの……?」
梓「ここまで来たら、やるしかない」
梓「それに勿体ないし、それに当たっちゃうかもだし……」ゴニョゴニョ
純「あんた結局期待してんじゃん」
梓「よーし、頑張って打ち込むぞー! どうか当たりますよーに」パンパン
30分経過~
梓「……」ポチポチ
純「ねー」
梓「……」ポチポチ
純「ねーったらー」
梓「……」ポチポチ
純「見て見て、スミーレの真似」
梓「純には無理」
純「は!?」
純「ていうか何さー! さっきから黙ってポチポチポチポチー!」
純「見てる方の身にもなってごらんよ!」
梓「じゃあ純も手伝えばいいでしょ!?」
また30分経過~
梓「……」ポチポチ
純「……」ポチポチ
純「……ねー」
梓「……うん」
純「まったく当たる気しないんだけど!」
梓「うるさい……」
純「ぶーぶー」
純「……仕方がない」
純「梓ー」
梓「今度はなに?」
純「実は私、当たってるんだよね」
純「ダブルアップの景品……!」
梓「……は?」
梓「冗談でしょ!?」
純「ふふーん、これが冗談じゃないんだなぁ!」
梓「あのたった100名にしか当たらないダブルチャンスだよ!? いやああぁぁっ」
純「いいだろうっ、羨ましかろう! 私を崇めなさーい!」
梓「ぐぬぬ……」
梓「何で、何で純が……純が……」
梓(ご、ごめんなさい。ムギ先輩……全財産失って私が得た物って……うぅ……)
純「やるよ」
梓「え……?」グスン
純「だ、だからあげるって言ってんのさっ」
梓「じゅ、純?」
純「そんなことに真剣に頑張ってもらってても私としては暇なわけだし」
純「あ、あー……ていうかあれさ! ほら!」
純「あんたもさっき言ってたじゃない。得する人もいれば損する人もいるって」
梓「うん……」
純「あんたは今回ドン引きするぐらい頑張った。だから今回だけ特別にとっくべつにだよ!?」
純「得させてあげるよ、梓」
梓「純……」
純「あーあ、私が損する役割だねー。はははっ」
梓「あんた本当に純……?」
純「っ~! 全部台無しにした! その台詞でいま全部台無しにされたぁ~!!」
コソコソ
唯「へへ、今回はあずにゃんに平沢オリジナル一番くじは必要ないみたーい」
憂「じゃあ代わりに私引こうかな~……なんて。えへへっ」
憂「…………ダブルチャンスも、もちろんあるんだよね?」チラ
おわり!!
終わり!
読んでくれた方ありがとうございました。
今回の戦争はマジで色々イベント被ってて大変だったなw
一番くじは頑張って10回ぐらい引いたんだが、ほとんどI賞って結果
でも可愛いから満足だよな!
あの時、D賞ムギとA賞唯ちゃんを交換してくれたお兄さん、ありがとう
唯ちゃん家宝にしますよー
最終更新:2011年07月04日 20:47