梓「くっ…!」ダッ

澪「! 待て梓っ」ダッ

和「…澪、追わなくていいわ」

澪「で、でも」

和「いいの…今日はムギを仕留められただけで良しとしましょう? あせりは禁物よ」

澪「うん…」

和(それに、あの子からは…何か大きな力を感じる……)

和「さぁ、ムギ――――」

紬「あああぁぁぁ……――――」

和「最っ高」


タッタッタッタッ…

梓「ムギ先輩…ごめんなさいっ、ごめんなさいっ」

梓(……)

梓(真鍋 和…)

梓「…私がかならず討つ!」



1しゅうかんご!

和「……」ウキウキ

律「和ー、なにうきうきしてんだ?」


澪「まさか」

紬「…来るわ」


ガチャリ

梓「……」

澪「…軽音部へようこそ」

律「歓迎するぜぇ~」

紬「お茶でもいかが?」

和「…いらっしゃい。1週間も部活をサボっていたのはいただけないわね?」

梓「……」

唯「…憂はどうしたのかな?」


梓「ん」ドサ

憂「あ、あ、あぁ……」ビクンビクン

律「!?」

澪「傷一つつかずに憂ちゃんをヤったのか…」

紬「あらあら」

和「想像以上に力をつけてきたのね。梓」

梓「…にゃー」



和「行きなさい律」

律「言われなくても!!」グオンッ

梓「……律先輩」ギュ

律「なっ!? は、離せっ…はな―――あ」グッタリ

梓「…カレーのちライス」

唯・澪・紬「!」



梓「次は誰ですかにゃ?」

澪「な、なめるなよ!」ドカンッ

紬「澪ちゃん待ちなさ――」

澪「…………あ、あぅ」グッタリ

梓「…ふでぺん~ボールペン~」

梓「もう、やめましょうにゃ」


和「…ムギ!」

紬「ごめんね梓ちゃん!」シュ

梓「ムギ先輩…」ギッ

紬「私は、簡単にはいかないわよっ!!」シュ、シュッ

梓「そうみたいですね…ごめんなさい―――」ス

紬「!!」

梓「私の、恋は」

梓「ホッチキス!」

紬「ああああっ!?」ズガガガガ


紬「……」プシュー…

唯「ムギちゃん…」

梓「ちょっとだけ眠っていてくださいにゃ」


和「何をしたというの」

梓「あなたが知る余地はない…にゃ」

和「唯、さっさと片付けて」

唯「…出番だよ、ギー太」スチャ

梓(…くるか?)

唯「えーいっ!」ズゴン

梓「え…くっ!」ガッ

梓「どうして能力を使わないんですっ」

唯「さぁ? 使うまでもないからじゃないかな」ブオッ

梓「馬鹿にしてるんですか!?」ズンッ!

唯「! いたいっ」

梓「すぐに片付けてやるです…カレーのち」ゴオオオ

梓「ライ―――」

唯「うんたん!」ヒュン!

梓「早っ!? あうっ」ドカンッ


唯「知ってるあずにゃん? カスタネットって結構難しいんだよ」タンッ、タンッ

梓「…なんですにゃ今の……」ボロ

和「唯は本当に天才ね。まだまだ強くなれるわきっと…」

唯「いやーそれほどでもぉ」

和(…カスタネットを超高速で叩き、衝撃を利用した高速移動…いえ、あれは音速の域…常人じゃあないわね)


唯「まだ、やる?」

梓「何度だって!」

唯「……あずにゃん」

梓「私はいつもの軽音部を取り戻すためならば…絶対に諦めないっ」

梓「こいっ、むったん!」スチャ

和「! あれは梓のギター…」

梓「邪魔しないで下さい。唯先輩」ギュイイイン!

唯「あずにゃん…」スチャ

唯「行くよ、ギー太」ヴォォン、ヴォォン

梓「ふわふわぁぁっ―――」

唯「時間ぅぅっ―――」

ドオオオン!!


梓「……」フラフラ

唯「…や、やったね……」

唯「あずにゃ――――」ドサ…

梓「唯…先輩……」

梓(…唯先輩。わざと手加減したの?)

和「驚いたわ」

梓「…もう味方はいませんですね…にゃあ」

和「あなた一人さえ落とせば」

和「軽音部メンバー全員制覇ってことになるわ」

梓「きっと無理ですね。それ」カチャ

和「そのボロボロの体で私に勝てると思ってるつもりなのかしら? だとしたら…」

和「実力の差を測り損ねたわね」ドォンッ!!

梓「にゃあああ!! ふでペン~ボールペン~!!」カンッ

和「ああら…やるじゃないの!」ドン!ドン!

梓「っ!」

梓「むったん!」ギュオオオン!

和「甘いわよ!」シュッ

和「力の差を知りなさいっ」ズンッ

梓「ああんっ」


梓「はぁ…はぁ…」ビクン

和「秘孔を突かせてもらったわ。これで体の自由は奪った」

和「さぁ、弄んであげる」チュ

梓「や、あっ…くぅっ…」

和「最っ高」

?「和ちゃん」

和「……」


和「…唯、やられたんじゃなかったの」

唯「…もう、こんなことやめよう? 和ちゃん」

唯「ごめんねあずにゃん。辛いめにあわせちゃって…」

梓「……」

和「あんた。私の能力の影響はどうしたのよ」

唯「私には通じないよ。そんなもの」

和「…最初からわざと従っていたフリをしていたの?」

唯「うん」

和「なによそれ」


和「なんでそんなマネしたのよ!」

唯「和ちゃんを止めるため」

唯「…でも、私じゃ無理だった。だから一つの可能性に賭けたの」

和「それが梓だったということね。…おまけに梓に口移しで力の一部を分け与えていた、と。どうりで突然強くなるわけだわ…」

和「まぁ、でも。残念ながら梓はこの通りの様よ?」

唯「…気づいてなかったの?」

和「え? わっ、きゃあっ」バッ

梓「……」モミモミ

和「秘孔を…突いたはずよ」

唯「あずにゃんはそれだけ必死だってこと」

梓「……」モミモミ

和「な、何でそこまでして…」

唯「あずにゃんは誰よりも軽音部が好きだから…」

唯「滅茶苦茶にされていくのが嫌だったんだね…それに」

唯「和ちゃんも滅茶苦茶になってほしくなかったんだよ」

和「……」

梓「……」モミ…クチュ

和「ああんっ」


唯「和ちゃんって…」

唯「エロいんだね」チュ



ごじつだん!

律「おいーっす」

澪「遅いぞ律」

紬「さぁ、座って座って」

律「おぉぅ! 今日はモンブランか~」

唯「このグルグルかわいいよねぇ」

律「そっかー?」

梓「お茶も程々にしてそろそろ練習しましょうよ? 学祭も近いんですから」

律「んー…まぁ、はい」

梓「絶対適当に受け流した…」

ガラ…

和「ちょっといいかしら?」

唯「和ちゃ~ん」

澪「どうした?」

和「ええ、そろそろ講堂の使用申請書提出してもらう事になるから念の為確認に来たんだけど」

澪「知ってたか律?」

律「あはは…」

澪「おい」

和「やっぱり…。言いに来て正解だったたわ」

紬「あの、どうせならお茶でも飲んでいかない? 美味しいケーキもあるの」

和「え、実はまだ仕事が…」

唯「そーんなーこーとーいーわーずにぃ」ユサユサ

和「ちょ、ちょっと」

唯「観念してお縄につけい!」ビシッ

梓「何言ってるんですか」

律「少しぐらい良いでしょ。 あんま肩に力入れすぎんのもよくないよ?」

和「でも…」

澪「あんまり我儘言うなよ。和も困ってるだろ?」

和「あはは…」

律「えー、でも和だってたまには息抜きしたいだろ」

澪「生徒会だぞ? 私たちみたいにぐーたらしてられないのっ」

律「むー」

唯「うー…和ちゃん…」

紬「どうしても?」

和「えー…」

和(…どうして私なんかを気にかけてくれるのかしら……あんな酷い事をしたのに)


和(…まるで何もなかったかのように接してくれている……)

和(どうして…)

梓「和先輩」

和「あ…え?」

梓「お茶、していってください」ニコ

和「へ!? あ…その」

和「本当に…いいの?」

律「悪いわけねーじゃん」

澪「…和がしたいっていうのなら止めないけど」

唯「てゆうかお茶ぐらいいいじゃーん!」

梓「です」

紬「はい、和ちゃん」コト…

和「…あ」

和「……」

和「ありがと」


お わ り



最終更新:2010年01月19日 02:01