学生寮!

澪「なぁ、また屋上行こうよー」

律「寒いからヤダ」

澪「・・・じゃああったかくなったらいいと?」

律「あったかくなってもヤダ」

澪「・・・ぶぅ」

律「私はアブノーマルに染まるつもりはないからな!」

澪「・・・もう十分にアブノーマルだよ」ボソッ

律「ああん?」

澪「な、なんでもないですよ」

澪「(・・・なんか機嫌悪いな?あの日だっけ?)」

澪「(・・・触らぬ神にたたりなし、っと)」

澪「じゃあお風呂行こうか。たくさん温まらないとな」

律「・・・妙に物分かりがいいな」

澪「そういう気分なんだよ。さ、行くぞ」

律「あ、あぁ」

澪「でも今日の練習はしっかりできてよかったな。久々に軽音部って感じだったよ」

律「だなぁ。いい汗かいたよ」

澪「・・・」クンカクンカ

律「嗅ぐな」ビシッ


ワイワイ

モブ子「秋山さんって髪奇麗だよねー」

モブ美「スタイルもいいしうらやましいなぁー」

澪「あ、あはは・・・」

モブ代「なにか秘訣とかあるの?」

澪「て、適度な運動・・・、かな?」

律「ぶっ!」

澪「・・・なんだよ」

モブ子「やっぱ運動かぁ」

律「やれやれ、先に入ってるぞ」チャプン

モブ代「ダイエットとかしてるの?」

澪「と、特には・・・」

モブ美「えー、してないのにそのスタイル?」

澪「(助けてぇ・・・)」チラッ

律「」プイッ

モブ子「他にはー」

澪「(ひえええぇ・・・)」

律「」スイーッ

・・・

澪「・・・ひどい目に会った」トボトボ

律「私には強気なのにな。不思議なもんだ」

澪「たいして親しくない人にいきなり話しかけられたらそりゃあな。・・・大勢だったし、・・・お風呂場だし」

律「いつもあれくらいならかわいいんだけどな」

澪「・・・さっきから律が冷たい。助けてくれなかったし」ジトーッ

律「気のせいさ。さっさと寝るぞ」パタン

澪「・・・むぅ」

澪「ねぇ。1回だけしようよ」

律「澪も早く寝ろよ、明日は1コマ目あるんだから」バサッ

律「おやすみ」

澪「・・・ぐすん」

律「スゥスゥ」

澪「こうなったら実力行使で・・・」ジャララッ

澪「・・・嫌がる律としてもあまり気持ち良くないし」

澪「・・・はぁ、寝るか」

律「(・・・不機嫌作戦成功か?)」

律「(毎日飽きずにやってたらこっちの身が持たん)」

律「(そもそもお付き合いは成人してからって言ってなかったか?)」

律「(・・・まぁ、正直私もしたい時はあるけど。私のと澪には絶望的な差が・・・)」

律「(ああやって約束しないと大惨事に・・・)」

律「(私も攻めやってみたいんだけどやらせてくれないし・・・)」

律「(・・・って、なに考えてるんだろ?)」

律「(寝よ寝よ)」

律「スゥスゥ」


恵「・・・あら、今日はないのね。残念」

恵「しょうがない。今日も『澪たん言葉攻めIN屋上』をおかずにしようっと」

恵「これは永久保存版ねぇ。何度見てもいいわぁ・・・」



次の日!

紬「そういえば今日ね」モグモグ

梓「なにがですか?」

紬「和ちゃんのお部屋。お泊りよ!お泊り!」

梓「・・・あ、あぁ」ポムッ

梓「もう金曜日ですか。なんか今週早いですねぇ」

紬「ねっ。もう今から楽しみ!」

梓「どんな部屋なんでしょうね?」

紬「名前通りに和風なお部屋だったり?」

梓「畳ですか。それもいいですねぇ」

紬「唯ちゃんの言ってたすごいって言うのも気になるし」

梓「なにがすごいんでしょうね・・・」

紬「だから今日はなるべく早く帰ってきてね」

梓「はいです。ダッシュで帰ってきます!」

紬「転ばないようにね!」

梓「任せてください!」

紬「・・・クスッ」

紬梓「あははははっ」


高校放課後!

梓「というわけで今日は部活なしだから」

純「いや、初耳だから!」

憂「そっかー。和ちゃんとお泊りかぁ、いいなぁ」

梓「憂も頼んでみたら?和先輩もきっといいって言うよ」

憂「そ、そうかな・・・」

純「・・・」

純「そっかー。和先輩とお泊りかぁ、いいなぁ」

梓「早速連絡してみようよ」

憂「う、うん」

純「・・・ぐすん」

純「だーっ!」

梓憂「わっ!」

純「私もお泊りしたい!!」

梓「もう、びっくりさせないでよ」

純「仲間はずれはしないでよー」

梓「別にそんなんじゃないよ。ね、憂」

憂「う、うん。ごめんね、勝手に話進めちゃって」

純「・・・」

梓「でも、それこそ和先輩に聞かないと・・・。こんなに泊れるかわからないし・・・」

純「うっ・・・。そうだよね・・・」

純「じゃあ今回は諦める」

梓「そう?聞いてみようよ」

憂「うん。きっといいって言うよ」

純「あははっ、実は今日家族で出かけるからねー」

梓「・・・ちょっとあんた」

純「ごめんごめん。でも今度は泊りに行かせてよ」

梓「だからそれは」

純「梓の部屋」

梓「・・・へっ?」

純「だって私だけ行ってないし!」

梓「あれ?そうだっけ?」

憂「私は行ったことあるよ」

純「でしょ!ほら、仲間外れじゃん!」

梓「た、たまたまだよ・・・」

純「・・・まぁ無理にとは言わないけどさ、ムギ先輩にも悪いし」

梓「別に大丈夫だと思うけどね」

純「そう?ならよろしく言っておいて。そのうち泊りに行きますって」

梓「はいはい。また今度ね」

純「というわけで私は先に帰るねー」テテテッ

梓「行っちゃった・・・」ポカーン

憂「今度は家にもおいでよ。純ちゃんも梓ちゃんもムギ先輩も、みんなで」

憂「お姉ちゃん、絶対によろこぶよ」

梓「そうだね、それもまた今度お願いするよ」

梓「でもその前に和先輩にだね」

憂「うん。ちょっと電話してみるね」ポチポチ

憂「・・・あっ、憂です。今日のことなんだけど」

憂「本当!?ありがとう。和ちゃん!じゃあ後でねっ!」ピッ

憂「お泊りしてもいいって!」

梓「よかったね。私達も帰ろうか」

憂「うん!」

憂「お姉ちゃんにも電話しなきゃ!」ピッ

憂「・・・もしもし、今日なんだけど」

梓「私は帰りの準備しよっと」ゴソゴソ

憂「お姉ちゃん、すっっごくよろこんでた!」

梓「クスッ、だろうね。私達も帰ろうか」

憂「うん!早く帰ってお泊りの準備しなきゃ」

梓「私もだよ。さっ、行こう」

憂「楽しみだなぁ」ワクワク

梓「(・・・気になる)」


――――

梓「ただいまぁ」ガチャ

紬「あっ、おかえり。唯ちゃん達も和ちゃんのお部屋に泊るのね」

梓「はい。唯先輩が言ってたんですか?」

紬「うん。もうすっごいはしゃぎながら真っすぐ帰っちゃったわよ」

梓「・・・」

紬「さぁあずにゃんも準備して!早く和ちゃんの秘密を暴きましょう!」

梓「で、ですね!」ドサッ

紬「歯ブラシとか持ったから自分の服だけ用意して」

梓「はいです!」ガサゴソ

紬「そういえば和ちゃんのお部屋ってどこか聞いてる?」

梓「大丈夫です。帰る前に憂から簡単な地図をもらいました」スッ

紬「・・・ふむ。この前の銭湯からスタートなのね」

梓「まずは銭湯を目指しましょう!」

紬「了解です!あずにゃん隊長!」ビシッ

梓「ムギちゃん隊員、荷物の準備は!?」

紬「完了してます!」

梓「ガスと戸締り!」

紬「確認しました!」

梓「ではしゅっぱーつ!!」

紬「おーー!!」バタン

テクテク

紬「今日も少し寒いわね」

梓「ですねぇ。・・・でも、寒い日も好きです」

紬「うん、私も。寒くてもこうやって手を繋げばあったかいしね」

梓「・・・荷物がなければ腕も組めるんですけどね」

紬「ふふっ、それはまた今度にしましょうか」

梓「はい。・・・あっ、銭湯が見えましたよ」

紬「ここからスタートね!」

梓「えっと、銭湯の通りを真っすぐ行って・・・」

・・・

?「早く会いたいよぅ」

?「うん!もう少しだよ」

梓「この声は・・・」トトトッ

紬「あっ、どこ行くの?」

梓「やっぱり。唯先輩達でしたか」

唯「あー!あずにゃんだ!」

憂「本当だ。ムギ先輩、こんばんわ」

紬「こんばんわ。もう、急に走ったら危ないわよ」

梓「す、すみません。つい」

唯「お泊り楽しみだねぇ」

梓「先週も泊ってなかったですか?」

唯「あれ?そうだっけ?」

憂「今度はうちに泊りに来てくださいね」

紬「うん!ありがとう」

トコトコ

憂「ここですよ」

梓「・・・見た目は普通ですね」

紬「・・・うん。普通のマンションね」

ガーッ

モブ華「こんにちわ」テクテク

猫「ニャー」

唯憂「こんにちわー」

梓「・・・んっ?猫?」

紬「・・・さっきの人、猫抱いてたわね」

梓「・・・まさか!」

紬「ペット可のマンション!」

唯「せいかーい!」

唯「早く会いたいよう」

梓「ペットですか。それは想像してなかったです」

紬「何飼ってるの!?」キラキラ

唯「小犬だよ!すっごく可愛いんだよ!」

梓「ワンちゃんですか。いいですね」

ポーン、ガーッ

憂「このお部屋だよ」

唯「では!」

ピンポーン

和「いらっしゃい」

紬梓「こんばんわ」

小犬「ワン!」

唯「おー!久しぶりだねぇー」ワシャワシャ

紬「か、かわいい・・・」

和「ふふっ。さぁ上がって」

紬「おじゃましまーす」

梓「ほら、唯先輩も」

唯「よーしよし、お姉ちゃんと一緒に入ろうねぇ」ヒョイ

和「狭くてごめんね。今お茶出すから」

紬「お、お構いなく」ソワソワ

梓「いい部屋ですね。家賃、高いんじゃないですか?」

和「そんなことないわ。ちょっと古い建物だし」

唯「よーしよしよしよしよし」ワシャワシャ

小犬「・・・クゥーン」

憂「手伝うね」

和「ありがと」カチャカチャ

紬「ワンちゃん、かわいい・・・」ウズウズ

和「唯、そこまで。お茶にするから手洗ってきなさい」

和「あなたはこっちね」ヒョイ

梓「でもどうして小犬を?」


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最終更新:2011年07月09日 00:56