カイジ「なんだそりゃ。興味ねーな。」

坂崎「なんでわからんのや! もしやあんたムギちゃん知らんのかムギちゃん・・・!」

カイジ「ムギちゃんっ・・・? なんだそりゃ。よくもまあそんな変な名前で・・・」

坂崎「変やとぉ!? ほんならちょっとコレ見てみい・・・!ほらっ・・・!」

カイジ「なんだこのクリアファイル・・・。ピンクで趣味の悪い・・・。ってえ!?」

カイジ「(なんだこの可愛さ・・・! 犯罪的っ・・・悪魔的だっ・・・! なんだこれは・・・)」

坂崎「どうや?かわいいやろ。」

カイジ「か、カワイイなんてもんじゃねえ・・・! 女神だっ・・・! これが女神ってやつかっ・・・!」

坂崎「いひひひ。」

カイジ「・・・しかしおっちゃん。こんな女神どうしたんだ・・・。こんなもの何十億も払わないと手に入れられないだろ・・・。」

坂崎「いひひひひ。よくぞ聞いてくれたカイジくん。いひひひ。これはな、パチンコの景品や。」

カイジ「パチンコ・・・? ふざけろっ・・・! ここまでパチンカスの俺でもこんなもんみたことねえっ・・・!」

坂崎「そりゃそうや・・・ なんせこれは 一球4000円のパチンコの景品やからな。名前は『沼』」

カイジ「ひっ・・・ひとたま4000円!? なんだそりゃっ・・・! おいおっちゃん、今から行くぞ・・・その沼ってやつに。」

坂崎「そう来ると思ってもう予約してんねや・・・」

カイジ「そうこなくっちゃ・・・! おっちゃん!!」


―――― 

一条「ようこそ当カジノへ。今日は何をしにこr」坂崎「ムギちゃん予約してた坂崎言うもんや。」

一条「ムギちゃん・・・ですか・・・? ああ、あの沼ですか。確かに予約は承っております。しかし・・・」

坂崎「何がしかしや!はよやらせろ!沼!」

一条「はいわかりました。 おい、沼稼働しろ。」

一条「(こいつ本気であの大天使ムギちゃんのクリアファイルをとろうとしてるのか・・・? 絶対阻止してやる!!)」

一条「はい。1000万円パッキーですね。では坂崎様。こちらへ。」

坂崎「今日打つんはワシやなくて、カイジくんや。」

一条「(カ、カイジだと!? 確か外出権を使って地下から地上に出てるあいつか!?)」

坂崎「どうしたんや? カイジくんと知り合いか?」

一条「いえ、全く存じ上げません。 ではカイジ様。こちらへ。」

カイジ「(むぎゅううううううううううううううううううううううの)」

ジャラジャラジャラジャラ

カイジ「むぎゅううううううううううううううううううううう」

一条「おい、さっそくブロックだ。」ヒソヒソ

部下「!? さっそくですか。いくらなんでもそれは・・・。カジノの信用度に問題g」一条「いいからはやくしろ!」

部下「むぎゅっ!」

カイジ「(くそっ・・・!なんだこの台・・・!全然球が入りやしねえ・・・!!)」

カイジ「(というよりもまず・・・なにかおかしい。 なにか・・・なにか・・・そうか、値段っ・・・!!一球4000円なんて聞いたことがねえ・・・!)」

カイジ「(むぎゅうの可愛さでうまくカムフラージュしているが俺は騙せねえ・・・! さすがに高いっ・・・!)」

ジャラジャラジャラジャラ

カイジ「なんだこれ!馬鹿らしい・・・!4000円だと?ふざけろっ・・・!さすがに高いっ・・・!マジでっ・・・!」

立木「ついに1000万円パッキー消費ぃ!」

一条「(あいつ気づいたかっ・・・?この鬼畜な料金設定・・・暴挙的な額にっ・・・!)」

カイジ「高いっ・・・!高いっ・・・!高いっ・・・!」ボロボロ

一条「気づいたかさすがにっ・・・!むぎゅうの可愛さでカムフラージュしたつもりだったが、甘かった・・・!」

カイジ「今日は・・・帰らせてもらう。」ボロボロ

一条「またのお越しをお持ちしております。」


カイジ「くそっ・・・!高いって・・・!結構高いっ・・・!まじでっ・・・!」ボロボロ

坂崎「カイジくんっ・・・!なんで途中でやめたりしたんだっ・・・! まだ1000万じゃないか!」

カイジ「おっちゃん!!よく考えてみろ・・・!よく考えりゃ誰だって分かることなんだから・・・!」

坂崎「何が?」

カイジ「まずどう考えてもあの料金設定だって・・・! おかしいっ・・・!高いっ・・・!高いっ・・・!」

坂崎「まあ・・・いわれてみりゃ・・・ちと高い気はする・・・」

カイジ「だろ?さすがに一球4000円はおかしいって・・・!」

坂崎「まあ確かに・・・ でも・・・景品があの女神じゃあ妥当じゃないか?」

カイジ「えっ?」

坂崎「確かにカイジくんの言い分もわかる。俺も一球4000円のパチンコなんて聞いたことはない。」

坂崎「しかしな、景品が景品。だからあの料金設定は妥当。そうじゃないか?カイジくん。」

カイジ「た・・・確かに。」

坂崎「それにな、今月はラッキーなんだぞ。」

カイジ「え?」

坂崎「今月はな、景品がクリアファイルとうちわになる。」

カイジ「なんだって・・・! おっちゃん!! なんでそれを先に言ってくれないっ・・・!」

坂崎「だってクリアファイルであんなにカイジくんが騒ぐもんだからつい言いそびれちゃって・・・。」

カイジ「うちわむぎゅうううううううううううううううう」

坂崎「なら今からもう一回行こうかカイジくん・・・! カジノへ・・・!」

カイジ「いや・・・。待て。俺は本当にそのうちわが欲しい・・・だからこそ・・・本気で取りに行く・・・!」

カイジ「そのために計画を練る・・・!俺が地上にいられる期限はあと5日・・・! それまでにむぎゅうをとってやる・・・!」


――――

遠藤「ちっ・・・!誰だ・・・!俺のむぎゅ車にトンちゃんなんかぶつけた奴は・・・!くそが・・・!」

カイジ「どうしました?遠藤さん。お久しぶりですね。」

遠藤「カ、カイジ!?なんでお前がここに・・・!」

カイジ「いろいろと事情がありまして・・・。」

遠藤「・・・もしかしてあのムギちゃん台に挑戦するのか!? うわすっげー!俺も行く行く!」

カイジ「相変わらず察しが良い・・・」


カイジ「おっちゃん!仲間だ。」

坂崎「誰だ?こいつは・・・! こんなヤクザみたいなやつを仲間にする気はないっ・・・!」

遠藤「7月2日。お前どこにいた。」

坂崎「え?」

遠藤「7月2日。お前はどこにいたか聞いているんだ・・・!」

坂崎「そんなもん覚えてるかっ・・・!カイジくん、なんだこのヤクザ・・・!」

遠藤「バカがっ・・・!7月2日は大天使ムギちゃんの誕生日だろうがっ・・・!!!!!!」

坂崎「あっ・・・!」

遠藤「俺はバースデイカードをもらいに行ってたわっ・・・!!!!!」

坂崎「むぎゅ・・・」

遠藤「お前みたいなやつがムギちゃん好きだと!? ふざけろっ・・・!認めねえ!!!」

坂崎「むぎゅううう・・・」

遠藤「仲間に入れないだとぉ!?こっちから願い下げだ!!」

坂崎「むぎゅうううううううううううううう」

遠藤「むぎゅうううううううううううううう」

カイジ「よし、これで仲間だな。」


--沼攻略当日--

カイジ「1000万だ。パッキーと交換してくれ。」

一条「(こいつらまた・・・!性懲りも無くっ・・・!)」

カイジ「おいはやく交換してくれ。はやく。」

一条「(ちっ)はい。只今。」

ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ

一条「おい、早速ブロックしろ!」

部下「むぎゅ!」

一条「ククク・・・むぎゅうは渡さんぞ・・・!カイジ・・・!!」


-前日-

坂崎・遠藤「え?あの台は入らない?」

カイジ「ああそうだ。あの台は絶対入らない。」

カイジ「だから今回はちょっと細工をする。」

カイジ「あの台の3段ムギューーンに玉を入れるのはまず不可能。」

カイジ「それは3つのムギちゃんで守られてるからだ。」

カイジ「まず1つ目のムギちゃん。カジノに入って真正面の額縁の絵。まずあれに皆心を奪われる。」

カイジ「そして2つ目のムギちゃん。台の真ん中に描かれている大天使。あれのせいで金銭感覚が麻痺・・・!」

カイジ「そして・・・3つ目のムギちゃんは・・・」

坂崎・遠藤「ゴクリ」


-当日-

ジャラジャラジャラジャラ

一条「(そう・・・!みんな3つ目のむぎゅに気づかない・・・!気づけやしない・・・!)」

カイジ「ククク・・・」

一条「なにを笑っている? あきらめたのか?」

カイジ「いや、むしろその逆。もしかして俺が3つ目のむぎゅに気づいてないとでも・・・?」

一条「! まさか!!お前もう気づいて!!! くそっ!!」

ガシッ

一条「!」

坂崎「しっかり体は掴ませてもろたで、一条はん・・・!」

一条「(くそっ・・・!!)」

歓声「うをおおおおおおお2段目のムギューンに入った!!!」

コロコロ・・・スポン

歓声「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお3段目きたぞおおおおおおおおおお」

歓声「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

歓声「むぎゅううううううううううううううううううううううう」

カイジ「そうさっ・・・!俺はもう3つ目のムギちゃんに気づいている・・・!」

コロコロコロコロ・・・

カイジ「3つ目のムギちゃんは・・・」

コロコロ・・・


コロコロ・・・



カイジ「このパチンコの玉自体に描かれているんだっ・・・!!!」

一条「!!!!」


カイジ「ククク・・・図星か・・・!ククク・・・!」

むぎゅうううううううううううううううううううううううううん

むぎゅううううううううううううううううううううううううううん


カイジ「なんだこれ・・・! 台が唸ってやがる!!吐き出したいなら吐けっ・・・! むぎゅちゃんをっ・・・!」

むぎゅううううううううううううううううううううううううううん

むぎゅううううううううううううううううううううううううううん

コロコロ・・・

コロ・・コロ・・・スポン!!!

歓声「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

歓声「むぎゅうううううううううううううううううううううううううううううううううううう」

歓声「ムギちゃんは俺の嫁ええええええええええええええええええええええええ」

歓声「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

カイジ「・・・む・・・むぎゅううううううううううううううううううううううううううう」ボロボロ

一条「そ・・・んな・・・バカな・・・・」ガクッ

カイジ「大当たり・・・!大当たり・・・!はやくもってこい・・・!クリアファイルとうちわっ・・・!」

一条「・・・・・・」

カイジ「おい一条っ・・・!」

一条「お・・・い・・・持ってきてやれ・・・」

部下「むぎゅっ!!」タッタッタ

部下「むぎゅっ!」


カイジ「うおおおおおおおおおおおおおおおおかわええええええええええええええええええええええええ」

カイジ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

カイジ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

カイジ「むぎゅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう」

坂崎「良かった・・・良かったわ・・・カイジはん・・・!」

遠藤「ああ・・・良かったなカイジ・・・!」

カイジ「むぎゅうううううううううう」


-地下-

カイジ「みんな!!!!!!!!!!」

ヨンゴー組「カイジさああああああああああああああん!!!」

カイジ「おいみんな!!!むぎゅちゃんのグッズ持ってきたぞ!!!クリアファイルに・・・!うちわもっ・・・!」

三好「・・・おみやげなんて入りません!!カイジさん無事でなによりです!!」

カイジ「ありがとうなっ・・・」

三好「それで・・・あの・・・外に出るお金は・・・そのどこに・・・///」

カイジ「えっ?」

三好「えっ?って!もしかして6000万取ってないんですか!?」

カイジ「えっと・・・その・・・かわいいでしょ?この天使。」アセアセ

三好「僕は菫ちゃん派なんですけど・・・・・・」

カイジ「黙れカス」

                              完







最終更新:2011年07月17日 01:03