* * *
純「ただいまー!」
菫「お邪魔致します」
純「ようこそ我が家へ!……あれ?お母さんも居ないか」
菫「折角なので御挨拶をと思ったのですが……」
純「挨拶?あ、まさか『娘さんをぉ~』」
菫「そういう事ではなくてですね」
純「おぉ、スミーレもツッコミが早くなってきたね」
菫「もう馴れてきましたよ。あ、猫さん」
純「お、出迎えごくろ~」ダキッ
2号「ニャー」フリフリ
菫「この子ですか」
純「とりあえず部屋に行こ」テクテク
菫「はい」
トントントン ガチャ
純「いらっしゃ~い」
菫「失礼します」
純「あ、ジュースとか取ってくるね」
菫「でしたらお手伝いを」
純「今日はスミーレはお客様なんだから、ゆっくりしてて」
2号「ニャー」スルリ
菫「は、はい」ストン
純「じゃ、2号と遊んでてね~」フリフリ
ガチャ バタン
菫「え~っと……」
2号「ニャア」
菫「こ、こんにちは~2号さん」
2号「ニャ」テクテク
菫「あ」ポスン
菫「膝に乗られちゃった。……か、かわいい……」
2号「ニャ~」ゴロゴロ
菫「撫でても、大丈夫かな?」ソー
2号「ニャァ」スリスリ
菫「……えへへ」ナデナデ
ガチャ
純「お待たせ~ってあー!」
菫「ふぇっ!?」ビクン
2号「ニ゛ャ!」バッ
純「私だってまだ膝枕してもらってないのに~」ブーブー
菫「そ、そこですか?」
2号「フー!」
菫「あぁ、ごめんなさい」アセアセ
純「すっぽり収まっちゃって~何てうらやましい」
菫「あはは……」
純「はい、どうぞ。粗茶ですが」スッ
菫「あ、ありがとうございます。ジュースですけど」
純「こちら、粗クッキーですが」スッ
菫「わざわざどうも」
純「あとコレとコレ、猫と遊ぶオモチャ」ポイ コロコロ
2号「ニャッ!」シパッ
純「コイツ……スミーレのお膝よりボールのが良いってか……」ワナワナ
菫「まぁまぁ」
2号「フニャ!ナー!」ビシバシ
純「はいスミーレ、猫じゃらし」スッ
菫「ありがとうございます」
純「アレに飽きた位に振ってごらん」
菫「はい、やってみます」
純「さて、じゃあ私はっと」
菫「……」ジー
純「……」パラ パラ
2号「ニャー!」ビシッタタタ
菫「……」ジー
純「あ、クッキー食べなよ?」ゴクゴク
菫「はい」ジー
純「……まぁいっか」ゴロン
菫「……2号さ~ん……」フリフリ
2号「ナー!」ベン
菫「見てもくれない……」ジー
2号「ニャー!」タタタ
純「……」パラ パラ
2号「……」コロコロ
菫「もうちょっと待ってみよう……」
2号「ニャ!」ベシッ コロコロ
菫「あ」
2号「ニャー」タタタタ
菫「あ、あの、純先輩?」
純「ん~?」パラ パラ
菫「2号さん、出て行っちゃいましたけど……」
純「あ、ドア閉めるの忘れてたっけ。まぁ気が向いたら戻ってくるよ」
菫「そうですか」
純「それまで漫画でも読む?」
菫「そうさせていただきましょうか」
純「はい、クッションも」ヒョイ
菫「ありがとうございます。羊のクッション……」モフモフ
純「それね、憂が誕生日にプレゼントしてくれたんだ~。良いでしょ?」
菫「柔らかい……あ、そういえばですね」ゴソゴソ
純「ん?どしたの?」
菫「その……遅蒔きながら、なんですが」スッ
純「へ?私に?」
菫「先ほどの雑貨屋さんのですね、レジ近くで見つけまして」
純「うん、開けて良いの?」
菫「はい。牡羊座だとお聞きしましたので、羊のストラップなんですけど」
純「へぇ~」
菫「その、遅ればせながらの誕生日プレゼントと、今日お誘いいただいたお礼といいますか……」モジモジ
純「貰って良いの?」
菫「折角ですので、受け取ってください」
純「ありがとスミーレ!あぁもう嬉しい!」ダキッ
菫「はっはい!どういたしまして」
純「良い子だね~スミーレは」ナデナデ
菫「喜んでいただけて光栄です……」テレテレ
純「じゃあ早速ケータイに付けるよ!あ、後さっきのぬいぐるみも鞄に付けなきゃ」ゴソゴソ
菫「ありがとうございます」
純「よし、オッケー!これは明日梓達に自慢しないとね」ニヨニヨ
菫「自慢になりますか?」
純「なるよ。っていうかするよ」
菫「するって……」
純「あ、そうだ」ヒョイ ピッ ピッ
と~んでい~っちゃえ!きみのもとへ~わた~しの
菫「これは……?」
純「放課後ティータイムの曲。梓に音源貰って聴いてる途中だったんだ。スミーレ聴いた事無いでしょ?」
菫「はい。まだ聴いた事は無かったです」
純「じゃあ、聴きながらのんびりしよ」ゴロン
なにげにくちづさ~んで~あ~る~こう
菫「はい」ポスン
純「……」パラ パラ
菫「……」パラ パラ
純「……あ、ケータイケータイ」ヒョイ ピッピッ
菫「?」パラ パラ
純「ん~……よし。それで……と」ピッピッ
菫「……」パラ パラ
純「そ~しん」ピッ
菫「はい?……あれ、ケータイ震えてる」ヒョイ パカ
純「ほら、さっき撮ったプリクラ」
菫「へ?……あ、はぁ~なるほど。こういった事も出来るんですか」
純「そ。さっき選んでもらったのを待ち受けに出来ます!」
菫「いえ、それは流石に……」
純「そぉ?残念だなぁ。私はするけど」ピッピッ
菫「余り人に見られない様にお願いしますよ……」
純「難しい事言うなぁ」ニヤニヤ
菫「……見せびらかさないで下さいね?お願いですから」ジトー
純「あい、善処します。あ、この漫画オススメだよ?」
菫「ではそちらを」
き~みが~い~な~い~と、な~に~も~できな~いよ
純「……」パラ パラ
菫「……」パラ パラ
純「……」ヒョイパク
菫「……フフ」パラ パラ
純「あ、笑った。面白いでしょ?」
菫「はい。……アハハ」パラ パラ
純「……ふわぁ……ねむ」パラ パラ
めをと~じ~れ~ば~、きみの~え~が~お~、かが~や~い~て~る~
菫「……良い唄ですね、この唄」
純「この唄は唯先輩が憂の事を唄った唄なんだってさ」
菫「そうなんですか。まだお会いした事は有りませんが、優しい方なんでしょうね」
純「良い人だよ。この唄もいつもそばに有る大切なものに感謝しようって唄、かな?」
菫「なるほど……」
純「凄いよね~、こんな歌詞書けて唄に出来て」パラ パラ
菫「作曲も作詞も、大変そうですものね」
純「ね~」パラ パラ
きみがそばにいるこ~とを、あたりまえにおもお~ってた~
純「……そうなんだよね~」
菫「はい?」
純「そばに居るのが当たり前だと思っちゃうんだよね」
菫「何の話ですか?」
純「ん~?私の話。スミーレちょっとココ座って」ポンポン
菫「え?ベッドの縁にですか?」
純「ままま、良いから良いから」ポンポン
菫「で、では失礼します」テクテク ストン
純「私も失礼しま~す」ゴロゴロ ポスン
菫「はい!?」
純「膝枕って良いね。2号が丸くなってたのも分かるよ」
菫「はぁ……そ、そうですか?」
純「うりうりうりうり!」グリグリ
菫「ちょっと!くすぐったいですよ!」
純「ふぅ……でね?私が喋るのって、私が喋りたい時なのよ」
菫「え?それはどういう……」
純「ちょっと音楽止める」ピッ
菫「は、はい」
純「スミーレさ、さっきの喫茶店で沈黙が重かったでしょ」
菫「……そういう訳では……」
純「良いの良いの。確かにいつも喋ってる人が黙り込んだらどうしたんだって思っちゃうよね」
菫「……ええ、まぁはい」
純「梓が自分でネコミミつけて『あずにゃんですにゃ!』とか言い出したら私だって不安になるもん」
菫「それは、何か違う様な……多分誰でも不安になりますよ」
純「そう?まぁイメージって有るよね。梓は真面目、憂は優しい、私はお喋り」
菫「はい。でもお喋りというよりは明るい方、だと」
純「ありがと。でも私だって静かなのも好きなんだよ?」
菫「はぁ」
純「あ、信じてない」ムー
菫「いえ、そんな事は無いんですけど」アセアセ
純「今みたいな時間も好きっていうか、スミーレと二人でのんびりするのもやっぱ良いなって」
菫「そ、そうですか?」
純「うん。スミーレはどう?」
菫「そうですね……はい、悪くは無い、です」
純「でしょ?二人でぼ~っと漫画読んだりさ、その場所の雰囲気をただ味わったりさ」
菫「良いですね、そういうのも」
純「そうゆう時は喋る必要も無い訳よ」
菫「ですね、はい」
純「……で、そこに一緒に居てくれてると思っちゃうんだよね、相手も同じ様に」
菫「え?」
純「だから思いついた時に喋っちゃうし、勝手に黙っちゃう」
菫「あぁ……」
純「お喋りして『はい、さよなら』って事じゃないじゃん?今もさっきも」
菫「まぁ、そうですけど」
純「いつも梓に『マイペース過ぎる』って怒られちゃうんだけどね」
菫「あはは……」
純「だからそこまで私の一挙手一投足を気に病まなくても良いよ?」
菫「わ、分かりました」
純「でも、そんな風に心配してくれるのも嬉しいな」
菫「それは」
純「スミーレの頭の中が私で一杯だなんて!私で溢れかえってるなんて!」クネクネ
菫「いえ、そこまでは無いです」
純「バッサリだ~」
菫「でも……」
純「ふぇ?」
菫「い、いえ、何でもないです」アセアセ
純「そぉ?」
菫「続き読みましょ、続き」
純「は~い」パラ パラ
菫「……」パラ パラ
純「よいしょ」ゴロ
菫「……純先輩、コッチ向いてどうやって漫画読むんですか?」
純「ん?漫画見るフリして可愛いスミーレの顔を見てようかなと思って」
菫「……反対向いてください」カァァ
純「は~い」ゴロン
菫「また直ぐそうやって可愛いとか言う」
純「だって可愛いんだもん……ふぁ」パラ パラ
菫「もう、何て返せばいいんでしょうか」ハァ
純「今日一日でも、色んな可愛い所見れたしね~……」パタン
菫「私としては、恥ずかしいばっかりでしたけどね……」
純「ん~……」
菫「でも、今日は雑貨屋さんも面白かったですし、ゲームセンターも楽しかったし……」
純「んー」
菫「純先輩のお陰で初めての経験が一杯出来ました。ありがとうございます」
純「んー」
菫「それでですね、純先輩さえ良ければ……」
純「んー」
菫「また二人で、何処か遊びに行きたいな、と……」
純「んー」
菫「……純先輩?」
純「んー……むにゃむにゃ……」ゴロン
菫「ね、寝てる……」ガーン
菫「勇気出して言ったのに……恥ずかしい」カァァ
2号「ニャー」テクテク
菫「あ、おかえりなさい」
2号「ニャ」ペタン
菫「2号さんもおやすみですか?おやすみなさい」
2号「くぁ……ニャ~」フリフリ
菫「ふふふ……」ソッ
純「ん、ん~……」ゴロン
菫「寝顔も可愛い……」ナデナデ
純「んむぅ……」
菫「本当にマイペースですよ……一応、す、好きな人と二人きりだって言うのに」
菫「でもそこまで信用してくれてる証拠なのかな?起きるまで居てくれる、とか」
純「んぅ……」
菫「大丈夫ですよ、ちゃんと居ますから」ナデナデ
菫「まぁ確かに純先輩の言う通り……こうやって二人でのんびりしてるのも良い、かな」
END
これにて一先ずは終了となります。
この流れのまま後日やっぱりプリクラを見せびらかす純とか、
とある夏休みの一日とか、次のデートとか、スミーレ→純編とか、
色々話を続けれなくもないのですが、
奥田ちゃんが「奥田ちゃん」のままでは書いてる途中かわいそうでかわいそうで……
奥田ちゃんの名前が発覚したりバンドの名前・パートが決まったりした後位に
思い出したように続きをやるかもしれません。
それでは、ご覧いただきありがとうございました。
少しでも楽しんでいただけたなら光栄です。
今更ですがスレタイの!が一つ抜けてる事にさっき気づきました。
後の祭りにも程がある。
最終更新:2011年07月18日 02:42