「澪せんぱーいっ!」
7月のとある土曜日。
私が、模試の帰り、学校のそばを通った時、
背後から、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「梓は、学校に来てたのか?」
息を弾ませ、駆け寄ってくる梓に問いかけると、梓は満面の笑みで応えた。
「はい!とんちゃんの水槽を掃除してあげてたんです」
「そっか、えらいな、梓は」
「そ、そんなことありませんよ」
私が、素直な感想を告げると、梓ははにかみながら、頬を染めた。
「澪先輩も学校に用事があったんですか?」
「ううん、私は模試の帰りで、たまたま近くを通っただけだよ」
「そうなんですか……
あの……澪先輩はこれからどうされるんですか?」
梓は、少し迷ったそぶりを見せながら、私に尋ねてきた。
「家のクーラーが壊れてるから、市立図書館にでも行って勉強しようかなって思ってるんだけど」
「そうですか……そうですよね……受験生ですもんね」
「梓は、どうするんだ?」
「えっと私は……特に用事もないので、家で勉強でもします」
「じゃぁ良かったら一緒に勉強しないか?」
私は、少し寂しそうに俯き、答える梓が気になって、誘ってみた。
「え!?」
「ごめん、迷惑だった?」
私の提案が、迷惑だったのかと思い、尋ねると、梓はぶんぶんと首を振った。
「い、いえ、そんなことありません!」
「ほんと?」
「はい!少し驚いただけです。
受験勉強って一人の方が集中できるんじゃないかと思ったんで」
「そっか、それなら良かった。
じゃぁ一緒にいこっか?」
「あ、はい……あ、でも……」
「どうした?」
私が尋ねると、梓は、躊躇いながら口を開いた。
「い、いえ……あの……よかったら私の家でしませんか?」
「急にお邪魔して迷惑じゃないのか?」
「大丈夫です。
今日はずっと私一人ですので」
「じゃぁ、お邪魔しようかな?」
「はい!」
私達は、並んで梓の家へ向かっって歩き始めた。
―――
「あっ、今エアコン入れますね」
部屋に上がると、梓は、エアコンのスイッチを入れる。
部屋の中は、逃げ場のない温められた空気のせいで、外より暑いぐらいだった。
「結構汗、かいちゃったな」
私は、タイを解き、ブラウスのボタンを二つほど空け、ハンカチで首筋の汗を拭う。
「み、澪先輩……」
「あ、はしたなかったよな、ごめん」
「い、いえ……」
私が、梓の視線に気付き、謝ると、梓は、慌てて俯いた。
梓は、そう言うと、部屋を飛び出していってしまった。
「うぅ、はしたないかっこ見せたから、嫌われちゃったのかな?」
しばらく部屋で待っていると、梓が、両手にアイスキャンディーを持って戻ってきた。
「澪先輩は、イチゴとソーダ、どっちがいいですか?」
(あ、大丈夫……なのかな?)
戻ってきた梓は、いつもの様子だったので、私は安堵した。
「じゃぁ、ソーダで」
私は、梓から涼しげなブルーのアイスキャンディーを受け取る。
「やっと、冷えてきましたね」
梓がピンクのアイスキャンディーをペロペロとなめながら、微笑む。
「そうだな」
私も、アイスキャンディーを舌先でチロチロとなめる。
「うん?どうした?」
「い、いえ!なんでも!」
私が、じっとこちらを見つめる視線に気付き、声をかけると、梓は慌てて答えた。
「あ、そうか」
「な、なんなんですか?」
「ふふふ、しょうがないなぁ、素直に言えばいいのに」
「み、澪先輩!?」
慌てる梓を尻目に、私は、梓の隣に座ると、涼しげなブルーを、梓の口元に差し出した。
「こっちも食べてみたいなら、素直にそういえばいいのに」
「え、えっと……」
「遠慮なんかしないでいいんだぞ」
「あ、はい」
梓は、躊躇いがちに小さな口を開けると、一口齧った。
「おいしいです……」
「よかった。
じゃぁ私も一口もらうな」
私はそう言うと、梓の右手首をつかみ、引き寄せ、ピンクのアイスキャンディーを一口齧る。
「み、みみみみ澪先輩!」
「え?だめだった?」
私が問い返すと、梓はふるふると首を振る。
「そ、そういうわけじゃありません」
「あれ?梓、顔が真っ赤だけど大丈夫か?
熱でもあるんじゃ?」
「ひやぁーーー」
私が、熱を見ようと、おでことおでこをくっつけると、梓がおかしな声で叫ぶ。
「熱はないみたいだけど、梓、なんか変だぞ?
体調わるいの?」
「澪先輩!」
私が、顔を覗き込むと、梓は慌てて、後ろ絵仰け反る。
「「あっ」」
その時、梓の手が、私の左手に当たり、アイスキャンディーを払い落とす格好になってしまった。
「ひゃん!」
腿に落ちた、アイスキャンディーの冷たさに、思わず変な声を挙げてしまう。
「あ、すみません」
「うぅん、大丈夫。
それより、スカート、染みになったりしてないかな?」
「だ、大丈夫だと思います」
「うぅ、心配だから、もっとよく見てくれないか?」
チラッと見ただけで、視線をそらしてしまった梓に、お願いする。
「あ、あの……はい……」
すると、梓は、今度は、時間をかけてゆっくり見てくれた。
「梓、どう?」
自分からお願いしたこととはいえ、あまりにも長い間、太もも周辺を見られて、恥ずかしくなった私は、梓に問いかける。
「だ、大丈夫みたいです」
すると梓は、はっとしたように、顔を挙げた。
「そっか、ありがとう」
私は、そんな梓に、笑顔でお礼を言った。
(それにしても、梓の声、なんかかすれてるみたいだったけど、本当に隊長悪くないのかな?)
私がそんなことを思っていた時だった。
「み、澪先輩!!!」
梓の叫び声と同時に、胸に衝撃と、背中に床の固い感触を感じた。
「澪先輩が悪いんですからね!」
「ん、んんーーーー」
たずね返すまもなく、唇が塞がれる。
私は、両手でしっかり頭を抱え込まれ、逃れることができない。
「ん、んんー」
梓の舌は、容赦なく私の口腔内を蹂躙する。
やがて、唇を割って、梓の舌が入ってくると、甘いイチゴの味が、口いっぱいに広がった。
「あ、梓、なにを?」
やっと開放された唇で、梓に尋ねる。
「澪先輩が悪いんです!」
だけど、梓は、先ほどと同じ言葉を返すだけで、もう一度唇を塞ぐ。
梓は、器用に私の舌を探し当て、ねっとりと絡めてくる。
「んんぅ……んぁ……ふぁ」
私は、その梓の行為で、思わず、鼻から甘い吐息を漏らしてしまった。
すると、その反応に気付いてか、梓の右手が、私の左の胸に伸びてきた。
「むぅー」
私は、抵抗しようと、梓の手首をつかもうとしたが、いとも簡単に払いのけられてしまった。
「だめっ」
私は、梓の唇から、なんとか逃れ、そう言ったが、既に、梓の右手は、私の左胸を弄び始めていた。
「梓、いやっ」
私が、懇願しても、梓はまた同じ言葉を繰り返す。
「澪先輩が悪いんです」
「なんで?……ぁっ」
私は、胸の先端から送り込まれた刺激に、思わず反応してしまう。
「澪先輩」
梓は、囁くと、三度唇を塞ぐ。
そして、今度は、私のブラウスのボタンに手をかけた。
「んぅ!」
私は、そのことに気付き、体を捩って逃れようとしたが、いくら梓の身体が小さいとはいえ、まともに上に乗られている状況では、あまり意味のない行為だった。
梓は、あっという間に、ブラウスのボタンをはずし、背中の下に、強引に手を入れる。
プツンと軽い感触がしたかと思うと、胸に開放感が訪れた。
「んぅ!」
ふさがれた唇の中で叫ぶが、梓は意に介さない。
梓は、ブラをずらし、直接胸に触れてくる。
そして、すぐに先端を探し当て、指先でコロコロと転がし始めた。
「澪先輩、こんなに硬くなってますよ……」
「だめ」
「気持ちいいんですか?」
「ぁっ!」
耳元で囁く、梓の声に、私は答える事ができない。
そればかりか、耳にかかる梓の暖かい吐息に、体のうちから、ぞくぞくとした、疼きが湧き上がってきてしまう。
「ふふ、澪先輩かわいいです」
そう言うと、梓は、突然、胸の先端を唇に含んだ。
「だめぇ!」
私は、その、初めて経験する刺激に、思わず大声を挙げる。
「いやっ、あ、ぁん、梓……」
梓の舌先が、硬くなった胸の先端を転がすたび、舐めあげるたび、そこから電流が走る。
「梓、もうやめっ」ぁん」
鼻から抜けた私の声に説得力がないのか、端から聞く気がないのか、梓は、私の声を無視し、胸をもてあそび続ける。
「あ、梓、い、いやっ、お願いっ」
梓は、両手で胸をふにふにともみながら、ランダムに左右の先端をなめ上げる。
私は、その予測不可能な刺激に翻弄され、梓の成すがままになっていた。
「あっ、梓っ、だめっ、へ、へんになっちゃう!」
執拗に胸を攻め続けられ、快感が、ピークに達し、嬌声を挙げてしまう。
「澪先輩、いっちゃってください」
梓は、そう微笑むと、チューっと左の先端を吸い上げ、同時に、右の先端を摘みあげた。
「あ、梓、梓ぁー!!!」
それで達してしまった私は、胸を大きくそらし、梓の名前を叫びながら快感の渦に飲まれていった。
―――
「ふふふ、澪先輩、かわいかったですよ」
梓は、呼吸を整えている私の髪をなでながらそう言うと、頬に軽く唇を落とした。
「……梓、どうしてこんなことを?」
私は、答えてもらえないと思いながらも、荒い呼吸の中、もう一度たずねた。
「澪先輩が悪いんです。
あんな誘うようなことばっかりするから……」
梓は、そうすねたように囁くと、私を抱きしめる。
そして、最早着ているとは言えない状態のブラウスを、ゆっくりと脱がせ始めた。
「あ、梓」
私は、今度は拘束されているわけではないのに、なぜか抵抗することもできずに、いつの間にか、梓の手によって下着一枚にまでされてしまった。
「あ、梓だめっ!」
最後の一枚に手をかけた梓を、慌てて制す。
「お願い、それだけは許して」
「…………」
私は、梓の熱っぽい視線に見つめられ、観念した。
それでも僅かな可能性に期待し、その視線から逃げるように俯くと、続けた。
「か、かわりにわ、私がしてあげるから」
私がそう言うと、梓は、黙って頷き、下着から手を離した。
私は、瞳を閉じると、梓に口付ける。
もう何度か、梓とキスをしてしまっているが、これが私からの初めてのキスだった。
私は、梓にされていたことを思い出しながら、同じように唇の間に舌先を滑り込ませ、梓の舌を探し当てる。
「んぁ……んんー……」
舌を絡めると、梓もさっきの私のような甘い吐息を漏らす。
私は、そのまま梓のブラウスに手をかけ、ボタンをゆっくりはずしていく。
「……脱がしちゃうね」
「……はい」
私は、梓の返事を確認し、服を脱がしていく。
やがて、梓も、私と同じ下着一枚の状態になった。
「梓、かわいい」
私が、思わず本音を漏らすと、梓はちょっと膨れた。
「それって、胸が小さいって事ですか?」
「違うよ。
本当にかわいいんだ」
「そんな」
梓は、恥ずかしそうに俯く。
さっきまで、私を無理やり犯していた、同じことは思えない。
「胸だって、すっごく綺麗な形してるぞ」
私は、ちょうど手に収まる程度の、膨らみを包み込む。
「ぁん、澪先輩」
梓の胸は、マシュマロのようにふわふわしていた。
やがて、そのマシュマロの先端に硬いものが現れる。
それを手のひらに感じた私は、さっき、同じ部分からもたらされた快楽を思い出し、ドキドキと胸が高鳴るのを感じた。
「梓」
のどが渇くような感覚を覚え、思わず唇を近づけていく。
決して、ミルクが出るわけでもないのに、渇きが潤されるように思え、その先端を唇に含んだ。
「うっ、み、お先輩」
梓の唇から、甘い喘ぎが漏れる。
(梓もさっきの私と同じなんだ)
そう思うと、なぜか嬉しくなった。
「だ、だめっ、はげしすぎますっ!」
私は、梓の懇願を無視して、一心不乱に、梓のマシュマロの先端にある膨らみを、舌先で転がし、突付き続ける。
私は、私の手によって乱れる梓に愛しさを感じ、歯止めがかからなくなっていた。
「だ、だめぇ!みおせんぱ~い!!!」
梓は、さっきの私のように、胸をそらし、絶叫し、果てた。
最終更新:2011年07月21日 20:40