唯(なんでこんなタイミングで・・・)
律「ん?唯どうした?」
唯「な、何でもないよ!」
律「何でもないようには見えないぞ」
唯「本当になんでもないよ!」
律「ならいいんだけどな」
律「さーて、これから学祭に向けてバリバリ練習するぞー!」
唯(ギター弾くと結構力入っちゃうし・・・)
唯(ここは、恥ずかしいけど言おう!)
唯「えっと、りっちゃ・・・」
澪「やっと律もやる気になってくれたか!」
澪「さ、早く練習しよう!」
唯(ああ、言い損ねちゃった・・・)
唯(しょうがないや、一曲弾いたらちょっと休ませてもらおっと)
唯「・・・ぇと、放課後ティータイムです・・・」
律「声が小さいぞ!もっと大きな声で!お腹に力入れて!」
梓「唯先輩、大丈夫ですか?顔色悪いですよ?保健室行った方がいいんじゃないですか?」
唯「ごめんね、りっちゃん。あずにゃん、私は大丈夫だよ」
唯「迷惑かけないように私頑張るよ!」
澪「早くしろよー」
唯(やっと一曲終わった・・・。トイレ行かせてもらおう・・・)
唯「あの、りっちゃん?」
律「ん?」
唯「あの、トイレ行きたいんだけど・・・」
澪「あ、私も行きたいから一緒に行くー」
唯「え!?」
唯(トイレでうんちしてたのバレて虐められたトラウマが・・・)
唯「・・・やっぱ私、後でいいや。先に澪ちゃん行ってきなよ」
澪「なんだよ、私と一緒じゃ嫌なのか?」
澪「そうかそうか、つまり君はそういう奴なんだな」
唯「そういうわけじゃないんだけど・・・」
澪「言い訳なんてしなくていいよ、私も行かないから」
唯「そ、そんな・・・」
紬「お、お茶しません?コーヒー持ってきたんです♪」
梓「い、良い考えです!皆さんちょっと休憩しましょう!」
律「ふ、二人とも早く座れ、な!?」
澪「・・・ふん!」
唯「・・・」
紬「えっと、このお菓子じゃ嫌だったかしら?」
紬「じゃあ、このお菓子に・・・」
唯「ち、違うんだよムギちゃん、お菓子が嫌いだとかそういう理由じゃなくて!」
紬「・・・じゃあどうして?」
唯「えっと、それは、その・・・」
唯(どうしよ、お菓子食べたりしたら、もっとお腹痛くなっちゃうよぉ・・・)
唯「ご、ごめん、私いまダイエット中だから・・・」
澪「・・・唯はいくら食べても太らないって前言ってたじゃないか」
唯「!!」
澪「いいんだよ、こんなの放っておいて早くお菓子食べよ」
澪「あーおいしいなームギのお菓子はー。こんなのが食べられなくて唯は残念だなー」
律「おい、いくらなんでも性格悪いぞ、澪」
唯「あ、いいよ気にしなくて!本当にダイエットしてるから!」
澪「ふーん、この間のは嘘だったんだ・・・」
唯「・・・」
唯(うっ・・・お腹がまた痛くなってきた・・・)
唯「ごめん、やっぱ私トイレ・・・」
澪「早く行きなよ、目ざわりだから」
律「澪!」
唯「気にしなくていいから!気にしなくていいから!じゃあ私トイレ行ってくるね!」
唯(やっと抜け出した・・・)
唯(でも正直戻りづらいなぁ・・・)
さわ子「あれ?唯ちゃん?部活はどうしたの?
唯「えっと、その今トイレへ行く途中で・・・」
さわ子「さては部活サボろうとしてたな、許さないわよ!」
唯「いえ、神に誓ってそんなことは!」
さわ子「早く部室に戻るわよ!」
唯「ト、トイレー!」
澪「・・・ずいぶん早いトイレだな」
律「澪、いい加減にしておけ」
さわ子「あれ?みんなどうしたの?」
梓「なんでもないです!早く皆さん演奏の練習しましょう!」
紬「・・・」
唯(お腹痛くてギターに集中できない・・・)
律「おい、唯、本当にどうしたんだよ、今の弾けないっていうレベルじゃないだろ」
律「今日変だぞ?顔が青通り越して白になってるし・・・家に帰った方がいいんじゃないか?」
唯「わ、私大丈夫!皆より下手だし多めに練習しないといけないくらいなんだから!」
澪「本人が良いって言ってるんだし、大丈夫だろ」
さわ子「でも、本当に調子悪そうよ?帰った方がいいんじゃ・・・」
紬「唯ちゃんは気にしなくていいです、続けましょう」
澪「新曲もできたところだから今頑張らないでどうするんだよ」
澪「唯にも多少体調が悪いくらいでも頑張ってもらわないと」
澪「一応うちのボーカルなんだし、私の方が上手かったとしても」
律「・・・本当に唯は大丈夫なのか?」
唯「うん、大丈夫、大丈夫だからトイレに行かせてほしいんだけど」
唯(まずい!先の方が出てきちゃった!)
梓「・・・なんだかちょっと臭いません?」
唯(実が出ちゃった時におならしちゃったの、バレちゃった?)
唯「わ、わたしトイレ行くね!」
澪「今ここでトイレ行ったりしたら唯が絶対犯人だぞ」
唯「えっ!どうして!」
澪「だって今この場を離れるって自分が犯人ですって証明してるようなもんじゃん」
唯(確かにそうだけど・・・)
唯(背に腹は替えられぬっていうし・・・今は汚名を被る!)
唯「私がこのおならはしました!だからトイレへ行きます!」
律「おい、まてよ唯!」
澪「やっぱりアイツじゃん・・・」
唯(自分がしたはずなのに汚名被るって変な話だね・・・)
唯(さっきの私冷静じゃなかったし、気にしなくていいや)
唯「女子トイレ見えてきた!部室棟から遠すぎるよ・・・」
唯「ん・・・限界!」
唯「・・・全部トイレ閉まってる・・・」
唯(嘘だよね?嘘だよね?だって私こんなに頑張ったんだよ?)
唯(それなのにこんなの、こんなの、ひどいよぉ・・・)
―
――
―――
――――
律「唯の奴遅いなー」
澪「きっと恥ずかしくて戻ってこれないんだよ」
梓「だったら誰か迎えに行ってあげないと・・・」
さわ子「でもどこに居るかもわかんないし、どうしようもないわよ」
紬「そのうちひょっこり戻ってきますよ!」
……
唯「うえええええん・・・」
和「どうしたの、唯?」
唯「和ちゃん・・・」
唯「あのね、私、あのね・・・うええええん」
和「泣いてちゃ分からないわよ、ちょっとこの教室借りましょ」
和「・・・事情はなんとなく分かった」
和「とりあえず保健室で新しいのを借りましょう」
唯「うん・・・」
和「あの件で唯は小学生のころ虐められてたしね」
和「学校のトイレにトラウマ持ってもしょうがないもんね」
唯「うん・・・」
和「とりあえず今日は部活早びけしよう」
和「しなきゃいけないこともあるし、ね」
唯「うん・・・」
…
律「探したぞ唯ー・・・どうした?」
和「それが・・・」
律「ふーん、それが理由だったのか」
和「そうなの、唯ちょっと学校でするの苦手でね」
律「私も分かるけどな、その気持ち」
律「しかし唯も言ってくれよな、私たちはその程度で虐めるような奴じゃないって分かるだろ?」
唯「・・・そう、だよね」
律「だけど、一番悪いのはお前を気遣ってやれなかった私だ、本当にごめん」
律「今日は早びけして良いから、早く帰りな」
律「ギー太とカバン持ってきてやるからここで待ってて」
唯「うん・・・」
―――――
和「律って良い人だよね、ホント」
唯「・・・うん・・・」
和「元気だしな、明日もちゃんと学校きなよ?」
唯「うん・・・」
和「あんたが元気じゃないとこっちも不安になるからね!」
唯「うん!」
―――――
律「おまたせ!さ、早く帰った帰った!」
律「さわちゃん達には具合が悪いから帰らせたって言っておいたから大丈夫だ!」
唯「りっちゃん、ありがと」
和「私からもありがとう」
律「へっへー、気にするな!早く元気出せよー!」
唯「うん、じゃあまたね!」
……
澪「なんだよ、結局唯帰ったのか」
律「仕方ないだろ、本当に調子悪そうだったんだから」
澪「そんなの口から出まかせに決まってるだろ」
梓「唯先輩はそんな人じゃないですよ!」
梓「去年の学園祭だって風邪ひいてるのに頑張って学校に着たじゃないですか!」
梓「天然なところはあるけど、唯先輩は仮病なんて使いません!」
澪「二人して唯のこと庇って・・・」
澪「曲作ってるの私なんだぞ・・・」
澪「歌だって私の方がうまいし・・・」
澪「・・・帰る」
さわ子「・・・じゃあ今日はこれで解散ね、メインのギターとボーカルがいないんじゃ進まないし」
律「それに新曲も出来たばかりだし、唯には体調整えてもらわないといけないしな!」
さわ子「それじゃあ解散、お疲れ様ー」
――― 皆が家に帰り、そして夜が明けました
唯「和ちゃんも言ってたし、ちゃんと学校出ないとだよね・・・」
唯「でも昨日の今日だし、ちょっと遅く学校行こうかな・・・」
憂「お姉ちゃん、大丈夫?昨日目腫れてたけど・・・」
憂「本当に誰かに襲われたりしてないんだよね?」
唯「大丈夫だよ憂。というより襲われるってなんのこと?」
唯(・・・ダメだよ!ちゃんと時間通りに行かなきゃ!)
唯(私馬鹿なんだから、それくらいしか取り得ないんだから!)
唯「憂、今何時!?」
憂「朝8時・・・」
唯「えっ!」
唯(結局遅刻した・・・)
唯「憂ぃ、なんでもうちょっと早く起こしてくれなかったのぉ」
憂「だって、お姉ちゃん昨日家帰ってから調子悪そうだったから今日は休ませようと思ってたんだもん」
唯「・・・そうだったんだ・・・ありがと憂」
憂「それより早く行かないと一限目まで遅刻しちゃうよ!急ご!」
唯「うん!」
最終更新:2010年01月20日 02:24