Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」


唯「……きた、きたきたきたきた」

唯「全身の筋肉が悲鳴を上げてる!」

唯「ふくらはぎ、フトモモ、股関節、腹筋、腰、胸筋、腕、肩、首!」

唯「手のひらは小指球と母指球が」

唯「甘美な鈍痛に見舞われている……!」

唯「ああああ……これだけの箇所が筋肉痛だと動いてなくても痛いよ」

唯「んん……あっ……痛い。だけど指で押しちゃうっ」

唯「いたきもちいよお……」

唯「さてと、そろそろ起きて学校行く準備しよう」

憂「お姉ちゃんそろそろ行くよー?」

唯「はーい」

唯憂「いってきまーす」

唯「……あふ」

憂「お姉ちゃん歩き方変」

唯「筋肉痛なの」

憂「大丈夫?」

唯「痛い。でもこの痛みがたまらないんだよ」

憂「そ、そうなんだ」

唯「……あう」

唯「……お」

憂(大丈夫かなぁ……)

―――

唯「澪ちゃんおはよー」

澪「おはよう」

唯「澪ちゃーん私筋肉痛になっちゃった」

澪「何かしたの?」

唯「ちょっと全身筋肉痛計画をね……」

澪「なんだよそれ」

唯「というわけで手のひらを揉んで頂けないでしょうか」

澪「まあいいけど」

唯「ありがとー。じゃあ親指の付け根とかを指で押して欲しいな」

澪「こう?」ぐっぐっ

唯「んん~……いたきもちい……」

唯「あぁ~いいよぉ澪ちゃんもっと~」

唯「はぁん!」

澪「おい!?」

律「なーにやってるんだよっ!」ドンッ

唯「んあっ!」

律「へ?」

唯「か……肩が……肩の筋肉が……」

律「もしかして痛かった?」サスリサスリ

唯「んっ! あ……りっちゃんもうちょっと強めにさすって」

律「え、こう?」

唯「うんっそう……いいかんじ……いっ!」

律「ゆ、唯さん?」

唯「あ……あはぁ」

律「もうやめてもいいかな……」

唯「はあ……ふう……ありがとりっちゃん」

律「……あ、うん」

和「朝から何してるのよ」

唯「和ちゃーん」

唯「和ちゃんお願い! 腕揉んでくれない? ちょっとでいいから」

和「……何?」

唯「お願い! 揉むって言うか指圧みたいな感じで」

和「別にいいけど」

唯「それじゃあ二の腕の特に痛いここをお願い!」

和「痛いって何? ……まあいいわじゃあ指圧するわよ。はっ」ぎゅう!!

唯「ぎゃあああああああ!」

唯「た、たいむ! 和ちゃん強すぎ! あ、でも……うぐうううう!」

唯「あ……あぎっ……はあ……はあ」

唯「う……あ、ひゃあ」

紬「おはよ~」

唯「ムギちゃんおはよ」

唯「……そうだムギちゃん、私のことをギュッてして欲しいんだけど」

紬「え?」

唯「思いっきりね!」

紬「よくわからないけど抱きつけばいいの?」

唯「そう!」

紬「それじゃあ……むんっ!」ぎゅううううううう

唯「がっ……あ! おおお……」

唯「腕の筋肉が、背中が腹筋が胸筋がおしつぶされるぅぅぅ……!」

紬「唯ちゃんあったかーい」ぎゅううううううう

唯「!? ム゛ギちゃ……ちからつよ……ぐぇあ」

唯「やっぱり……軽く抱きついて……」

唯「あ……いい感じ。ん、うくっ、ああっ」


―――

唯「あーずにゃーん」

梓「あ、唯先輩」

唯「ぎゅー」

梓「わああ、廊下で抱きつかな――」

唯「ぬふぅ……くっは」プルプル

梓「はい?」

唯「んおお……あっ! あずにゃんの腕が私の肋骨と腹筋に丁度当たって……んああ」

梓「唯先輩……何を……」

唯「抱きしめれば抱きしめるほど腕の筋肉が悲鳴をあげるうぅぅ……」

梓「は、離れてください!」ぐいぐい

唯「あぐぅ!? そ、そこだめぇ……あっあっあっ」

梓「や、やだやだ離して!」ぐいぐいぐいぐい

唯「あんっ、胸筋はだめえ……腕立てが効いてるからぁ……!」

梓「は、な、れ、て、く、だ、さ、い!」ガス

唯「い゛っ!? あずにゃんの膝が私の内ももにめりこんで……ああっ!」

唯「はー……今日はとことん筋肉痛で楽しんじゃった」

唯「明日もまだ筋肉痛かな」ゴロン

唯「んっ……うぎゅう」

唯「寝返り打つだけでこんなに……んっ」

唯「せっかくだからいろんなところ指圧しちゃおう」

唯「ふふ……んっ、んんっ」

唯「あ、あ、あ、ぐぅ……!」プルプル

唯「き、筋肉痛さいこー……!」



END



Ch.065 憂「マッサージ」


憂「大丈夫?」

憂「えっ全身筋肉痛!?」

憂「もしかしてお姉ちゃんに付き合って筋トレを……?」

憂「そ、そうなんだ」

憂「うーん……もしよかったら私がマッサージしようか?」

憂「うんいいよ」

憂「あ、でも筋肉痛ってマッサージしすぎるとよくなかったかも……」

憂「わ、わかった。でもちょっとだけだよ」

憂「その前に着替えてくるね」

憂「お待たせ~」

憂「えっと、薄着のほうがマッサージしやすいかなって」

憂「このホットパンツ気に入ってるんだ~」

憂「このピチTは純ちゃんが選んでくれたんだよ」

憂「……やっぱり恥ずかしいかも」

憂「そ、そう? ならいいかな」

憂「それじゃあどこから始めようかな……そうだ」

憂「まずは手のひらのマッサージをするね」

憂「手からだったら緊張しないかなと思ったんだけど……ちょっと緊張するかも」

憂「どう? 痛くない?」

憂「えっ、痛くしたらだめだよぉ」

憂「次はどこがいい?」

憂「足かあ。それじゃあうつぶせになって」

憂「ふとももをマッサージすればいいの? じゃあまたがっちゃうね」

憂「よいしょっと……重くない? ふくらはぎ痛くない?」

憂「それじゃあ……もみもみ」

憂「どうかな。えっ、足の付け根も痛いの? そっか、全身筋肉痛だもんね……」

憂「ええと……指圧でいいのかな。じゃあ失礼して……」

憂「も、もっと上って……お尻?」

憂「あう……こ、この辺かな。え、もっと強く?」

憂「ん……しょ……」

憂「次はどこがいい?」

憂「足かあ。それじゃあうつぶせになって」

憂「ふとももをマッサージすればいいの? じゃあまたがっちゃうね」

憂「よいしょっと……重くない? ふくらはぎ痛くない?」

憂「それじゃあ……もみもみ」

憂「どうかな。えっ、足の付け根も痛いの? そっか、全身筋肉痛だもんね……」

憂「ええと……指圧でいいのかな。じゃあ失礼して……」

憂「も、もっと上って……お尻?」

憂「あう……こ、この辺かな。え、もっと強く?」

憂「ん……しょ……」

憂「次は腰と背中だよ」

憂「あ、でも……お尻痛いのに私が乗っかっちゃったらダメだよね」

憂「え、いいの?」

憂「じゃ、じゃあ……よいしょ」

憂「どうかな、力弱くない?」

憂「うん。このまま背中も指圧するね」

憂「ふふ、よかった~」

憂「ふ……ん。背中は一通り終わったよ」

憂「次は仰向けになってくださーい」

憂「お姉ちゃんは膝の少し上辺りがすごく痛いって言ってた」

憂「スクワットするとここが一番くるんだって。もみもみ」

憂「あっごめん! もうちょっとやさしくするね」

憂「このくらいかな……んしょ」

憂「お姉ちゃんもそうだったけど筋肉張ってるね」

憂「えっ、股関節?」

憂「あ……う……」

憂「……ど、どの辺り?」

憂「こうでいい……かな」

憂「あんまりやりすぎても痛いだけだと思うけど……」

憂「うん、もうちょっと力弱める」

憂「腹筋は何回やったの? IDの数かあ、よくわからないけど大変だったんだね」

憂「おへそから段々上にマッサージしていくね」

憂「うん、それじゃあこの辺りかな? も、もっと下から?」

憂「じゃ……じゃあここから上にしていくね」

憂「そ、そう……」

憂「わき腹も? くすぐったくないかな」

憂「そうなんだ」

憂「あ……痛かった? みぞおちとあばら骨の辺りはやさしく、だね」

憂「へー、足を上げて腹筋するとこの辺が痛くなるんだ」

憂「わあ……あばら骨だぁ」

憂「……あばら骨ってマッサージする意味あるのかな」

憂「それじゃあもう少しマッサージするね」

憂「これで一通り終わったかな」

憂「ん、どこ?」

憂「胸筋……っていうとこの辺?」

憂「どうやってマッサージすればいいのかな……」

憂「えっ! お腹に乗るの? でも腹筋が……」

憂「わ、わかった。痛くしたらゴメンね」

憂「よいしょっと」

憂「それから? 指圧でいいの?」

憂「あ、うん。あんまりぐりぐりはしないね」

憂「ん……このくらいでいいの――あっ」

憂「あ、その……この体勢で向き合ってると恥ずかしい」

憂「も、もうっ。こっち見ないで」

憂「……続けるね」

憂「ふう……お疲れ様でした」

憂「いえいえ」

憂「少しはほぐれたかな」

憂「本当? でも痛いだけだったんじゃ……」

憂「あはは、よかったぁ」

憂「わ、私? 私はいいよぉ」

憂「別にこってるところないし……え、肩?」

憂「う……確かにこってるかも。なんでだろう?」

憂「うーん……それじゃお願いしてもいいかな?」

憂「うん、ありがとー」

憂「あんまり痛くしないでね」



END



Ch.066 沢平唯


梓「ああ……新入部員が入らないよぅ」

?「そこのお嬢さん。お困りのようですね」

梓「えっ?」

?「もしよかったら相談に乗るよ?」

梓「……唯先輩?」

?「もうばれた」

梓「でも何だか雰囲気が……それに唯先輩は今年から一人暮らしで大学に通い始めたはず……」

?「実は十二年後からやってきた平沢唯なんだよ」

梓「え……」

?「あー信じてないなー」

梓「唯先輩……三十路になっても苗字変わってないんですね。婿入りですか?」

?「うるさいですよ」

?「もうあずにゃんなんて知らない」

梓(どうしよう結構本気で怒ってる……)

梓「あ、あのごめんなさい!」

?「……許す」

梓「よかった……」

?「でもすぐばれたのはつまんないな。せっかく偽名考えてきたのに。沢平唯とか岩平とか」

梓「はあ」

?「いやーそれにしてもグレる前のあずにゃん可愛すぎるな」

梓「なんですかグレるって……」

?「あずにゃんが高校三年の時に軽音部が廃部になってグレちゃったんだよ」

梓「私そんなことでグレません」

?「それが……あ。そろそろ憂が帰ってきちゃう。あずにゃんばいばーい」

梓「行っちゃった……何しに来たんだあの人」

梓「とりあえずグレないように頑張ろう」


END



Ch.067 通学路


唯「じゃあこれならどう!?」


律「これは……」

紬「唯ちゃんに合ってると思うわ」

唯「ほんと!? やったあー!」

梓「何と言うか、唯先輩っぽい気がしなくもないです」

梓(澪先輩は授業をつまんないとか言うイメージがないし)

唯「いやあ照れるなあ」

澪「自分でふっておいて何故照れる」

律「これで決定でいいんじゃない? 今度のボーカル」

紬「そうね」

律「よーっしそれじゃあ練習するぞー!」

唯「おー!」



END



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最終更新:2011年07月22日 21:42