梓「……れずにゃん、ですか?」

唯「だってそうじゃん! だって昨日……見たよ?」

梓「な、何をですか……?」

唯「ちゅーしてるとこ」

梓「えっ!?」

梓「あ、あの、あれは……」

唯「あれは、なに?」

梓「あのっ、唯先輩にも、そのうち言わなきゃ、って思ってまして……」

唯「あずにゃん、私は大歓迎だよ?」

梓「!!」


唯「で、あずにゃんは憂とお付き合いしてるわけ?」

梓「はい……」

唯「そっか、おめでとう!」


唯「いつ頃から?」

梓「えっと、3ヶ月……ですね」


~~~~~

梓「――で、話って何?」

憂「うん……えっとね、驚かないで聞いて欲しいの……」

梓「うん」

憂「あのね、私ね……」

憂「私ね、梓ちゃんのことが好きなの!」

梓「!!」

梓「それって……」

憂「……うん」

梓「――私ね、ずっと唯先輩のこと好きなんだと思ってた」

憂「私がお姉ちゃんを……」

梓「唯先輩が甘えていっても憂は嬉しそうな顔してたから」

憂「……」

梓「私さ、唯先輩のおもちゃみたいにされてるじゃん」

梓「最初はさ、それがすごい嫌だったんだ」

梓「今はもうだいぶ慣れちゃったし、どうでも良くなっちゃったけど」

梓「何で嫌だったかっていうと……」

梓「私も誰かに素直に甘えたかったの」

梓「私って、なんていうか素直じゃないじゃん」

憂「そ、そんなことないと思うよ?」

梓「いいって、お世辞は。素直じゃないところがコンプレックスなわけ」

梓「で、唯先輩みたいに誰かに抱きついたりとか甘えたりするところとか……」

梓「そういうところ、憧れてるっていうか羨ましいっていうか……」

梓「要は嫉妬だよね」

梓「だから先輩を受け入れたくなかったんだ、そのうちすごい嫌われるような事言っちゃったりしちゃいそうで……」

梓「――それでかな、憂に目が行くようになったのは」

憂「!!」

梓「最初は憂を見て勉強とかしようと思ったの」

梓「私だって唯先輩に好かれたかったから」

憂「ってことは……」

梓「最後まで聞いて、憂」

憂「……うん」

梓「もっと唯先輩に心を開いてもらうには、もっと抱きついてきてくれるためには……」

梓「他にもあるけど、とにかく唯先輩が私をもっと見て欲しかったから……」

憂「……」

梓「それで憂を見てた、っていうか観察してた」

梓「ごめんね? こんなこと言って……」

憂「ううん、大丈夫」

梓「でもいつかな、憂が持ってる芯の強さに気付いたのは」

梓「きっと他愛の無いことだったと思うんだけど」

梓「そういう憂の一面を見れてから、見る目が変わったの」

憂「!」

梓「……そのころから、憂がすごい気になりだした」

憂「!!」


梓「学校とかではクールぶってるつもりなの、これでも」

梓「ふふっ、ボロが出てきてるのは分かってるって」

梓「でも、いつかこの猫被っていない本当の私を誰かに分かって欲しかったんだ」

梓「だからさ、強い憂を見て、私のホントの顔も見て欲しいな、って」

梓「いつからか、なんとなくそう思いながら憂と一緒にいたの」

憂「……」

梓「……わがままばっかりでごめんね」

憂「ううん、そんなことないよ?」

梓「ありがと、憂」


憂「梓ちゃんはさ、あんまりわがままとか言わないよね」

憂「何となく……ホント何となくなんだけどね、梓ちゃんが無理してるっていうのが伝わってきたっていうか……」


憂「助けたい……っていうかさ、なんとなく放っていけないっていうか」

憂「お姉ちゃんもそうなんだけどさ、構ってあげたくなるっていうか……」

憂「お姉ちゃんと梓ちゃんが一緒って言ってるわけじゃないんだけど……気に障ったらごめんね」

憂「それでかな、梓ちゃんが、その……好きになったのは」

梓「……ありがと」


憂「そのわがままも聞いてあげたくなったの」

憂「……こんな言い方してごめんね」


憂「――私のわがままなのは分かってるよ……」

憂「でも……もし良かったら、私と付き合ってくれませんか……?」


梓「……ありがと。憂の気持ち、すっごい伝わった」

梓「わがままなんかじゃないよ、憂の言ってること」

梓「私だってわがままばっかりだもん、さっきから」


梓「――私も好き」

憂「!!」

梓「憂の話聞いて確信した……」

梓「私も憂が好き」


憂「えっ、あっ……」

梓「わがままばっかり言うと思う」

梓「八つ当たりとかしちゃうかも知れない」

梓「多分嫉妬深いんだよね、私」


梓「――私も憂と付き合いたいです。もっと私のわがまま聞いてくれませんか?」


~~~~~

梓「――とまぁ、こんな感じです」


梓「あの……唯先輩?」


唯「……あずにゃん」

梓「はい?」

唯「何のろけちゃってんのぉ?」

梓「あっ……///」

梓「の、のろけてないですっ!!」

唯「私はね、昨日の話をして欲しいって言ったんだけどぉ?」

梓「あっ///」

唯「まぁいいや、あずにゃんののろけも聞けたし」

梓「だ、だから///」


唯「最近憂の様子もなんだかいつもと違っててさぁ」

唯「なんだか頬杖突いてにやにやしてて」

唯「あずにゃん、すっごい愛されてるねぇ」

梓「///」


唯「あずにゃんはかわいいねぇ」

唯「……そうだったね、あずにゃんには憂がいるもんねぇ」

唯「あやうくぎゅーってするとこだったぁ」

唯「ごめんごめん、あずにゃんはぎゅーってされたい方だもんねぇ?」

梓「ニヤニヤし過ぎです……///」

唯「とにかくね、あずにゃん」

梓「はい?」

唯「憂を泣かせたら、私怒っちゃうぞぉ?」

梓「……はい!」

唯「よろしい!」

唯「んじゃ憂をこれからもよろしくおねがいしますっ」

梓「はいっ! こちらこそよろしくお願いします!」

唯「んじゃそんなところで私は帰るね」

梓「はい、お疲れ様です!」

唯「あっ、今日は私はおうちにいないほうがいい?」


梓「そんなことないです///」



おわり



最終更新:2010年01月21日 00:08