唯「園長の平沢唯です」


澪「唯、今日は招待してくれてありがとう」

律「お前ここ数年みかけないとおもったら、こんなとこで働いてたのかよ」

紬「来週グランドオープンするんだっけ? たのしみねー」

唯「うん! 今日はまだ仮オープンだからみんなの貸切だよ!」

唯「それじゃあ園内をご案内いたします、どうぞー」


澪「へぇ、けっこう園内おしゃれなんだな。噴水なんかあっちゃったりして」

唯「誰でも楽しめるテーマパークを目指してるからねー」

律「レストランもあんの?」

唯「うん!」

紬「お金かけてるのね」

唯「私にとっては家みたいなトコだから」

唯「それじゃあまずはふれあい広場から」


唯「あ! きたきた。私がくるとよってくるんだー」


 ピョコピョコピョコ

梓「ユイセンパイユイセンパイ!」

唯「あずにゃんぎゅー」

梓「ユイセンパイユイセンパイ!」キャッキャ


澪「へぇ、これがあずにゃんかー、生でみるのは初めてだな」

梓「ユイセンパイユイセンパイ!」ペロペロ

唯「んもう、あずにゃんったら」

律「へぇー、ちいさくて可愛いな」

唯「この子はねーまだ子供なの。大きくなると150センチくらいまで成長するよ」

紬「かわいい~! ねぇちょっと抱かせて」

梓「イヤデス!」

唯「ちょ、あずにゃん……」

梓「イヤデスイヤデスイヤデス!」

紬「うぅ……」ションボリ

唯「ちょっとだけならいいよ。でも気をつけてね。あんまり人馴れしてない子だから」

紬「ありがと~」

フワッ

梓「ニギャーーー!」

紬「なんか叫んでるけど……」

唯「喜んでるのかな? あずにゃんよかったね」


梓「ガブガブガブガブ」

紬「な、なんかかまれてるけど……」

唯「んもうあずにゃんはすぐガブガブしちゃって可愛いなぁ///」

梓「ガブガブガブガブ」

紬「ちょ。ゆ、唯ちゃんこれどうしたら、すごい噛まれてるだけど!」

唯「あはは~あずにゃんだめだよ~。めっ! あはははは」

律「笑ってないでなんとかしてやれよ」

唯「そうだね。はいこっちおいであずにゃん」

ギュ

梓「ほふぅ……」

唯「どう? あずにゃんあったかかったでしょ! 当園自慢のふれあいゾーンだよ!」

紬「う、うん……」

紬(腕に歯型が……)


唯「澪ちゃんも抱く?」

澪「いや、いいっ! いいって、うわっ、近づけるな!」

唯「えー。こんなに可愛いのに」

梓「にゃうん」

澪「だって……怖いし」

梓「キシャー!」

澪「うわあああっ噛み付かれる!」

唯「そんなことしないよー」

律「どれ、私に任せろ」

唯「あ、りっちゃんいく? ほい」

律「よっと、どれ」ぎゅ

梓「……」

律「なんかすげー不機嫌そうな顔になったんですけど!」

梓「ニャーニャー!」ジタバタ ガリガリ

律「あ、暴れるしっ! おい、痛い痛い痛いひっかくなよお!!」

唯「わわっ、あずにゃんそれはダメだよ。りっちゃんこっちパス!」

律「お、おう、アタタタ」

唯「ごめんねりっちゃん」

梓「ほふぅ」

律「いんや。やっぱうまく抱いてやらないとだめか」

唯「あずにゃん、め! お客さんがぶがぶもガリガリもしちゃだめって教えたでしょ!」

梓「ふにゃぁ」

律「で、この子しかいないの?」

唯「おかしいなー。みんな自由に園内ぶらぶらしてるのかなー」

澪「そんなおそろしい……サファリパークか……」ブルブル

紬「檻とかないの?」

唯「えー! かわいそうだよー! それに他のあずにゃんは人馴れも多少してるし怖がったり襲ったりしないよ?」

律「ならいいんだけどさ」

唯「この子はちびにゃんだからね。ちょっと表に出すには早かったね」

梓「ニャオオ」


唯「じゃあちびにゃんはここに置いといて。探しにいこっか」

澪「う、うん……唯がいたら絶対の絶対に安全なんだろうな?」

唯「安心安全の桜が丘にゃんにゃんパークだよ?」

紬(入園5分で噛まれたんだけど……)



唯「あ、いたいた! やっほー!」

梓「!」 梓「!」

澪「お、アレは……」

唯「デブにゃんとオタにゃ~ん! もー探したよー!」

オタ「ドゥフフフwwwwこれはこれは園長殿wwww」

デブ「いやぁ、すいませんねぇ。ちょっとジュースを飲みに行ってて」ハァハァ

律「唯……こいつらは……」

唯「こっちの太ってる子がデブにゃんで、こっちの眼鏡かけてる太ってる子がオタにゃんだよ」

オタ「そういえば今日は仮オープンの日でしたなwww」

デブ「唯園長。お昼はまだですか?」

澪(なんかすごい動物の臭いがする……)

紬(こんな子もいるんだ……しらなかった)

オタ「園長殿wwwwこちらの美人の方々を紹介してほしいですぞwww」

デブ「園長はすみにおけないですねぇ、ハァハァ」

律(なんでこいつ息あがってんだ……)

唯「はーいじゃあ紹介します! みんなは私の学生時代からの友達でー……」

律「……え? そのあとセルフ!? あ、私田井中律。唯の友達でー、バンドやってたころのリーダーだ」

オタ「おおうwwwウチのボスのさらにボスktkrですwwwwwwww」

律「いやそういうんじゃないけど」

澪「秋山澪。一緒にバンドやってたんだ」

デブ「いやぁ美人ですねぇ」ジロジロ ハァハァ

紬「琴吹紬です。よろしくね、オタにゃんちゃんデブにゃんちゃん」

オタ「これからもにゃんパーをよろしくですwwwww」

唯「勝手に略さないでよー!」

唯「じゃあさっそくふれあう? たっぷりふれあっちゃう?」

澪「え゛」

オタ「ドゥフフフフフwwwwww」

デブ「ハァハァハァハァ、ヒューヒュゥ」

律(こ、こいつらに抱きつけってか!!?)

唯「えへへ~ふたりとも超あったかくてふわふわ! 当園自慢のあずにゃんだよ~!」

紬(やめて! その笑顔は卑怯よ!)

唯「ほら、どっちいく! ふんす!ふんす!」

オタ「コポォwwwww」

律「……腹括るか」

デブ「お腹すいたです。何か食べ物もってませんか?」

澪「え、ああ……クッキーが鞄のポケットに」

デブ「!!」ガサガサガサガ

澪「ひぃぃいいいい!! やめろやめろおおお!!」

唯「あははは、デブにゃんは食べ物に目がないねぇ」

デブ「サクサクサクサクサク、ごふ、そうですね。サクサクサクサク」

澪「うぅ……なんか鞄があぶらっぽくなった」

紬「……」ポンッ

澪「なぐさめるなっ!」


唯「で、りっちゃんは?」

律「……」

オタ「オウフwww突き刺さるような視線が痛いですwwwww」

唯「ほら、だきついちゃえだきついちゃえ! ウチもオープンしたら人でごった返すだろうからなかなか機会ないよー?」

オタ「そういうことですなwwww」

律「……よ、よーし! おりゃー!」ガバッ

オタ「フォwwwww痛いでござるwww拙者もっとwwwやさしく扱ってwwwほしいwww」

律(やべぇ、暑苦しい……しかも若干臭ぇ……)

唯「あったかいでしょー!」ニコッ


……


律「じゃ、そゆことで……」

唯「次いこー! 次!」

オタ「田井中氏wwwwまた来て欲しいでござるwwww」

澪「気に入られてるぞ、よかったな律」

律「おう……」

デブ「またお菓子くださいねー!」ブンブン

紬「澪ちゃんやるぅ!」

澪「うるさいなぁ……」

唯「ふたりとも可愛かったでしょ?」

律「ぅ゛……うーん、まぁ」

紬「あずにゃんってすごい個性的なのもいるのねー」

唯「生まれや環境によってそりゃもうさまざまだよ。その辺は人間と全然かわらない」

唯「だから私はあずにゃんが好きなんだ!」ニコッ

唯「次はねーどんなあずにゃんが見たい?」

律「お、あそこにいるじゃん」




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         l;' /  `⌒´  ( {、  u  |:::::::::::::| ブルルッ


唯「あ。あの子は……」

澪「なんか震えてるぞ? 大丈夫か?」

唯「……」ソローリソローリ

律「おい何で逃げようとしてんだ」

唯「ちょっ、大声ださないでよ!」


 「!」ピキン

 テケテケテケテケテケ


唯「うわああああ! シコにゃんまってぇえええ!!」

シコ「唯えんちょ~~~っ!!!」ガバァ

唯「うわああああっうわあああ!!」

澪「なんだなんだ」

シコ「唯園長唯園長///」カクカク

唯「ぎゃあああ!」

律「おーい、腰ふられてるぞー」

紬「らぶらぶなのね~」

シコ「唯園長唯園長////  うっ……」ビクビク、ブルルッ


シコ「ふぅ……あ、こんにちは。どうもようこそ」

律「急に冷静になったぞ」

唯「あうあう……ネトネトだよぉ……」

澪「あははは、唯ズボン真っ白、あはは」

唯「これなかなかとれないから……んもー」

シコ「すいません。つい、唯園長を想うとムラムラして」

紬「この子はお名前なんていう子なの?」

唯「シコにゃんだよ。日がな一日ずっとシコシコしてるからシコにゃん」

律「うわぁ……」

シコ「唯ニーは最高ですね。三度の飯より唯ニーですよ」

紬「唯ニーってなぁに?」

律「きかんでいい」

唯「こら! お外でしちゃだめ! っていったでしょ! また『めっ』されたいの!?」

シコ「いやしかしですね。こう天気がいいとつい。雲の流れとかみてるとしたくなりません?」

唯「なりません! ちょんぎるよ!!」

シコ「唯園長はわかってません。もっとこう私たちのことを思ってくれたらいいのに」

唯「えぇ……なんか不満があるっていうの?」

シコ「ありますよぉ! 隠れるところがないと、お客さんがきたら私唯ニーできないじゃないですか」

唯「しなくていいよぉ……」

シコ「じゃあ私なににゃんになるんですか。言ってみてください!」

唯「……」

シコ「ほらねーーー!! やっぱり答えられない」

シコ「シコらないと私自身何者なのかわからないんですよ!」

唯「……すいません」

シコ「もういっていいですよ。このやりとりも何回目ですか」

唯「うん……改善します」


唯「ってわけなんだ!!」

律「お前飼育員じゃないのかよ!」

唯「だってぇ……どうしても手のかかる子とか、手のつけられない子はいるんだよ」

唯「手のかかる子といえば……あわわわわ」

澪「どうした?」

唯「みんな逃げてーー!!」

紬「ど、どうしたの!?」

唯「ほらあそこ!」

律「お、またあずにゃんだ。ここって一体全部で何匹いるんだよ」

唯「うわああああああ!!」

澪「うるさいなぁ、なんなんだ」


 「唯先輩唯先輩唯先輩!!」ドドドドド
 「唯先輩唯先輩唯先輩!!」ドドドドド


唯「ぎゃああああ!!」

 「「つかまえました!!」」ニコニコニコニコ


唯「エロにゃん……レズにゃん……」ガクガクブルブル

エロ「んまぁ唯先輩ったら。またシコられたんですか」

レズ「んちゅ……唯先輩は可愛いですからねぇ」

唯「園長って呼びなさい……」

エロ「唯先ぱぁい、んちゅ、ちゅる」

唯「うげ……こらー! お客さんの前でしょ!」

レズ「じゃあ、お客さんの前じゃなかったらしていいんですか? にゃふふふ」

唯「うぅ、違う……違うのぉ……」

エロ「さぁ、デートしましょうね」

レズ「だめですよお、いまから私とするんですから!」

唯「えぇ……しないよ。みんなを園内案内してるんだから」

エロ「んちゅ」

レズ「ちゅっ、ちゅるるっ」

唯「もがふが、助……け……」


澪「なんか、大変だろうけど。頑張れよ。どうなっても、私たちずっと友達だから」


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最終更新:2011年07月29日 12:22