カンカンカンカン


唯達は先へ進む途中

箱舟に乗っていた人々が脱出したのだろう

幾筋かの光が窓から見えた

プシューッ

―――悪魔の子よ―――

ルシファー「エロヒム!!」

そこには球体から炎を吹き出し

雷をまとった唯一神の分霊エロヒムが降臨していた

―――神の意に反して生み出され……
     悪魔を召喚して使い戦いに明けくれる
     おお…まさに悪魔の子よ!
     悪魔の子は悪魔の声を聞き
     悪魔の刃を手に我に刃向かうか……
     消えよ!

ルシファー「くっ! 戦うしかなさそうだ……」チャキッ

唯「く……!!」スラァ

律「なんだってんだちくしょう!!」


神霊 エロヒムが 一体出た


唯「はぁぁっ!!!」ダッ

ルシファー「ユイ! 気を付けろ!!こいつは……」

ピカァァァ

唯「か、体が……!?」

律「動かねぇ!!」

ルシファー「くっ……
       これが……『エロヒムの光』か!!」

梓「うぐぐ……!!」

―――裁きの雷に打たれよ! 悪魔の子よ!―――

唯「あああああ!!」

律「唯ーーー!!」

律「ぎゃああああ!!」

ルシファー「ぐぅっ! 万事……休すか……」

梓「きゃあああああ!!……うぅ……」

梓(動け……動け!!!)

唯「う……うぅ……」

梓「動いてよバカぁーーー!!!」


ピクッ


梓「動いた!」

ルシファー「アズサ!」

ルシファー「エ、エロヒムの急所は……
       あの炎の中だ……」

梓「…………」

梓「あ、あああああ!!」チャキッ

―――私の呪縛を破るとは……―――

律「おい、梓!! 何するつもりだ!!」

唯「あず……にゃん?」

梓「和さんに謝らなきゃ……」

梓(私……長生きできそうにないや……)

梓「唯先輩……律先輩……」

律「梓!!!」

梓「私のなすべきことを成し遂げます」ダッ

唯「あずにゃーーーん!!」

エロヒムの雷が容赦なく梓を襲う

だが……梓は倒れることなく

エロヒムに向かっていく

梓「はぁ……はぁ………」

梓「ああああああっ!!!」バッ

唯「ーーーーーーー!!!!」

梓は剣を構えエロヒムの

燃えさかる炎の中へ消えていった……

バシュッ………

―――ぐっ……!? き、貴様……―――

―――このままでは……終わらんぞ――

律「か、体が動く!!」

みるみるうちにエロヒムの体が膨張していく

ルシファー「いかん……爆発するぞ!!」

ボウッ……

ドシャッ

すると炎に包まれた梓が

エロヒムの中から飛び出した

唯「あずにゃん!!あ、あああ……」

梓「…………」グッ

律「梓!?」

梓「あれ……か………」

ガチャン!!

―――キンキュウシャシュツソウチサドウ―――

―――ノリクミインハタダチニアンゼンナバショニ
     タイヒシテクダサイ―――

ルシファー「!! どこかに掴まれ!!
      宇宙の塵になるぞ!!」

―――あ、悪魔の子よ……死……―――

梓「……わ、私と……」ボオォォォ

唯「!!」

梓「私と一緒に地獄へ堕ちろっ!!!」ダッ

梓は再びエロヒムの炎へ飛び込んでいく

―――な……何を……!!―――

唯「あずにゃああああぁぁぁん!!」

―――シャシュツソウチ、サドウ―――

シュゴオオォォォ


梓「さようなら……唯先輩……律先輩……」

カッ―――――――

ズズ……ズン……

ルシファー「!!」

シュゴ……ゴ…………ゴ……ガシャン

射出装置のレバーには黒焦げになった

律のシャツの切れ端が引っ掛かっていた

律「梓……ばかやろおおおおお!!!!」

唯「う、うう……あずにゃん……
  うわあああああああ!!!」

ルシファー「見事だ梓……礼を言う……」

―――誰だ? 我が分霊を倒したのは?
     我が元へ来て姿を見せよ

唯「!!」

ルシファー「やはり……この先だ」

プシューッ

律「誰もいない……」

そこには広い空間が広がるだけだった

ルシファー「唯一神よ! 姿を見せたらどうだ」

唯「え………」

唯達の目の前に巨大な顔が現れる

律「あ……あぁぁ………」


―――我が名を称えよ

     我が栄光に満ちた並ぶ者無き

     名を称えよ

     ルシファーよ……

     ついにユイをともない

     我が前に現れたな

     我が命に反して九頭龍での大破壊を

     行わずセンターのみ破壊するとは

     かつての大天使としての誇りは

     微塵も残っていなかったようだな


ルシファー「大天使?神の奴隷に
       一体何の誇りがあるものか!
       私は自分のやりたい事をやる
       神の名のもとに命じれば
       誰でも従うとまだ思っているのか!
       もはや貴様の時代は終わった……」

ルシファー「神が造り、破壊し、再生する……
       神の手の上での繰り返しは終わりだ
       神無き未来は混沌のみかも知れん
       だが……真の再生はその中にある!」

唯「こんな酷いことが許されるなんて……」

唯「あたしは許さない!!」

唯「例え神様でも……あたしはあなたを倒して
  未来へ進む!!」スラァ


―――悪魔といい人間といい……

    所詮は我が手によって

    造られしもの

    汝らの刃は我に傷などつけられぬ

    では汝ら……我が雷に撃たれ

    地獄へ落ちよ!永遠の業火に焼かれよ!!

    悪魔よ! 悪魔と手を結んだ人間よ!!


神霊 YHVHが 一体出た


ルシファー「ユイ、リツ……ついに神すらも手にかける
       時が来た……覚悟はよいな?」

唯「覚悟なら……」

律「とっくにできてるぜ」

唯「…………」グッ

パアアアアァァ

―――悪魔の力か……そのような汚れた力で……―――

唯「終わりだよ………」ダッ

ルシファー「覚悟!! ……我が主よ!!」ダッ

律「いっけえええええええ!!」

……
………

……シュウウウゥゥ……ン

ベルゼブブ「」

ケルベロス「お……? 唯……
        終わった……の……か?」

ケルベロス「こっちは……おわった……ぜ……」

ケルベロス「もうなにも……聞こえ……」

ケルベロス「」

……
………

ルシファー「ユイ……ご苦労だった……」ガクッ

唯「はぁ……はぁ……」

―――バクハツマデ アト10プン
     ジョウインハタダチニ……

律「おい! ここもそろそろヤバいぞ!
  早いとこ行―ザシュッ―っっっ……?」

唯「りっちゃん!!!」

突如空間から刃が現れ

律の体を突き破る

律「なぁ……あたしの…体……
  なんだ………これ……」ドシャッ

―――許してなるものか……我に傷をつけるなど―――

ズ……ズゴォッ!!!!

ルシファー「―――っ!!」

唯「が………」

まばゆい衝撃波が

ルシファーの右半身と

唯の左腕、右足を吹き飛ばした

ルシファー「まだ……生きていたのか……」バタッ

唯「い……いあああ゛あ゛あ゛!!!」

唯は痛みのあまり

声にならない叫び声をあげた

―――泣き叫ぶのはまだ早い

     地獄に堕ちたのち

     永遠の苦しみを与えよう

ルシファー「ユイ……こっちへ来れるか……」

唯「ぐうう……!!」ズリ……ズリ……

ルシファー「私の……最後の……力だ……」

パアアァァ……

ルシファー「頼む……私達の……未来を……」

ルシファー「」

唯「はぁ……はぁ……」グググッ

―――それでも我に立ち向かおうというのか

     呪われし者よ………

唯「あずにゃん……りっちゃん……」

唯「和ちゃんにムギちゃんに……澪ちゃん」

唯「もしも……願いが叶うなら……」

―――今……翼が欲しい…!―――

唯「あたし……百年前の……あの頃のあたし……
  力を貸して……!!」ダッ

唯「あああああああ!!!」

……行くのよ! 唯!!……

……唯! お前が最後の望みなんだ!……

……唯先輩……未来を………

―――裁きの雷に打たれよ!!―――

バシィィィ……ン

―――き……効かぬ……だと―――

唯「みんなあああああああああ!!!」

―――ぐあああ……!!―――

……
………

―――汝らの勝ちだ

     自らの創造物に敗れた創造主は

     このまま消え去ろう

     我が法の下動いてきた世界が

     混乱する様は見るに忍びない……

     覚えておくがよい

     頼るものすがるもの無く

     生きていけるほど人は強くない

     人が我に救いを求めるたびに

     宇宙の大いなる意志は何度でも

     我を生み出すであろう…………



唯「…………」ドシャッ

律「ゆ…い………」

唯「りっちゃん……」ズリ…ズリ……

―――バクハツマデ アト1プン―――

唯「これで……終わりだね……」

律「あぁ……あたしたちもな……」

―――バクハツマデ アト30ビョウ―――

唯「りっちゃ……ん……」

律「んー……?」

―――10ビョウマエ―――

唯「ずっと……一緒に……いたい…よ……」
  みんな……と……」スッ……

―――9……8―――

律「一緒だよっ」グッ……

―――7……6―――

律は唯が差し出した手を

―――5……4―――

最後の力を振り絞って握った

―――3……2―――

唯「えへ……へ……」

―――1……―――

……あ り が と……


……
………

男A「お……力が……力が入るぞ!」

男B「本当だ……一体何が……」

―――今 私の 願い事が―――

―――叶うならば 翼が欲しい―――

男A「なんだ……? 歌……?」

男B「どこから……」


将門「どうやら……終わったようだ」

ヒルコ「将門殿?」

―――この背中に 鳥のように―――

―――白い翼 つけてください―――

ヒルコ「この歌声は……!!」


メシア教徒A「そ……空を見るのです!!」

メシア教徒B「あれはもしや……箱舟が!?」

―――この大空に 翼をひろげ―――

―――飛んで行きたいよ―――

紬「!! ゆ……い」コー… コー…



ミュータント長老「ついに我々も空を仰ぐことが
           できるのか………!!」

―――悲しみのない 自由な空へ―――

―――翼はためかせ―――

ミュータント長老「唯よ………ありがとう……」


―――行きたい―――


……
………

「あれ……ここは……?」

「行かなきゃ……」


唯「真・けいおん転生!!」 ~M・PROJECT編~ 完







最終更新:2011年07月31日 01:07