律「なんじゃwwwwなんじゃそらwwwwwww」

律「女の子同士の友達の87%がキスで友情を表現wwwwwwwみゃーよwwwねーよwwwwww」

律「っくくく……」

律「……はぁ。一人で見ててもおもんねーっつの」

律「はやく誰かこーい。夏休みだからってだらけすぎだー!」

 ガチャ

唯「よーし、一番乗り!」

律「おう、いい度胸だな!」

唯「あーらりっちゃん! いたんですの、あまりに小さくて気づきませんでしたわ!」オホホ

律「なんだとーこのー!」ムニギューッ

唯「いふぁい、いふぁい! まうんぽろらっへ、いふぁい!」ジタバタ

律「うおー!」

律「……あっつ」パッ

唯「ぐへー」モニョニョン

唯「はー。わたしもりっちゃんみたいにベスト脱ごうかな」

律「それがいいぞ。ていうか、よく着てられるよなお前ら……」

唯「んーしょっ」スポッ

律「色気のない脱ぎかた……」

唯「ふー……窓開いてるのにむしあつーい」

律「まったくだ……あ、唯。これ見てみろよ。面白いぞ」バサ

唯「ん、なにこれ。この夏は恋人よりも友達を、友情を深める3つの方法……」

唯「その1! まずは友達に「あーん」でいちゃいちゃ恋人気分を楽しもう!」

唯「間接キスなんて気にしない、友達ならこのくらいのステップは乗り越えよう!」

唯「うんうん」

律(あっついな……タイもほどこう)シュルリ

唯「その2! 友達の家に行き、とにもかくにも一緒に布団に入ろう!」

唯「寝ぼけたふりして抱きつけば、友達との距離急接近まちがいなしだ!」

唯「うんうん、友達の家で寝るのって案外落ち着くよね」

律「唯はうち来てはしょっちゅう寝てるよな。だが、問題はその3だ!」

唯「ほう、その3!」

唯「ここまで来ればヤることはひとつ! 友達にキスしちゃおう!」

唯「くちびる同士が望ましい! 中途半端はケンカの種だぞ!」

唯「友達ももっと仲良くなりたいと思ってるはず、遠慮せずにやっちゃえ!」

唯「ほうほう、こりゃ……」

律「なっ、面白いだろ?」

唯「うんっ、すごく面白そう!」

律「まったくなんていうか……笑っちゃうっていうかさー」

唯「ん? んー、まあ確かにそうだね!」

唯(ちゅーなんてさすがに緊張するもん。澪ちゃんもよく緊張しすぎて変な笑いがでてるときあるよね)

律「こういうこと書かれると困るよなー。私たち友達同士でキスしてるんだろーなーとか思われそうだし」

唯「うんうん」

唯(やっぱりそうだよね。友達同士でちゅーなんてりっちゃんはいやなんだ)

唯(でもこれを私に見せたってことは、りっちゃんは私と仲良くなりたい……ちゅーしたいってことだよね)

唯(それって……)

唯「はうっ!!」ガタッ

律「うわっ、どうした?! ハチでもいたか!」

唯(り、りりりっちゃんよ、私が好きってこと!? ここいっ、恋人になりたいの!?)

唯(ど、どうしよう、りっちゃんに告白されちゃった!)パクパク

律「お、おーい?」

唯(そ、そうだ、私の勘違いかもしれないよ! っていうかそうだよ!)

唯「り、りっちゃん……お、おぉそ、こ、これ、ほんと?」

律(これって……ああ、友達同士でキスのことか。つっても、私だってほんとかどうか知らん)

律「んーまあ、嘘だとは断言できないよな」

唯(なにその変にボカした返答! もう告白したも同然なんだからはっきりしてよ!)

唯「そ、そっかー! まあ、うん、わかってたし!」

律(本当だと思ってやがったな、こいつ……)

律「うんうん、わかってるならいいんだ」

唯(本当でなければどれほどよかったことか!)

唯「あ、あはは……」

唯(ほ、ほんとうにどうしよう……りっちゃん、何か期待してる目で見てきてるし……簡単には断れないよ)

律(もっと笑ってくれるかと思ったんだけどな……まあいいか……)

律「にしても、まだあっついなー」プチッ

唯(脱ぎ始めた!? ゆ、ゆうわくしてるの!?)

唯「り、りっちゃん、そんなのだめだよ!」

律「え? 別にいいだろ、裸になるわけでもないしさ」

唯(それが逆にエロいんだってば!)

唯(って、ちがうちがう!)

唯「だめっ! もっと自分を大事にしないと!」

律(そこまで言われるほどのことか……?)

律(……なんか暑くなってきたぞ)

律「いやいや、唯。お前もボタン3つあけてみろ。すずしいぞー!」

唯「いっ、いいよ……」

律「なに照れてんだし! 私が脱がせてあげまちょうかー?」

唯(じ、実力行使にくるつもりだ!)

唯「ま、待って! 脱ぐよ脱ぐってば!」

唯(近付いたら押し倒される……距離を保っておかないと)

律「いーよいーよ、あまえんぼ唯ちゃんは私が脱がせてあげるワ♪」

唯(ひいいいいい!!)ゾワゾワ

律「そりゃっ、待て唯!」

唯「やだっ、こんなのいきなりすぎるよ!」

律「油断しているほうが悪い! いつなんどきでも狙われているものと心得よ!」シュッ

唯(理不尽すぎるよぉっ!)シュカッ

律「むっ、いい動きだな!」

唯(いつもりっちゃんと遊んでてよかった、おかげで動きが読めるよ!)

律「そい!」バッ

唯(右!)サッ

律「やるな!」フッ

唯(左だ!)シュビッ

律「おお……では、これで決着だ!」ババッ

唯(これは前屈みになってりっちゃんの左脇を抜けれられる!)グッ

唯「とうっ!」シュタンッ

律「おっと! っととと……」

律「あてっ」ドタッ

唯「ふぅ……」

唯「もう、りっちゃん少し落ち着いてよ!」

律「ちぇー。なんだよ、付き合ってくれてもいいじゃん?」

唯(よくないわ!)

唯「はーもう、ひどい暑くなっちゃった……」

唯(私もタイ外して、ボタンとっちゃお)シュルリ

唯(あんな必死になって……なんだか無駄にどきどきしてきたじゃん……)

律「ふー、やれやれ……」スック

律(……なんか今日、唯のノリ悪いなあ。……私たち、実は仲悪かったのか?)

律(仲直りのキスしよーぜ、とかいったらぶん殴られるかもしれない)ズキッ

律「あいてててっ……!?」

唯「りっちゃん!?」ダッ

律「あ、唯……どっかぶつけたかな、なんだろ」

唯(ど、どうしよう。やりすぎちゃったのかな……私のせいだ)

唯「と、とりあえず肩貸すから、長椅子のとこまで……地べたじゃ行儀悪いし」

律「ああ、サンキュ……!」ピチョッ

律(うわっ……私たち、すごい汗くさいし……ブラウスびしょびしょじゃんか)

律(さっきので変に汗かいたな……でも離れてくれとも言えないし)

唯「立てる、りっちゃん?」

律「ああ、大丈夫……っと」

唯「じゃ行くよ。おいっちに、おいっちに」

律(唯、臭いと思ってないのかな……)

律(いいやつだな、唯ってほんと)スンスンッ

唯「り、りっちゃん?」

律「え……なに?」

唯「ご、ごめんね……汗くさいね、ちょっとだけ我慢して……」

律「あ、ああ! 大丈夫、私こそくさくてごめんな!」

唯「ううん、気にならないよ!」

唯(あぁ汗の臭いかがれたよー! なんて恥ずかしいことしてくれるのぉ……)

律(今……私、唯の汗のにおい嗅いで、なんて思ってた……?)

律「よっこら」ドスッ

唯「ふぅっ」ドスッ

律「……」


唯「……」チラチラ

唯(……りっちゃんブラ紐見えちゃってるし)

唯(はしたないっていうか手段を選んでないっていうか!)

唯(正直、好かれてるってわかってる以上ドキドキするからやめてほしいよ……)

律「……」チラチラ

律(よく見たら、唯もタイ外してる)

律(だからさっき、唯の……いい匂いがしたんだな。唯が、胸の間でかいた汗のこもった匂い……)

律(ど、どうしよ……変な考えがおさまらない)

律(わ、わたしレズだったのかー!?)

唯「……」

唯「あのさ、りっちゃん」

律「うぅあ、なんだっ」

唯「私たち、仲良しだよね」

律「あ、ああっ……そうだろ」

唯「……だからさ、ちゅーしてみない?」

律「……」

唯「わたし、りっちゃんとちゅーがしたくなった。なんていうか、覚悟ができたんだ」

唯(私は……りっちゃんの恋人になりたいんだ)

唯(さっきから、おかしく気分が高まって、考えてたことがりっちゃんに上塗りされていく)

唯(肩を貸してあげたときの、りっちゃんの嬉しそうな顔が忘れられない)

唯(……汗の臭いまで、嗅がれちゃったし)

律(……友達同士のキス、か)

律(87%の女子同士が、キスをしてる)

律(私たちは、そんなことしなくていい。それでも十分仲良しだ……)

律(だけど……)

律(唯とは、キスがしてみたい)

律(友達としてなら、87%がやってるんだよな……だったら別に、悪いことじゃないはずだ)

律「……い、いいぞ。私も唯とキス、してみたい……」

唯「うん……」

律(唯になら、任せられる……私たちを、もっと深い友達に……)

唯(……あーあ、これで私も……友達と一線越えちゃうんだね)

唯「……りっちゃん」サワッ

律「あ、唯……」

唯「ん……なに?」

律「いや、なんでも……ほっぺた撫でられると、照れるな」

唯「……」サワサワ

律「っ、唯……」

律(こ、この気持ちだけは抑えなきゃだめだっ)

唯「りっちゃん……」

 スッ

律「~~~~ッ」

唯(りっちゃん、ちょっと汗くさいな)

唯(目をぎゅっとつぶって……かわいいし)ギシッ

唯(……やっちゃお)

律「やっ、やっぱ待った!」

唯「……どうしたの、りっちゃん?」

律「や、やっぱし女同士でキスはやばいって!」

唯「やばいって何が?」

律「そ、そのっ……」

唯「……んふふ。わかるよ、女の子のくちびるって、気持ちよすぎて中毒になっちゃうもんね」

律「うっ、えっ……なんでそんなこと」

唯「いやぁ? 私は知らないよ?」

律「……」

唯「大丈夫。ちゅう毒になっても、りっちゃんのなら私が全部受けとめるから」

唯「だからしちゃおうよ、」

唯(このヘタレ)ジロッ

律「だっ、だけど、いいのか?」

唯「なにかまずいことある?」

律「えっと……いや、ない」

唯「えへへ。心配しすぎだよ、りっちゃん。私も全く知らない訳じゃないから、まかせて」

律「うん……わかった」

唯「……りつ」

律「っ!!」ゾクゥッ

律(あぁ、今、一線を……)

律「だっ、よせっ!」グイ

唯「りっちゃんっ……ちゅう!」グググ

律(何でかわかんない、でも今キスしたら絶対好きになる! 抑えきれない!)

唯「りっちゃん、愛してる! ほんとだよ!」

唯「だからっ……」

律(だっ、だからこそだめじゃんかよー!?)

唯「っ、りっちゃん、好きぃっ!」グイッ

 ブチッ

律「ちょっ、ボタンが!」

唯「抵抗するからだよ!」

 ブチンッ

律「ちょ、お」

唯「てえぇっ!!」ブチブチッ!

律(うわっ、全部取られた!)

唯「りっちゃん……手離さないと、けがさせちゃうかもよ?」

律「……お前、盛りすぎだろ」

唯「りっちゃんがかわいいブラつけてるからいけないんだよ」

律「あ、あのなぁ……」

律(……こうなったのも、半分は私のせいか?)

律(それに唯は、私を好きって……)

律(……もう、好きになっちゃおうかな……)

律「……ゆ、ゆい」

唯「なに?」

律「そ、そろそろ澪とかムギが来るかも……ドアのほうから声がして」スッ

唯「じゃあ、チャンスだね」グッ

 チュッ

律(……よかった)

律(唯なら、好きになっていいみたいだ)

律「んっぅ……ちゅ、ちゅ」



 ガチャッ

澪「悪い! ベース忘れたまま途中まで……きて……」

紬「……ね、澪ちゃん。入らないほうがいいって言ったでしょ?」

唯「んむっ……ちぅっぱ。りつぅ……」

律(いや、入っても入らなくても変わんなかったような……)

澪「……廊下で待ってる」バタン

律(完全に無視っちゃった)

律(唯が離してくれないし、しょうがないな)

律「ゆい、ゆい」

唯「ん……?」

律「もうたくさんキスしたから、いったん仲良しになろう」

唯「……おっす、りっちゃん隊員」

律「……このブラウス、なんとかしろよ」

唯「まあなんとかなるんじゃない?」

律「はあーっ……ジャージで帰宅か」

律「それもこれも、この雑誌のせいか」

唯「……おかげ、でしょ?」

律「んー、まあ……そうかも」

律「はぁ。87%が友達同士でキスとか、やっぱ絶対嘘だ。87%で恋人だろ……」ポイ

律「すまん、澪、ムギ。もう入っていいぞ……」ガチャ

澪「さっきは言うこときかなくてごめんな、ムギ。仲直りのちゅーだ」

紬「ん、澪ちゃんよく反省してね? じゃ、またお友達!」

唯「……」

律「……どうしてこうならなかった」


  オワーリ



最終更新:2011年08月17日 01:20