8月21日!
律「あの時手を繋いだのって……OKのサインだよなぁ……」
律(なんとな~くな流れで唯と付き合うようになって?1ヶ月以上経って)
律(アレから二人で遊ぶことも増えたんだけども)
律「ど~も以前と変わらないんだよなぁ……」パカッ
律「……新着メール、無し」
律「軽音部の誰からもメールがない……皆知ってるはずなんだけどなぁ」
律「……まぁまだ8時だしな!今日はここからが本番だよな!」
ブブブブブブ……
律「うぉっ!あ、唯から電話だ」ピッ
唯『りっちゃんグッモーニン!』
律「おう。おはよう。朝早くから元気だな唯は」
唯『りっちゃん今日空いてるんだよね?』
律「当たり前だろ?」
唯『じゃあうちで遊ぼうよ~今日憂も居なくて暇なんだ~』
律「ひ、暇?」
唯『ん?どしたのりっちゃん』
律「いや……はっ!」
唯『うん?』
律(はは~ん、実は唯ん家に皆で先に集合してて、到着した私を驚かせようってハラか?)ニヤリ
唯『お~い、りっちゃ~ん?』
律「あ、ゴメンゴメン。他の皆は?」
唯『何かみんな用事有るとかでさ~』
律(やっぱりな。そういっておいて実は既に集合してるんだろうな……よし!)
律「そっか。じゃあ準備して向かうよ」
唯『ラジャー!お待ちしておりますりっちゃん隊員』
律「うむ!ではまた後で!さらばゆいゆい隊員!」ピッ
律「さ~て、どんなリアクション取ってやろうかなぁ~」
* * *
ピンポーン
律「ひ~らさ~わさ~ん。あ~そ~ぼ~」
ガチャ
唯「は~い~」
律「はろ~」ヒラヒラ
唯「どうぞどうぞお入りください」
律「うむ、苦しうない。……あれ?靴が無い」
唯「ん?何か無い?」
律「あぁいや……」
律(さては気付かれないように持ってあがったな。中々の策士が居るようだな~)
唯「飲み物持ってくから先に私の部屋行ってて~」
律「あいよ~」
トントントン……
律「よ~し……」グッ
ガチャッ!
律「待たせたな皆の衆!主役の登場だぁー!」ババーン
シーン……
律「……あ、あれ?」パチクリ
唯「お待たせ~。って、どしたの?」
律「あ、れ?いや、誰も居ない……よ?」
唯「言ったじゃん。今日は憂も居ないんだって」
律「え、あ、うん。いや、あれ~?」
唯「さっ、座って座って~」
律「あぁ、うん」
唯「はいどうぞ」スッ
律「さんきゅ」
唯「ふぃ~」ペタン
律「……あの、唯さん?」
唯「あ、そうだりっちゃん」
律「お、おう!」
唯「パスポート来た?」
律「はい?」ズルッ
唯「まだ来ないのかなぁ」プー
律「まだ申請して一週間も経ってないだろ?その位かかるって言ってたろ?」
唯「でも待ち遠しいじゃん」
律「変な具合になってないか心配だよ私は」
唯「オデコが?」
律「何でデコ限定!?」ペシンッ
唯「大丈夫だよ~。りっちゃん可愛いもん」
律「そ、そうだな!私可愛いもんな!」
唯「そこは謙虚になろうよ」
律「あれ~?」
唯「でも早く届かないかな~」
律「え?アレって取りに行くんじゃないのか?」
唯「え?家に届くんじゃないの?」
律「う~ん?……まぁ、どっちにせよ澪辺りが言ってくれるだろ」
唯「そだね。澪ちゃんに任せとけばバッチリだね」
律「にしてもさ」キョロキョロ
唯「なに~?」
律「勉強道具の一つも出て無いけど……大丈夫か?」
唯「ちっ違うよ!?りっちゃんが来るから綺麗に片づけただけだよ!?」
律「なるほど。愛い奴愛い奴」ナデナデ
唯「えへへ~」
律「ほ~れほれほれほれ」コショコショコショコショ
唯「ごろごろごろごろ」ウナー
律「ん?あ、メールだ」
唯「誰から?」
律「聡から。冷凍庫のアイス食べて良いかだってさ」
唯「アイス!?」
律「いや、お前がソコに食いついてもだな……」
唯「あ、アイス食べる?美味しいのが有るんだ~」
律「うん。貰う」
唯「じゃあ取ってくるね~」
律「さんきゅ~。『今度替わりのアイス入れといてくれるなら良いぞ』っと」
唯「お待たせ~。チョコとバニラどっちが良い?」
律「好きな方で良いよ」
唯「……う~ん……あ!いや……あぁでも……」
律「そんなに悩むことか?」
唯「う~……」
律「だったら両方半分ずつ食べようぜ」
唯「おぉ!りっちゃんったら天才!」ビシッ
律「いやいや、それ程でも~」
唯「じゃあ、はい!りっちゃん」
律「さんきゅ」ビリッ
唯「あむっ!美味しい~!」
律「はむっ。うん、美味い」
唯「そっちもちょうだい」アーン
律「あいよ」ヒョイ
唯「あむっ。う~ん!つめた~い!」
律「そりゃそうだ。そっちのも一口ちょうだい」
唯「え~ヤダ~」
律「暴君かお前は」
唯「冗談だって~。はい、りっちゃん」スッ
律「んむ。うん、バニラも美味しいな」モグモグ
唯「でしょ?何たって私のアイスだもん」
律「だな。流石アイス、スゴイよアイス」
唯「私も褒めてよ~」
律「ん~?ゆいゆい可愛いよゆいゆい」
唯「なんかおざなり~」
律「よっ!唯さん流石!日本一!最高!」
唯「わざとらしいなぁ~」
律「どないせえっちゅうんじゃ」
唯「さて、何しよっか」
律「う~ん……ゲームとか?」
唯「じゃあリビングに~……はダメだ」
律「え?何で?」
唯「あ、え~っとね、アレなの」アタフタ
律「何?故障でもしてんの?」
唯「そっそうなの!いきなりボカーンって煙噴いちゃって」
律「何やったんだよ」
唯「何もしてないよ!?勝手になっちゃったんだよ」
律「果たしてどうだか」ハァ
唯「信用されてない~」ヨヨヨ
律「じゃあテレビでも見に」
唯「ダメダメ!」
律「……お前まさかテレビ壊したのか」
唯「だから私じゃないよ!?」
律「まぁ、それじゃあ仕方ないな。のんびりするか」
唯「そうだね。のんびりしようよ」
律「そうそう、折角の……あぁあ!?」
唯「おぉう!?どうしたりっちゃん!」
律「そうだよ!ゲームとかテレビとかじゃ無いよ!もっと大事な事が有るじゃないか!」
唯「……え、え~っと、なになに~?」
律「唯はさ、今日が何の日か知ってる……よな?」
唯「……私達が出会って、丁度半年だよね」キリッ
律「私たちが出会ったのは二年前の四月だ」
唯「てへっ」
律「で?」
唯「何の日ってそりゃアレでしょ?」
律「おぅ!言っちゃって!」
唯「献血記念日でしょ?」
律「違うよ!」
唯「あれ?違うの?8月21日だよね」
律「いや、合ってるかもしれないけどそんな話を私が振ると思うか?」
唯「『だから今から献血に行こうぜ!』とか?」
律「一度でもそんなお誘いしたこと有った?」
唯「無いから珍しいなぁって」
律「違うよ。そんな話じゃないし献血も行かない」
唯「行かないの?」
律「行きたいの?」
唯「注射ヤダ」
律「なら行かなくていいな」
唯「う~ん……じゃあ静岡県民の日?」
律「静岡の皆さんには申し訳ないけど違うわ!」
唯「え~でも静岡さんの誕生日なんだよ?」
律「そうそれ!」
唯「ほぇ?静岡さん?」
律「違う!その後!」
唯「……なんだよ?」
律「わざとかこの野郎!」
唯「あ!そっか!誕生日!」ポンッ
律「そう!ほら、今日は唯の大事な人の誕生日だろ?言ってて恥ずかしいけど……」カァァ
唯「そうだったねりっちゃん!早速だけど唄うね!」シュタッ
律「い、良いよそんな慌てなくても」テレテレ
唯「ハッピバースデートゥーユー!ハッピバースデートゥーユー!」パンパン
律「いやいやどもども」
唯「ハッピバースデーディーア関根さ~ん」
律「誰だよ!?」スパーン
唯「え?関根勤さんだよ。知らない?」
律「知ってるけど何で!?」
唯「あれ?違った?ほぁ~っとかやる人」ホァー
律「いや、ほぁ~っじゃなくて」
唯「じゃあ稲川淳二さん?」
律「はい?」
唯「怖いですねぇ~の人だよ」
律「知ってるわ!っていうかそんな見当外れな事言うお前の方が怖いよ!」
唯「え~嬉しくないなぁ」
律「私は悲しいよ……」ガックリ
唯「り、りっちゃん?」
律「唯、マジか?」
唯「え、何が?」
律「……私、前に言わなかったか?」
唯「え、あ、う~んと、あのね?」
律「何だ?今度は誰の名前出すんだ?萩原聖人か?くまのプーさんか?それとも漬物の日か?」
唯「違うの!ってプーさん今日誕生日なの?」
律「そうだよ。昔調べたからな、今日誕生日の有名人とか」
唯「もしかして……怒ってる?」
律「そこじゃ無いだろ!何で調べたのとか聞けよ!じゃないと話繋げれないだろ!」ガーッ
唯「え~っと~……」
律「……もういい」プイッ
唯「あ……」
律「いっそ分かんないって言ってくれた方が良いよ」
唯「えと」
律「唯が思い出すまで何も言わん」
唯「りっちゃん、あのね」
律「ケータイ震えてるぞ」
唯「え?あ、ホントだ。でも」
律「出れば良いじゃん。大事な用かも知れないだろ」
唯「う、うん……」ピッ
律「……」イジイジ
唯「もしもし。あ、憂?もう!遅いよ~。うん、うん、わかった~」ピッ
律「……」
唯「えっと、りっちゃん」
律「何だよ?」
唯「あ~っと……お腹空かない?」
律「空かない」
唯「そっか。じゃあノド乾かない?」
律「乾かない」
唯「う~っと、え~っと……どうすれば……」
律「……帰るわ」スッ
唯「え!?」
律「今日が何の日とか考える気も無いみたいだし」スタスタ
唯「ちょっと待ってよりっちゃん」
律「何だよ?思い出すよりご飯の方が先なんだろ?」
唯「ちがっ、そゆ事じゃなくて」
律「もう良いって。それじゃ」ガチャ
最終更新:2011年08月23日 23:21