……


【生徒会室】


唯「やべぇきちゃったよ。向こう半年は近づきたくないって思ってたけど」

梓「……な、なんか、すごい殺気だってません。てか変な臭いが」

唯「これ血だな。あーやべ、処刑の後だこれ絶対」

梓「処刑!?」

唯「生徒会はうぜぇ生徒処刑できるんだよ」

梓「……」ブルブル

唯「目、つけられたらまじ死ぬよ? 桜が丘の果てまで追ってくるから。だからお前部室の扉ちゃんとしめろよ」

梓「気をつけます……」

唯「じゃあそろそろ……入るけど」

梓「目つぶってていいですか」

唯「死にたいならそうしとけば」


ガラガラ



和「……?」

梓「ひぃいいいい! なんなんですかこの返り血まみれの人!!」

唯「また処刑したのか眼鏡このやろう」

和「また社会の……ゴミか……」

梓「ぼ、暴力反対です!」ブルブル

和「暴力? 生徒会的治安維持よ。処刑だなんて、ゴミクズヤンキー共の世界と一緒にしないで」

唯「……おい眼鏡」

和「…………何か御用かしら、カチコミはお断りよ?」

唯「ちょっと言いたいことあってさぁ」

和「……? 口であなたがものを伝えられるの?」

唯「でも今のてめーっとやって勝てる気しないからさぁ、いやまぁ本気だして殺ってもいいけどな? ガチでガチで」

梓「いまさらですけど喧嘩はダメですー(TωT)」

和「その腰巾着は何? ゴミ?」

唯「……うちのコーハイだよ」

和「ヤンキー部の鉄砲玉?」

梓「け……軽音部です!」

和「あぁ、そういえばそうだったわね。去年一回もライブしてなくない?」

唯「だから今年ガチでやるっつってんだろうが……あ゛?」

梓「お、抑えて抑えて……」グイグイ

和「ふーん、で、用件は?」

唯「部費……あげろ……」

和「……あ゛?」

唯「こちとら一人増えてんだろうがよおおおお!! 部費あげろや腐れ眼鏡」

梓「人にものを頼む態度じゃありません……」

和「活動してないくせに? あなたたちもう遊戯部に変えたら?」

唯「ふざけんなあずにゃんギター弾きたがってんだろうが!!!」

梓「私のせいみたいにしないでください……」

和「……そうね、じゃあ条件付きで考えてあげるわ」

唯「あ゛? まじか」

和「そうね……何がいいかしら」

唯「てめぇんとことウチで総力戦やっか? あ、でも5対5しか無理だわ」

梓「イヤデス」

唯「それともヘッド同士で殺るか? その場合りっちゃん出すけど。あいつまじやべーよ大根とか余裕でぶったぎるから」

和「それはおっかないわね。けど条件はあなたの大好きな喧嘩じゃなくて」

唯「あ゛?」

和「ライブで楽器を演奏してもらおうかしら。活動してることを証明して」

梓「! そ、それでいいです!」

唯「ふっざけんなよ! ジャンガで決めようぜ眼鏡」

和「それもいいわね……人間ジェンガとかする?」

唯「やるか……拾ってくるわ」

梓「わー待って待って! 演奏します!! ライブやってみますからー!!!」

唯「がんばって」

梓「がんばってって……他人事じゃないですよ……」

唯「あ゛? てかライブってなに」

梓「えっ。いまさら!? 何やってたんですか私が来る前の一年間!」

和「たいそうなゴミね……クズね……」

梓「ライブってのはみんなで一緒に舞台の上で曲を演奏することです。生演奏ですよ」

唯「は? それやばくね?」

梓「……」

和「文化祭までに間に合わせなさい。特別に枠をとってあげるから」

梓「どうもありがとうございます……」

和「でももしゴミ演奏だったらその時は……」

梓「ひっ」ゾクッ

唯「そんなに時間あんのかよ。あずにゃんこんな血なまぐさい部屋さっさとおさらばしてゲーセン行こうぜ」

梓「ダメですー!!これから部室で練習です!」

和「それが懸命よ……あなたもこうなりたくなければね……」

生徒「  」ピクピク


……

【部室】


梓「生徒会の人、結構まともな人じゃないですか」

唯「……なにうきうきしてんだ」

梓「練習しましょう練習♪」

澪「……無事戻ったのか、で、部費はどうなった?」

律「てか無傷かよ」

紬「まさか諦めたんじゃないでしょうね。返答によっちゃあ唯ちゃん……」

唯「……けいおん部としての活動の成果をみせろだとよ」

律「は?」

澪「んあ?」

紬「むぎゃあ?」

梓「喧嘩シナイデ」

唯「これからはチームのヘッドをあずにゃんにして一丸となって練習すっから」

梓「ヘッドとか丁重にお断りします」

唯「一番うめーのはあずにゃんだろ」

梓「……そ、そうですかね///」

澪「てかめんどくさいな。そんな条件飲んでくるなよ」

唯「処刑の後だった……」

律「まじかそれやべぇな……」

紬「やばいわね……巻き添えくらわなくて良かったわね」

梓「巻き添えって……」

律「処刑の前後はあいつ気がたってるんだよ」

澪「まじクレイジーだから今後近づかないほうがいい」

梓「はい……」

梓(でもまともに話できそうな人だけど……)

唯「とりあえずライブして眼鏡どもボコって金まきあげよう」

澪「賛成!」

律「正攻法ってやつだなww」


……


しばらくして



澪「おい、ちゃんと音ならねーぞ壊れてんだろ」ベンベン

梓「いやだからちゃんと指で抑えて……」

唯「あずにゃん、この紐じゃまくせぇからちぎっていい? りっちゃんナイフ」

律「お? やるか? お? へいパス」

梓「ああああ! それは弦だからだめですー!!」

紬「……」

紬(やべぇ……おたまじゃくしわけわかんない)

紬(どれみふぁどーなっつしか知らないし)

梓「いいですかみなさん! 時間がないんですから家でも自主練です!!」

唯「ぁ゛? 糞ふざけんなよちびすけ」

梓「ひっ」ビクッ

澪「おいおい待てよ唯」

律「そうだぜ、いまは梓がヘッドだからさぁ」

唯「……チッ」

紬「しばらくは従うしかないわね」

梓「……」

梓(根は真面目なのかな……)

唯「おいあずにゃん。Cコード教えろよ」

梓「はいはい♪ いいですよぉーっと♪」

唯「てめぇライブ終わったらまじボコすからな……」ボソッ

梓「……スイマセ」

紬「やばい音でるwwwたのしいwww」ポロンポロン


梓(ほんとに大丈夫かな……)



……




唯「……」ジャカジャカ

憂「っせーな、てめぇふざけんなお隣さん迷惑だろうがよぉ!!」

唯「あ゛?」

憂「あ゛ぁ?? やんのか?」

唯「やってもいいけど? やってもいいけどォ??」

憂「……チッ、なんで真面目に練習してんだよきもちわりぃ」

唯「これが生徒会とのガチの喧嘩なんだよ」

憂「平沢家の『血で血を洗う』のモットーはどこいった」

唯「……」

憂「ヘタレたかお姉ちゃん。まぁにゃんあずは喜んでるかな」

唯「あずにゃんはさぁ。なんで桜が丘高校みたいなとこ入ったんだろうな」

憂「さぁ? 聞けよ自分で」

唯「あ゛? てめぇが聞け」



翌朝


憂「てめぇ起きろやマジふざけんな間に合わねぇぞ」ガシッ

唯「……んごっ、チッ、朝日がさんさんおはよーさんかよ」

憂「朝飯食う時間ねーから」

唯「不良が登校時間気にすんなよ……」

憂「今週校門前たってんの山中だぞ」

唯「はぁ!? 言えよ早く、やべぇって」

憂「だからてめぇを姉にもつのは嫌なんだ!!」

唯「光栄におもえや!」

憂「てかうだうだいってねぇで着替えてくれええ!!」


……


さわ子「あらおはよう♪」

梓「おはようございます!」

さわ子「ギリギリだから次からはもう少し早くくるのよ?」

梓「はいです!」

梓(山中先生今日も綺麗だな、えへへ)


律「お、さわちゃん! じゃん! セーフ? セーフ!?」

さわ子「……よぉ、早く入れ」

律「よっし、あっぶねー」

紬「おはようございます先生」

さわ子「てめぇも早く入れ琴吹。門しめるから」

紬「はぁ~いww」

さわ子「10、9、8、7、6……」


唯「うおおお! 飛ばせ! 飛ばせ妹!! アクセル全開してよ!」

憂「この時間飛ばしたら糞チビガキ共轢き殺すだろ!! バカか!」

唯「見知らぬガキとこっちの命どっちが大事なの!!」

憂「間に合ってくれえええ!」


ブゥォオオオオン


さわ子「……5、4、3……」

さわ子「2、1はいアウト」


キキィイィィィ

唯「セーフ! セーフ!?」

さわ子「アウト」

憂「ばっかあぁああ!!」

さわ子「平沢姉妹……お前らァ……いっつもいっつも」

唯「ご、ごめ……」


さわ子「また糞きたねぇ便器にまたがって登校か」

憂「……」

唯「……原付っすけど」

さわ子「ノーヘル、ニケツ、無免、速度違反」

さわ子「遅刻どうのこうのじゃねぇ……」

唯「……反省してまぁ~す」

憂「すいませんでしたー」

さわ子「なめてるよな? お前らなめてるよな??」

ガシッ ガシッ

唯「……」

憂「……離せ」

さわ子「ちょっとこっちこいやぁ……修正してやる」


澪「よ、よしいまのウチに……ww」コソコソ

澪「セーフ……ww 唯はあいかわらずアホだな」



教室


律「よぉww」

澪「あほだ、あの姉妹アホだ」

澪「窓から下みてみろよ」

律「ぎゃはっ、また草むしりかよだっせぇ」

紬「……」

律「浮かない顔してどうした」

紬(あの辺の食えるでしょ……やめろ、やめてよ唯ちゃん……ちぎらないで……・)



唯「糞あちぃな」

憂「やべぇな、頭おかしくなるわ」

さわ子「いいから手動かせ。ここ一帯全部な。終わったら解放してやる」

唯「こいつまじ狂ってるよ。生徒にさせる量じゃない」ボソボソ

憂「あわよくばここで死ねよとか思ってるんだろうな、まじ教職つくなよゴミクズ」ボソボソ


さわ子「なんかいったか?」

唯「なんにもねっすよ」ブチッ ブチッ

さわ子「そういや姉のほう。けいおん部活動開始したらしいな」

唯「知ってんのかよ」ブチブチ

さわ子「音きこえてた、それにあたし顧問よ」

唯「顧問!?!?」

さわ子「手休めんな殺すぞ。去年雁首揃えてきただろうが……顧問なってくださいって」

唯「忘れてた……」ブチブチ

さわ子「んで、なんでいまさら真剣にやってんだよてめぇら」

憂「生徒会との約束らしいけど」ブチブチ

さわ子「約束ねぇ……まぁ頑張る分には応援するけどな」

唯「ほっとけよ……」ブチブチ

さわ子「せいぜいいまのうちに青春しな。殴り合いだけが思い出じゃ将来さみしいからよ」

唯「喧嘩だよケンカ」


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最終更新:2011年08月25日 21:24