突然ですが、私の妹、平沢ういがひょんなことからサトラレになりました


ガチャ

憂「おねぇちゃ~ん朝だよ~~」

唯「んぁあ・・・あと・・・g、・・ふ・・・n・・・・」

憂「だめだよぉ、ちゃんと起きないと」

唯「ううん・・・ギ~太ァあ・・・」ゴロン

憂「あ、ちょっと」

憂『うっひゃあああああああパジャマがっ!!パジャマめくれておねぇちゃんのおなかがあああああああああ』

唯「あ、目覚めた。うん、今すっごい覚めたよ!!むしろなんかあれだもんね、覚醒っていうか」バッ

憂「・・・よかった!じゃあ、もう朝ごはんだから早く下に降りてきてね」ニコリ

唯「あはは・・・う、うん。すぐに行くよ、ういぃ・・・」

憂「えへへ」スタスタスタ 

バタン

唯「・・・・ふぅ」

憂『今日のおねぇちゃん、テラキュート☆』キュン

唯「」ビクッ

唯「はぁ・・・」

もう一度言います

突然ですが、私の妹、平沢ういがひょんなことからサトラレになりました

唯「きがえよ・・・」ガサゴソ

本人は、そのことを知りません

唯「あれ・・・たしかここに今日履くストッキングを置いていたはずが・・・」

もっというと、ういの声は

憂『へへへへ~~おねえちゃんのストッキング~~』

私にしか聞こえません

唯「・・・昨日のでいいや」グイグイグイ

唯「・・・ハァ」

ういが変態じみたことをすることを知ってしまってたまに嫌だけど

憂『今日は卵焼ききれいにやけたよ』エヘヘ

憂『はやくおねえちゃん、おりてこないかなぁ~』フンス

唯「・・・」

唯「はやく、おりよっ・・・と」スタスタスタ

ういの心の声はほとんど私についてで

唯「うい~!今日のごはんなに~~?」バタバタバタ

そういうのがあるから、サトラレがいいことなのか悪いことなのか

憂「あ、おねえちゃん!今日はトーストと卵焼きとサラダと赤いたこウインナーさんだよ~」ニコッ

唯「そっかぁ~。いつもありがとね、うい」

憂「え?いきなりなに、おねえちゃん。さ、たべよう。学校遅れちゃう」クスクス

憂『えへへ~。嬉しいな~』

唯「うん。そうだね」

私には、わかりません

モグモグ

唯「う~ん!!この卵焼きおいし~」モグモグ

憂「そう?よかった」パクッ・・・モグッ

憂『えへへ。お姉ちゃんに卵焼きほめてもらっちゃった!!』

唯「はは・・・」モグモグ

こういう風にういの声が聞こえるようになってから、
いまいち自分の感情を表にださないういを喜ばせることができるようになってよかった、と思う反面

唯「・・・」モグモグ

憂『トーストモグモグしてるおねえちゃんかわい~』

唯「・・・」ピクッ

憂『あ、あれ?』

唯「・・・(あと100回くらい噛もう)」モグモグモグモグモグモグモグモグ

憂「えへへ」

唯「どうしたの?うい、いきなり笑って。なにかいいことでもあった?」

憂「ううん。なんでもないよ、おねえちゃん」

唯「そっか」

憂「うん」

唯「・・・」モグモグ

憂「・・・」モグモグ

唯「・・・」モグモグ

困ることはやっぱりでてくるものなのです

憂「おねえちゃん」

唯「ん?なに?」ゴクゴク

憂「おねえちゃんは、本当に優しいね」エヘヘ

唯「え~~?どうしたの、いきなり・・・そんなこと言われたらおねえちゃんてれちゃうよぉ~」クネクネ

憂「ううん、なんでもないんだけどね、ちょっとね。思っただけ」

憂『おねえちゃん、大好き』

唯「・・・」

唯「・・・そっか」

憂「うん」パクッ

唯「あ!・・・も、もう学校行く時間だね!!じゅ、準備してくる!!ごちそうさまっ!!」ガタッ

憂「う、うん・・・?」

ドタドタドタドタ

ガチャッ

バタンッ

唯「・・・」

唯「・・・」ズリズリズリ・・・

ペタン

唯「・・・はぁ」

唯「・・・」

唯「うい・・・」

まだカーテンをあけてすらいない
この薄暗い部屋のなかで響いて消えた私の声は
本来だれにも聴こえないもので・・・

唯「・・・すきだよ」

でも、だからこそ

――ういの

ういという、他人であるべきはずの、それでも私の妹の、
知りたいような、知りたくないような、そんな心の声を聞いてしまうのは

唯「きついよ・・・」

声が聞こえるようになって、
ういの私に対しての気持ちが普通のものではないということがわかりました
というか、普通の妹はきっと姉のストッキングを盗んだりなんかしません
パジャマがめくれて、チラっと見えてしまった姉のおなかに興奮なんてしません

変態の予兆はいくらでもあったけど

唯「まさか・・・サトラレとは・・・ね」

唯「やんなっちゃう・・・」

でも、

唯「えへへ・・・すきか・・・ういは私がすきなんだ・・・」

たとえ変態でも、自分に向けられている好意がそこにあって、
それを嬉しいと思ってしまう、私はなんなんでしょう
そして、
いつのまにか、ういのことを好きになってしまった私はなんなんでしょう

唯「簡単にいえたらいいのになぁ・・・この気持ち・・・」

唯「うい・・・すき・・・・朝から、かわいい」


トタトタトタ


自分の気持ちを、他人の気持ちを
しらないように、しらんぷりする

コンコン

憂「おねえちゃん、そろそろ学校行く時間だけど・・・大丈夫?」

唯「・・・」

そんな私はちょっとサイテー

憂「・・・?」

憂「もしかして具合わるいのかな?」

憂『でも、そしたらまたおねえちゃんの看病できる!看病ができたら看病にかこつけて色々できる!!おねえちゃんに色々できるよできるよできちゃうよ!!』

唯(ちょ、ちょっと・・・!?)

憂『またパンツかぶろう!!』

唯(ういぃいいい!!!!!!)

でも、サイテーだと自分を責めそうになる私の、妹はもっと心根が腐っててもっとサイテー

唯(いや、好きなんだけどね、すきなんだけどさ、どうしようか、この変態・・・)

憂「おねえちゃん?聴こえてるよね?大丈夫?」

唯「・・・あ、う、うん。大丈夫だよ・・・うい・・・」

憂「そう、よかった。じゃあ、学校いこう」

唯「わかってるよ、うい・・・」

憂「うん、ギー太わすれないでね」

唯「うん、ギー太は忘れないよ~」

憂「でも、おねえちゃんは前科があるから」クスクス

唯「あぐっ・・・そ、それは言わないお約束ってもんだぜぇ・・・」

憂「ふふっ・・・ごめんごめん」

唯(ういは・・・こんなアホな私のどこがすきなんだろう・・・)

憂「全部、だよ」

唯「ふぇ!?」

憂「ほら、もうこんな時間。あせらなくていいから。待ってるね」

トタトタトタ

唯「・・・」

唯「・・・え」

唯「・・・え?今の・・・なに・・・?なにが・・・全部?」ゴクッ

唯「・・・うい・・・?」

憂『おねえちゃん、まだかな。早くしないと学校おくれちゃうよぉ・・・』

カチッコチッ

唯「あわわわわわ!?もうこんな時間!?」ガバッ

憂「おねえちゃーん、まだー?」

唯「今行くよ、ういぃい」

ドタドタドタ

唯「お、おまたせ・・・」ゼェゼェ

憂「そんなにあわてなくても・・・ギー太もってるね」

唯「う、うん!!じゃあ、いこっか!!」

憂「うん」

スタスタスタ

唯(それにしても今日の卵焼きおいしかったなぁ~)

唯(みんなにも食べさせてあげたいくらいだよ)ウンウン

唯(やっぱういは料理の才能があるね!)

憂「ふふっ・・・今日もあついねー」

唯「そうだねぇ。こんなに暑いとりっちゃんのおでこのピカリン具合がましちゃうよぉ~」

憂「なにそれ、律さんに失礼だよぉ」クスクス

唯「えへへ」

憂『おねえちゃん、だいすき』

唯「・・・」

唯(・・・わたしも・・・すき)

憂「えへへ」

唯「・・・え?」

憂『あっ・・・!』

唯「・・・」

憂「・・・」


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最終更新:2011年09月04日 22:53