紬「しまった・・・みんなどっか行っちゃって一人ぼっちだわ・・・」
和「あら、ムギ一人なの?」
紬「和ちゃんじゃない」
…
和「あのゲーム、まだ続いてるの?」
紬「えぇ、おかげさまで」
和「そう。みんなは?」
紬「罰を実行しに行ったわ」
和「あらそう。ムギは?まだ罰ゲームないんだ?」
紬「ううん、本当は私もあるんだけど・・・みんな自分のことで精一杯で私の罰まで考えてられないみないね」
和「あんた・・・どんな罰ゲーム言い渡したのよ・・・」
紬「あら、たいしたことじゃないわ」ウフフ
和「うーん、唯たちも可哀想だし。ここは私が罰考えようか?」
紬「うーん・・・何?」
和「たいしたことじゃないわ、ただタイムリミットの時間まで右手をグーにしたまま。開いちゃ駄目よ」
紬「何その地味な罰ゲーム」
和「地味な私には地味なことしか思いつかないの」
紬「あぁ、納得。それにしても、たいしたことじゃないわって言われて本当にたいしたことがないだなんて・・・ある意味新鮮ね」
和「手ぇ開いたらその沢庵削ぎ落とすからな、覚えてろよ」
紬「えぇ、わかったわ。それじゃあね、わさん」
和「のどかだ!」ガラガラピシャン!
紬「何よ、こんな罰ゲームくらい」カチャカチャ
紬「・・・」カチャカチャ
紬「お弁当の蓋が閉めれない・・・」
紬「あっ・・・!」ポロッ
紬「お箸が落ちちゃった・・・」
紬「こんな地味な罰なのに・・・!」
紬「・・・」グスッ
…
…
空き教室
唯「本当にここで踊るの・・・?」
唯「えーと、机・・・」
唯「壁のように山積みになってるし・・・」
唯「んしょ、んしょ」
唯「やっぱり、教室の真ん中に置かないと駄目だよね?」
唯「ほいっと」ガタン
唯「それで・・・この上に乗るんだよね・・・?」
唯「よっと」ンショ
唯「それで・・・このフリフリでフワフワな扇子で・・・」
唯「いえぇぇぇぇぇ!!!」ジュリアナー
唯「ひゃっほぅぅぅぅ!!!」ディスコディスコ!
唯「今夜は寝ないわぁぁ!!!!」ジュリアナー
唯「・・・」ディスコディスコ・・・
唯「バカみたい」ジュリアナー
…
…
職員室!
律「あのー」コンコン
澪「すみませーん・・・」
先生「どうした、お前ら」
律「あの、保健の先生に呼ばれまして・・・」
先生「あぁ、じゃあ5分くらい待ってくれるか」
律「どっか行ったんですか?」
先生「いいや、大きい声で言えないが・・・きっとトイレだな」
澪「なるほど、わかりました」
先生「おう、それじゃな」スタスタ
律「・・・なぁ、気合入れるぞ澪」
澪「あ、ああ・・・気が進まないけどな・・・」
律「だよなー・・・」
澪「律と性行為に及んだってところから遡って否定したい」
律「私だってそうだよ」
澪「っていうかこれ、下手したら親に連絡いくんじゃないのか?」
律「うん、多分ね」
澪「どうするんだよ!退学とか・・・!」
律「でもいままでみんな罰をちゃんと受けてきたんだぞ!?」
澪「うっ・・・」
律「私達だけ無視なんてできねぇよ」
澪「でも・・・」
律「大丈夫だって。この学校は先生達も割とゆるいし、なんとかなるよ」
澪「だといいんだけど・・・」
律(なんとかなるわけないだろっ!先生、ずっとトイレに篭っててくれないかな・・・)
澪「・・・」
律「・・・」
澪「遅いな・・・」
律「このまま出てこないのが一番なんだけどな」
先生「待たせたわね」
律「あ、はい・・・(絶対うんこしてたよ、この人)」
先生「じゃああっちの個室に行きましょうか」
澪「わかりました」テクテク
先生「ほら、入って」ガチャ
律澪「失礼します」バタンッ
先生「あのね、私があなたたちを呼び出したのは他でもない、さっきの保健の授業の話なんだけど・・・」
律「えぇ、わかっています」
澪「私も、掻い摘んで話を聞きました」
先生「そう。・・・あのね、私は二人を心配しているの」
律「そうですか・・・(アンタは私達の心配よりもお通じの心配してりゃいいんだっての!)」
先生「同性愛が悪いことだとは言わないわ。ただ、あなた達のそれは思春期にありがちな一過性のものである可能性もないとは言えないわ」
律「・・・」
澪「先生」
先生「何かしら」
澪「私達は・・・愛し合っていません」
先生「!?・・・ど、どういうことかしら?」
律「ただ気持ちいいからヤった、それだけです」
先生「なん、ですって・・・!?」
澪「軽い気持ちで起こした過ちです」
先生「それで?」
律「・・・えっと、最初はただお互いの体を触りあっただけです(って、なんだよ!この流れ!!)」
先生「・・・それが、エスカレートしたの?あなた達がそういう関係になったきっかけは?」
澪「きっかけは些細なことでした(ヤバイ、なんか罰ゲーム以上のことをしなくちゃならない流れに・・・)」
律「ある日私と澪は気付きました。私達がしてるのはセックスの愛撫と何も変わらないんだって(セックスって言っちゃったけど、この場は許してくれ)」
澪「元々そういう知識はありましたし・・・」
先生「そうなの・・・で?」
律「(いや、『で?』ってなんだよ!!)・・・えっと、じゃあ最後までしてみようぜってなって」
澪「それが律との初めてのセックスです」
律「私達の関係は好奇心から始まって」
澪「快楽によって繋ぎ止められています」
律「だから、澪が好きだとかそんな感情は一切ありません」
澪「私もそうです」
先生「えっと・・・つまり、気持ちよければ相手は誰でもいいってこと?」
澪「そうなりますね。ムギでも唯でも後輩の梓でも誰でもいい」
律「待てよ、澪。和と憂ちゃんを忘れてるぞ(どうにでもなれ、コノヤロー)」
先生「私はね・・・あなた達が本気なら、その仲を引き裂くつもりなんてなかったの」
先生「でもね、これは止めさせてもらうわ。教師としてではなく、一人の大人として」
律「あーそうですか(もーしらねー)」
澪「(退学の二文字がさっきから頭を過ぎる・・・)でも・・・止まりませんよ?」
先生「それは、どうして・・・?」
律澪「だって気持ちいいから」
先生「」
律「こんなこと、簡単にやめられませんよ」
澪「私も」
先生「あなた達ならまだ真っ当な道に戻れるはずよ!?」
律「真っ当な道ってなんですか?セックスするのがそんなに悪いことですか」
先生「セックスは悪いことではないわ!ただ、今のあなた達は間違っているわ!」
澪「どっちにしろ、今の私は律無しでは生きていけそうにありません。ま、他に相手がいるなら律じゃなくてもいいんですけどね」
律「そりゃ私だって一緒だよ」
先生「・・・このまま行けば退学になるかもしれないのよ?」
律「へー、それが?(やべぇぇぇぇぇ!!!)」
澪「(こうなったら・・・!)退学にしても何も変わりませんよ。セックスする時間が増えて有り難い位です」
律「はっ、言われてみりゃそれもそうだな(って、澪ぉぉぉ!?何言っちゃってんのぉぉ!?!?)」
澪「どうせ私達は後戻りできませんから」
先生「あなた達、セックスのために・・・そんなことのために人生を棒に振る気!?」
律「さぁ?(やべぇぇぇ・・・)」
澪「私達だって・・・!」
律(澪・・・?)
澪「私達だって嫌ですよ!そんなの!」
律(うおぉ、こんなデカい澪の声、久々に聞いたぜ)
先生「秋山さん・・・」
澪「怖いですよ、でも・・・一度あの快感を知ったら後には戻れないんですよ・・・!!」
律「澪・・・」
澪「律だってそう言ってたじゃないか!このまま壊れていきそうで怖いって・・・!」
律「あ、あぁ・・・(言ってないけどな)」
先生「・・・あなた達も足掻いていたのね・・・」
澪「こんなに依存性の高いものだとは思ってなかった・・・(よし、もう一押し)」
律「あぁ、こんなのギャンブルと酒と煙草とドラッグぐらいかと思ってた・・・(話、合わせておいた方がいいよな?)」
澪「自分達の体に依存することになるなんて・・・思ってもなかったんです!」
先生「・・・」
澪「先生、セックスは・・・止められそうにありません・・・どうしたらいいですか?」
先生「それでもやめないと。セックス中毒は立派な病気よ?」
律「・・・(いや、まあそう答えるよな)」
澪「でも・・・!」
先生「もう一つだけ、方法があるわ」
律「・・・それは?」
先生「あなた達が心から愛し合えばいいのよ」
澪「それって・・・?(よしっ!計算通り!!)」
律「あ、愛し合うって・・・(帰りたい、帰って聡いじめたい)」
先生「愛し合っている恋人同士がセックスをする、当たり前のことよ」
律澪「・・・」
先生「本当は、高校生の間くらいは健全にお付き合いして欲しいんだけどね」
先生「でも、しちゃったものは仕方がないわ。だから、せめて心だけは一途でいて?」
先生「気持ちよければ相手が誰でもいいなんて・・・教え子の口から聞きたくないわ」
律「えーと・・・」
先生「どうかしら?」
澪「・・・律」
律「な、なんだよ・・・」
澪「私達、付き合えないかな・・・?」
律「わかんないけど・・・頑張ってみようぜ?(・・・退学よりマシ、か)」
先生「とにかく、学校でそういうことをするのは禁止よ、わかった?」
律「はい!」
澪「わかりました」
先生「今の話はノロケ話を聞かされたものだと思っておくわ」
律「ありがとうございます!(・・・丸く収まったのか?)」
澪「ありがとうございます(やれやれ、なんとかなったな・・・)」
先生「それじゃ、そろそろこの個室から出ましょうか?」ガチャ
律澪「はい!」
先生「あれは・・・平沢さん?」
律「あれ、本当だ。どうしたんだ、唯のやつ(怒られてる・・・?)」
澪「・・・っていうかあの扇子なんだよ」
男先生「だから、何かあったなら先生に相談しろって。どうしたんだ?」
唯「えーと・・・あ!りっちゃん!澪ちゃん!」
先生「男先生、平沢さんどうがしたんですか?」
男先生「コイツ、4階の空き教室で机の上に立ってディスコ踊ってたんですよ」
先生律澪「」
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廊下!
律「っはー・・・」
澪「あー・・・」
唯「どうしたの?二人とも、なんか元気ないね?」
律「うーん?いや、ちょっと色々あってな・・・」
澪「成り行きで付き合うって宣言しちゃったんだよ・・・」
唯「付き合うって・・・りっちゃんと澪ちゃんが?」
律「そうそう。一時はどうなることかと思ったぜ」
澪「そうだよ、退学なんて・・・冗談じゃない」
律「私達もろくに打ち合わせしなかったからなー途中澪が暴走したのかと思ったぜ」
澪「あーまあな。他に退学を免れる方法が思いつかなかったんだよ」
唯「えーと、なんていうか、大変だったんだね?」
律「あぁ、それより唯」
唯「うん?」
律「お前は何をしてたんだ?」
唯「だから、4階の空き教室で日本が景気の良かった時代の踊りを・・・」
澪「いや、なんでそんなことしてたんだよ」
唯「えー、罰に決まってるじゃん」
律「うわ、こりゃまたきっついなー」
唯「しかも私一人でだよ?ムギちゃん人にやらせといて見ててくれなかったんだよー」
澪「うわぁ・・・」
唯「お陰で職員室に連行されちゃったよー」
律「唯、お前も色々大変だな・・・」
唯「えへへー」
澪「ん?」
律「どうした?」
澪「っていうことは・・・今、ムギ一人なんじゃないか?」
律「あー言われてみれば」
唯「早く教室に戻ってあげようか!」ダッ
律「そうだな!」ダッ
澪「おい!待てって!」ダッ
只今
唯・・・125回
澪・・・40回
律・・・11回
梓・・・6回
紬・・・5回
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教室
律「おーい、戻ったぞー!」
紬「あら、みんなおかえりなさい!」パァァァ
律「何してんだ?」
紬「へ?私?」
唯「うん、どらえもんみたいな手になってるよ?」
紬「これは・・・罰よ」
澪「これがか?随分地味な罰だな」
紬「みんながいなくなっちゃったから先生にくだけて接するっていう罰の代わりに、和ちゃんが考えてくれたのよ」
律「なるほど、でも・・・それ、罰になるのか?」
紬「・・・」
最終更新:2010年01月23日 00:20