20. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 20:57:13.77 ID:k/IWlP3M0 BE:595390043-2BP(1876)
澪「で、唯からは場所と時間だけ指定するメールが来ただけだと」

梓「はい、お二人にも相談したとおり最近はちょっと距離があったんで」

澪「なるほどね。でも律が言うにはあれだろ?(なんか味が薄いな)」

律「そう。今日の唯なんてこっちが恥ずかしくなるくらい浮かれてもの」

澪「わざと浮かれてみせる、なんてことしないよなぁ。唯だし」

梓「こんなことになるなら謝っておけば良かった……」

律「とにかくさ、今は唯を見つけなきゃ始まらないだろ」

澪「そうそう。今日は結に会うためにその可愛い服着て来たんだろ?」

梓「はい」

澪「だったらそんな浮かない顔してちゃダメ。ほら、アイス溶けちゃうぞ」

梓「ホントだ……。あ、このアイスおいしい」

澪「今度は唯と来なよ。このお店」

梓「はい、なんかアイス食べてたら元気でてきたかもです」

律「オッケー。そんじゃ唯を見つけるための作戦会議始めるぞー」

澪梓「オー!!」
21. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 20:58:05.82 ID:k/IWlP3M0 BE:198463722-2BP(1876)
律「だからな、ミッキー・ロークはそこでこう言うんだ。『俺にはお前たちが家族だぜ!!』って」

梓「あの、律先輩?」

律「にゃーに?」

梓「本当にあれだけで唯先輩は見つかるのでしょうか?」

律「大丈夫だってー。なにせ大学生のお姉さんが考えに考え抜いた作戦なんだから」

澪「怖い怖い怖い(フルフル」

梓「澪先輩に至っては震えてますし」

律「まぁ流血シーンとか普通にある映画だしなー」

梓「いや、もうレスラーの話はいいですって」
22. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 20:58:49.65 ID:k/IWlP3M0 BE:496158825-2BP(1876)
律「なんだよー、あれこそロックって感じじゃないか!!」

梓「私見てないですし」

律「だからだよ言ってるんだろー。ふわふわばっかりじゃ駄目なんだよ」

律「ロクデナシの熱い生き様がかっこいいんだから!!」

梓「分かんないですよ」

律「ラム・ジャムタイムって曲を作ろうと思ってるんだ」

梓「好きにしてください」
23. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 20:59:41.94 ID:k/IWlP3M0 BE:2778485478-2BP(1876)
携帯「キルザ・キーーーーン」

律「とか言ってるうちに作戦参謀からメールだ」

梓「なんて言ってます?」

律「待ち合わせ場所にもう一回行ってみたらどうですか、だってさ」

梓「意外と普通のアドバイスですね」

律「いや、でも信憑性はあるよ」

梓「まぁ憂の言う事ですから」

律「そんじゃ私たちは一回寮に戻ってみるわ。途中で唯に会うかもしれないしさ。ほら澪、行くぞ」

澪「……ハッ!!怖い話終わった?」

律「今から寮戻るぞ(なんでまだ震えてるんだよ)」

梓「(ずっと耳塞いでたんですね)」
26. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:03:39.76 ID:k/IWlP3M0 BE:496158825-2BP(1876)
駅前の広場

梓「まぁ憂の言ったことなら信じられるかな」

梓「律先輩の作戦も適当だよね、憂に丸投げとか」

ザーザーザー

梓「唯先輩のこと誰よりも分かってるのは憂だし」

梓「私はすぐワガママ言って喧嘩しちゃうし」

梓「ワタシって冷たいのかな?」

梓「こうやって自己嫌悪に苛まれてるのも自分のためにやってない?」

梓「酷い子、なんだね私」

27. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:05:04.15 ID:k/IWlP3M0 BE:595390526-2BP(1876)
広場の反対側

唯「はぁはぁ」

唯「今行くからね、あずにゃん。ちょっと遅れちゃったけど」

唯「はぁはぁ」

ザーザーザー

唯「あれ?こっちだっけ?場所が分かんないよ」

唯「あずにゃ、ん」ドサッ

唯「いったあー、こけちゃった」

女1「何アレー?なんか倒れてるけど大丈夫なの」

女2「ちょっと雰囲気怖いんですけどー。なんか必死な感じ?」

女1「そんなこと言ってないで助けたげなよ」

女2「何ソレー。アンタが行きなさいよー(可愛い子だからどーせ男が助けるでしょ)」
28. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:05:55.57 ID:k/IWlP3M0 BE:297695423-2BP(1876)
女1「分かったわよ」

女1「あなた大丈夫なの?立てる?」

唯「ダイジョブ」

女1「そう、体を拭くモノ持ってきてあげるからここで待ってなさい(ブラ透けてるしね)」

唯「大丈夫だからね、あずにゃん。今行くからさ。早く買い物しようね」

女1「この子……」


ザーザーザー


女2「ありゃ。結局置いてきたの?(珍しいな)」

女1「あーあれは大丈夫だわ。放っておいてもいい目をしてたから」

女2「薬ですか」

女1「バカ」


唯「行かなくちゃ」
29. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:06:46.67 ID:k/IWlP3M0 BE:1339627739-2BP(1876)
広場

梓「唯先輩、傘持ってるのかな?」

梓「いやいや、流石に寮に予備のやつとかあるだろーし」

梓「でも、もしどこかで濡れてたら。駅の売店で買えるしね」


ザーザーザー


梓「行かなくちゃ」
30. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:07:03.99 ID:k/IWlP3M0 BE:2083864076-2BP(1876)
回想

梓「だからー、唯先輩は無駄遣いしすぎですって!!!」

唯「可愛いからいいじゃーん。ほらほら狸だよー」

梓「こんなんじゃ夏休みだって」

唯「ふえ?夏休み?なんのこと?」

梓「まさか(旅行の約束忘れた、とか?)」

唯「狸はいいねー。愛嬌があって可愛いねー」

梓「もういいですっ!!!唯先輩とは話したくありません!!そうやって無駄遣いばっかりしててください!!」

31. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:08:16.66 ID:k/IWlP3M0 BE:1190779946-2BP(1876)
ロータリー

梓「だめだ、どこにもいない。本当は自分の部屋で寝てたりして」

梓「もう愛想つかされたのかな」

梓「雨が霞んで見えないよ」





「そんなことないよ」

梓「え?」

「私が、あずにゃんのこと嫌いになるはずないでしょ?」
33. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:10:45.10 ID:k/IWlP3M0 BE:2679254069-2BP(1876)
梓「唯先輩?」

唯「ごめんね、ちょっと遅れた」

梓「どうしたんですか!!びしょ濡れじゃないですか」

唯「あー本物のあずにゃんだ。わーい」ギュッ

梓「ちょ、唯せんぱーーい(本物って何?)」

唯「あずにゃんはあったかいねー」

梓「みんな見てますよ!」

唯「誰も見てないよ」

梓「え?」

唯「私はあずにゃんしか見てないよ」

梓「なに恥ずかしいこといってですか!!!」

唯「いけない?」

梓「それはその、いけなくはないかもしれないですけど」
35. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:11:26.54 ID:k/IWlP3M0 BE:1786168894-2BP(1876)
唯「そうだ」

梓「?」

唯「傘、入れてね」

梓「あーもう。分かってますよ、ほら」

唯「ほえ?」

梓「今から家行くです!!お風呂入らないと」

唯「うん」
36. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 21:12:19.77 ID:k/IWlP3M0 BE:1984632285-2BP(1876)
梓「唯先輩はダメダメです。今時子供でもこんなにビショビショにはなりませんよ」

唯「まぁまぁ良いではないかあずにゃんよ」

梓「私が言ったこと気にして傘買わなかったんですか?」

唯「申しわけない」  しょぼん

梓「そんなこと謝らないでください。私の方こそ、すみませんでした」

唯「あずにゃん?」

梓「だから今日はいっぱいいっぱいお風呂で仲良くしてくださいね」

唯「あずにゃんのエッチぃ」

梓「そんなつもりじゃ……。やっぱり傘入れてあげないです」

唯「あ、待ってよあずにゃーん」



                                                                                                          唯「傘がない」おわり



最終更新:2011年09月05日 02:07