15分後

和「……さて、唯。マスクを外していいわよ」

憂「」ピクッ

唯「ほんとに? やったー♪」スッ

憂「お姉ちゃんっ!」ガバッ

唯「おわっ、んむうっ……ふふ」

憂「好きっ、好きお姉ちゃん! ちゅう、ちゅううう」

唯「んー……んいんい」ナデナデ

和「……まだキスしていいとは言ってなかったんだけどね」クスッ

憂「はあー……れぇ」チュプ

唯「ん、んん」チュウチュウ

和「……」ニコニコ

和「憂のぶんの宿題やってあげましょ」


 日が暮れたころ

憂「ふうっ……はあぁあ」クタッ

唯「あっ憂? 憂ー?」

唯「和ちゃん、憂いかせすぎて気絶しちゃった」

和「そのようね」

唯「あれ? なんか怒ってる?」

和「まさか。その逆よ。……二人とも、一応宿題終わらせておいたからね」

唯「本当!? ありがとう!」

和「まあいいもの見せてもらったしね」

唯「いいもの? え、なに?」

和「え? ああ、いや、なんでもないのよ」

和「……それにしてもあんたたち、本当にダメダメね」

唯「てへへ」

和「てへへじゃないの」

和「そんなことでよく大っぴらにばれずに学校行けてたわね」

唯「夏休みの前はそうでもなかったんだよ。合宿のときぐらいまではキスしないでも平気だった」

唯「でも合宿から帰ってから、憂がすごくって……それから、お互い中毒。……ちゅ」

憂「ん」ピク

和「けど、もう直さなきゃダメよ。生活リズムもそうだけど」

唯「うん、きっと……憂もバレちゃいけないことくらいわかってる。ちゃんと信じてるよ」

和「……これからも、隠し続けるつもりね?」

唯「うん。バレちゃったら、どこへでも行く用意はあるけどね」

和「そのときは、私には知らせておくのよ」

和「絶対に誰にも言わないから」

唯「うん……和ちゃんは信じてる」

和「それじゃあ、私帰るわね」

唯「うん、今日はありがとう」

和「明日、ちゃんと学校くるのよ」

唯「わかってる」

和「憂もきちんと寝かせてあげなさいね」

唯「わかってる」

和「それじゃ、また明日ね」スッ

唯「うん。一緒に学校いこう」

和「いいわよ。8時にはいるわね」

唯「バイバイ」

和「ええ」ガチャ バタン

和「……撮っちゃった撮っちゃった! ついに撮っちゃったわ! 27枚!」ドタドタ

和「お近くのフジフィルムに急げー!」ピュー


 翌朝

唯「おはよー和ちゃん」トットッ

憂「おはようございます和さん」

和「おはよう。さ、行きましょ」

唯「うん」

憂「はい!」

 テクテク

 『おーい唯ー!和ー!憂ちゃーん!』

唯「ん、りっちゃん!」

律「夏休み明け初日から仲良いな、おい!」グリグリ

唯「もうーなれなれしいよーりっちゃん」

律「ハハハ。宿題はやったか?」

唯「やったよ。そりゃもうばっちりに!」

律「え、ほんとか? あっ、どうせ唯のことだし、憂ちゃんに手伝ってもらったんだろ」

唯「違うよ! 今回はちゃーんと自分の力でやりました!」

和「4分の1くらいは、でしょ。残りは私がやったの」

唯「あっ、和ちゃんってば!」

律「だろうと思った! よく考えたら憂ちゃんじゃ手伝いにならないよな」

唯「は?」

憂「あっ、え、が、学年ひとつ下ですもんね……そりゃそうだよ、お姉ちゃん」

律「いやいやそうじゃなくて」

和「……」

律「唯と憂ちゃんっていつもキスしてるから、二人きりじゃ宿題にならないだろうと思って」

唯憂「えっ?」

和「やっぱりか……っ」

唯「ちょ、りっちゃん、なんで」

 『りつうー!!』

律「おう澪! 遅かったな!」

澪「遅かったな、じゃない! 信号を無視するなよ!」

律「あー、わりわり」

澪「それから、あんまりカップルの邪魔をしてやるな。ほら律、行くぞ」

唯「カップ……!?」

澪「唯、憂ちゃん。私たちは先にいってるから」ドヒュン

憂「えっ! あの、えと」

唯「行っちゃった……」

和「……!」ゾクッ

和「……ムギ?」

唯「!?」

紬「ばれちゃったわね」バサッ

梓「ばれちゃいましたか」バサッ

憂「梓ちゃんまで……」

唯「よくある隠れ身の術的な石塀柄の布を持って何してるの」

紬「唯憂観察の仕上げよ」

梓「私たち、自由研究で姉妹レズについてしらべてたので。唯先輩と憂はサンプルです」

和「二人の関係は知ってたのね」

梓「? 知らない人なんていないじゃないですか」

唯「え……」

 『あ、唯憂だ』

 『写メろー』

梓「この学校……」

 『ね、ね、お姉ちゃん。唯憂が手繋いでるよ』

 『そうね。かわいいわね』

梓「この街……」

 『あ、あれ姉妹でつきあってるってウワサの子じゃん』

 『ほんとだ。うわ空気やべーだだ甘じゃん』

梓「この国……」

梓「この世界中、いや宇宙の果てまで探しても」

梓「唯憂を知らない人なんて、いやしませんよ」

和「……ば」

和「バレてたじゃん!」

唯「そうだね!」

憂「壮大にね!」


  ちゃんちゃん♪(終わりです)



最終更新:2011年09月06日 16:18