川上「私捜索願いの紙持ってるよ、クラスで回ってきたから」
キャサリン「ちょっと見せて!」
澪「あ、あの…私達はこれで…」
律「失礼します」
キャサリン「ちょっと待ちなさい」
律澪「」
ミホコ「間違いないって…行方不明の子達だ!
と、とりあえず先生に連絡をっ!」
律澪「(いやあぁぁぁ……!)」
………
律「ちょっとお巡りさん、もう逃げないから地面に下ろしてよー」
澪「パパ…ママ…私これから…警察の人にお世話になるよ…あはは…」
「じゃあお嬢ちゃん達、ご両親に連絡とるからこの部屋で待っててな」
律「うー…捕まちゃったな…」
澪「どうすんだよぉ律ぅ…これじゃあ私達も元の世界に帰れなくなっちゃうよぉ…」
律「ま、まだ諦めるのは早い!
隙をみて警察署から抜け出すぞ!」
澪「脱走?!もう…律の発想はいちいち怖すぎるんだよ…」
「そうよ…そんな馬鹿な事やめときなさい」
律「馬鹿な事ってなんだ!…私は真剣に……って、えっ?」
澪「さわ子先生?!」
さわ子「助けにきてくれたのね、りっちゃん澪ちゃん……ありがとう」
律「本物?!」
さわ子「本物って…まさかこの時代の私に会ったの?」
澪「ええ…手がかりが何もなくて…
桜校の軽音部に行ったらこんなありさまに…」
さわ子「それは災難だったわね」
律「っていうか!なんでさわちゃんが警察署にいるのさ!」
さわ子「何から話せばいいのか…早く言えば警察に協力してるのよ
いや、正しく言えば協力してたのかな」
澪「協力?協力ってなんのですか?」
さわ子「1週間前2人の少女が忽然と姿を消して、それはもう大騒ぎになったわ
メディアやマスコミ関係者もここぞとばかりに食いついて我先ぞと記事を書きたてた
友達同士、しかも美少女小学生の2人が何の前触れも無く神隠し!
ってな具合にね」
律「それってまさか」
さわ子「そうあなた達の事よ、あっ、この世界のね
だけどこの事件は2人の目撃者を残していた…」
律「それがさわちゃん…えっ2人?」
紀美「アタシだよ」
澪「うあぁぁぁぁ!!」
律「の…紀美さん!あぁ!またもや澪が別世界に…!大丈夫か澪!?」
澪「」
さわ子「ちょっと、澪ちゃん怖がり屋さんなんだから…」
紀美「あっはっは♪やっぱ面白いねアンタ達
いきなり出て来てごめんね?」
律「あはは…そ、それでさわちゃん達は警察に協力してた…と?」
さわ子「そう、重要参考人としてね
りっちゃんの家に居候させてもらいながら
警察署に行ったりきたりしてたってワケ」
律「えっ?…今なんて言いました?」
さわ子「けっこう大変なのね、りっちゃんの家から警察署まで来るのって」
律「いやっ!その前!居候ってどういう事?!」
さわ子「だってこの世界の私が存在してる以上、家に帰る訳にもいかなかったんだもん
りっちゃんのご家族に相談させてもらったら
重要参考人のあなたの話なら仕方ないって快く受け入れてくれたわ
家庭訪問の時もそうだったけど…本当に優しいご家族なのね
なのでりっちゃんの部屋使わせてもらってマス☆」キラン
律「可愛く言ってもダメだ!」
澪「んっ…ここは…」
律「あっ、澪!大丈夫か…?」
紀美「ちなみに同じ様な感じで澪ちゃんの家には、アタシが居候させてもらってたりして」
澪「えっ…居候…?!ど、どういう事ですか?!」
「ご家族の方が別室まで来ているので来てください」
さわ子「ほらっりっちゃん…家に帰るわよ」
律「えっ、あ…あぁ」
紀美「澪ちゃんも行くよ?ほらっ、だっこしてあげる」
澪「えっ?…えぇ?!…ちょっと状況が!…りつぅぅぅ…?!」
律「………」
律「(頑張れよ澪)」
………
聡「姉ちゃんのバカバカバカー!…心配…したんだからなぁ…!」ブワァァ
律「おー我が弟よ…心配かけたなぁ…よしよし」
聡「…うぅ…グッス」
律「かわいいやつめ」
…
律「うへー…こっぴどく怒られました……」
さわ子「無理もないわよ、1週間も行方不明だったんだから…
ご両親ものすごく心配してらしたのよ?」
律「………」ジー…
さわ子「どうかしたの?私の顔に何かついてる?」
律「なんか私と同い年のさわちゃんって不思議な気持ちになるなーって」
さわ子「そうかしら?女子高生の私もなかなかイケてるでしょ?」
律「うん」
さわ子「なにその気持ちのこもってない返事!」
律「あはは…そういえばさぁ
さわちゃんと紀美さんは何で過去の世界へ来たの?」
さわ子「…やっぱりりっちゃんには言った方がいいわよね」
律「うん、是非聞かせてください!」
さわ子「過去の私はある男の人を追いかけていて
その人の背中についていったら、いつの間にか高校の教師になっていたわ」
律「うん、そこは私も知ってるけど…」
さわ子「正直に言わせてもらえれば、教員という職に憧れを抱いていた訳じゃないけれど
日々先生と呼ばれ経過していく月日は充実と呼べるものだったと思う」
律「当たり前じゃん!学校の先生になれたんだよ?!凄いよさわちゃん」
さわ子「ふふ、ありがとう、りっちゃん
私には得体の知れない場所まで助けに来てくれる優しい教え子もいるし、
そういう子達を見守りながら、残りの人生教員としての職を全うするのも本望…」
律「うん」
さわ子「ただね…そう思い始めた私の中で、確かに存在するの…
胸の中で捨てきれない何かが…あるのよ」
律「捨てきれないもの?」
…
紀美「高校時代の私達はさぁ、マジだったんだよ
あの頃の私達にはDEATH DEVILしか無かった」
澪「あの結婚式でのライブ…カッコよかったです!
何か胸を打たれるというか…本当に感動しました」
紀美「あはは、ありがとう澪ちゃん
でも、高校時代のアタシ達はあんなもんじゃ無かった
毎日練習して…毎日仲間と口論して…ぶつかりあって!
どうすればDEATH DEVILはDEATH DEVILになれるか
毎日試行錯誤してたんだよ」
澪「すごい…ですね(なんだか今の私達とは程遠いような…はは…)」
紀美「本気で…目指してたからさ
メジャーデビューが夢だったんだ」
澪「そうだったんですね…でも、今日部室を覗いた感じだと…
その熱意は十分伝わってきましたよ、なんだか鬼気迫るっていうか」
紀美「あはは、まさにそんな感じだったなー…
でもやがてね、進路を考える時期になって、
DEATH DEVILのメンバーは1人…また1人と姿を消していったんだ
気がつけばそんな大それた夢を語る人は誰もいなくなった…
みんなそれぞれ違う道を見つけて歩み始めたんだ、アタシも含めてね」
澪「………」
紀美「でも…もし………」
………
さわ子「もし、あの時提出した進路希望用紙の様に
私はその後の人生を歩んでいたのなら…」
律「音楽の道に…」
さわ子「あの時の気持ちはあの時に置いてきた筈だった…でもね…
悔いが…残ってるのよ……自分の気持ちに嘘はつけない
そんな折にオカルト部の話を聞いたってワケ」
律「だから紀美さんと一緒に過去の世界へ…?」
さわ子「えぇ、だけど現実はそんなに甘いものじゃなかった
よくオカルト部の子達の説明を聞いておくべきだったわね
私が過去の世界に来ても、過去の私は存在するの
過去の私に迷惑はかけられない、どうにもできなかった」
………
澪「それで紀美さんは…気持ちの整理はついたんですか?
これで良いんですか?」
紀美「いいのよ、遠目に見ただけだったけど…
校舎の窓から見えた昔の私達…
昔のDEATH DEVILは本当に輝いてた
それを見て、今のアタシは今を頑張るしかない…そう思ったの」
澪「そんな…」
紀美「諦めがついた私とさわ子はもう一度ゲートを潜って帰ろうとしたの
だけどね……」
………
さわ子「部室では開いた筈のゲートが…何故かこの世界では開かなかった…
焦った私達は原因を突き止めようと話し合った
結論はゲートが表れる条件の『一番大切な人と』という事」
律「えっ?だってさわちゃんと紀美さんはずっと友達だったんじゃ…」
さわ子「ええ、その通り
ただゲートが開かないその原因に今の私達2人は納得できた」
律「ど、どういう事?」
さわ子「確執があったのよ、その時代の私達は…
紀美はメンバーの誰よりもDEATH DEVILを思い、
誰よりもDEATH DEVILを愛してた
私はそんな紀美が好きだったけど、時には紀美が理解できない事もあった」
………
紀美「気に入らなかったんだ…
男を振り向かせるっていう理由だけでバンドに取り組んでるさわ子がさ…
それもヴォーカルで、いつも注目されるのはそんなさわ子だった
悔しくてたまらなかった…
幼い私はそんなさわ子の不純な気持ちなんてDEATH DEVILには不要だと
決めつけてた、何度もぶつかったよ、さわ子とはさ」
澪「初めて聞きました…
でも、さわ子先生のその男の人に対する気持ち…とても強かったんじゃないですか?
自分で詩を作ってみて解ります
自分の思入れが強ければ強い程、その歌詞は不思議な力が宿って
素敵な音楽に成り変わります
紀美さんも心の中でそれは感じていたんじゃないですか?」
紀美「あぁ、感じてたよ勿論
だから余計にさわ子が許せなくて…憎らしかったんだ」
澪「えっ…それはどういう…?」
紀美「惚れてたんだよ…私もその男にさ」
澪「えっ……」
………
キャサリン「『さわ子、やりすぎ』…か………はは」
クリスティーナ「なーにしけたツラしてんだよ」
キャサリン「紀美…」
クリスティーナ「…まったく」
キャサリン「…最後の学園祭ライブ…あたしの全ての魂をぶつけたよ
これ以上無い…今まで3年間やってきたDEATH DEVILの全てを…」
クリスティーナ「……あぁ」
キャサリン「鳴り響く歓声も、湧きあがる喝采も全てが気持ちよかった」
クリスティーナ「……」
キャサリン「でもね紀美…あたしが一番伝えたかった人に…
あたしの音楽は伝わらなかった…」
キャサリン「何も響いてなかったんだ、彼の中じゃ…」
クリスティーナ「………」
キャサリン「紀美の言った通りだね…あたしは音楽でたった1人の心を動かす事もできなかった
DEATH DEVILにはそんな思い…必要無かったんだ」
クリスティーナ「………」
キャサリン「ごめんね紀美…こんなあたしがヴォーカル張っててさ…
紀美が一番DEATH DEVILを愛していたのに、
あたしのせいで最後がこんなに締まらない形になっちゃってさ…」
クリスティーナ「ばっかやろう……」
キャサリン「えっ?」
クリスティーナ「お前の音楽は…ずっと傍で聞いてきたあたし達に響いてんだよっ!
心の中に深く、強く…!数の問題じゃねぇんだよ…!
でもそれがソイツの心に響かなかったってんなら…
もっと違う何かで伝えてやればいいだろっ!?」
キャサリン「…紀美……でもあたしは、あたしは……もう…怖いよ……」
クリスティーナ「そんな切なそうな顔すんじゃねぇよ…
ずっと一緒にやってきただろ…?
さわ子は1人じゃねぇんだからよ…」
キャサリン「うっ…グス…」
クリスティーナ「DEATH DEVILは……DEATH DEVILは今日で終わりになっちゃうけど…
あたしとさわ子の繋がりは終わりじゃねぇんだからよ…
だから諦める事なんかしないで、そいつを振り向かせてみろよ…?」
キャサリン「うん…うん…ありがとう……」
クリスティーナ「ははっ…グス…」
………
澪「なんか…涙が…」
律「さわちゃん達にこんな過去があったんだ…」
さわ子「あなた達、彼女達に見つからない様に気をつけなさいよ?」
紀美「懐かしいな…夕方のこの公園…」
澪「紀美さん…紀美さんはこれで」
紀美「しっ…いいの……
この時の彼女はね…認めちゃってたんだ
ずっと近くでヴォーカルの歌声を聴いてきて、こいつの思いには勝てないってさ」
澪「…紀美さん」
紀美「あたしが惚れ込んだその歌声の持ち主に…
どうやってもその恋愛を成就させてやりたくなってさ
こいつの涙で歪んだ顔を見てたら、支えてやりたいなって思っちゃった訳」
さわ子「ちょっと何話してるの?」
紀美「あ、ごめんごめん
今の話、さわ子には内緒だからな?」
澪「はい…」
さわ子「でもこの一件があってからよね、紀美と絆が深まったのは」
紀美「あぁ」
律「じゃ、じゃあこれでゲートが開くかもしれないな!」
さわ子「ええ、これで開かなかったら私達…」
紀美「………」
律「(頼む…)」
澪「(開いてくれ…)」
さわ子「おぉ!」
紀美「開いた…わね」
律「えっ…あっホントだ!」
澪「開いてる!」
律「やったー!」
さわ子「これでようやく元の世界へ帰れるわね
りっちゃんとみおちゃんをこの世界へ戻す事もできるし
私も罪悪感感じてたからほっとしたわ」
澪「えっ、罪悪感…ですか?」
紀美「いや、一週間前帰れなくて困っている私達の前に
黒髪とおでこを出した2人の可愛い女の子が現れてさ…」
さわ子「すぐにピンときたわ、この子達は何者なのか
それで2人はいとも簡単に私達の前でゲートを開いて見せて
ひょっとしたら私達も便乗して帰る事ができるんじゃないかと思ったんだけど、
やっぱりダメでゲートは2人の少女を潜らせたまま消えてしまった…」
律「って事はりつとみおが私達の世界へ来ちゃったのは
さわちゃん達のせいって事?!」
さわ子「ごめんね☆」(・ω<)
律「だから可愛く言ってもダメだっ!」
おしまい
※ところでけいおん原作の現時点(2010年度)でさわ子28のはずだから
7年前だと高校生にならないんじゃね?
まじか…
なぜか24だとずっと思ってた…
もし良かったら下のも読んでみてね
律「一番大切なもの」
澪「律のおしっこを飲むにはどうしたらいいのか」
律「私は澪のおもちゃじゃない」
律「澪のふとももをぷにぷにしたい」
澪律「だって今強く深く愛してるから」
唯「転校生?」絢辻「よろしくお願いします」
最終更新:2011年09月06日 16:44