「…唯先輩、あの、私…ゆ、唯先輩の、おっ、…おっぱい、飲みたいです」
唯の顔に戸惑いと恥じらいが浮かぶ。だがそれは後輩の潤んだ目を見てすぐに消え去る。唯は優しく梓の髪を撫でる。
「猫さんはミルクが好きだもんね」
そして梓の胸に刺激を与えていた手を離し、肩まで届く髪を邪魔にならないよう後ろに流す。
梓はそっと濡れた唇を、唯の優しさをたたえた白い膨らみに近づける。梓の唇が先っぽに軽く触れた。むずがゆい快感が走る。
梓はためらいつつも唯の先端に軽く吸いつき、舌でつつく。唯は快感の矢に貫かれながらも、梓の髪を優しく撫でながら授乳の真似事を続ける。
梓は猫のようなざらついた舌で唯の乳頭を刺激しつつ、唾液を染み込ませる。
唯の息がだんだんと荒くなってくる。年上の包容力のある女性を演じるのも難しくなってきた。欲に流された一匹のメスになりかけている。
「ふぅ、あずにゃん、初めてなのに、う、まいね…ひゃあっ!」
梓が可愛らしい舌で唯の先端をペロペロと舐める。その舌の動きは、まさにミルクを舐める猫そのものだった。先端が舌に翻弄され、ころころと転がされる。
「あっ、あっ、あずにゃあああん、そんなペロペロしちゃダメだよぅ」
梓の舌が止まった。と思った次の瞬間、唯の胸にわずかな痛みを伴った鋭い快感が走った。先端に勢いよく吸い付いたのだ。行儀の悪い、ジュッ、ジュッという音が漏れる。
「あああぁん、吸い付くのもダメェェェッ!」
先端部が熱い。ときどき歯があたって痛い。
唯は全身を脱力させ、胸をいじめる快感にすすり泣きしそうになっていた。顔を両手で覆って恥じらう。
先端がふやけるまで堪能した梓は、そんな唯を見て胸から唇を離す。梓のいじめにあった淡い先端は、痛々しいほど硬く尖っていた。
「…満足した?」
「…唯先輩のミルク、とってもおいしかったです」
「そう…」
唯は潤んだ目で、精一杯お姉さんらしい笑みを浮かべる。再び舌を絡めあおうと、顔を近づけた瞬間…。
廊下を誰かが歩いてくる音が聞こえた。…こっちに近づいてくる!
二人の頭に、パニックの白い花火が飛び散った。急いで制服や下着、それに梓の荷物をひっつかむと、半狂乱で個室に飛び込む。
大急ぎで鍵をかけてから、唯はとんでもないミスをやらかしたことに今更ながら気がついた。彼女の鞄とギターが外の廊下に置きっぱなしだ!
外の足音が止まる。唯の荷物を発見したのだろう。梓を見ると、泡を吹かんばかりに怯えている。早く嵐がすぎますように…。
トイレの戸が開けられ、蛍光灯の明かりが灯る。二人の目を、白く強い光が襲った。
「誰か入ってるの?」
見知らぬ女性の声がした。宿直の教師だろうか。唯は精一杯自然な声を出そうと努力する。
「は、入っておりますわよ?」
「電気もつけずに何をしているの?もう下校時間は過ぎてるのよ?」
唯は返答につまった。電気のことまでは全く考えていなかった。さて、どう言い訳したものか…。
個室から返事が返ってこないのを不信に思いながらも、女性教師は立ち去ることにした。いくら怪しくても、まさか上から中を覗くわけにもいくまい。
「早く帰りなさい」
唯の耳に、遠ざかる足音が聞こえた。ゆっくりと、溜まっていた淀んだ空気を吐き出す。
体中の力が抜けていってしまうようだった。唯はその場にへたりそうになるのを、壁に手をついてこらえる。
梓を見ると、まだ個室の片隅で怯えていた…暗い色の胸の先端がばっちり見えた。
「あ、そんな色だったんだね。あずにゃんのおっぱいの先っちょ」
冷やかしでなく、純粋な好奇心からの発言だったのだが、梓はわずかに傷ついたようだった。視線から胸を覆ってしまう。
「むうー…」
梓は意地悪なことを言う先輩を傷ついた目で睨む。ちょっとしたコンプレックスだったようだ。
「あ、でもパンツは白だったよね。ね、もっかいパンツ見せて」
無頓着な先輩は無邪気にねだる。梓はため息をついた。そういえば、唯先輩ってこういう性格だっけ。
唯のギターや鞄を持ち込むと、ただでさえ狭い個室はよけいに狭くなる。身動きがまともにとれない。
梓は便座に腰掛け、M字に足を開脚していた。唯はドアの前、梓のMの字の中心にしゃがみこみ、クリスマスツリーを見つめる子供のような顔で梓の下着を観察する。
「澪ちゃんの縞パンもいいけど、やっぱり純白に限るよねぇ…。あぁあ、あずにゃんのパンツだ、パンツだよぅ」
目の前の先輩が自分の下着で大喜びしてるのを見て、梓は一瞬、すさまじい脱力感に襲われた。これは悪寒の一種なのだろうか。
「唯先輩って、やっぱりロリコンのヘンタイじゃないですか…。おまけに下着であんなに興奮して…」
「んー?文句言うわりには、ここびっしょりさせてるみたいだけど?」
「ひゃうっ!」
唯の指が、梓の下着の中心部分をなぞる。途端に梓は、尿を漏らしそうになるくらいの快感の槍に貫かれる。
「ひょっとしたら他の人に見られちゃうとこだったのに、あずにゃんここ、こんなにびしょ濡れにしてたんだ?あずにゃんもヘンタイさんだね」
「うぅ…」
反論できず、梓はうなだれる。唯はもしかしたら天然Sの才能があるのかもしれない。
「…だけど何かダメだな。いや、全然ダメだぜ絵羽おばさん」
「?何か私、いけないとこでもありますか?」
唯はしばらく額に指をあてて考えこんでいたが、ふいに顔を上げ、手をポンと鳴らす。漫画なら、頭の上に電球の絵が浮かぶところだ。
「そうだ、あずにゃんはそんな話し方をしちゃダメなんだ!うん、そうだ、それだ!」
唯は大発見のように大騒ぎするが、梓にはちっとも話が飲み込めない。なぜこの状況に話し方が重要になってくるんだろうか。
「あの、唯先輩。話し方と言うと…?」
「いい?あずにゃん。あずにゃんはこれから、私がいいって言うまで猫さんの言葉しか喋っちゃいけないの」
「え、ええー、無理言わないでくださいよぅ…」
「…ミルクたくさんあげたよね?あーずーにゃん」
梓は笑顔の唯の背後に、般若の顔を見た気がした。快感とは無関係の震えが走る。
「うぅ…にゃあ」
瞬間、唯の頭の中が、一面の赤やピンクのお花畑になる。キュンとした胸の痛みが、喉までこみあげてきた。
唯はこの梓を自分一人のものにしたかった。どこかに幽閉して、ミルク皿で飼ってみたいとすら考えた。それは決して許されないことと知りながら。
「唯先輩、顔怖いで…にゃあっ!」
うっかり普通の言葉で話してしまった梓の胸の先端をつねって、唯はお仕置きする。柔な胸をいじめられ、梓は苦痛と快楽に苦しめられる。
「み、みぃ…」
「そうそう、いー子いー子」
梓の髪を優しく撫でる…はずが、ついいらぬ力を込めてしまい、頭頂部の髪を乱してしまう。梓は改めて唯に漂う威圧感に恐怖する。
「じゃ、いー子にはごほうびだね」
「にゃあっ!にゃあにゃあ!」
唯は後輩の白い下着に手をかけると、膝まで一気に引き下ろした。梓はエセ猫語で羞恥を表現するが、唯は聞き入れてくれない。
「わ、あずにゃん…は、生えてない!?」
「にゃうっ…」
一本の毛も見受けられないつるつるした白い梓の秘部に、唯は釘付けになる。
「うわー!すごいすごいー!高校生のつるつるマンマン!ぷにぷにのマンマン!」
唯が大はしゃぎする言葉が、ガラス片になって梓に襲いかかる。心の準備も出来ないまま恥ずかしい部分を見られた梓は、とうとう泣き出してしまった。
「にゃう…にゃう…グズッ」
「わわ、あずにゃんごめんごめん!」
愛しの後輩を泣かせてしまい、さすがの唯も悪ふざけが過ぎたと反省した。
「お詫びにマンマン舐めてあげるから、ね。泣かないで」
やっぱり唯は唯だった。
唯は梓のM字の中心に屈み込むと、指でぶ厚い壁を押しのけ、大切な芯を探す。梓は快楽と羞恥の狭間で苦しめられる。
「うーん、見当たらないなあ…。あずにゃんのクリさん」
「にゃっ…みぃぃ…にあっ!」
梓の体が、快楽に耐えきれずに何度も何度も跳ねる。そのたびに唯は作業を妨害される。
「もー、これじゃあいつまでたっても見つかんないじゃん。いーや。直接舐めて探すもん」
唯が後輩の股に顔を埋める。梓は快楽の衝撃波に備えようとしたが、間に合わなかった…。
「ひっ…にあああああんっ!」
梓の絶叫がトイレに響き渡る。唯は思わず縮みあがった。息を潜ませ、足音が聞こえないか耳をすませる。
幸いなことに、誰も梓の嬌声には気づかなかったらしい。唯は大きく息を吐き出す。
「もー、あずにゃんたら…。今度から、気をつけてね」
舌を緩める気は全くないらしい。実に困った先輩だ。梓は今度こそは、と歯を食いしばって快楽に備える。
それでも、秘部を舐められるあの感覚のすさまじさには、何度も何度も打ち負けそうになる。
「んんん…んんんっ…!」
唯はわずかな発酵臭を楽しみつつ、梓の幼女同然の部分を楽しむ。
梓が腰をガクガクと揺らせてよがる。まるで唯の頭を揺らして、さらに快感を貪ろうとするかのように。
今の梓には、普段の生真面目さや清楚さのかけらもなかった。薄く開いた目は快楽で濁り、半開きの口からは涎が垂れていた。
唯は梓のかすかにしょっぱい蜜と、白く泡立つ唾液とで顔をベトベトにしていた。後輩がガクガクと揺するので、舌は秘部に出たり入ったりを繰り返して大忙しだ。
梓の閉じた口から嬌声がまた漏れ出す。ダムが決壊するまで、あとわずかというところか。
「イクの?あずにゃん」
梓は身悶えしつつ首を大きくブンブンと縦に振る。
「じゃあ、もっともっと舐め舐めして気持ちよくしてあげるね」
「んむぎゅううぅぅぅ!」
唯は痙攣の止まらない後輩の秘部を、股のどこかをますます力を込めて舐めまわす。
梓の頭に、白い光の輪のイメージが急速に広がる。それはどんどん大きくなったかと思うと、耐えきれずに自らちぎれ飛んだ。
そして、梓は果てた。
「にゃっ…にぎあっ!みいいぃぃィィッッ…」
脱力して便器から転げ落ちそうになった後輩を、先輩の唯は優しく、しっかりと受け止める。そしてまだ震えの止まらない体を、強く包容した。
互いの胸の先端部が触れ合って、唯の胸にまたも快感が走る。
唯は上半身裸のまま、ぐったりした梓の頬を両手でふんわりと包み、唇を自分のそれで塞ぐ。
梓の小さなざらざらの舌が食べてしまいたいくらい愛おしい。
「…さ、今度は私の番だよっ!」
唯が梓に期待を込めた目線を贈る。だが梓はそれをいつもの生真面目な目で跳ね返し、下着や制服を着なおしはじめている。
「…にゃあ」
「え、もう帰るの?」
「…にゃあにゃあ」
「次に見回りが来たら終わりだから?」
「…みい」
「ぇええええー!それじゃあ私だけ欲求不満だよぅー!!!」
唯の悲しき叫びが、夜の学校に響き渡った…。
「…ねぇ、あずにゃーん」
「にゃあ?」
「あー、猫語はもういいよ…」
「…にゃ、何ですか?」
「やっぱりどこかでもう一回やっていこうよぅ…」
夜の帰り道。二人は夏の夜の湿っぽい空気を吸い込みながら、家路を急いでいた。
「ダメですよ。もうこんな時間ですから。さっきだって、見つからずに帰れたのはほとんど奇跡みたいなものです」
「うぅー、パンツはぐしょぐしょだし、憂は間違いなく怒ってるし、最悪だよぅ…」
「自業自得です」
秋の虫の声があたりに響き渡る。その涼やかな声は、でこぼこなカップルの二人を祝福しているかのようだった。
完
最終更新:2010年01月23日 01:15