――学校――


紬「…………」モグモグ

紬(みんなどこ行ったのかしら…うぅ……)モグモグ



律「まぁ暴れた梓もアレだけど…澪が悪いよな。謝っとけよ澪」

澪「なんでだよ、梓が言われて当然のことをしただけだろ!」

梓「…どこが当然なんですか」

梓「私はただこのお昼時、好きなご飯を楽しみたかっただけなのに。それを邪魔して」

澪「わ、私だって邪魔されたぞ!不快な食べ方を見せられた!」

律(お前はもう食べ終わってたじゃん…)

梓「私のした事は別に澪先輩に直接的な迷惑かけてるとかじゃないじゃないですか」

梓「澪先輩の席にまで撒き散らしながら食べてるとかそういうことしてました?」

澪「し、してないけど…でもドレッシングかけて食べるのなんて見逃せないんだよ!」

梓「そこがもうおかしいですよ」

梓「見なければいいのに勝手に見て勝手に気にしてその挙句直接文句つけてやめさせようとするなんておかしいです」

澪「な、なんだと…」

梓「ていうか澪先輩って前からそうですよね。ご飯の時に余計な事言って雰囲気悪くして」

澪「えっ」

梓「本人が自覚ないから本当、性質が悪いですよね」

律(まぁ私が前に似たような事言ったけどいまだにこれだもんなぁ)

澪「この…梓!言わせておけば」ズイッ

梓「……」バッ

澪「ひっ!?」ビクッ

律(うわっ、後輩相手に…ださっ……)

唯「ねーりっちゃん行こうよぉお昼休み終わっちゃうよー」ユサユサ

律「あ、あぁそうだな(マイペースだな唯…でも唯だとかわいいから許しちゃうよなああ)」

律「とにかく澪謝っとけよ、部活にまでこの空気引きずってこられちゃたまんないよ…」

律「それにドレッシングかけるのってわりかしメジャーらしいぞ」

澪「……ふん、どうせ他のやってる奴らも全員二郎に通ってるような連中なんだろ」ボソッ

梓「!!」

律「おい澪っ!」

梓「……じゃあ私もう行きますから…」スタスタ


律「…なぁ澪、なんでその余計な一言しまっとけないの?」

澪「し、仕方ないだろそういう性格なんだから」

律「でも人付き合いっていうのはさぁ…」

澪「なんだよ、友達だったら受け入れるものだろ?」

律(うっわ、なんだその完全自分本位……)

唯「ね~えぇ~」グイグイ

律「ごめんごめん、行こう唯」



澪「……」

―――

澪「…ねぇ和、私ってご飯食べてる時余計な事言ってる?」

和「え? うーん……澪はいつも静かな気がするけど…」

和(まぁ私じゃなくて唯とかと食べてたらどうなのか知らないけど)

澪「そ、そうか?やっぱりそうだよなぁ~」

和「何?誰かに言われたの?」

澪「いやないない!ないって!ははは~」

澪(和が言うんだから間違いないよな、やっぱり私は普通だ)

――――

唯「…って感じでもう大変だったよぉ~他のお客さんすっごい見てたし」

憂「そうなんだぁ……うわぁ……」

唯「カレー半分も損しちゃったよ……そうだ!うい今日はカレーにしてよ~!」

憂「えっ、でもつい最近やったばかりだよ」

唯「うーぃ~……?」

憂「やる!やるよお姉ちゃん!!やっぱりカレーだよねぇええ~」

唯「流石ういだよー!話が分かるよぉ~」


唯「いっただきまんもす!」モグモグ

唯「……あれ、なんか……」

憂「どうしたのお姉ちゃん?(あんまり嬉しくなさそう…)」

唯「……」モグモグ

唯「…そういえば最近カレーやったばっかりだったなぁって思って……」モグモグ

憂「…………」


唯「見てよりっちゃん!ほら!」バァ~ン

律「うわっ、桃缶じゃないか」

唯「へへへ、ひとりじめするの夢だったんだ~ってさっき思い出して買ってみました!」

律「ず、ずるいぞ私だってまだ独り占めしたことないのに……」

紬(庶民の夢ってよく分からないな~)

唯「ふふふふりっちゃんにはあげないよん、ひとりで食べるんだもんね~」

律「唯ぃいいい」

唯「へへへへ、あはははは」カリカリ

唯「んっ?」

律「どした」

唯「あ、開けられない…」カリカリ

律「……缶切りいらないやつ買えよ…」

唯「うぅう…りっちゃん缶きり持ってない?」

律「いや、持ち歩かないだろ普通」

唯「ぇうっ……むぎぢゃ……グスン…」カリカリ

紬「ごめんね唯ちゃん私も持ってない…」

唯「ぁう……グスッ……」カリカリ

ガチャ

梓「おつかしゃーす」

律「梓おっす」

唯「あずにゃああん缶きり持ってないぃい?」

梓「ないですよ。持ち歩きませんよ普通」

唯「ぅっ……グスン…ぇぐ……」カリカリ…

律「ま、まぁ帰ってから食べればいいじゃん」

唯「じゃあ゛も゛う帰る゛ぅ………グス……」

律「おい」

―――

唯「ただいま~!うい缶きりちょうだい!」

憂「えっ、なんで?」

唯「ももかん食べるから!」

憂「じゃあ私が開けるから缶貸してお姉ちゃん、怪我したら大変だよぉ」

唯「へへへ、ありがとう~ぃ~」

キコキコ…

憂「開いたよ~、お皿出して分けちゃうね」

唯「だめ!これひとりで食べるからだめ!」

憂「えっ…… …う、うん分かった」ショボン


唯「わーい、いただきまーす!」モグモグ

唯「……」モグモグ

憂「お姉ちゃんおいしい?」

唯「…飽きちゃった。アイス食べよ…あとあげるようい」

憂「」


……

唯「りっちゃんって何か料理できる?」

律「えー…チャーハンぐらいかなー」

唯「ちゃーはんかぁ」ゴクリ

律「へへ、これでもチャーハン作りにはこだわりがあるんだよな」

梓「そうなんですか?私もたまに作りますよ」

律「ちゃんとチャーハンの素とかじゃなくて中華ダシ使って…」

澪「でも家庭用コンロで作ってるんだろ?」

律「……そ、そりゃだって一般家庭だから…」

澪「じゃあこだわりがあるなんていうなよ~、火力が肝だって知らないのか~?w」

律「……」

梓「私何度やってもパラパラになりすぎちゃうんですよね…」

律「あ、それあるかもなぁ。お店の丁度いい具合になかなかならないよな!」

唯「私も作ってみたいよ~。ごはんとたまご先に混ぜるといいんだっけ?」

律「それ素人のやりかただぞ~唯ぃ♪」

唯「そうなんだごめーん作ったことないからぁ…へへ」

律「じゃあ今度皆でうちでチャーハン作らない?唯教えてやるよ」

唯「いい!面白そうだよぉ」

梓「楽しそうですね」

澪「はは、でも業務用コンロ無いんだろ律の家w」

律「じゃあ澪んちあるのかよ」

澪「……」

梓「私えび入れたのが好きなんですよね、桜えび」

律「私はやっぱり焼き豚かなぁ」

アハハハハ ウフフフ…


澪「……」

ガチャ

唯「あっ、むぎた!遅いよぉ~」

紬「遅くなってごめんなさい、掃除当番だったの。すぐお茶の準備するわね~」

律「サンキューむぎぃ」

梓「それでいつにします?」

律「そうだなぁ~、土曜がいいかなぁ」

梓「あっ、土曜は」

唯「じろういくの?」

梓「すいません習慣付いちゃってるんで…」

律「じゃあ日曜にしよう」

紬「なになに?何の話?」

律「チャーハン作ろうって話してたんだ」

紬「チャーハン?なんでまたそんな」

律「へへ、実は私チャーハン作るの好きでさぁ、梓も作るっていうし…あと」

唯「私つくったことないから教えてもらうんだぁ」

紬「そうなんだぁ、面白そうね~」

律「ムギも来る?」

紬「うん、私も作ってみたい♪」

律「ははは、家庭用コンロだから完璧には出来ないけどな~」

紬「そうなの?あ、じゃあうちでやる?厨房に業務用コンロあると思う」

律「ホントか!?(っていうか台所じゃなくて厨房とか)」

梓「流石ムギ先輩ハウスですね」

唯「凄いよぉ~どんどん凄い話になってきたね!楽しみだよぉ」



澪「…………」

律「一度業務用使ってみたかったんだ~、楽しみだなぁ」

梓「ドキドキしますね」

唯「澪ちゃんもくる?」

澪「!!」

律「……澪来るか?業務用あるってよ」

澪「……いい、用事あるから」

唯「そっかぁ」

紬「ふふ、日曜日が楽しみね~」

澪(な、なんだよ唯その梓のもんじゃの時との対応差…)

澪「……」プルプル

唯「ところでムギちゃん今日のおやつは~?」

紬「あっ、忘れてたごめんね唯ちゃん今出すから」

唯「わ~い!」


……

律「材料の買出しも醍醐味の一つだよな~」

唯「楽しい!」

紬「ふふ、合宿を思い出すわね」

梓「そうですねー」


澪「はぁ……」カチャカチャ

澪「私はいつもぼっち飯をモグ☆モグ~♪」

澪(ビビン丼も飽きてきたなぁ)

澪「ごちそーさまー」カタン

シーン…

澪(無視かい)

澪「あー皆今頃楽しくチャーハン作ってるのかなぁ」

唯「へへへいっぱい買っちゃったね!」

梓「唯先輩自分のお菓子買いすぎですよ…」

紬「まぁまぁまぁまぁ …あら、あれは」

律「澪だ」

唯「ほんとだ!そういえば用事あるって言ってたよね、それかなぁ」

律(いやぁ、あれは……)

梓(どうみてもただぶらついてるだけに見える……)

唯「おーい、み ムグッ」ガシッ

律「や、やめとけ唯!」

律(下手に話かけて発作起こされても困るぞ…)

唯「?」

梓「用事の邪魔しちゃ悪いですよ先輩」

唯「あ、そっかぁ~!へへ…彼氏かもしれないしね!」

律「ははは……そ、そうだな~」

澪「はぁ~特にすることないし帰ろうかなぁ…」

「あら、澪?」

澪「えっ。あ、和!」

和「偶然ね。何してるの?」

澪「えーっと……ちょっと散歩…はは」

和「へぇ~…私参考書買った帰りなんだけど」

澪「そうなんだ」

和「せっかく会ったんだしお茶でもしない?」

澪「えっ、いいの?」

和「うん(何、『いいの』って)」

澪「やったー!ありがとう和ぁあ」

和(なんでお礼?まさか私のおごりって事になってたりしないわよね)


澪「おいしい!おいしいなぁこのお茶!」

和「どうしたの澪やけにテンション高いわね…」

澪「えぇ、そうかな」

和「そういえば唯が今日は皆でチャーハン作りに行くって言ってたけど、一緒じゃないのね」

澪「うっ…」

澪「わ、私はちょっと用事あったからさぁ」

和「えっ。散歩してたんじゃ」

澪「あ」

和「……軽音部でうまくいってないの?」

澪「」ガチン

澪「ぶほぶほっ え!?まっさかぁー」

澪(はぶられてるとか思われたくないぞ、恥ずかしい…)

和「…ふーん、そう……(分かりやす…)」


澪「はぁ~楽しかった!」

和「それは良かったわ」

澪「…和さぁ、休日とかたまに誘ってもいい?」

和「別にいちいちそんなこと聞かなくても誘いたかったら誘えばいいじゃない?」

澪「そ、そうだけど…」

和「暇だったら付き合うわよ」

澪「あ、ありがとう」

和「じゃ帰りましょう」

―――

唯「うい~!ただいMAX!!」

憂「おかえり~、お姉ちゃん今のすっごい面白かったよぉおw」

唯「え、何が?」

憂「」

唯「ねぇうい、チャーハンの材料あるかなぁ」

憂「えっ?うーん…あると思うけど…今日はチャーハンがいいの?お姉ちゃん」

唯「へっへっへ…実は今日お姉ちゃん修行してきたんだぁ」

憂「修行? とりあえずチャーハンがいいんだったらすぐ作っちゃうよ~」

唯「まぁまぁ妹さんはリビングでごゆるりとくつろぎなすっててくだせぇ~」

憂「えっ、もしかしてお姉ちゃんが作るの?」

唯「そうだよ~ん!ういにお姉ちゃーはんごちそうしてあげよう!」

憂「嬉しいけど……だ、大丈夫…?」

唯「むむぅう~」

憂「わ、分かったよ~じゃあ私居間でテレビ見てるね」

唯「うむ!くるしゅうない」


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最終更新:2010年01月24日 00:15