そんなこんなで翌日。
和「あら澪、お昼それだけでいいの?」
澪「うん、実は最近……(ゴニョゴニョ…)でさ…」
和「そうなんだ…でも、ちゃんと食べなきゃ体に悪いわよ?」
澪「大丈夫、上手くやってるから…」
澪「サプリを一錠飲んで…ごちそうさまでした」
唯「あれれ?澪ちゃんご飯残しちゃったの?」
澪「ああ、これ以上はちょっと…な」
唯「もったいないなぁ」
澪「……良かったら食べるか?」
唯「え、いいの? わーい♪」
和「唯ったら……」
律「信代ー! お願い、私に稽古つけて!」
信代「律? いいけど、どうしたの?」
律「いやー、なんか無性に身体動かしたくてさぁ~」
律(信代をブン投げれるぐらい筋力つければ……きっと痩せれるハズ…!)
信代「別にいいけど、私強いよ?」
律「おうよ! 強い方が燃えるぜぇ!」
柔道部室
信代「押忍ッッ!! どおりゃあああ!!!」ブンッ!
律「のっしぇえええ!!」ガッシャアアン!!
信代「ウスッ!」
律「ま…まだまだぁ!!」
信代「押忍っっ!!」
校舎屋上
紬「良い天気ねぇ~、今日もご飯がおいしいわぁ♪」
憂「あれ、紬さんじゃないですか?」
梓「ムギ先輩、こんにちわ」
紬「あらこんにちわ、憂ちゃん、梓ちゃん」
憂「屋上でご飯ですか、いいですねぇ」
紬「ええ、青空の下で食べるお弁当は格別よ」
梓「でも普段と変わらないお弁当ですね、澪先輩から聞きましたけど、ダイエット始めたんじゃ…?」
紬「うふふ、実は私、痩せれる秘策を見つけちゃったのよ♪」
憂梓「秘策…?」
放課後 部室
唯「ムギちゃん今日のおやつはぁ~?」
紬「あるわよ~」
唯「わーい」
紬「はいっ!」ドサドサッ
唯「……何これ?」
紬「酢昆布よ」
唯「いやそれはわかるんだけど、なんで酢昆布なの?」
紬「ヘルシーで低カロリー、それでいて結構いけるのよ」
澪「海藻類はダイエットには欠かせない食品だからな、今日のは私がムギにお願いしたんだ」
紬「澪ちゃんとりっちゃんと3人で決めたの!絶対に痩せるって!だから唯ちゃんも梓ちゃんも応援してねっ!」
唯「そ……そうなんだ…みんな、頑張ってね~~…」
唯(あううう…ケーキが…クッキーがぁ…)
律「よーっす…」
梓「律先輩!? どーしたんですかその顔!」
律「ちょーっと運動をね…あはは」
律「ふふふ…こーんだけ動いたら…相当痩せてる…ハズ…」
さわ子「あらあら、みんな揃ってダイエットでも始めたの?」
律「さわちゃん、ああ、痩せるんだ…私達は…!」
さわ子「そう、ダイエットかぁ…懐かしいわねぇ」
唯「さわちゃんもダイエットしてた事あったんだぁ」
さわ子「ええ、学生の頃に住んでた寮の寮長先生の飼ってた犬が七面鳥に見えてつい噛みついちゃったり…それで裁判にかけられたり…ダイエットにはいろんな思い出があるわねぇ」
澪「よくわかんないけど、多分それ違う人なんじゃ…」
さわ子「まぁ、昔の事は良いじゃないの♪ それよりも今日のおやつは………何コレ、酢昆布?」
梓「はい、この調子じゃ当分ケーキなさそうですね、あ、結構いけますね」モグモグ…
さわ子「ムギちゃん、今日は仕方ないけど明日からケーキだけは持って来て、絶対に!」
唯「ムギちゃん!私からもお願い!甘いケーキがないと力でないんだよぉぉ…」
紬「私は別にいいけど…(アレが届けば私もケーキ食べて大丈夫よね…うん)」
紬「じゃあ、明日からまたケーキ持って来るわね?」
唯さわ子「イヤッホオオオウ!!」ガタッ
律「てめーら自己中すぎんだろ」
翌日
さわ子「そうそう! コレよコレぇぇぇ!」
唯「おーいしいいいい……!!」モグモグ…!
紬「ふぅ、やっぱり、ティータイムはケーキに限るわねぇ」
梓「ムギ先輩、本当に大丈夫なんですか…?」
紬「ええ、言ったでしょ?秘策があるって。 さ、梓ちゃんもどうぞ」
梓「はい…(モグモグ…)お…美味しい…」
唯紬梓さわ子「ほ~~げぇ~~~~……」
律「…………」
律「なあ澪、今だけあいつら殴っていい?」グゥゥゥゥ…
澪「許可する」グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
そうこうしてるうちに一ヶ月の月日が流れて…
律「腹減ったぁぁ…」グゥゥゥゥ…
律「ダイエット初めて一ヶ月……そろそろ…限界………」ギュルルルゥ
律「でもここで食べたら意味ないしな…がまんがまん…」グゥゥゥ…
律「水でも飲みに…あふ…立ちくらみが…」
律(でも、筋トレの成果か筋肉付いたよな…私)
聡「んあ?ねーちゃんどうしたの」ポリポリ…ゴクゴクッ
聡「ぷはぁ~~、ん~、やっぱりコーラは赤いのに限るよなぁ、あ、ねーちゃんもどう?」
律「……………」
律「それはあてつけかコラアアアア!!!」
聡「ちょっ!ねーちゃん落ち着いて!!」
律「さーとしーー!!私の一本背負いを喰らえええ!!」
聡「のわあああっっ!!」ドガッシャアアン!
――――――――――
澪「ううう……わかっちゃいたけどこれは結構…キツい……」
澪「ネットでもやって気を…紛らわそう……」カタカタ…
澪「そういえば唯のやつブログ始めたって言ってたな…見てみようか」
澪「なになに…『突撃! 平沢家の食卓』…?」
『どもー! 私のブログにようこそ♪ あなたは○○人目のお客様でーす!』
澪「いたって普通のブログだな」
『私にはすっごく料理の上手な妹がいるんです、ここではその妹の作った料理をみなさんにご紹介したいと思います♪』
澪「……………」ゴクリ…
『見て下さい、この赤身が立派なステーキにちらしずし…あ、この手は妹の指です、かわいいでしょ~(笑』
澪「フィレ肉のステーキに…ちらしずし………! デザートに大福まで…! これ全部憂ちゃんが……?」タラ…
澪「んっ…いかん、よだれが……」
澪「…あああ…! ダイエット中に見るんじゃなかったぁぁ…………」
澪「も~~~~、なんてブログ作ったんだ唯のやつーーーー!!」ジタバタ…!
――――――――――
紬「ふぅ…ごちそう様、今日もすっごく美味しかったわぁ♪ もうおなかいっぱいよ~」
紬「あとは食後にこの錠剤を一つ飲めば…」
紬「これだけで痩せられるんだから、世の中楽になったものよねぇ…」
紬「さて、明日に備えてもう寝ましょうか…♪」
そして更に数日の月日が流れ、律と澪と紬のダイエット生活も今日で最終日。
さわ子「それじゃ、そろそろダイエットの
結果発表といきましょうか?」
唯「みんな頑張ってたもんねぇ~」モグモグ…
梓「唯先輩、食べすぎなんじゃ…」
唯「えへへっ…甘いのは別腹だよ、あずにゃんもいっぱいたべなきゃだめだよ?」
梓「唯先輩は特別食べすぎです! いくらなんでもタイヤキ10個は多すぎます!」
唯「そういうあずにゃんだってそれもう7個目だよ?」
梓「タイヤキは…別腹です…///」
澪律紬「…………」ドキドキ…
がしゃ…カタタタタタ……
……………
澪「耐えた成果があった……よかったあぁぁぁ……」
律「嘘、なんでだ………」
紬「そん……な………」
さわ子「ふむふむ…澪ちゃん5キロ減、りっちゃん2キロ増、ムギちゃんはひどいわね…7キロも増えてるわよ?」
さわ子「澪ちゃんは計画的なダイエットプランが実ったのね、でも、サプリメントに頼りすぎたのはいただけないわ、ある程度お腹は膨らませておかないと頭は回らないのよ?」
澪「確かに…定期テストの点少し下がってたな…」
さわ子「りっちゃんは、明らかに筋肉太りね…確かに筋トレをすれば身体は引き締まるけど、それじゃ体重は落ちないわ。むしろ筋肉で増える一方になるわよ?」
律「んんんん……一体何が間違ってたんだ…………」
さわ子「有酸素運動をせずに無酸素運動ばかりやってたのが祟ったわねぇ」
律「そんなぁぁ、せっかく頑張ったのにぃぃ…」
さわ子「でも、ウエストは締まってるから良いじゃない」
律「…むぅ…」
さわ子「ムギちゃんは……」
紬「そんな……どうしてかしら…」オロオロ…
さわ子「楽に見えるやり方に頼った時点でもう何も言うことは無いわねぇ……それに、このダイエット薬品だけど…つい最近警察に摘発されたメーカーのじゃない、完全に騙されたわね…」
さわ子「これ、中身はただのビタミン剤って話よ?」
紬「そ……そんなぁぁぁぁぁぁぁ………」
それから……。
紬「もうお菓子はダメ!! 絶対に…ぜーーーったいに持ってこないんだからっ!!」
澪「さーて、そーゆーわけだから練習するぞ練習~~」
梓「唯先輩~、ほら、はやくやりますよーーー」
律「ほらほら、早く準備するー」
唯「お菓子をおおお…お菓子をおおお……」
紬「唯ちゃんっ」
唯「ムギちゃん……」
紬「ケーキが食べれないのなら酢昆布を食べればいいじゃない♪」
唯「うわああああん!!! もうすっぱいのはいいよぉぉ!! 甘いお菓子が食べたいよおおおお!!」
唯「おーかーしーーーケーーキィィィ……クッキーー……」
音楽室には、女生徒の泣き声が絶えず響いていたという…
おしまい。
後日、職員室
さわ子「…あんな状態で音楽室でおやつは当分無理よねぇ…」
さわ子「みんなには悪いけど、私は個別でいただきますか…♪」
―――ケ――キ―ケー――ィ―――…
さわ子「ん~~~、駅前のケーキ屋さん、なかなかにやるわねぇ♪チョコホイップがおいしひ…♪」
ーキ――ケェ―キィ――――
さわ子「~~♪ ………? 何かしら、この重く響く声は…?」
声「ケーーキイイイイイ……」
さわ子「……誰?」
声「けーーきいいいい………」
さわ子「まさか…この声は…唯…ちゃん……? ど…どこにいるの…?」
ぬらり…
唯「ケーキ……」
さわ子「ひ…っ!」
唯「ケーキが……食べたいよおおおおお!!!!!」
さわ子「きゃあああああーーー!!!」
―――
――
―
ほんとにおしまい。
最終更新:2011年09月15日 20:29