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私たちが高校を卒業してから1年あまり。卒業してからけいおん部のみんなはそれぞれの道を歩み出した。

私以外のメンバーはみんな県外の大学に進学しみんな桜ヶ丘から旅立って行った。一方わたしは家から近い大学に進学しあまり変わらない日常を過ごしていた。

大学の講義を終えて帰宅し、自分の部屋へ直行した。西の窓から微かに夕陽が射している。

律「最近あいつらとも会ってないよな」
律「澪……」
らしくもなくセンチメンタルに浸り、誰もいない部屋で幼なじみの名前を呼んでみる。

律「なんか辛気くさっ」
そう思うと私は気分を変えようと部屋のオーディオのスイッチをオンにした。
流れて来たのは、パンクのゴッドファーザー、イギーポップの曲だ。
~ ♪
律「この曲は…」

私はふと窓の方を見た。すると夕陽が強くなり私の部屋を赤く染めた。それと同時に私の頭のなかにある記憶が浮かび上がった。

~~~~~~~~

強い夕陽が射し、部屋の中を紅々と照らしている。床には私の幼なじみが寝転がって本を読んでいる。夕陽に映るその顔に私は見とれてしまった。

澪「なんだよ人の方ばっか見て」
律「な、なんでもねーよ」
だけど、夕陽に映える黒くて長い髪、柔らかな肌、きれいで整った顔のりんかくは言葉に出来ないほど美くやはり私は意識してしまう。

澪「やっぱりなんか言いたそうじゃんか」

律「判る?」

澪「判るよ。何年お前といると思ってるんだよ」

律「じゃあさ…」

澪「なんだよ」

律「キスしようよ」

澪「なっ急に何言い出すんだよ、ばか律」

律「ダメならいいんだ」

しばらく沈黙が続いた。

澪「もう、一回だけだからな」

律「いいのか?」

澪「恥ずかしいんだから何回も言わせるなよ。律だから特別にだぞ」

律「分かったよ」

律「じゃあいくぞ…」

澪「うん…」

2人の唇が数秒間触れ合った。その間2人っきりの部屋を夕陽が照らし続けた。

律「ふぅ」

唇が離れると急に恥ずかしい気持ちが込み上げてき来た。

律澪「……」

また続く沈黙に耐えられず私はオーディオのスイッチを入れた。スピーカーからはこの雰囲気に似つかわしくない爆音が炸裂した。

澪「この曲って」

律「あぁパンクのゴッドファーザーことイギーポップ様の曲だぞ」
澪「私は嫌いだ」

律「なんでだよ~カッコいいじゃん!」

澪「だってなんかウルサいし…」
律「ウルサいし?」

澪「ライブだとすごく激しくて痛そうなパフォーマンスするんだろ?」

律「はは!澪しゃんらしい理由ですな」

澪「笑うな!」

~♪
澪「ふふっそれにしてもヘンな曲だな」

律「なぁ澪」

澪「なに?」

律「卒業したら今の日常ってどうなっちゃうのかな?放課後にみんなでお茶したり演奏したりできなくなるんだぜ?」

澪「どうだろう?わからないよ。でも私は病気もせずに、惑わされず、喜んだり、悔やんだりする日常を普通に生きていきたいよ。だってそれってすごく正しいことだと思うもん」
澪「だから律にもいつまでも放課後と変わらない笑顔で笑っていてほしいな」

律「うん、わかったよ…」

聡「ねーちゃん、ご飯つくってよ!」

!!

弟の声で急にもとの日常に引き戻された。

律「分かったから~今いくよ!」

律「日常も悪くはないな」
私はあの曲を聞きながら彼女の言った言葉と

顔のりんかくを一寸思い出したりしてみた。


以上です。







最終更新:2011年09月19日 20:49