唯「ばぶ、ばぶ」
憂「……」
唯「うー」
憂「……」
憂(お姉ちゃんうるさいよ)
唯(……聞こえてるなら返事してよ)
憂(私はまだ泣くことしかできないの)
憂(あんまりお母さんに苦労かけたくないじゃん)
唯(まあ私も邪魔されたくないしね)
唯(で、なんなの憂は)
憂(なんなのって、なにが)
唯(なんでまた私の妹に生まれてきたんですか)
唯(来世は男の子と女の子で出会って、今度こそのびのび恋しようって約束したよね)
憂(……)
唯(なんでまた妹で生まれてきたの? マゾ?)
憂(いやいや)
憂(そんなこといったら、お姉ちゃんだって女の子に生まれてきてるじゃん)
唯(それはちょっとしたニアミスでさ……)
憂(ちょっとした、で済まされるミスじゃないよ!)
唯(なにさ、致命的なミスを犯したのは憂のほうだよ!)
憂(うっ……それはそうなんだけど)
唯(……まあ生まれちゃった以上しかたないや。どうする?)
憂(えっ?)
唯(今回の人生……また前世と同じように、姉妹で愛し合う?)
憂(うん)
唯(即答なの)
憂(だって、前世もそれなりに生きれたじゃん)
唯(享年32が、それなり?)
憂(私はそれだけでも、お姉ちゃんと生きれてよかったよ)
唯(それ、死ぬときも聞いた)
憂(私の気持ちは変わってないってこと)
唯(……)
憂(お姉ちゃんは……やめとく?)
唯(ううん)
唯(憂が大好きだもん。今度もまた苦しませちゃうかもしれないけど)
唯(憂と結婚したい)
憂(うん)
憂(よろしくね、お姉ちゃん)
唯(今度は、一緒におばあちゃんになろうね)
憂(うんっ)
唯(……はぁ)
憂(やっぱり気が重い?)
唯(ちょっとね)
憂(元気だして、お姉ちゃん)
憂(もしかしたら私たちが大人になるころには、姉妹の結婚が認められてるかもしれないよ)
唯(……だといいね)
唯(そういえばまだ聞いてなかったよ。どうして憂は妹に生まれてきたの?)
憂(……きっと運命なんだよ)
唯(運命?)
憂(そう、私たちは姉妹になる運命なのかも)
唯(うんめいか……)
憂(嫌、かな?)
唯(ううん。あのさ……)
憂(?)
唯(……妹でありがとう、憂)
憂(どうしたの、さっきまで……)
唯(すごく寂しかったんだ)
唯(私が生まれて、憂が生まれるまでのこの1年3ヶ月)
憂(……うん)
唯(憂にはいつ会えるのか)
唯(私との約束を忘れちゃったりしないか)
唯(すごくすごく、不安でたまらなかった)
憂(……忘れたりしないよ)
唯(うん、わかってた。だからこうして、すぐに会いに来てくれたんだね)
憂(そうかも。私もいつお姉ちゃんに会えるのかは不安だったから)
唯(また私の妹に生まれてくれてありがとう、憂)
憂(待っててくれてありがとう、お姉ちゃん)
唯(……愛してる)
憂(私も。誰より)
唯(たくさんキスしようね)
唯(幸せなことも、楽しいことも)
憂(……そうだね)
唯(ちょっと近くにこれない?)
憂(無理だよ)
唯(んーキスしたいのにー)
憂(お姉ちゃん、手伸ばして)
唯(こう?)
憂(そう、唇に近付けて)
唯(……なるほど)
憂(……ん)
唯(よいしょ……んっ)
唯(……はやく直接キスしたいね)
憂(うん。子供のときは、いつしても怒られないからね)
唯(キスしほうだいか……)
憂(……)
唯(憂?)
憂(おなかへっちゃった)
唯(……じゃあ、そろそろ元に戻ろうか)
憂(うん。おやすみ、お姉ちゃん)
唯(また今度ね。おやすみ)
憂「……す、すっ……うええぇぇん、うええぇぇん……」
唯「……ままー!」
おしまーい
最終更新:2011年09月19日 21:37