AYU「や、やめてよ……。どうして、そんなに希望を持つの?ポケモンと人間はいずれ殺しあうのに……」
ゆい「私は……」
梓「私達は……」
ゆい・梓「「そんな未来信じない(ません)!!!」」
ゆい「書き換えてあげるよ、そんな未来!!」
ゆい先輩はこれまでよりも早く、AYUに接近し、拳を叩き込みます。
AYU「ゴフッ……どこにそんな体力が……」
律「アズニャン・マインドは……梓と心を通じ合わせることにより……」
紬「梓ちゃん分を梓ちゃんと触れあわなくても、補充することができるの」
澪「つまり、発電所に充電器つけて、ゲームをするみたいなもんなのか」
ゆい「ヤー、トリャー」
ゆい先輩の拳や足がAYUの体をサンドバックのように殴りつけます。
AYU「調子に……乗るなーーー」
AYUの体から悪意に満ちた恐ろしいオーラを発生させる技、あくのはどうを発動させます。
ゆい「ぐっ……」
ゆい先輩は防御するもそれなりに今のオーラで押されます。
ゆい「……やるね。でも……次で終わりだよ!」
ゆい先輩はギー太を構え、エネルギーを溜めはじめます。
観客「ふぁ~、なんか、とってもいい夢を見てた気がするんだよな~」
観客「最初は悪夢だったけどな」
実況『し、失礼しました。私も天気がいいのか、寝てしまっていたようです。さて、試合は……』
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい うい ひん死
AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ラプラス ひん死 AYU
実況『わ、私が寝ている間に、同点になっています。しかも、互いに残り一匹です』
AYU「くっ……」
観客「「「「「「「「「「ゆーい、ゆーい」」」」」」」」」
観客は次々と目を覚まして、ゆい先輩にコールを始めます。それと同時にギー太にエネルギーが溜まっていきます。
ゆい「トドメだよ。……ゆいちゃん真拳最終奥義『アズニャン・ブラスターキャノン』!!」
ゆい先輩は強力なレーザービームのようなエネルギー弾をAYUに向かって、発射します。
AYU「ぐっ……」
AYUはそれを受け止めるも、ジリジリとそのパワーに押されます。
律「無駄だ。今のゆいは梓から無限にも等しいエネルギーを得ることができる」
紬「抑えきることは不可能に近いわ」
AYU「くっ……うううううううう」
AYUはそれでも必死に抵抗します。……自分の思う未来を掴むために。
ゆい「君は強いね。……今回は私が勝つけど、また勝負しようね。今度は普通にね!」
ゆい先輩はエネルギーを全開にして攻撃をします。
AYU「ぐぐぐ……ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ」
AYUはその攻撃を耐え切れず、フィールドの壁まで吹っ飛ばされました。
審判「え、えーと……AYU戦闘不能。ゆいの勝利です。AYUの手持ちポケモンは全滅のため、梓選手の勝利です」
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい うい ひん死
AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ラプラス ひん死 AYU ひん死
実況『な、長かった、ポケモンリーグもついにチャンピオンが決まりました。そのチャンピオンは……
中野梓選手だー』
観客「「「「「「「「「「わあああああああああああ」」」」」」」」」」
梓「や、やりましたよ、ゆい先輩!」
ゆい「やったね、あずにゃん!」
律「よし、梓を胴上げだ!」
紬「そうね!」
澪「いや……4人じゃ無理だろ」
純「4人?」
律「えーと……佐々木さんだっけ?梓の友達なんだろ?じゃあ、私達も友達だ」
純「……とりあえず、鈴木です」
紬「4人だけじゃないわ。皆、来て」
ムギ先輩達は自分のポケモンを出して、私達を上に放り投げます。
皆「ワッショイ、ワッショイ」
AYU「まだ、終わってないよ!」
フィールドの壁の方から、AYUの声が聞こえました。
AYU「はあ……はあ……、よくもやってくれたね」
梓「AYUさん……」
AYU「今回は負けにしといてあげるよ。次に会う時は覚えてるんだね……」
AYUさんはそういうと姿を消しました。おそらく、テレポートで逃げたんでしょう。
梓「また、戦うことになるんでしょうか」
律「そうかもな……。でも、今はお祝いだ!」
紬「そうね、パーティーね!」
私達は係員が止めに来るまで、騒ぎ続けました。
カントー地方のある場所
AYU「はあ……はあ……」
???「久しぶりね……といっても、その姿では初対面だけど。あなたがそんな姿だったとは知らなかったわ」
AYU「お、お前は……」
???「ミュウツープロトタイプの時には世話になったわね」
AYU「……私も終わりか。……1つ聞いてもいい?」
???「いいわよ」
AYU「……どうしたら、私はゆいになれたの?私は間違ってたの?」
???「あなたは間違ってないわよ。地球を、ポケモンを守るという観点から言えば……ね。少なくとも、あの子達よりは具体的ね。ただ、ゆいは……あの子達は、何かを傷つけてまで、未来を救おうとは考えないわね。優しいから。これがあなたにはないもの。転んでも転んでも、立ち上がって、最後まで諦めずに人間とポケモンを救おうとするわね。あなたは諦めたけど」
AYU「私は何をすれば、よかったの……」
???「さあね。ゆいになりたかったのなら、歌を歌ってポケモンと人間の絆を訴えかけるというのも手だとは思うわ」
AYU「あはは……優しさか。そんなものとっくになくなってたな……」
???「……私はあの子達みたいに優しくないからね。もう、楽にしてあげるわ」
AYU「……私を倒しても無駄だよ。ジョウトにも種をまいたからね。ジョウトを中心にカントーもいずれはね。ふふふ、あはははははははは」
???「……ピカチュウ」
ピカチュウ「チュウ!」
ピカチュウのアイアンテールがAYUを突き刺し、AYUの目に生気がなくなった。
???「哀れなものね。最後まで、自分の信じたものを貫こうとしたのね。……ジョウトか。あの姉妹は元気でいるのかしら」
マサラタウン
ポケモンリーグから、1週間後が立ちました。その間、パーティなどがあり、ゴタゴタとしていましたが、ようやく、マサラタウンに帰ることができました。そして、オーキド研究所でささやかなお祝いです。
オーキド「いや~、久しぶりのマサラからの優勝者。実に酒がうまい!」
律「飲みすぎんなよ、博士~」
皆さん、ワイワイと大騒ぎです。
オーキド「さて、皆はこれからどうするんじゃ?」
律「もう、旅も疲れたしな~」
紬「楽しかったけどね~」
澪「でも、もうあんなごたごたはこりごりだ」
ゆい「じゃあ、バンドでもしよっか」
律「それもいいかもな」
紬「そうね、デビューでもしちゃう?」
澪「気が早すぎるだろ」
純「私達がファン一号になりますよ」
うい「じゃあ、私が二号になります!
律「もう、ファンまでできてるじゃないか」
紬「成功は見えてきたわね」
梓「……」
ゆい「ねえ、あずにゃんはどう思う?」
梓「……」
ゆい「あずにゃん?」
梓「は、はい。何ですか?」
ゆい「どうしたの、ボーっとして」
澪「疲れてるんだろ。表彰式とかも多かったしな」
オーキド「少し早いけど、お開きにするかの」
梓「わ、私は大丈夫ですから」
律「遠慮すんなよ。こんなパーティ、これからもできるし」
梓「……そ、それもそうですね」
オーキド「そうじゃな。それじゃ、片付けはワシ達がやっておくから、お前さん達は帰っていいぞ」
梓「博士……ありがとうございました!」
ゆい「……」
律「……」
澪「……」
紬「……」
純「……」
うい「……」
帰路
梓「それじゃ、皆さん、また明日!」
律「あれ、ゆいは?」
純「今日は私のところに泊まるんです」
うい「そうなんです」
ゆい「……」
澪「どうした、ゆい」
ゆい「いや……ちょっと、用事ができたから、出かけるね」
うい「……お姉ちゃん、また会えるよね?」
ゆい「……当たり前だよ!」
ゆいは夜道を駆けていった。
律「で、私達はどうする?」
澪「決まってるだろ」
紬「まさに愚問ね」
律「藤木さんは?」
純「鈴木です。卑怯の代名詞ではありません。……私達はちょっと遠慮しておきますね。行きたい所があるのでそこに行ってから、追いかけます」
律「そうか。……まったく、勝手な後輩を持つと苦労するな」
梓の家
梓父「……そうか」
梓「だ、駄目かな……」
梓母「駄目だ!……なんて、言うわけないわ。若いうちはいろんなことを経験するものなのよ」
梓父「そのかわり、ジョウトでも優勝するんだぞ」
梓「あはは、ちょっと、厳しいかな」
梓母「船の切符は?」
梓「実は……合間を見て、買ってたり。時間は……朝一で」
梓母「皆には言わないの?」
梓「……今回は私の身勝手だしね。それに……危険なことになるかもしれないし」
梓母「……ロケット団とかね」
梓「皆さんには……ここで平和に暮らしてもらった方がいいし」
梓父「そうか……。明日もあるから、もう寝なさい」
梓母「あの子も成長したのね。突然、『ジョウト地方を旅したい』なんて」
梓父「この旅で何かがあったんだろう。……ところで聞いているんだろう」
ドタン!バタバタ!
梓母「別に怒っているわけじゃないわ。ただ、お願いがあるの」
梓父「あの子はこの旅で強くはなっているだろう。でも、か弱い女の子だ。ボディガードが必要だろう」
梓母「その役をやってもらいたいなあ、と」
梓父「頼めるかな、そこで話を聞いている君」
コクコク。
梓母「ありがとう」
梓父「娘をよろしく頼む」
次の日
梓「それじゃ、行ってくるね」
梓母「この子達はいいの?」
梓「……うん。新しい仲間にも出会いから。 博士に預けておいて」
梓母「でも、ハッサムは連れて行くのね」
梓「これは……ゆい先輩と出会って、初めてゲットしたポケモンだしね」
梓母「そう。……気をつけて行ってきてね」
梓「うん!行ってきます!!」
マサラタウン・港
梓「さてと。私の乗る船は……」
ゆい「あれじゃない?」
梓「あ、そうですね。急がないと……え!?」
律「でかい船だな」
紬「サントアンヌ号ほどじゃないけどね」
澪「比べる対象がおかしいだろ……」
梓「ど、どうして、皆さんがここに……」
律「それはこっちの台詞だぞ。どうして、急に旅になんか出るんだ?」
梓「それは……ジョウトにもいろんなポケモンがいますし、いろんなトレーナーもいます。その人達と出会いたかったというのもありますし……。それにポケモンを悪用する人達がジョウトにもいますでしょうし、その人達を倒すっていうと大げさですけど……懲らしめたいっていうか」
律「はっきりしないが、まあいいや。船に乗ろうぜ」
梓「み、皆さん、チケットは……」
紬「それは私が用意したわ」
澪「さすがにすぐに用意できたのは怖かったけどな」
ゆい「まったく、あずにゃんは」
梓「あ、ゆい先輩」
ゆい「ポケモンである、私を置いていくなんてひどいよ。プンプン」
梓「す、すいません」
ゆい「罰として……あずにゃんには私のトレーナーとして、一生お世話することを命じます!」
梓「何ですか、それ……」
律「というか、今までと変わらないんじゃ」
澪「まあ、いいんじゃないか」
紬「そういえば、私達の賭けは……」
律「……あれを見たんじゃな」
澪「そうだよな……」
ゆい「ところで、どうなの、あずにゃん!」
梓「……仕方がないですね。これもトレーナーの務めです」
ゆい「それじゃ、これからもよろしくね、あずにゃん!」
梓「はいっ!」
私達を乗せた船はまるで私達の新たな旅路を祝福するような朝日に照らされて、ジョウトに向かいました。
※ポケットモンスターゆいはこれで終わりです。ただ、まだもう少し続くのでよろしければ、見てください。
最終更新:2011年09月21日 19:55