417. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/18(日) 17:10:45.81 ID:I2Rn+i7W0
AYU「な、何だと……」

突如として、フィールドに聞き覚えがある声が響き渡りました。

梓「じゅ、純……」

純「久しぶりね。と言っても、一日ぶりだけど。そんなことよりも、酷いよ。人のポケモンを勝手に使うなんて」

梓「ご、ごめん……」

やばい、頭がついていかない。

純「さてと。うい!サッサと、そいつを倒しなさい!」

うい「……分かったよ、純ちゃん!!」

ういは満身創痍だったはずなのに、いつの間にか、AYUの懐に入ります。

うい「……ギガインパクト!!」

ういは持てる力の全てを出して、AYUに突撃します。

AYU「あいつは死んだはずなのに……こいつも!」

梓「分からないんですか?ういと純の間にポケモンと人間という枠を超えたつながりあうものがあるんです。人はこれを『絆』と呼ぶんです!!」



律「絆があるんです(キリッ。じゃねえよ。笑い殺す気かよ。ククククク」

紬「笑っちゃ駄目よ、りっちゃん。梓ちゃんは真面目に言ってるのよ、プ、フフフ」

澪「言ってることは間違ってないんだしな。く、クククク」

ゆい「そんなあずにゃんも可愛いよ〜」

梓「……」


AYU「ぐっ……」

ういのこん身の一撃はAYUの体に命中し、壁まで吹っ飛ばされました。

梓「勝ったの……?」

AYU「ちょ、調子に乗るなよ!」

AYUは再び、立ち上がりました。

梓「やはり、まだ……え?」

その姿はゆい先輩を大きくした姿ではなく……ミュウの姿をしていました。

418. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/18(日) 17:12:01.41 ID:I2Rn+i7W0
ポケモンリーグ編⑧  「決勝戦・梓VSAYU〜未来のために〜」終了

次回・最終話です
421. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 14:56:33.92 ID:paUUOWsL0
ポケモンリーグ編⑨・ポケットモンスターゆい・最終話  「決勝戦・梓VSAYU〜希望の光〜」

梓「それがあなたの本当の姿……」

AYU「ふふふ、そうだよ。私は……ゆいの遺伝子をベースにミュウの遺伝子を掛け合わせてできた、他の呼び名をすれば、『ミュウスリー』と言うべきかな。でも、この名は好きじゃないからね」

ミュウの姿をしたAYUは一歩一歩、足を踏みしめて、フィールドに戻ってきます。

AYU「この姿は好きじゃないんだよね。人間には気味悪がられるし。……それにこれから、私はゆいになるんだから、この姿はミスマッチなんだよ」

AYUはフィールドに戻った。

AYU「この姿の私は手加減できないかもしれないからね。気をつけてよ」

AYUは手に紫色の波動の力を溜めます。

AYU「はどうだん!!」

うい「くっ……」

ういはその攻撃を直撃は避けるものの、爆風で私達の手前に落下しました。

ゆい「うい!」

うい「お、お姉ちゃん……わ、私、頑張ったよ。でも……無理みたい」

ゆい「よくやったよ、ういは。私の自慢の妹だよ!」

うい「えへへ……」

ういはその言葉を聞いて、安心して、気絶しました。

梓  ヘルガー  ひん死  シャワーズ  ひん死  プテラ  ひん死  ハッサム  ひん死  ゆい  うい  ひん死

AYU  ヘルガー  ひん死  シャワーズ  ひん死  プテラ  ひん死  ハッサム  ひん死  ラプラス  ひん死  AYU

ゆい「後は任せてよ、うい」

梓「ありがとう、うい。……さあ、ゆい先輩。サッサと勝っちゃいましょう」

ゆい「任せなさい!フンス」

AYU「……何を希望なんか持ってる顔をしてるの。気に入らない、気に入らない!……更なる絶望に落としてあげるよ」

AYUは再び、手を振り上げます。すると、スタジアムを包んでいた闇がより一層、深くなり始めました。
422. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 14:58:04.03 ID:paUUOWsL0
律「あれ……なんだが、眠く……」

澪「きっと、この闇が深くなったから……」

紬「Zzzzzzz」

純「Zzzzzzz」

うい「Zzzzzzz」


梓「律先輩!澪先輩!ムギ先輩!純!うい!」

AYU「皆は悪夢の中で落ちていったよ……」

AYU(本当は梓ちゃんにもかけたはずなのに……まだ、抵抗するの、ゆいの遺伝子は)

梓「み、皆さん……」

ゆい「よくも、皆を!!」

ゆい先輩は体当たりを仕掛けるも、AYUはそれにカウンターのようなパンチをして、ゆい先輩は私の横まで転がってきます。

梓「ゆ、ゆい先輩……」

AYU「希望なんかないんだよ。あるのは絶望だけ……」

梓「……」

AYU「あなたも絶望したんでしょ。絶対的な力の前に」

梓「……ふふふ」

AYU「恐怖で頭がおかしくなっちゃたのかな?」

梓「……いえ。ただ、あなたが可笑しくて、可笑しくて」

AYU「どういう意味かな」

梓「一番、希望を持ってるのはあなたでしょ?人間を滅ぼせば、未来は救えるとか、ゆい先輩になるんだって」

AYU「なに!?」

梓「行きますよ、ゆい先輩」

ゆい「任せてよ!」

AYU「私が……希望を持っているだと」

梓「相手が動揺している今がチャンスなんですけど……どうしましょう」

ゆい「……よし!歌を歌おう。ほい、ギター」

梓「私にも弾けと。でも、無理ですよ」

ゆい「大丈夫、大丈夫。体が勝手に動いてくれるから」

ゆい先輩の言うとおり、体が勝手にギターを弾き始めます。

ゆい「む、うまいね」

梓「と言われても、勝手に動くんですけどね」

ゆい「それじゃ、始めよう。『ふわふわ時間』」

ゆい先輩は今までの中で一番優しい歌声で歌い始めます。すると、フィールドを包んでいた闇が少しずつ、晴れてきます。

AYU「な、何なんだ……これは」

それと同時に今まではうめき声とも取れるような寝言でしたが、少しずつですが、安らかな寝息が聞こえるようになりました。

423. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:00:02.20 ID:paUUOWsL0
ゆい「これじゃ、時間がかかるよ……」

律「あれ……ここは……」

澪「さっきまで、梓との戦いを見てたんだけど……」

紬「でも、なんだか、胸が暖かくなるような歌が聞こえたはずだけど」

ゆい「あ、皆も起きたんだ。ちょうど良かった。皆も演奏しよう」

律「といっても、楽器なんか、触ったことないぞ」

ゆい「体が勝手に動いてくれるよ」

澪「私達にそんなスキルはないぞ」

ゆい「いいから、いいから」

律先輩達は渋々と楽器を手に取ると、勝手に楽器を弾き始めます。

律「す、すげー」

ゆい「よし!これなら……」

私達の5人の音楽が会場全体に響き渡ります。

律「結構楽しいな。ポケモンリーグが終わったら、バンドでもやるか」

紬「それもいいわね」

澪「そうだな。それも楽しそうだよな」


そんな会話の中で、会場全体を覆っていた闇が急速に晴れて、明るくなり、皆の安らかな寝息が聞こえます。

純「う〜ん、よく寝た。というか、寝てばかりだけど」

うい「おはよ、純ちゃん。信じてたよ、目を覚ますって。グスン」

純「大げさよ、うい」

と、純たちの声も聞こえます。

AYU「な、何で……」

AYUはまるで、信じられないものを見たかのように狼狽します。

ゆい「私はあずにゃんと出会えて、旅ができて、一緒にいられてよかったよ。私は皆と……あずにゃんと一緒に素晴らしい未来を過ごしたい!あずにゃんはどうかな?」

ゆい先輩は急にそんなことを言い出します。

ゆい「ごめんね、急に。迷惑だよね」

梓「……私も」

ゆい「うん?」

梓「私も……私もゆい先輩と……皆さんと一緒に楽しい未来を過ごしたいです!」

ゆい「……あずにゃん!!」

ゆい先輩の体が光り輝きだします。そして、私の体まで光り輝きます。
424. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:01:46.79 ID:paUUOWsL0
律「これは……ゆいの奴、まさか!?」

紬「アズニャン・マインドの境地に達したというの!?」

澪「もう色々と言うのも、面倒だけど、アズサ・マインドとかとは何が違うんだ?」

律「私達が梓と呼んだりするのはそれなりの関係だからだろ?少なくとも、名前で呼ぶなんて、よっぽどの人じゃないかぎり、ただの知り合いじゃ無理だろ?」

澪「そりゃ……な。私も人見知りだし」

紬「アズサ・マインドは梓ちゃんのことを好きだということが大前提にあるけれど、梓ちゃんがどう思ってるかと言うことは論外なのよ。名前で呼び合うことはあっても、好きじゃない場合もあるわよね?」

律「つまり、それなりの仲にある片思いということだな」

紬「それに対し、アズニャン・マインドは……互いの思いが通じ合った時に初めて達することのできる、アズサ・マインドの最後の扉よ」

律「あずにゃんなんて、あだ名、いきなり、眼鏡をかけた太った男の人とかがあずにゃんなんて呼んできたら、どう思うよ。普通は拒否するぞ」

澪「それはそうだろうな」

律「あずにゃんなんて、恥ずかしいあだ名で呼ばれるなんて、それなりの好意を持ってないと嫌だろ?だから、アズサ・マインドの上位として、アズニャン・マインドがあるわけだ。つまり、互いに気持ちが通じ合ってるということだ」

澪「……頭が痛い」


AYU「や、やめてよ……。どうして、そんなに希望を持つの?ポケモンと人間はいずれ殺しあうのに……」

ゆい「私は……」

梓「私達は……」

ゆい・梓「「そんな未来信じない(ません)!!!」」

ゆい「書き換えてあげるよ、そんな未来!!」

ゆい先輩はこれまでよりも早く、AYUに接近し、拳を叩き込みます。

AYU「ゴフッ……どこにそんな体力が……」


律「アズニャン・マインドは……梓と心を通じ合わせることにより……」

紬「梓ちゃん分を梓ちゃんと触れあわなくても、補充することができるの」

澪「つまり、発電所に充電器つけて、ゲームをするみたいなもんなのか」

425. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:02:51.49 ID:paUUOWsL0
ゆい「ヤー、トリャー」

ゆい先輩の拳や足がAYUの体をサンドバックのように殴りつけます。

AYU「調子に……乗るなーーー」

AYUの体から悪意に満ちた恐ろしいオーラを発生させる技、あくのはどうを発動させます。

ゆい「ぐっ……」

ゆい先輩は防御するもそれなりに今のオーラで押されます。

ゆい「……やるね。でも……次で終わりだよ!」

ゆい先輩はギー太を構え、エネルギーを溜めはじめます。


観客「ふぁ〜、なんか、とってもいい夢を見てた気がするんだよな〜」

観客「最初は悪夢だったけどな」


実況『し、失礼しました。私も天気がいいのか、寝てしまっていたようです。さて、試合は……』


梓  ヘルガー  ひん死  シャワーズ  ひん死  プテラ  ひん死  ハッサム  ひん死  ゆい  うい  ひん死

AYU  ヘルガー  ひん死  シャワーズ  ひん死  プテラ  ひん死  ハッサム  ひん死  ラプラス  ひん死  AYU


実況『わ、私が寝ている間に、同点になっています。しかも、互いに残り一匹です』

AYU「くっ……」
426. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:03:54.66 ID:paUUOWsL0
観客「「「「「「「「「「ゆーい、ゆーい」」」」」」」」」

観客は次々と目を覚まして、ゆい先輩にコールを始めます。それと同時にギー太にエネルギーが溜まっていきます。

ゆい「トドメだよ。……ゆいちゃん真拳最終奥義『アズニャン・ブラスターキャノン』!!」

ゆい先輩は強力なレーザービームのようなエネルギー弾をAYUに向かって、発射します。

AYU「ぐっ……」

AYUはそれを受け止めるも、ジリジリとそのパワーに押されます。


律「無駄だ。今のゆいは梓から無限にも等しいエネルギーを得ることができる」

紬「抑えきることは不可能に近いわ」


AYU「くっ……うううううううう」

AYUはそれでも必死に抵抗します。……自分の思う未来を掴むために。

ゆい「君は強いね。……今回は私が勝つけど、また勝負しようね。今度は普通にね!」

ゆい先輩はエネルギーを全開にして攻撃をします。

AYU「ぐぐぐ……ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ」

AYUはその攻撃を耐え切れず、フィールドの壁まで吹っ飛ばされました。

審判「え、えーと……AYU戦闘不能。ゆいの勝利です。AYUの手持ちポケモンは全滅のため、梓選手の勝利です」


梓  ヘルガー  ひん死  シャワーズ  ひん死  プテラ  ひん死  ハッサム  ひん死  ゆい  うい  ひん死

AYU  ヘルガー  ひん死  シャワーズ  ひん死  プテラ  ひん死  ハッサム  ひん死  ラプラス  ひん死  AYU  ひん死

427. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:04:51.81 ID:paUUOWsL0
実況『な、長かった、ポケモンリーグもついにチャンピオンが決まりました。そのチャンピオンは……中野梓選手だー』

観客「「「「「「「「「「わあああああああああああ」」」」」」」」」」

梓「や、やりましたよ、ゆい先輩!」

ゆい「やったね、あずにゃん!」

律「よし、梓を胴上げだ!」

紬「そうね!」

澪「いや……4人じゃ無理だろ」

純「4人?」

律「えーと……佐々木さんだっけ?梓の友達なんだろ?じゃあ、私達も友達だ」

純「……とりあえず、鈴木です」

紬「4人だけじゃないわ。皆、来て」

ムギ先輩達は自分のポケモンを出して、私達を上に放り投げます。

皆「ワッショイ、ワッショイ」

AYU「まだ、終わってないよ!」

フィールドの壁の方から、AYUの声が聞こえました。

AYU「はあ……はあ……、よくもやってくれたね」

梓「AYUさん……」

AYU「今回は負けにしといてあげるよ。次に会う時は覚えてるんだね……」

AYUさんはそういうと姿を消しました。おそらく、テレポートで逃げたんでしょう。

梓「また、戦うことになるんでしょうか」

律「そうかもな……。でも、今はお祝いだ!」

紬「そうね、パーティーね!」

私達は係員が止めに来るまで、騒ぎ続けました。

428. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:05:52.54 ID:paUUOWsL0
カントー地方のある場所

AYU「はあ……はあ……」

???「久しぶりね……といっても、その姿では初対面だけど。あなたがそんな姿だったとは知らなかったわ」

AYU「お、お前は……」

???「ミュウツープロトタイプの時には世話になったわね」

AYU「……私も終わりか。……1つ聞いてもいい?」

???「いいわよ」

AYU「……どうしたら、私はゆいになれたの?私は間違ってたの?」

???「あなたは間違ってないわよ。地球を、ポケモンを守るという観点から言えば……ね。少なくとも、あの子達よりは具体的ね。ただ、ゆいは……あの子達は、何かを傷つけてまで、未来を救おうとは考えないわね。優しいから。これがあなたにはないもの。転んでも転んでも、立ち上がって、最後まで諦めずに人間とポケモンを救おうとするわね。あなたは諦めたけど」

AYU「私は何をすれば、よかったの……」

???「さあね。ゆいになりたかったのなら、歌を歌ってポケモンと人間の絆を訴えかけるというのも手だとは思うわ」

AYU「あはは……優しさか。そんなものとっくになくなってたな……」

???「……私はあの子達みたいに優しくないからね。もう、楽にしてあげるわ」

AYU「……私を倒しても無駄だよ。ジョウトにも種をまいたからね。ジョウトを中心にカントーもいずれはね。ふふふ、あはははははははは」

???「……ピカチュウ」

ピカチュウ「チュウ!」

ピカチュウのアイアンテールがAYUを突き刺し、AYUの目に生気がなくなった。

???「哀れなものね。最後まで、自分の信じたものを貫こうとしたのね。……ジョウトか。あの姉妹は元気でいるのかしら」
429. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:07:25.51 ID:paUUOWsL0
マサラタウン

ポケモンリーグから、1週間後が立ちました。その間、パーティなどがあり、ゴタゴタとしていましたが、ようやく、マサラタウンに帰ることができました。そして、オーキド研究所でささやかなお祝いです。

オーキド「いや〜、久しぶりのマサラからの優勝者。実に酒がうまい!」

律「飲みすぎんなよ、博士〜」

皆さん、ワイワイと大騒ぎです。

オーキド「さて、皆はこれからどうするんじゃ?」

律「もう、旅も疲れたしな〜」

紬「楽しかったけどね〜」

澪「でも、もうあんなごたごたはこりごりだ」

ゆい「じゃあ、バンドでもしよっか」

律「それもいいかもな」

紬「そうね、デビューでもしちゃう?」

澪「気が早すぎるだろ」

純「私達がファン一号になりますよ」

うい「じゃあ、私が二号になります!

律「もう、ファンまでできてるじゃないか」

紬「成功は見えてきたわね」

梓「……」

ゆい「ねえ、あずにゃんはどう思う?」

梓「……」

ゆい「あずにゃん?」

梓「は、はい。何ですか?」

ゆい「どうしたの、ボーっとして」

澪「疲れてるんだろ。表彰式とかも多かったしな」

オーキド「少し早いけど、お開きにするかの」

梓「わ、私は大丈夫ですから」

律「遠慮すんなよ。こんなパーティ、これからもできるし」

梓「……そ、それもそうですね」

オーキド「そうじゃな。それじゃ、片付けはワシ達がやっておくから、お前さん達は帰っていいぞ」

梓「博士……ありがとうございました!」


ゆい「……」

律「……」

澪「……」

紬「……」

純「……」

うい「……」
430. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:08:56.66 ID:paUUOWsL0
帰路

梓「それじゃ、皆さん、また明日!」

律「あれ、ゆいは?」

純「今日は私のところに泊まるんです」

うい「そうなんです」

ゆい「……」

澪「どうした、ゆい」

ゆい「いや……ちょっと、用事ができたから、出かけるね」

うい「……お姉ちゃん、また会えるよね?」

ゆい「……当たり前だよ!」

ゆいは夜道を駆けていった。


律「で、私達はどうする?」

澪「決まってるだろ」

紬「まさに愚問ね」

律「藤木さんは?」

純「鈴木です。卑怯の代名詞ではありません。……私達はちょっと遠慮しておきますね。行きたい所があるのでそこに行ってから、追いかけます」

律「そうか。……まったく、勝手な後輩を持つと苦労するな」

431. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:10:17.10 ID:paUUOWsL0
梓の家

梓父「……そうか」

梓「だ、駄目かな……」

梓母「駄目だ!……なんて、言うわけないわ。若いうちはいろんなことを経験するものなのよ」

梓父「そのかわり、ジョウトでも優勝するんだぞ」

梓「あはは、ちょっと、厳しいかな」

梓母「船の切符は?」

梓「実は……合間を見て、買ってたり。時間は……朝一で」

梓母「皆には言わないの?」

梓「……今回は私の身勝手だしね。それに……危険なことになるかもしれないし」

梓母「……ロケット団とかね」

梓「皆さんには……ここで平和に暮らしてもらった方がいいし」

梓父「そうか……。明日もあるから、もう寝なさい」

梓母「あの子も成長したのね。突然、『ジョウト地方を旅したい』なんて」

梓父「この旅で何かがあったんだろう。……ところで聞いているんだろう」

ドタン!バタバタ!

梓母「別に怒っているわけじゃないわ。ただ、お願いがあるの」

梓父「あの子はこの旅で強くはなっているだろう。でも、か弱い女の子だ。ボディガードが必要だろう」

梓母「その役をやってもらいたいなあ、と」

梓父「頼めるかな、そこで話を聞いている君」

コクコク。

梓母「ありがとう」

梓父「娘をよろしく頼む」

432. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:12:01.85 ID:paUUOWsL0
次の日

梓「それじゃ、行ってくるね」

梓母「この子達はいいの?」

梓「……うん。新しい仲間にも出会いから。 博士に預けておいて」

梓母「でも、ハッサムは連れて行くのね」

梓「これは……ゆい先輩と出会って、初めてゲットしたポケモンだしね」

梓母「そう。……気をつけて行ってきてね」

梓「うん!行ってきます!!」

マサラタウン・港

梓「さてと。私の乗る船は……」

ゆい「あれじゃない?」

梓「あ、そうですね。急がないと……え!?」

律「でかい船だな」

紬「サントアンヌ号ほどじゃないけどね」

澪「比べる対象がおかしいだろ……」

梓「ど、どうして、皆さんがここに……」

律「それはこっちの台詞だぞ。どうして、急に旅になんか出るんだ?」

梓「それは……ジョウトにもいろんなポケモンがいますし、いろんなトレーナーもいます。その人達と出会いたかったというのもありますし……。それにポケモンを悪用する人達がジョウトにもいますでしょうし、その人達を倒すっていうと大げさですけど……懲らしめたいっていうか」

律「はっきりしないが、まあいいや。船に乗ろうぜ」

梓「み、皆さん、チケットは……」

紬「それは私が用意したわ」

澪「さすがにすぐに用意できたのは怖かったけどな」

ゆい「まったく、あずにゃんは」

梓「あ、ゆい先輩」

ゆい「ポケモンである、私を置いていくなんてひどいよ。プンプン」

梓「す、すいません」

ゆい「罰として……あずにゃんには私のトレーナーとして、一生お世話することを命じます!」

梓「何ですか、それ……」

律「というか、今までと変わらないんじゃ」

澪「まあ、いいんじゃないか」

紬「そういえば、私達の賭けは……」

律「……あれを見たんじゃな」

澪「そうだよな……」

ゆい「ところで、どうなの、あずにゃん!」

梓「……仕方がないですね。これもトレーナーの務めです」

ゆい「それじゃ、これからもよろしくね、あずにゃん!」

梓「はいっ!」


私達を乗せた船はまるで私達の新たな旅路を祝福するような朝日に照らされて、ジョウトに向かいました。

433. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/09/19(月) 15:31:47.07 ID:paUUOWsL0
ポケモンリーグ編⑨・ポケットモンスターゆい・最終話  「決勝戦・梓VSAYU〜希望の光〜」終了

ポケットモンスターゆいはこれで終わりです。ただ、まだもう少し続くのでよろしければ、見てください。

次回

唯「ポケットモンスターアズサ!!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316413615/



最終更新:2011年09月22日 21:46