琴吹邸 会議室
BGM

紬「みんな、揃った?」

和「唯がまだね……」

唯「ご、ごめんなさーい!」ガチャ

澪「まったく……こんな日に寝坊なんて」

律「たるんどるぞ~、唯!」

澪「お前もギリギリだっただろ!」

律「……だって~、ベッドがあまりにも心地よすぎてさ~」

唯「そうだよね、りっちゃん! 私たち、間違ってないよ!」

律「そうだそうだ~! あの豪華なベッドが悪いんだー!!」

ゴチン!

……

律「」プクー

紬「ふふ……始めるわよ?」

澪「ああ、気にしないでくれ」

紬「敵のデスデビルは、主にカルバレイスで活動しているみたいで、そこで最も目撃情報が多いわ」

紬「そして……おそらくその活動拠点は、かつてコトブキグループが発見した研究所跡よ」

晶『私たちが作られたところだな』

菫『はい……あれ以来、封印されていたはずなのですが』

紬「いつのまにか掘り起こされて、デスデビルのメンバーが出入りしているのが目撃されているの」

和「デスデビルもレンズのついている楽器を持っているから、何か企んでいるのかもしれないわね」

唯「なんだろう……改造とか?」

澪「ありえるな……」

菖『じゃ、パワーアップされる前にやっつけなきゃ、ってことだね?』

紬「ええ。今からそこへ乗り込んで、一気に研究所跡を制圧するの」

和「デスデビルのメンバーと戦闘になるかも知れないから、気を引き締めて」

唯澪律「「了解!!」」


ノイシュタット 港

唯「あ、あの時乗ったお船だ!」

紬「カルバレイスまではうちの船で直接行くから、みんな乗って!」

律「すっご……豪華な船だな~!」

澪「これ、普通の客船だろ……? 敵に襲われたりしたら大丈夫なのか?」

紬「ふふ、いろいろ仕込んであるから大丈夫よ~」

律澪( (コトブキグループ恐るべし……) )



律「うっはー! 速え~!!」

澪「普通の船よりも風が気持ちいいな……」


紬「どうしたの、唯ちゃん?」

和「憂のこと……?」

唯「うん、あのときのこと、思い出しちゃって」

和「大丈夫よ。憂ならきっとどこかで元気にしてるって」

紬「ごめんなさい、あのときは私たちの力が及ばなくて……」

唯「ううん、ムギちゃんのせいじゃないよ! それに……」

唯(あずにゃんに、会えたしね!)

唯「あずにゃん、大丈夫かなぁ……」

紬「……あずにゃん?」

唯「あ、な、なんでもないよ!?」

晶(こりゃいつかうっかり言っちまうだろうな……)

……

乗組員「た、大変です、お嬢様!」

紬「何事?」

乗組員「武装船がこちらに近づいてきます! 船首に、レンズの埋め込まれたスティックを持った女を確認しました!」


紬「そんな……デスデビルが襲ってきたの!?」

乗組員「敵船は一隻だけです! こちらから攻撃を仕掛けますか?」

紬「そうね……一気に攻めて、デスデビルのメンバーを捕まえましょう! 砲撃しながら、船を横付けして!」

和「たった一隻で……なんか怪しいわね」

……

乗組員「砲撃開始! 敵船の横につけろー!!」

ドドーン ドーン

律「うわっ、マジで戦艦並じゃないか!?」

紬「みんな、倒れないようにつかまって!」

ドーン!

唯「うわわっ!」ドテッ

乗組員「横付け完了しました!」

和「よし、乗り込むわよ!」ダッ

律澪紬「「お~!!」」ダッ

唯「わ、ちょっと、待って~!」

晶『置いてかれるぞ! 走れ!』



?「はは、よく来たね?」

紬「レンズが埋め込まれたスティック……あなたがデスデビルの『ジェーン』ですね?」

ジェーン「そうさ。まとめて来てくれるとは好都合だね、レンズプレイヤー御一行さん。その楽器は全部いただくよ!」

澪「な……私たちの楽器を狙ってるのか!?」

ジェーン「ああ。驚いたよ、まさか私らの楽器の模造品が出回ってるなんてね。ま、それなりに高純度のレンズだろうから、足しに使わせてもらうさ」

晶『模造品だと……?』

律「まるでそっちがオリジナルみたいな言い方だな」

ジェーン「違うのかい? いつの時代のやつだか知らないけど、そんなんで私らに勝てると思ったら大間違いだね~」

律「こんのっ……」チャキッ

和「落ち着いて律! ……いきなり大将が出てくるなんて随分な自信ね」

ジェーン「まあね。ま、今ここであんたらを倒してもいいんだけど……お楽しみは後でね! じゃ」ダッ

律「ちょ、逃げんのかよ!? 待てーい!」ダッ

海賊「「うおおおっ!!」」ドドドド

律「うわっ!?」

紬「手下の相手はうちの乗組員に任せて! ジェーンだけを狙いましょう!」

律和澪唯「「了解!」」ダッ


―――

「敵将を狙え!」


律「よーし、敵大将目指して突撃だ~!」

紬「早くしないと援軍が来るかもしれないわ、急ぎましょう!」


―――

「敵将を狙え!」


律「よーし、敵大将目指s(ry


……

乗組員「お嬢様! 紬お嬢様!」タッタッタッ

紬「どうしたの?」

乗組員「別の武装船が多数、ノイシュタット方面へ向かっています! おそらく、狙いは我がグループの本拠地かと!」

紬「なんですって!?」

澪「この船は囮だったっていうのか……?」

紬「大変、すぐに戻らないと……」

乗組員「しかし、現在交戦中のため船を出せません……非常用の小型艇なら脱出可能ですが、乗れるのは二名までです!」

和「……なら、私が戻るわ。あと一人は……澪、お願いできる?」

澪「う、うん、わかった!」

律「気をつけろよ! こっちを片付けたらすぐ戻るからな!」

澪「ああ……律こそ、無茶するなよ」

唯「和ちゃん……ファイトだよ!」

和「ありがとう。唯もしっかりやるのよ? ……それじゃ、ムギ、こっちは頼むわね」

紬「うん、まかせて!」

律「まんまとやられたな……三人で大丈夫か?」

紬「最初から私たちを分断するつもりだったのかしら……」

唯「きっと大丈夫だよ! 早く敵をやっつけよう!」

律紬「「おー!」」


……

艦長の部屋

律「たのもー!!」バタン

ジェーン「へえ、早かったじゃない。少しはできそうだね?」

紬「……なぜ、私たちの楽器のことを知っているの?」

ジェーン「うちのメンバーがたまたま持ってる奴を見つけたのさ。そいつの楽器は今頃回収されてるだろうけどね」

紬「私たちの他に……?」

唯(うそ……まさか、あずにゃん!?)

ジェーン「調べてみたらこんなにゴロゴロと出てくるとはねぇ。残しておいても邪魔なだけだから、私たちの計画に使わせてもらうよ」

律「何企んでんのか知らないけど、こいつは渡せないぜ!」チャキッ

ジェーン「ふふ、本物と模造品の違い、見せてあげるよ!」



ジェーン「さあ、行くよ!」シャキシャキシャキン シャキシャキシャキン

律「ちょ! スティック何本持ってんだよ!?」

ジェーン「これくらい扱えなくてどうすんのさ、ドラマーさん? それ!」シャキン

律「うわ! ……そんなドラマーいるかよ! 虎牙破斬!」

ジェーン「遅いよ!」サッ

律「なにをー! 魔神剣!」ギュイイン

ジェーン「当たんないねぇ」サッ

唯「音符くらえ~、えーい!」ジャーン ヒュンヒュン

ジェーン「はは、何だいその攻撃は?」サッ

菖『速いね……全然攻撃が当たらないよ!』

紬「動きを止めなきゃ……浮きなさい、トラクタービーム!」

ジェーン「う、うわっ!?」フワフワ

律「……今だ、烈空斬!」グルグル

ジェーン「ぐっ!! ……邪魔だね、後ろの術師。くらいな、ブラッディクロス!」ジャキン

紬「いやああっ!?」ガクン

菫『お嬢さまー!? しっかり!』

律「ムギっ!」ダッ

ジェーン「背を向けてんじゃないよ……爪辰流撃!」ブン

律「ぐはっ! この……」

ジェーン「まだまだ! 刺突爪拳!!」ブン

律(やべ、防ぐので精一杯だ……!)

晶『唯! ぼーっとしてないで援護しろ!』

唯「あわわ、どうしよう……えーっと、えーっと……か~わ~せぇ~♪」

律「おっ?」サッ

ジェーン「な!? この、くらいな!」ブン

律「ほいさっと!」サッ

ジェーン「なぜだ! この、この!!」ブンブン

紬「……今なら……ファイアーボール!」ボウッ

ジェーン「ぐあっ!?」ドテッ

律「よっしゃ、今だ!」

律「負けられないぜ!」



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律「殺劇っ!」

菖『舞荒剣~!!』

律「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃぁぁ!」ザクザクザクザク

律菖「『おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!』」ゴォォォォォン ( 参考 ) 

ジェーン「きゃあああぁぁ!?」ドサッ


律唯紬「「やったぁ~!」」

レベルアップ
唯 Level 15 ねむれララバイを習得
律 Level 18 爪竜連牙斬を習得
紬 Level 19



律「はあ、はあ……なんとか倒したな」

ジェーン「」キュー

紬「スティックを回収してすぐにノイシュタットに戻りましょう」

律「おっけー! これだな、レンズがついてるスティック……よっと」ヒョイ

レンズスティック『フフフ……次は貴様だ!』ゴォォォォ

律「え? ……う、うああああああああ! 頭が!?」

紬「りっちゃん、どうしたの!?」

晶『まずい、あのスティックだ! 操られるぞ!』

菖『こんの、りっちゃんから出て行けええぇぇぇぇ!!』ボ゙ウッ

レンズスティック『無駄だ、我が支配からは逃れられん』

紬「りっちゃん、スティックを離し――」

律「チカヅクナアァァァ!!」ブン

紬「きゃあっ!?」

唯「うそ、もう操られちゃってるよ!?」

晶『おい、メイド! 私らにこんな機能あったのかよ!? どうしたら止められる!?』

菫『す、すみません、わかりませんー!』アセアセ

律「ワタシハ……チジョウノグミンドモヲ――」ユラリ ユラリ

唯「……こうなったら! ねぇ~むれぇ~」ポワンポワン

律「マッサツ……スル……」ドサッ zzz

レンズスティック『ちっ、なんだと!?』

唯「ほっ……」

菫『お嬢さま……これは今すぐ破壊したほうが……』

紬「……そうね、仕方ないわ。アイスニードル!」ヒュンヒュン

レンズスティック『くっ、無念――』パキン

晶『……唯、ナイスフォローだったな』

唯「えへへ……ありがとギー太!」


律「……あれ?」

菖『りっちゃん大丈夫!?』

律「ああ……はは、迷惑かけちゃったな、ゴメン」

紬「ううん、しょうがないわ。さあ、早く澪ちゃんたちの応援に行かなきゃ!」

律「そうだな。よーし、ノイシュタットに戻るぞー!!」

紬唯「「おー!!」」


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最終更新:2011年09月25日 23:05