キャサリン「ぜえ、ぜえ……さあ、あとはてめえだけだ……」

唯「ど、どうしよう……えーい!!」ジャーン ヒュンヒュン

キャサリン「ああん? それでもギタリストか……ヘルスライサー!!」シャキン

唯「きゃっ!? うう……」

晶『唯!? しっかりしろ!』

唯「負けないよ……それ!」ジャーン ヒュンヒュン

キャサリン「ぐっ……効かねえ、効かねえんだよぉぉ!!」ゴチゴチ

晶『ダメだ……唯、もっと鋭い音を出せ! 相手を切り刻むんだ!』

唯「鋭く……鋭く……」

キャサリン「遊びは終わりだ……死ね、デモンズ――」

唯「鋭く……よ~し、いくよ……晶ちゃん!!」

晶『唯……ああ!』

唯「これで終わりだ~!」



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                 i.: : :人: i|: : : : : : : :ヽ 〃lir'::i}      x=ミ |:.:.:|.: ::.|:| i::|  .....................................................
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唯「これは……未来へ託すえいごうの演奏だよ!」

晶『……意味分かって言ってんのか?』

唯「――ざん! ――くう!」

晶『……ふふっ。やってやろうぜ、唯!』

唯晶「『てんしょうけーーーーーん!!!』」 ( 参考

キャサリン「グギャアァァァァァァァァァァ!!!」ドサッ


唯「勝っ……たぁ……」

晶『唯……頑張ったな』



律「くう、いてて……やったのか、唯……?」

唯「うん。倒したよ……」

梓「すごいです、唯先輩……ううっ」

唯「あずにゃん! 無理しないで……」

キャサリン「……」ムクリ

澪「う、うそだろ……まだ立ち上がるっていうのか!?」

キャサリン「……あれ? ここ、どこなの?」

紬「! 洗脳が解けているわ!」

レンズギター『ここまでか……』

律「唯……やれ!」

唯「うん……えーい!」ジャーン シャキン

レンズギター『貴様らが千年にわたり行ってきたこと……必ずや天罰が――』パキン

唯「これで……全部終わったんだね」


……


さわ子「私はさわ子よ。ごめんなさい……まさかこんな大事になってたなんて」

律「いえいえ、いいですって! 操られてただけだしな~」

澪「どこであのギターを手に入れたんですか?」

さわ子「ちょっと新曲のインスピレーションを得るためにカルバレイスのトラッシュマウンテンに向かったんだけど……」

梓「なんでそんなところに……」

さわ子「そこであのギターと、他の楽器も一緒に見つけたのよ。神の眼の騒乱で地形が変わって出土したのかしら」

さわ子「それ以来記憶があいまいね……確か楽器を持って帰って他のメンバーに渡して……それでみんな操られちゃったってとこかしら。そういえば、彼女たちは?」

紬「みなさんもう洗脳は解けて、ノイシュタットで待っていますよ」

さわ子「そう。それじゃあ、ノイシュタットに向かわせてもらうわね」

唯「……バンド、頑張ってください!!」

さわ子「ふふ、ありがとう。あなたたちも、がんばってね? いつかどこかでまた会えるのを楽しみにしてるわ」サッ

律「さ~て、私たちも帰るか~」

澪「いや、待って。帰ったら……」

紬「……きっと、楽器を差し出すように要求されるわ。キャサリンを倒したら、もう私たちの楽器を残しておく必要がなくなるもの」

梓「じゃあ、今のうちに逃げましょう! まだ、政府も動いていないはずです!」


和「……待ちなさい」



唯「……和ちゃん」

和「ごめんなさい……今しがた命令が出たの。神の眼の破片、及びあなたたちの楽器は政府が回収するわ」

和「おとなしく楽器を渡せば、あなたたちは自由よ。もし抵抗するなら……」

兵士「「……」」ゾロゾロ

澪「そんな、いつの間に兵士が……!」

梓「モンスターの討伐をしてたんじゃなかったんですか!?」

紬「まさか……この兵士たちは最初から私たちを捕らえるために?」

和「ええ、そうみたいね。モンスターの数が思ったより少ないから、おかしいと思ったのよ」

律「まずいな……さっきの戦いで消耗してんのに、この数相手じゃ……」

唯「和ちゃん……和ちゃんは私たちの味方だよね?」

和「……」シャキン

澪「和……やめてくれ!」

梓「剣士なんでしょう!? 兵士たちを引かせるように命令できないんですか!?」

紬「ダメよ……剣士にそこまでの権限はないわ」

律「ど、どうする……」

晶『……終わりだな』

菖『そうだね……』

幸『しょうがないよ。マスターを無事に返さなきゃ』

唯「……ギー太、何を言って――」


晶『もういいんだ、唯。ここでお別れだ』



菖『抵抗したらみんな捕まっちゃうよ! 今度こそ、重罪で処罰されちゃう』

幸『私たちのために、みんなが傷つくことなんてないよ』

澪「そんな……だからって!」

律「お前らを見捨てて、はいどうぞ、なんてできるかよっ!!」

菫『でも……先程のキャサリンも、神の眼もそうですが、やはりレンズは危険なものなんです! 私たちは、生きていてはいけないんです!!』

紬「それは本当にあなたの意見なの、菫ちゃん?」

菫『……すみません。本当は、紬お嬢さまにご無事でいてほしいだけです。どうか、あきらめてください……!』

紬「菫ちゃん……」

梓「いやだよ……むったんとお別れなんて、いやだよ!!」ポロポロ

奥田『そんなに泣かないでください……いいんです。私たちはマスターのことが第一ですから』

唯「……ギー太……」

晶『唯、しょうがないさ。私たちは永く生きすぎた』

唯「……」スタスタ

律「唯、何を……」

澪「和に……ギターを渡す気か!?」


和「……」

唯「和ちゃん……信じてるよ?」

和「……ええ」

唯「ギー太は……絶対に渡しません!!」チャキッ



晶『なっ!?』

梓「唯先輩……私も、渡しません! 戦ってみせます!」チャキッ

律「へへ、やっぱこうじゃなくっちゃな……私も戦うぜ!」チャキッ

澪「無謀かもしれないけど……見捨てるなんてできないからな」チャキッ

紬「覚悟してね、和ちゃん? 私、みんなと一緒の道を進むわ!」チャキッ

菖『みんな……』


和「ふふ……それがみんなの答えね? それを聞いて安心したわ」クルッ

兵士「……剣士殿?」

和「私は、たった今をもって、剣士の職を辞任します!」

兵士「な、なんだと!?」

唯「和ちゃん……えへへ」

兵士「剣士殿! 自分が何を言っているのかわかっているのですか!? 任務を途中で放棄など……!」

和「あら、もう私は単なる流浪の剣士よ。任務なんて知らないわね」シャキン

兵士「この……! いくら剣士殿といえど、この人数にはかなうまい……者ども、やれ!」

憂「――獅吼爆雷陣!」ズドォォン

純「スナイプエア!!」シャキン

兵士「「ぐはあっ!?」」ドサッ

唯「憂!!」

梓「純!?」

憂「お姉ちゃん、みなさんと一緒に、思いっきり旅を楽しんできてね? 寂しくなったら、追いかけちゃうかもしれないけど……」

唯「ありがとう、憂……憂は自慢の妹だよ~!」

純「……梓、言ってなかったけど、私ベース弾けるから」

梓「えっ、そうなの!?」

純「ま、レンズハンターに飽き飽きしたら、仲間に入れてもらうかもしれないけど? ……それまでにすんごいバンドになっときなよ!」

梓「純こそ、練習しておきなよ? ……ふふ、ありがとう」

和「さあ、みんな、逃げて! ここは私たちで時間を稼ぐわ!!」

唯「うん……ありがとう! みんな、行こう!」ダッ

律澪紬梓「「お~!!」」ダッ

菖『結局こうなっちゃったね~。まあ、いいか!』

幸『ふふ……みんなおもしろい人たちだね』

菫『私、600年間生き続けて……紬お嬢さまに出会えて、よかったです』

奥田『これからはやっと、平和に音楽ができますね……それはそれで、ちょっと苦手分野ですが』

晶『まったくバカなやつらだな。まあ、それが……楽しい、というか……』


唯「――私たちの旅は、これからだよ!!」


おわり



最終更新:2011年09月25日 23:14