ルンたん「るんたーん!」バッ

澪「…確かに、ルンたんは体が小さいです。でも、だからって自分より大きな相手には素早さで対抗するとは限らない」

澪「ポケモンの数だけの戦い方があるんです。例えばポワルンは、『小さい体を守るために大自然の大きなパワーを使えるようになった』…!」

ピカアッ!

カビゴン「…カビ?」

リラ「なんだ…? いきなり暑く……いや、これは!」

ルンたん「るんた~ん!」ピカアッ!

リラ「“にほんばれ”か!」

澪「“ウェザーボール”!」

ドギュウンッ!

カビゴン「カビー!?」ボワアアッ

リラ「く…! てんきポケモン、ポワルン。特性は天気によって姿を変える“てんきや”! “ウェザーボール”も天気によって、タイプや威力が変わってくる技!」

澪「今度は“あまごい”だ!」

ルンたん「るんー!」ザアアアッ

カビゴン「カビ!?」

澪「“ウェザーボール”!!」

バシャアアアアッ!

カビゴン「カビ…!?」

リラ「水技に…!」

カキカキイッ…!

カビゴン「! カ、カビッ!?」ビクッ

リラ「怯むな、カビゴン! ただの“あられ”だ………“あられ”!?」

ルンたん「るんた~ん!」ドギュウンッ

カキイイッ!!!!!

カビゴン「カ、…ビィ……!?」

リラ「…! 氷の“ウェザーボール”!!」

シュウウッ…!

ルンたん「るんたん!」

カビゴン「…カビっ」

リラ「…おかしい。いくら天気を操る能力を持っているといっても、ここまで自在に操れるとは……」

澪「はい。よくは分からないけど、この子が天気研究所のポワルンだからかもしれません」

リラ「天気研究所…! なるほど、それなら合点がいくな。むしろ、まだ隠された能力を持っていても不思議ではない」

澪「…その通り、まだありますよ。ルンたん!」

ルンたん「る~ん!」カッ!

ピカアッ! ザアアアッ! カキカキン!

リラ「晴れ、雨、霰……まさか!」

澪「はい! 私のルンたんは三つの天気を同時に操ることが出来るんです!!」

リラ「…!!」

澪「今一斉に放つ! 晴れ・雨・霰……炎・水・氷!!」

澪「三位一体の“ウェザーボール”!!!」

ルンたん「るんたーん!!!」ドギュンッ!

ボワアシュウウゴアアアッ!!!!!!!!!

カビゴン「カビ…!」

ゴアアアアーッ!!!!!!!!!!!

ドオオオン!!!!

…ドシャッ!

カビゴン「」ボテ…

マサキ『カビゴン戦闘不能ー!!』

律「なんて威力だ…!」

梓「さすが澪先輩です!」

リラ「なるほど…。天気を操る力……元々備わっている能力、つまり『才能』というわけか」

ルンたん「るんたん♪」

リラ「本当に強くなったものだな、澪。師として嬉しいよ」

澪「はい、私も師匠と戦うことができて嬉しいです!」

リラ「ふふ、でもどうかな? 澪のポワルンの才能も素晴らしいものだが…」

ボム!

ライコウ「ギャオオッ!」ドンッ

澪「!?」

リラ「いかずちポケモン・ライコウ…こいつの『才能』も伊達じゃない」

ミナキ「ライコウ…! まさか、リラも伝説のポケモンを持っていたとは!!」

律「も、ってなんだ。お前はちげーから」

唯「エンテイちゃん元気かなぁ~」

リラ「安心しろ、澪。ミナキとは違って、このライコウは本物さ」

ライコウ「ギャオオッ!」

澪「…ライコウ……!」

リラ「ふふ。ポワルンが天気を操る才能を持つなら、ライコウはそうだな……天気を掌握する才能を持つ!!」

モクモク……

ルンたん「るん…?」ピクッ

澪「! 雲…? ルンたんに“あまごい”を指示していないのに……」

リラ「これはライコウによって作り出された雨雲だよ」

澪「ライコウによって…!?」

リラ「雷とともに落ちてきたというライコウ。その背中の毛は雨雲! つまりライコウは雨雲を背負っているんだ」

澪「もしかして…?」

リラ「そう! ライコウは自身の雨雲を使い、どんな時でも雷を出すことができる。…ライコウ、“かみなり”!!」

ライコウ「ギャオオッ!!!」

ピシャアアアアンッ!!!!

ルンたん「るんたーん!?」

リラ「タワータイクーン、このリラが司るは『才能(アビリティー)』! そのバトルスタイルは、ポケモンの才能を余すことなく発揮させるというものだ!!」

ゴロゴロ……

澪「くっ…、ルンたん、“にほんばれ”で……」

ルンたん「るんた…」

リラ「無駄だ。ライコウの雨雲がある限り、天気は変えられない」

リラ「しかしそれ以前に、ポワルンに技を出す体力が残っているかな?」

ルンたん「」ガクリッ

マサキ『ポワルン戦闘不能や!!』

澪「ルンたん…!」

リラ「ふふ」

ライコウ「ギャオオッ!」

律「…なんてパワーなんだ、ライコウ!」

梓「はい…。“かみなり”もそうですけど、てんきポケモン・ポワルンを圧倒する…天気を掌握する力も桁違いです!」

リラ「…なんてことはないさ」

リラ「強者はそもそも強いから強者なのだ。人はそれを、『才能』と呼ぶ」

紬「才能…!」

リラ「フッ、本当の強さに理由などない……前にも教えたね? 澪」

澪「……」

カチャ…

澪「戻って、ルンたん」シュウウッ

澪(あと出せるのは一匹…。エントリーしたポケモンの中だから、カゲぴょん、くらくら…の二匹か)

澪(相性的にはどちらも不利だけど……ライコウは前に一緒に戦ったことがあるから、強さは知ってる。多分…カゲぴょんでも勝てない………)

リラ「ふふ、どうした、澪。どんなポケモンでもライコウには勝てないよ」

澪(……いや、待てよ。くらくらは元々はミナキさんのポケモンだ。律はああいうけど…ミナキさんは相当の実力者だ。ううん、律も実はそれを分かってる)

澪(私はくらくらの才能をまだ知らない。でも、私はくらくらを信じる! くらくらの才能を…!)

澪「行ってくれ、くらくら!」ボム!

くらくら「ドク~ッ!」

律梓紬和「…!!」

梓「ドククラゲ!?」

さわ子「ライコウに水タイプのドククラゲなんて…」

律「澪らしくないな……ってか、さわちゃんいつの間に?」

さわ子「自分の試合終わってからずっといたわよ!」

マサキ『ピカチュウとか相手ならまだ分かるけど…ライコウ相手やで……?』

和「司会のマサキさんまで…」

唯「大丈夫だよ、澪ちゃんなら! 何か策があるんだよ、きっと!」

純「そうですよ!」

律「こ、この二人は…っ!」

ミナキ「これは………フフ。ハハハハハハハハッ!!!」

律「ど、どうしたんだミナキ。ついに頭おかしくなったか?」

ミナキ「いやあ……つい、ね」

律「は?」

ミナキ「フフ、勝つかもよ…彼女」

くらくら「ドクーッ!」

澪「……」

リラ「…どうしたんだい、澪? 冗談だとしても笑えないな。間違えたのなら、今からでもポケモンを替えるのを許そう」

マサキ『んな勝手に…!』

リラ「……」

澪「…替えません! 私はくらくらでライコウに勝ちます!!」

リラ「…分かった。澪の気持ちも決意もドククラゲへの信頼も……だがッ!」

リラ「それでも越えられない壁があるということを教えてあげるよ! ライコウ、“かみなり”!!」

ライコウ「ギャオオッ!!」

ピシャアアアアンッ!!!!!!

澪「…ッ!」

律「どういうことだよ、ミナキ」

ミナキ「ん?」

律「澪が勝つ、って」

ミナキ「フフ、実はね、あのドククラゲは私のポケモンなんだ」

梓「ミナキさんの?」

ミナキ「ああ。それで、澪に譲る前は、スイクン捕獲のために育てていたんだよ」

梓「ドククラゲを対スイクン用に…?」

ミナキ「細かいことを言うとそうではない。スイクンはエンテイとライコウとよく一緒にいるみたいだからね、エンテイとライコウと戦うことになるかもしれないから、エンテイ・ライコウ相手に必要なポケモンがドククラゲなのさ」

律「エンテイはまだ分かるけどさ、ドククラゲがライコウを相手どれるのか?」

梓「というより、地面タイプを用意すればいいんじゃ…」

ミナキ「いやいや。スイクン達の逃げ足から考えたら、なるべく少数でいった方がいい。数が多いとスイクン達が逃げる隙も多くなってしまうからね。それにドククラゲは素早さも高い」

律「それで、ライコウにはどうする気だったんだ?」

ミナキ「ドククラゲの体にコーティングをしたんだ。“やわらかいすな”を主成分にした特製のスプレーでね」

律梓「…!」

ピシャアアアアンッ!!!!!!

くらくら「ドクーッ!!」ドンッ

ライコウ「…!?」

リラ「馬鹿な……効いていない!?」

澪「くらくら…っ!」

ミナキ「…つまり、だ。あのドククラゲに電気技は通用しない」

リラ「…“でんじほう”だ! ライコウ!!」

ライコウ「ギャオオッ!!」ビリリッ…

バチイイイイイッ!!!!!!!

くらくら「……」

キイイン…!

くらくら「ドクーッ!!」

リラ「! そんな…!」

澪「…いきますよ、師匠」

リラ「!」

澪「“どくづき”だーっ!!」

くらくら「ドクーッ!!!」ブンッ!

ライコウ「……ッ!!?」ゴシャッ…

ドガアンッ!!!!

ライコウ「ギャオゥ……、」ガクッ

マサキ『ラ、ライコウ戦闘不能! よって勝者、秋山澪!!』

唯「やった~、澪ちゃん!」

澪「…やった!」

リラ「…ライコウ、よくやってくれた」パシュッ

リラ「そうか…。そのドククラゲはミナキのポケモンだったのか」

ミナキ「フフ、師弟の両方が私のポケモンを持っているとはね」

リラ「ミナキ…」

澪「ミナキさんのドククラゲ、強かったです。これが、くらくらの才能なんだね…」

くらくら「ドクー」

ミナキ「いいや、才能ではない。ドククラゲはね、このコーティングのため、“やわらかいすな”を入手しようと山に篭って地面タイプを相手にしていた……言わば『努力』の結晶だよ、この能力は」

リラ「ふっ、『努力』か……。弟子というものは師を越えるものであるが…まさか主義においても、このリラを越すとはな」

リラ「この二年間で、立派になったね」

澪「リラ師匠……」

リラ「ここまできたら優勝するんだぞ、澪」

澪「はいっっ!!」

律「…へへ、そうはいくかよ!」

澪「! 律…」

紬「優勝を目指しているのは澪ちゃんだけじゃないわ!」

和「ええ」

唯「和ちゃん、優勝するのは私だよ!」

梓「唯先輩には難しいんじゃ?」

唯「あずにゃんひどいっ!」ガーン

紬「ふふ♪」

律「なんにしても、まずはおめでとうな、澪!」

澪「うん!」

和「おめでとう、澪」

梓「おめでとうございます!」

紬「おめでとう♪」

澪「ありがとうな、みんな」

唯「? あずにゃん、あずにゃん。純ちゃんは?」

梓「…あれ? そういえば……」

紬「どこ行ったのかしら?」

澪「そこになにかあるけど…」

唯「はっ…! あれは、“ピッピにんぎょう”!! どうしてここに!?」

和「さあ?」

唯「これ欲しかったの~! おー、よしよしよし…」

さわ子「本当にどこへ行ったのかしらね、純ちゃん」

律「だから、さわちゃんいつの間にっ」

さわ子「最初からいたわよっ!!」


……………


キョウ「ファファファ、『変わり身の術』という所か…」

純「へっへーん、ちょっとは忍者っぽくなったでしょ? アンズさんに最近教わったんですよ!」

キョウ「アンズか…」

純「これで忍者のタ・マ・ゴ、なんて言わせませんよ!」

キョウ「ファファファ、どうだろうな?」

純「え~! まだ~!?」

キョウ「お誂え向きに今度は私達の試合だ。そこで忍の極意を見せよう」

キョウ「もし私に勝てたら、お前を忍者と認めよう」

純「やったー! 本当ですか!?」

キョウ「忍に二言はないさ」

純「わーい! それじゃあ、競技場で待ってます!」ドロロン!

キョウ「……」

…シュタッ!

アンズ「父上、いいのでござるか? あんな約束をして」

キョウ「構わんよ。私は勝つ」

アンズ「しかし…純殿は腕を上げているでござる。たとえ父上でも…」

キョウ「ファファファ、お前が純のことをそんなふうに言うなど珍しいな」

アンズ「……」

キョウ「まあ、見ていろ。純に、忍者とはどういうものか…今一度教えてやろう」


………


マサキ『では第六試合や! 第六試合ではGブロックの一位を決定する。純はんとキョウはんは準備してーな』

ドロロン!

純「ほっ!」スタッ

梓「純、どこ行ってたの?」

純「ふふん、ちょっとねー」

紬「頑張ってね、純ちゃん」

純「はい!」タタッ

キョウ「…ファファファ」スタッ

マサキ『準備はええな? バトル開始や!』

純「エヌターク!」ボム!

エヌターク「ストライー!」

キョウ「ベトベトン!」ボム!

ベトベトン「ベートベトーン!」

アンズ「…」シュタッ

アンズ(ベトベトン……。父上、あれをやるつもりでござるか)

純「先手必勝! エヌターク、“きりさく”!」

エヌターク「ストライーッ!」シャキッ

ベトベトン「!」

ザキイイイイッ!!!!!

純「これは効くでしょ!」

キョウ「ファファファ、どうかな?」

ベトベトン「ベートベトーン!」ドロオ…

エヌターク「ッ!?」グニッ……

純「な…!」

キョウ「ベトベトンのボディの弾力は物理攻撃を受け付けないぞ!」

キョウ「ベトベトン、のしかかってやれ!」

ベトベトン「ベートベトーン!!」バッ!

純「エ、エヌターク、“こうそくいどう”!」

エヌターク「ストライ…!」シュバッ!

ベトベトン「…!」スカッ

エヌターク「ストライ…」

純「か、間一髪……」


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最終更新:2011年09月27日 00:49