……
ザワザワ
唯「おはよりっちゃん、ムギちゃん」
律「お」
紬「おはよう」
唯「よっこらせ。なんだかみんなざわざわしてるね」
律「それがさぁ、近所のおもちゃ屋にポケアズが大量入荷するんだって!」
唯「えっ、ほんと!?」
紬「それでみんなで放課後買いに並ぼうねって話しをしてたの」
唯「へぇー、わぁこれでやっとポケアズ仲間がたくさん」
梓『よかったですね』
唯「うん! やったね。あずにゃんも仲間が増えるよ!」
律「何話しかけてんだ子供か」
唯「いやいやーでもコレほんとに話しかけたくなっちゃうよ。りっちゃんも今日買えばわかると思う」
律「澪と和も誘おうぜ」
紬「きっと違うクラスでもこの話題でもちきりなはずよ」
律「ちなみに何種類か色があるんだって!」
唯「私のは……黒?」
律「っぽいよな」
紬「わたしピンクがいい~」
律「自分が買う番まで気に入る色が残ってればいいけどな」
唯「みんな買えたらいいね。きっと人いっぱいなんだろうなー」
律「唯は一緒にくる?」
唯「うんいくいく。2つ目はさすがに必要ないけど」
唯「みんなどんな色買うか気になるし」
律「じゃあ今日は練習は中止で、急遽ポケアズ購入戦争ってことで!」
紬「お~!」
唯「澪ちゃんは反対しないかな? しないよね! 欲しがってたもんね!」
梓『……ふぁぁあー』
……
放課後
おもちゃ屋前
澪「うわ……人でいっぱい」
律「長蛇の列ってやつだな」
紬「すごい! こんなに人気あるのね!」
唯「みて! 限定100個って書いてるよ!」
澪「ほんとだ! 大丈夫かな……いちにーさんしー、うう数えきれないほど並んでる」
律「ギリギリくらいじゃねーかな。一人一個までだから大丈夫」
和「お金たりるかしら?」
唯「2,980円。結構するよね」
澪「唯も同じ値段で買ったのか?」
唯「んーもうちょい安かったような。けどその後いっぱい課金しちゃったから安く買えた意味ないや」
律「ちくしょー、運のいいやつが羨ましい」
店員「一列に並んでください。ご購入いただけなかったお客様には次回入荷分の予約整理券をお渡しします」
店員「数には限りがございます。一列に並んでお待ちください」
澪「……どきどきする」
律「黄色残ってますように……」
紬「一人一個じゃなかったら家の者たちに買って帰ったのに」
律「……執事がポケアズすんのかよ」
紬「きっと喜ぶはず」
和「私もできれば弟たちに買ってあげたかったわ」
唯「えー? 女の子以外するかなぁコレ」
和「? するでしょ? だれがやっても当たり障りの無いゲームだし」
唯「あずにゃんはどんな人にやってほしい?」ツンツン
梓『にゃにゃっ! 触るときは一言声かけてください』
唯「うふふ、その反応がみたくていじわるしてるんだよ!」
律「持ってる唯からしたら高みの見物だな……」
澪「まわりの人の目が怖い……」
紬「もうすぐよ……」
澪「私たちまであと5人……4人……」
和「やっと手に入るのね……せっかくだから弟に自慢しちゃおうかしら」
律「そりゃ嫌味なこって」
唯「みんなおめでとー」
店員「いらっしゃいませ。どの色にしますか?」
律「あたし黄色!」
澪「青!」
紬「ピンクください」
和「私は白にしようかしら」
店員「そちらのお客様は?」
唯「あ、私もうもってるんです~、えへへ」
店員「そうですか……あれ?」
唯「?」
店員「お客様のそちらは……」
唯「な、なんですか?」
店員「大変申し上げにくいのですが、類似商品かと思われます」
唯「え゛っ」
律「は?」
澪「それって……唯のは偽物ってこと?」
唯「嘘……」
店員「ちなみに純正の商品ですと」
.. ∧__∧ ←耳がシャープ
/. |||| \ ←LR表記無し
┃┏──┓┃
┃│ l .┃
=│ l .= ←ヒゲは片側二本ずつ
┃┗──┛┃
┃┼ o o┃
. \___/
↑
尻尾はなく、アクセサリーが装着可能になっている
店員「とこのようになっております」
店員「また大変大きな違いといたしまして」
店員「ポケットアズニャンはアズニャンという子猫を育成するゲームでございます」
和「後輩の女の子じゃないの?」
店員「決してそんなことはありません」
店員「たくさんある類似商品の中には、大変悪質なものもございますのでご注意ください」
律「……あちゃー、唯やっちまったな」
紬「唯ちゃん……元気だそ。ほら、本物が目の前にあるんだし」
澪「そうだよ。私たちと一緒に最初からすればいいじゃないか」
和「お金ないならみんなで建て替えるわ」
律「おう、唯は赤色買おうぜ! これでみんなバラバラの色だな」
唯「やだ……」
律「え」
唯「やだぁ!! 私にとってあずにゃんはこれだけだもん!!」
唯「この子がほんとのあずにゃんなんだもん!!」
律「あの、だからさ……ホントの本物をゲットしてだな」
唯「馬鹿!! りっちゃんの馬鹿!!」
律「なっ」
唯「しらないもんしらないもん!!」
唯「うぅ……」
梓『唯先輩? どうしたんですか?』
唯「あずにゃん……」ギュ
澪「唯、早く買わないと売り切れちゃうけど……」
唯「うぅぅ……うー!!」ダッ
律「あ、逃げた」
紬「唯ちゃん……」
和「きっと悔しかったのよ。なんか泣いてたし」
律「はぁー、変な意地はらずに一緒にやればいいのに」
澪「ゲームなんだしな?」
和「いいわ。唯の分の次回整理券私がもらっておくから。みんな先に帰りなさい」
律「そう? 悪いな」
和「いいのよ。あの子絶対後で欲しがるの見えてるから。弟たちの分のついでにね」
澪「ありがと和。よし、帰ってさっそく遊ぼ」
紬「うふふ。これってみんなと通信とかできるのね」
律「おう、そうみたいだな。部屋を行き来したりできるって書いてある」
澪「楽しみ♪」
律「澪ずっと欲しがってたもんなー」
澪「唯のは唯ので可愛かったけど、こっちもやっぱ可愛いな」
律「あいつには気の毒だけど、まぁ一人だけ先に手に入るなんてうまい話ないよな」
紬「唯ちゃんどこで買ったんだろう……」
律「さぁ……」
……
梓『どうしたんですか』
唯「あずにゃん……」
梓『元気だして』
唯「あずにゃん……違ったんだね」
梓『?』
唯「ほんとのポケットアズニャンって子猫のゲームだったんだ」
梓『??』
唯「ううん、いいの。私はあずにゃんが大好きだからこれでいい」
梓『なんだか照れちゃいますね』
唯「……いいんだぁ」
唯「それにおばあちゃんと憂とも約束したもん。大切にするって」
梓『ありがとうございます!』
唯「あずにゃん。ずっと一緒だよ」
唯「みんなが違うポケアズやってても、あずにゃんがいたらそれでいい」
唯「寂しくないよ……ほんとだよ……?」
梓『唯先輩?』
唯「うっ、う……」
梓『……強がりばっかり。人一倍さみしんぼな癖に』
唯「ひぐ……うぇぇん……」
梓『私なんでもしってるんですから!』
唯「う……ぇ……?」
梓『唯先輩がひとりでポケアズやりながら、寂しがってたこと。みんなで出来る日を楽しみにしてたんですよね』
唯「あずにゃ……?」
梓『でもいじっぱりだから。きっと私がいたら、唯先輩は……ずっとこのまま』
唯「えっ、え?」
梓『こんな私でも、大好きって言ってくれて、嬉しかったです』
唯「あずにゃん?」
梓『唯先輩。大好きです』
ピロリロリロリロリロ……♪
唯「な、なに!?」
『友好度が最大値に達しました。携帯電話と赤外線通信してください』
唯「……?」
ダウンロードコンテンツ
・服
・おやつ
・おもちゃ
・壁紙
・スペシャル
唯「あ、一番下の……ずっとハテナだったやつだ……わぁスペシャルだって!」
唯「そうだ、これあずにゃんにプレゼントしよう! きっと超超喜ぶよ! えへへ」
ピ…ピ……
ダウンロードが完了しました。
唯「えへ。何かな何かな」
赤外線通信で本体にデータを送信してください。
唯「ほいほいっと」
唯「うふふ、あずにゃんと友好度マックス!」
唯「ここまで頑張った甲斐があったなぁ。ご褒美だよーあずにゃん♪」
送信完了。ありがとうございました。
唯「ん、どれどれ……あれ」ピコピコ
唯「あれ!?」
唯「画面つかない……? え」
唯「違う……あずにゃんが……いない……」
唯「あずにゃんいなくなっちゃった……」
唯「ねぇあずにゃんどこ!」シャカシャカ
唯「隠れてないででてきてよ!」シャカシャカ
唯「どこなの!」ツンツン
唯「会いたいよ! あずにゃんのためにすっごいのダウンロードしたんだよ!」
唯「スペシャルだよ!! きっとおっきいケーキだよ。特大のたい焼きだよ!!」
唯「あげるから……お願い……」
唯「なんでも買ってあげるから……」
唯「でてきて……あずにゃん……」
唯「お願いだから……私に、話しかけてよ……」
唯「やだよぅ……」シャカシャカ
『いままでありがとうございました。これをもちましてポケットあずにゃんは終了となります』
ピーー――― プツリ
唯「やだぁぁあああ!!」
唯「あ……あ……」
唯「なんで……」
最終更新:2011年09月29日 20:50